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もめごと



この項は年代順不同で書いていきます。ある程度記事がまとまったら年代順に並べます。



 安政5年(1858年)8月

 一、当祭礼之節 上分村神輿守 伊地太鼓之モノ与差縺相成 内済

 安政5年の役用記とは別に、弘化2年(1845年)〜文久4年(1864年)の間に起こった事柄を書き抜いた合冊があり、そのなかに伊地の太鼓台に関する一文がありました。わずか一行なので見落としていました。それによると上分村の御神輿のかき夫と伊地の太鼓台のかき夫の間でもめごとがあったみたいです。当時、川之江村の祭礼の神輿守は○上分・金川、○余木・長須、○川之江、○下分・山田井の順で一年ごとの当番制になっていました。





 天保3年(1832年)太鼓差留

天保2年(1831年)
 祭礼之節 太鼓之儀 依願町内切ニ 被仰付候処 他町舁行候処段 不届至極ニ付 急度御沙汰も 可有之之処 御憐愍を以 以来 太鼓御差留 被仰付

 天保3年の役用記には祭礼に関する記事は載っていません。というのも前年『太鼓台をかいて他町(川之江村以外)へ行ったことは大変不届きなことなので可哀想ではあるが(翌年の)太鼓台の運行を停止する。』というような事があったからです。

天保4年(1833年)
 祭礼之節 太鼓之儀 昨年御差留 相成申候所 宝積寺院主ヘ 町内より相頼 御見遁 被仰付

 昨年(天保3年)差し止められた太鼓台の運行について、町内から宝積寺の院主へ許してほしいとの依頼をしたようです。当時は神仏混淆の時代で八幡神社の中に宝積寺というお寺があったそうです。その宝積寺の院主を通じて陣屋へお願いをしたのではないかと想像します。



 嘉永四年(1851年)八月十五日(中須町太鼓台と川原町太鼓台の喧嘩)

中須川原町差縺
八月十五日八ツ時分 新町上ニおゐて 中須町川原町太鼓差縺 川原町儀太郎 源治より 中須町力蔵 松蔵を打擲致候趣 村役場江届出候ニ付 十六日急度調方いたし 遣可申候間 差扣へ候様 申遣置候処 右太鼓 夫々宮前へ参り候処 村役場申聞をも不用 若もの共申合
 川原町儀太郎 帰掛農人町水門ニおゐて 中須町若もの共 理不尽ニ打擲いたし  ー以下略ー

 事の発端は八月十五日の八ツ時(2時頃)、新町上で中須町
と川原町の太鼓台がもめて川原町の儀太郎と源治が中須の力藏と松藏を殴ったことです。
 その事が村役場に届けられたので、役場もほうっておけず翌十六日に両太鼓台が宮前に来たときにいざこざにならないように双方に申し聞かせましたが若いシ達はそれを無視し、宮からの帰りに農人町の水門のところで中須の若いシ達(11人)が待ち伏せをして川原町の儀太郎を殴ったということです。
 容態書によると儀太郎は頭に一寸二分の傷、顔に2,3カ所の擦り傷、胸脇に疼痛、身体が冷えて食が進まないとのこと。
 この喧嘩のきっかけをつくった川原町の源治と中須町の首謀者二人は陣屋前の牢屋に入牢。喧嘩に加担した中須町の残りの9人は浜の藏に入牢させられました。両町の年寄りたちは大慌てで、事の顛末を書き五人組頭と年行事(総代)の署名捺印入りの嘆願書を陣屋に届け出たようです。
 また庄屋、大年寄り、年寄りの連名いりで顛末書が陣屋に届けられました。
 当時としてはかなりな大騒動に発展したようです。



 弘化三年(1846年)八月の 西濱と裏ノ丁の太鼓の喧嘩 の顛末は以前当HPで紹介しましたが、その喧嘩に至ったきっかけや翌年以降の秋祭りへの影響などは追々書いていくつもりです。



 嘉永二年(1849年)八月

祭礼当日  ー中略ー  宮より太鼓帰之節 中須町太鼓 農人町より先へ 一向不参候ニ付 下拙 田中屋両人 色々申諭候得共 聞入不申 其後 村役人市郎宅邊ニ而 寄合 中須町太鼓 延引致候故 外へかき除候而 川原町より 順々帰候様 申聞候処 役人之申付ヲモ不用 山下三国屋辺へ 持参候得共 村役人より 年行司呼付申聞ヲモ不用 太鼓ヲ先へかき候儀 不届ニ付 中途より トキ帰候趣 申聞候処 何分心得違恐入候次第 断申出候ニ付 関船より跡へ廻シ 先当年尺 見遁候事

祭礼の当日、八幡神社から太鼓台が帰る時になって中須の太鼓が止まってしまい農人町より先に進まなくなりました。前に行くように説得したのだが聞き入れないので、動かない中須の太鼓を道の外へよけて川原町の太鼓から順次帰らせようとしましたが、役人が言い聞かせても、年行事(総代)を呼んで言い聞かせても聞かない。大変不埒なことなので中途から(太鼓を)解体して帰るよう申し聞かせたところ心得違いだったと反省したので、今年だけは中須の太鼓(の順)を関船の後へ廻しこの件を見逃すことといたしました。


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