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インドネシア共和国憲法(改正版):和訳
この日本語訳について;
- 1999年10月及び2000年8月の改正で修正・追加された条項を含みます。
- 修正対象となった旧条文は
赤文字及び打消し線で表示しています。
それに対応する修正文・追加文は緑色及び強調文字で表示しています。
◆目次◆
- 序文
そもそも、独立とはいかなる民族にとっても不可侵の権利であり、それゆえ、植民地主義は人間性と正義に一致しないものであるがゆえに、世界から根絶されねばならない。
そして、インドネシア独立への闘争は、今、自由で統一され、主権を有し、公正且つ繁栄を約束されたインドネシア国家の独立への入り口へ、インドネシア人民を安全且つ健全に導くことによって、祝福の時に至った。
全能なる神の恩恵により、また自由な国民生活への高貴なる大志に導かれて、インドネシア人民はここに独立を宣言する。
これに続き;
全インドネシア人民と全インドネシア国土を守るべきインドネシア国家の政府を設立するために;
国民の知的生活を発展させ、独立、恒久の平和、そして社会正義に基礎を置く世界において秩序を満たすことに貢献し、全体の福祉を向上させるために;
独立したインドネシア国家の構造は、インドネシアの憲法に規定されねばならない。
そして、それは人民主権によるインドネシア共和国の国家形態を取り、次の原則に基づくものである;
- 唯一神への信仰。
- 公平で礼節のある人間性。
- インドネシアの統一。
- 合議と代表制による民主主義
- インドネシア国民全体の社会正義の実現
【訳注】
この『序文』なんですが、実は一番分かりません(^^;。
意訳と言うことでご容赦ください。英文もインドネシア語原文も極めて晦渋です。(序文は、その憲法の理念を表現する個所なのでまあ、意味を取るのは結構難しいのだと思います。<言い訳)
特に最後の5つの原則の訳はかなりはしょってます。
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第1章 国家と主権の形成
- 第1条
- インドネシア国家は共和国の形態をとった統一国家である。
- 主権は国民の手に帰属し、Majelis Permusyawaratan Rakyatによって行使される。
【訳注】
Majelis Permusyawaratan Rakyat−MPR
The people's Consultative Assembly(国民協議会)と訳されることが多いようです。
1999年10月に招集され、ワヒド大統領/メガワティ副大統領を選出したのがこの国民協議会。
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第2章 国民協議会(MAJELIS PERMUSYAWARATAN RAKYAT)
- 第2条
- 国民協議会は、国会(Dewan Perwakilan Rakyat)のメンバーと、法律に定められた方法で選ばれた各地域や職能グループの代表によって、構成される。
- 国民協議会は少なくとも5年に一回首都で開催される。
- 国民協議会の全ての決定は多数決による。
- 第3条
国民協議会は、憲法と国家政策の基本方針を決定する。
【訳注】
Dewan Perwakilan Rakyat−DPR
国会・議会と訳されることが多い。
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第3章 国家の執行権力
- 第4条
- インドネシア共和国の大統領は憲法に則り、政府の権限を掌握する。
- その職務を執行するにあたり、大統領は(一名の)副大統領によって補佐される。
- 第5条
大統領は国会(Dewan Perwakilan Rakyat−DPR)の同意に基づき法律を施行する権限を有する。- 大統領はこの法律を施行するために必要となる政令を決定する。
- 改正第5条
- 大統領は、国会(Dewan Perwakilan Rakyat−DPR)へ法案を提出する権利を有す。
【訳注】
第5条第1項が改正されました。第2項はそのままです。
- 第6条
- 大統領はネイティブのインドネシア人(orang Indonesia asli)でなければならない。
- 大統領及び副大統領は国民協議会での多数決によって選出される。
- 第7条
大統領及び副大統領の任期は5年。そして再選も可とする。
- 改正第7条
大統領及び副大統領の任期は5年間であり、更に一任期のみ再選も可とする。
- 第8条
大統領がその死、辞任、もしくは他の理由により任期中にその職務の遂行が不可能となった場合は、副大統領がその任期終了まで、その職(つまり大統領)を引き継ぐものとする。
- 第9条
大統領及び副大統領は、就任に先立ち、国民協議会もしくは国会において、その宗教に則った宣誓、また信条に基づく誓約を行う。そしての内容は次の通りである;
大統領(副大統領)の宣誓
『神の御名において、インドネシア大統領(副大統領)の職務を可能な限り公正に、
