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ジオシティーズの終わりに臨んで
——己亥年頭所感——
■ジオシティーズの終わり
平成30(2018)年10月 1日、各ユーザーに来着したメールは、相応の衝撃をもたらしたはずである。まったく更新できなくなっていた私においてすら驚きが伴ったほどで、一つの時代の終わりを感じざるをえなかった。
この平成30年度中を以て、ジオシティーズ(以下「ジオ」)が運営を停止するという。
私がジオにて拙志学館を開設したのは平成12(2000)年のこと。以来、おおむね20年のつきあいになる。終わりは突然にやってきた。
とはいえ、近年の更新状況からして、もう続けられないという予感は既にあった。仮に継続できるとしても、自らが世を去る日がいつか必ずやってくる。その時、ジオに記事を残したままでよいのか、という思いを持ち始めてもいた。いまから「終活」とは気が早いかもしれないが、そういうことを意識せざるをえない歳回りでもある。
ジオの強制終了。思い切りが良く、かえってすがすがしいかもしれない。以下、20年間の活動を回顧しつつ、拙志学館の最終更新としよう。
■インターネットの入口「ジオ」
私がインターネットに本格的にかかわり始めたのは前世紀末。「和寒」という名乗りで幾つかの掲示板に参加していた。当初は斬新に思えた掲示板なるメディア、実は意見表明には向かないと気づくまで時間はかからなかった。ある掲示板サイトの閉鎖を契機として、私は自らのHP立ち上げを模索した。
受け皿になったのがジオである。無償でのエントリーが可能、アップ可能なデータ量がまずまず(後かなり拡大して私にとっては余裕があった)、ということなどから選択した。URLが自動車絡みという不満は残ったものの、これも後に解消した。実質的な開設日は平成12(2000)年 6月26日である。
当時私はまだ若かった。三十代前半で、表現欲に満ちていた。自らにおいて「汲めども尽きぬ」はありえるのか、という思いもあり、書いて、書いて、書いてみた。結果は読者諸賢がよく御承知のとおり。近頃HP上での筆鋒が鈍ったとはいえ、計14MBものHTML文書を書いてきた。タグを含んでのサイズとはいえ、全角一文字2Bだから 7百万字、すなわちA4版換算で 5,000ページを上回るほどの文章を書いてきたわけだ。
しかもまだ、私個人においては「汲めども尽きて」はいない。老いつつある今もなお、創作意欲は衰えていない。逆に、これだけ書いてようやく、洗練されてきた部分があるとも自覚する。積み重ねが大事、と感じる次第だ。
■インターネットでの活動総括
私の(HP上でなく)インターネット上の活動は平成14(2002)年から平成16(2004)年前半に集中している。
「『のぞみ』シフトを検証する」
など、良質な記事を連発できた時期、と自覚している。
しかしながら、現時点で回顧してみれば「労多くして功少ない」季節だった、と断言せざるをえない。悪い仲間に引き摺られてしまった、との悔いが残る。何かにつけて、所謂オフ会(オフライン・ミーティング)が催され、主催者の無目的な動きについていけなくなり、平成16(2004)年半ばから、私は(事実上)単独行動に戻った。その後 2年間をかけ、私は念願の学位(博士号)を獲得することになる。
もう一点付け加えれば、当時の仲間とは疎遠になった点も見逃せない。今もなお接点が残る者があるとはいえ、現実世界での便宜と利害関係があればこそ。オンラインの関係を現実世界に展開しても、相応の関係を現実世界にて継続できなければ、詰まるところ雲散霧消する。
現実世界で一度もお会いしたことのない、
Rail&Bike
のH.Kuma様との関係が最も良好、というあたりに、インターネットと現実世界の本質が見出せそうだ。
■現実世界での活動総括
では私こと和寒はどこに行こうとしているのか。実はすでに、しかも何度かに渡り明記している。最初の明記はここ。
転機に臨んで
平成25(2013)年 3月17日
上の記事中、私はこのように記している。
転機のきっかけは「
貴志川線の利用者動向と経営判断
」を書いたことである。この記事は実は、現実世界において論文に仕上げ某学会で発表している。この取り組みを通じて、筆者はある失望を味わってしまった。筆者は Web世界でも相応に質の高い記事を提供している気でいたところ、いざ論文への変換を行ってみると、冗漫かつ論旨が一貫しない記述が異様に多いと自覚せざるをえなかった。この虚無感はかなり大きく、自分がやっていることは無駄ではないか、との疑念さえ浮かびかけたほどである。
以降、毎年のように同主旨を記すことになるが、本旨はこの一文に尽きる。学術論文として高い評価を受けるための筆法と、HP上で読んでいただくための筆法は、全くとまではいわずともかなり異なる。これを両立できるほど私は器用でないのが実態で、それゆえ更新できなくなった面がある。更に私はこのようにも記している。昨年の数字を追記した表も併せて示しておこう。
丁酉大晦日反省記
平成29(2017)年12月31日
年度 | ある数 |
24 | 1(1) |
25 | 1(1) |
26 | 1(1) |
27 | 5(3) |
28 | 6(4) |
29 | 10(4) |
30 | 13(5) |
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