このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





和寒の物語隠し小部屋





灰神楽姫伝   平成17(2005)年作

わが愛しき魔法使い   平成 4(1992)年作・平成17(2005)年修正





 この「隠し小部屋」に辿り着いた方、よくぞお出でくださいました。 「以久科鉄道志学館」 にて執筆活動を展開している和寒ですが、鉄道から交通に話題を広げてもなお、正直なところ、書くべきことはかなり書き尽くしてきたと感じ始めております。少なくとも、鉄道史に関する文章を著そうと決意した当初時点における目的意識は相当程度達成されており、このままでは記事の数は増えていく一方、内容や質の更なる発展を期しがたいように思われてなりません。

 そこで、幼少時よりのもう一つの素志「物語を編む」ことに挑み始めたいと考えました。いうまでもなく、社会を交通や鉄道という単純化した断面でとらえるよりも、社会や人間や人生という普遍的な題材を扱う方が、より難しい課題であるわけです。私にその実力があるのか。抱負と自信こそあっても、いささか怯むところがあることも確かです。良くも悪くも文章には筆者の全てが凝縮されてしまいます。今まで書き上げた物語は二編。読み返してみると、自分の浅はかさがよく出ており、悲しいばかりか恥ずかしさも伴います。

 しかし、それに怖じ気づいていては先に進めません。幸か不幸か、私が作家として自立することは、今後十年単位で見通しが立たない状況にあります。仮に自立する時がくるとすれば、老境でのデビューとなるのでしょう。

 そして、物語には鮮度があります。私の編む物語は、登場人物やエピソードの面白さで読ませるよう工夫を凝らしているために、時間空間を超える普遍性があるとは残念ながらいえない。いつまでも手許に置く限り、まさに死蔵となるわけで、鮮度がどんどん落ちてしまう。

 ただし、一度公開してしまえば、文学賞の受賞資格がなくなるおそれがあるため今まで逡巡していました。しかし、「志学館」での活動がはや六年になろうというのに、紙媒体からの誘いが未だないということは、やはり自分の実力不足によるものと認めざるをえません。

 以上を総合して、公開に踏み切ることにしました。物語の鮮度があるうちに読者諸賢の目に触れることが出来れば、物語も幸せというものでしょう。また、広く公開することで批判を仰ぎ、かつ自分自身で省みることで、物語の質をさらに高めていきたいという思いもあります。

 いうまでもなく、作家として自立するという夢と野心は未だ捨てていないので、物語の著作権は和寒に属すると明記しておきます。リンクによる紹介は歓迎いたしますが、本文の盗用・改作等、物語の著作権を損ねる行為については厳にお断りいたします。



   平成18(2006)年 2月11日記す





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