最善を尽くして遂行すること、憲法を遵守し、それに忠誠をもって法律と規制を施行すること、そして、国家と国民に我が身を捧げることを、誓います。』
大統領(副大統領)の誓約
『インドネシア大統領(副大統領)の職務を可能な限り公正に、最善を尽くして遂行すること、憲法を遵守し、それに忠誠をもって法律と規制を施行すること、そして、国家と国民に我が身を捧げることを、厳粛に誓います。』
- 改正第9条
- 大統領及び副大統領は、就任に先立ち、国民協議会もしくは国会において、その宗教に則った宣誓、また信条に基づく誓約を行う。
そしての内容は次の通りである;
大統領(副大統領)の宣誓
『神の御名において、インドネシア大統領(副大統領)の職務を可能な限り公正に、最善を尽くして遂行すること、憲法を遵守し、それに忠誠をもって法律と規制を施行すること、そして、国家と国民に我が身を捧げることを、誓います。』
大統領(副大統領)の誓約
『インドネシア大統領(副大統領)の職務を可能な限り公正に、最善を尽くして遂行すること、憲法を遵守し、それに忠誠をもって法律と規制を施行すること、そして、国家と国民に我が身を捧げることを、厳粛に誓います。』
- 国民協議会もしくは国会が開催できない場合、大統領及び副大統領は、最高裁判所代表を証人として、国民協議会代表の前で、その宗教に則った宣誓、また信条に基づく誓約を行う。
- 第10条
大統領は、陸・海・空軍を統帥する。
- 第11条
大統領は、国会の承認を得た上で、他国との戦争を開始・終結、また諸条約を締結する。
- 第12条
大統領は、非常事態宣言を出すことができる。また非常事態宣言の諸条件・継続期間は、法によって定められるものとする。
- 第13条
- 大統領は、大使・領事を指名する。
大統領は、他国の大使・領事を受け入れる。
- 第13条改正
- 大使の任命について、大統領は国会の意見に十分注意を払うものとする。
- 大統領は、国会の意見に十分注意を払った上で、他国の大使を受け入れるものとする。
【訳注】
第13条第2項及び第3項が改正・追加されました。第1項はそのままです。
- 第14条
大統領は、恩赦・特赦、そしてその剥奪と回復を行う。
- 改正第14条
- 大統領は、最高裁判所意見に十分注意を払った上で、恩赦や権利回復を行なうものとする。
- 大統領は、国会の意見に十分注意を払った上で、特赦の付与及びその剥奪を行なうものとする。
- 第15条
大統領は、称号、勲章、他の名誉報奨を与える。
- 改正第15条
大統領は、称号、勲章、その他の名誉報奨を、法律に従い与えるものとする。
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第4章 最高評議会(DEWAN PERTIMBANGAN AGUNG)
- 第16条
- 最高評議会の構成は法律によって定められる。
- 最高評議会は大統領からの諮問に対して回答を行い、また大統領への種々提案を行う権利を有する。
【訳注】
Dewan Pertimbangan Agung−DPA
最高評議会(The Supreme Advisory Council)と訳されることが多いようです。
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第5章 大臣
- 第17条
- 大統領は(複数の)大臣によって補佐される。
- 大臣は大統領によって任命、罷免される。
大臣たちは、各々の省庁を指導する。
- 改正第17条
- 各々の大臣は、政府・行政の特定分野を管掌する。
【訳注】
第17条第3項が改正されました。第1項・第2項はそのままです。
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第6章 地方政府
- 第18条
インドネシア国土を大小の各地方へ分割し、その行政機構を形成することは、法律によって定められる。そして、それは中央政府内でのムシャワラ(合議、話合い)の原則や、固有の性格を保持している各地域の伝統的な権利を、遵守・尊重するものでなければならない。
- 改正第18条
- 統一国家であるインドネシア共和国は、複数の州に分割され、そして それらの州は郡・市へ分割される。これら州・郡・市は、法律に従いそれぞれの地方政府を持つものとする。
- 州・郡・市の地方政府は、自立と援助義務の原則に従い、それぞれの所轄事項を管理・行政するものとする。
- 州・郡・市の地方政府は、普通選挙によって選出された議員によって構成される地方議会を持つものとする。
- 州・郡・市それぞれの首長としての州知事・郡長・市長は、民主主義的に選ばれるものとする。
- 地方政府の運営は、中央政府が管轄すると法律で定められている事柄を除き、広い範囲にわたって自立的になされるものとする。
- 地方政府は、自立と援助義務を実現するために、その地域の法律やその他の法律を制定する権利を有する。
- 地方政府を規定する構成や行政諸規則は、法律によって定められる。
【訳注】
第18条は大幅に改正されました。
これに続き、関連条文となる第18A条、第18B条が追加されています。
- 第18A条
- 中央政府と州・郡・市各地方政府との権利権限関係、また州・郡・市それぞれの権利権限関係は、各地方の固有性と多様性に十分注意を払った上で法律により定められるものとする。
