このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

グルノーブルへの旅〜〜人へのやさしさを究める

 

■奇景

 いよいよLRTに乗ってみる。乗り心地には、多少の失望を感じないでもない。しかしこれは、事前の期待が過剰であったからにほかならない。些細な揺れや音まで気になってしまう客に論評されては、LRTにとっても迷惑に違いない。勿論、先入観なしで乗れば、充分に満足を感じられる水準である。

 中心街で一旦下車し、支線系統に乗り換える。川のある風景を見たかったからだ。橋の上には電停があり、その背景には岩殿山(山梨県大月市)のごとき、巨大な一枚岩の山が見える。規模からすれば、おそらくこちらの方が大きいであろう。川の水面を入れた写真よりもこちらの方が佳かったので、採りあげてみる。

 

 

■超低床車両

 折り返しのLRTに乗り、グルノーブル駅を通り過ぎ、終点でじっくり車両を観察する。造作は実にスマート、とはいえ完全低床ではない。

 

 

■車内

  

 両端の台車は一般の路面電車とそう変わらない。それでも、中間車を含め扉間を低床にしたつくりはうまい。中間車は2両あり、付随台車が各1軸設けられ、その収納ボックスをロングシートとして供している。

 乗車にあたっての注意表示は、彼我の生活習慣の違いを反映している。自転車持ちこみ可、ペット同伴可、でもローラースケートでの乗車はダメ、というあたりは実に面白い。常識的といえば常識的な判断といえるが、ローラースケートは未だ「交通機関」としては認知されていないのであろう。

 

■超低床withステップ

 

 グルノーブルのLRTの最も優れた点は、このステップである。超低床であるゆえ乗降が容易であることはいうまでもない。それに加え、4箇所の扉のうち、中より2箇所では写真のような補助ステップが出る。そのため、段差ばかりか空隙も全くない。車椅子でもベビーカーでも、なんら支障なく乗降できる。

 なんと行き届いた配慮であろう。このLRTは、確かに人へのやさしさを究めている。

 

 

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