第36話
氷雪の霊峰でフーディンを見送ったあと『ZAFT』は仲間を心配して下の階へ行った。
「聞きたい事があります。」
ラティオスが先に口を開く。
「何かしら?」
キュウコンが言う。
「先ほどあなたは『誰かが事実を故意に歪めた』と仰いました。」
ラティオスが言う。
「ええ。」
キュウコンが答える。
「それは誰か・・・、知っていますか?」
ラティオスが聞く。
「聞きたい事はそれだけ?」
キュウコンが試すように尋ねた。
「まだあります。」
ラティオスも一歩も引かないようだ。
「貴方は何時から僕が人間である事を知っていたのですか?」
ラティオスが力強く言う。
「それだけ?」
キュウコンは心を見透かすように言う。
「貴方は・・・。」
ラティオスが少し詰らせて言う。
「僕が何故ポケモンになったかを知っていますか?」
ラティオスが言った。これが彼の今知りたい事であった。
「順序不同で説明しますわ。」
キュウコンが少しの沈黙の後言った。
「2つ目と3つ目の質問の答えを一つにまとめますわ。」
キュウコンが言う。
「貴方をポケモンに転生させたのはこの私ですわ。」
キュウコンが静かに言う。
「そして『事実を故意に歪めた者』は・・・。」
キュウコンは少し間を置いた。
「今この世界を破滅へ導こうとする者ですわ。」
キュウコンが全ての問いに答えた。
「まだ転生した理由が明らかになってません。」
ラティオスが言う。
「貴方を転生した訳は世界の破滅を防ぐため。」
キュウコンが言う。
「僕1人で立ち向かう、と言うことですか?」
ラティオスが聞く。
「いいえ。もう1人、立ち向かってくれる者がいますわ。」
キュウコンが言う。
「でもその方は表向きでそれを阻止していただきますわ。」
続けてキュウコンが言う。
「貴方は裏で手を回している者を倒す。という役割ですわ。」
キュウコンが静かに言う。
「では何故僕の記憶を奪ったのですか。」
ラティオスは唸るように言った。
「それは貴方が望んだ事ですわ。」
キュウコンが言う。
「回りくどい事しないでお前が自分で手を下せばいいだろ?」
バシャーモが口を挟んだ。
「常に平等であらなければならない。そして手を出してはいけない。
故に他人とは違う力を持つ。」
キュウコンは呪文を唱えるように言う。
「それが私ですわ。」
キュウコンは少し間を置いて言う。
「なるほどな・・・。」
バシャーモは納得したように言う。
「今日は少し喋り過ぎましたわ。」
キュウコンは疲れたように言った。
「貴方達も早くお連れの方の所に行ってあげなさい。」
キュウコンが優しく言う。
「わかりました。」
ラティオスが言うとキュウコンに背を向けた。
「もういいのか?」
バシャーモが聞く。
「はい。それに、ラティアスさん達も心配ですし・・・。」
ラティオスは緊張を解いて、いつもの口調で言い、仲間の待つフロアへと向かった。
「結構偏りはじめましたわね。私も・・・。」
誰もいなくなった部屋で、キュウコンが呟いた。
あとがき;なんか変な部分がありますがまぁ気にしない(ぉぃ)。ネタバレです。はい。
もう95㌫くらい公表しちゃったってかんじです。読み返してみると・・・、良くわかんないや(ぇ)。
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