- 財政、公共サービス、自然エネルギー・その他の資源に関する中央政府と地方政府との関係は、法律により公平で調和的に制定され、実現されるものとする。
- 第18B条
- 国家は、法律によって定められた 特別で独自性を持つ地方政府それぞれを承認・尊重するものとする。
- 国家は、慣習による社会を それらの伝統的な権利と同様に、承認・尊重するものとする。ただし、それらは実際に存在しており、また社会の発展や統一国家インドネシア共和国の法律によって規定された原則に一致しているものとする。
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第7章 国会(Dewan Perwakilan Rakyat)
- 第19条
国会の構成は、法律によって定められる。国会は少なくとも年に一回は開催される。
- 改正第19条
- 国会議員は、普通選挙によって選出されるものとする。
- 国会の構成は、法律によって規定されるものとする。
- 国会は少なくとも年に一回は開催されるものとする。
第20条
すべての法律は国会の承認を必要とする。法案が国会により否決された場合、その法案は同会期中の国会へ再提出されてはならない。
- 改正第20条
- 国会は、法律を制定する権利を有するものとする。
- 全ての法案は、国会と大統領によって共同合意がなされるよう審査されるものとする。
- 法案が、共同合意されなかった場合、その法案は同会期中の国会へ再提出されてはならない。
- 大統領は、共同合意された法案を、法律とするために承認を与えるものとする。
- ここで共同合意された法案が、合意後30日以内に大統領によって承認されない場合、その法案は合法的に法律となり、施行されるものとする。
【訳注】
第20条は大幅に改正されました。
これに続き、関連条文となる第20A条が追加されています。
- 第20A条
- 国会は、立法・予算作成・監査を行なう機能を持つものとする。
- 国会は、これらの機能を発揮するにあたり、この憲法の他の条項で規定されている権限に加え、説明要求権、調査権、意見表明権を持つものとする。
- 各国会議員は、この憲法の他の条項で規定されている権限に加え、質問を行なう権限を有し、免責権と共に提案・意見陳述を行なうものとする。
第21条
国会の構成員(国会議員)は、法案を提出する権利を有する。国会の承認を得た法案が、大統領に拒否された場合、その法案は同会期中の国会に再提出されてはならない。
- 改正第21条
国会議員は、法案を提出する権利を有する。
- 第22条
- 緊急事態の場合、大統領は、法律の替りとなる法令を制定する権利を有する。
- 上項で制定された法令は、次期国会の会期中に国会の承認を得なければならない。
- 上項の法令が、同国会の承認を得ることが出来ない場合、廃止されるものとする。
- 第22A条
法律の制定に関するこれ以上の規定は、法律によって定められるものとする。
- 第22B条
国会議員は罷免される場合があり、そのための条件や規則は法律によって定められるものとする。
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第8章 財務
- 第23条
- 国の年度予算は、法律によって定められる。政府が提出した予算案に対して、国会が承認を与えない場合、政府は前年度の国家予算に基づき、行政を継続する。
- 国によって課せられるすべての税は、法律によって定められる。
- 税それぞれの通貨・額は、法律によって定められる。
- 国家のこれ以外の財務事項は法律によって定められる。
- 国の財務状態を監査するために、法律に定められた規則に基づき国の監査委員会が設置される。その監査結果は国会に報告される。
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第9章 司法権
- 第24条
司法権は、法律の規定に則り、最高裁判所(Mahkamah Agung)及びその他の裁判所によって行使される。
裁判所の構成及びその権限は法律によって定められる。
- 第25条
裁判官の任命・罷免に関わる諸条件は、法律によって定められる。
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第9A章 国家領土
- 第25A条
統一国家としてのインドネシア共和国は、インドネシア群島としての特徴を持つ一つの諸島国家であり、その領土の国境と領土にかかわる諸権限は、法律によって定められる。
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第10章 国民
改正第10章 国民と居住者
- 第26条
国民とは、生まれながらのインドネシア人(orang-orang bangsa Indonesia asli)及び法律に基づきインドネシア国籍を取得した他国籍人を言う。国籍を取得する為の要件は、法律によって定められる。
- 改正第26条
- 国民とは、生まれながらのインドネシア人及び法律に基づきインドネシア国籍を取得した他国籍人を言う。
- 居住者とは、インドネシア国民及びインドネシアに居住する外国人を言う。
- 国民及び居住者に関する事項は法律によって規定されるものとする。
- 第27条
- すべての国民は、例外なく、法律・政府の前に平等であり、法律・政府を守る義務を負う。
- すべての国民は、雇用の権利と、人間に相応しい生活をする権利を有する。
- 改正第27条
- すべての国民は、国家のために尽くす権利と義務と持つものとする。
【訳注】
第27条第第3項が追加されました。第1項・第2項はそのままです。
- 第28条
集会及び結社、そして言論・出版による思想の表現、等の自由は法律によって定められる。
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第10A章 基本的人権
- 第28A条
全ての人間は生きる権利とその生存・生活を守る権利を持つ。
- 第28B条
- 全ての人間は家族を持つ権利を有し、合法的な婚姻によって子孫を残す権利を有するものとする。
- 全ての子供は、生き、そして生長する権利を有し、暴力や差別から保護される権利を有するものとする。
- 第28C条
- 全ての人間は、その基本的な欲求を満たすことにより自己を向上させる権利を有する。そして、それ自身の生活を向上させ、人類の福祉のために、教育を受ける権利と科学・技術・芸術・文化を享受する権利を有するものとする。
- 全ての人間は、自己を向上させる権利を、その社会・国民・国家を興隆させるために共同体として追求することにより、有するものとする。
- 第28D条
- 全ての人間は、法により認知、安全、保護、保証への権利を有し、法の前に公平に扱われるものとする。
- 全ての人間は労働する権利を有し、公平で適切な労働環境での扱い及びその賃金を受け取る権利を有するものとする。
- 全ての国民は、行政において平等な機会を持つ権利を有する。
- 全ての人間は、市民である状態について権利を有する。
- 第28E条
- 全ての人間は、自由にそれ自身の選択によって、宗教を信仰・実践し、教育を受け、国籍を選び、領土内での居住地を選び、また変更する。
- 全ての人間は、その良心に従い、自由にその思想信条を抱き、表明する権利を有するものとする。
- 全ての人間は、自由に結社し、集会を開き、その考えを表明する権利を有する。
- 第28F条
全ての人間は、利用できる全ての経路を利用して情報を探し、入手し、所有し、保持し、処理し、伝達する権利を有すると共に、その個人と社会環境を発展させるために情報を伝え、また入手する権利を有するものとする。
- 第28G条
- 全ての人間は、その基本的人権に影響を及ぼすか否かにかかわらず脅威や恐怖から保護され安寧を確保する権利を有し、自己を守り、家族・誇り・尊厳・その所有する財産についての権利を有するものとする。
- 全ての人間は、虐待及び人間の尊厳を貶める扱いから自由となる権利を有し、また他国からの政治亡命の権利を有するものとする。
- 第28H条
- 全ての人間は、精神的・肉体的に安全な生活を行なう権利を有し、また、医療サービスを受けるとともに、適切で健康的な環境で生活する権利を有するものとする。
- 全ての人間は、公平・平等を達成するための機会・利益を獲得するために、特別な処遇と安寧を得る権利を有する。
- 全ての人間は、尊厳ある人として完全に自らを発展させることを可能とする社会的な保証への権利を有する。
- 全ての人間は、自らの所有物に対する権利を有し、それら所有権は、いかなる者によっても侵害されてはならない。
- 第28I条
- 生きる権利、虐待からの自由への権利、思想・良心の自由への権利、信教の権利、隷属状態からの自由への権利、法の前に個人として認められる権利、そして遡及的な法律によっては裁かれない権利は、いかなる状況にあっても制限されることのない基本的な人権である。
- 全ての人間は、いかなる根拠によっても、差別的な扱いから自由である権利を有し、またその差別的な扱いからの保護を受ける権利を有する。
- 文化のアイデンティティと社会の権利は、時代の進歩及び文明と調和しつつ尊重される。
- 基本的人権の保護、発展、保持、そして実現は、国家の責任であり、特に政府の責任である。
- 第28J条
- 全ての人間は、社会的、民族的、国家的な生活の秩序において、他者の基本的人権を尊重する義務を負う。
- 権利と自由を行使するに当り、全ての人間は、他者によって享受されている権利・自由の認知・尊重を保証することを唯一の目的とした法律によって規定される制限に従う義務があり、また、民主主義的な社会の道徳・宗教的価値感・安寧・公共の秩序への配慮に合わせて公正にそれらを追求するものとする。
【訳注】
基本的人権に関する規定として、第28A条~第28J条と大幅に追加されました。
しかし、内容はなかなか分かり難く、日本語訳は相当怪しいです。
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第11章 宗教
- 第29条
- 唯一神への信仰は、国家の基礎である。
- 国家は、すべての居住者に対して、信仰の自由を保障し、各々の宗教・信念に一致した宗教行為を行う自由を保障する。
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第12章 国防
改正第12章 国家の防衛と安全
- 第30条
すべての国民は、国防活動に参加する権利と義務を負う。国防への参加に関わる要件は、法律によって定められる。
- 改正第30条
- 全ての国民は、国家の防衛と安全のために尽くす権利と義務を有する。
- 国家の防衛と安全は、インドネシア国軍及びインドネシア国家警察を主力とし、国民を支援者として、全国民の防衛・安全システムを通じて実現される。
- インドネシア国軍は、陸軍・海軍・空軍によって構成され、国家の統一と主権を防衛、保護、維持する責任を負った国家機関である。
- 安全と公共の秩序を維持する国家機関であるインドネシア国家警察は、社会を防衛し、社会に仕え、法の維持を行なう責務を負う。
- インドネシア国軍及びインドネシア国家警察の構造と地位、この両者の職務遂行における権限関係、そして国家の安全を維持・防御するための国民参加の諸条件は、防衛・安全に関する事柄と共に法律によって定められる。
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第13章 教育
- 第31条
- すべての国民は教育を受ける権利を有する。
- 政府は、法律によって規定された公教育システムを設立し、運営せねばならない。
- 第32条
政府は、インドネシア民族の文化を増進せねばならない。
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第14章 社会福祉
- 第33条
- 経済は、家族的な関係の基礎に則り、共同活動として積み重ねられる。
- 国家にとって重要であり、国民の大多数の生活に影響を与える産業部門は国家によって運営・管理される。
- 国土及び水、そしてそこに見出された天然資源は、国家が管理し、国民の最大利益の為に利用される。
- 第34条
貧困状態にあり、そして放置された子供(つまり"孤児")たちは、国家が面倒を見る。
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第15章 国旗と国語
改正第15章 国旗、国語、国家シンボルと国歌
- 第35条
インドネシア国旗は、"Sang Saka Merah Putih"(赤白の二色旗)とする。
- 第36条
国語は、インドネシア語(Bahasa Indonesia)とする。
- 第36A条
国家のシンボルは、多様性の中の統一を象徴化したガルーダ・パンチャシラとする。
- 第36B条
国歌はインドネシア・ラヤとする
- 第36B条
国旗、国語、国家シンボル、そして国歌に関するこれ以外の規定については、法律によって定められるものとする。
【訳注】
多様性の中の統一:Bhinneka Tunggal Ika。
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第16章 憲法の改正
- 第37条
- 憲法の改正には、定数の3分の2以上が出席した国民協議会(MPR)において;
- 全出席者の3分の2以上の賛成による議決が必要である。
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移行期間条項(1998.12.28 訳文追加)
- 第1条
インドネシア独立の為の準備委員会(PPKI:Panitia Persiapan Kemerdekaan Indonesia)はインドネシア政府へ行政(政府)諸権限の移行を行なうものとする。
- 第2条
現行の法令・規制は、憲法に基づいて制定される新しいものが確立されるまで、有効なものとして機能する。
- 第3条
第一回目の大統領・副大統領の選出は、インドネシア独立の為の準備委員会(PPKI:Panitia Persiapan Kemerdekaan Indonesia)によって行われる。
- 第4条
憲法に則り、国民協議会(MAJELIS PERMUSYAWARATAN RAKYAT)、国会(Dewan Perwakilan Rakyat)及び最高評議会(DEWAN PERTIMBANGAN AGUNG)が招集・形成されるまでの期間、これら諸機関の権限は大統領がインドネシア国民委員会(Komite Nasional Indonesia)の輔弼を受け行使する。
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追加条項(1998.12.28 訳文追加)
- 大東亜戦争(peperangan Asia Timur Raja)終結の6ヶ月以内に大統領は憲法に規定された全ての事項を実施・規定するものとする。
- MPRの形成6ヶ月以内に、MPRは憲法を制定するために招集される。
【訳注】
"peperangan Asia Timur Raja"というのは、恐らく、「大東亜戦争」をインドネシア語に訳した物だったのでしょう。
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