第37話
キュウコンから全てを聞かされたラティオスは苦悩していた。
氷雪の霊峰から戻った彼らはまた普段どおり、救助隊活動を再開した。
「フーディンさん達、まだ戻って来てない・・・?」
ラティオスが驚きながら言う。
「うん、行ったっきりずっと・・・。」
ラティアスも心配して言う。
「カメックスさん達が救助に向かいましたけど・・・。」
サーナイトが言う。
「心配ですね・・・。」
ラティオスが呟く。
「ねぇ、私達も救助に・・・。」
ラティアスが言いかけた。
「まずは派遣した奴らの帰りを待った方がいいだろ。」
バシャーモが言う。
「でも・・・。」
言い返すラティアス。
「レベルの高い奴らが行ったんだ、大丈夫だろ。」
バシャーモが続けて言う。
「まぁ、これで解決できなきゃ大問題だな。」
バシャーモが呟くように言った。
それから数日後、バシャーモの言う大問題が発生した。
FLBの救助に向かった一行がボロボロになって広場に戻ってきたのだ。
彼らの姿に広場にいた者は恐怖を覚え、震え上がった。
「私達がフーディンを助けに行く!」
広場の中心で声がした。救助隊『ZAFT』のチコリータだ。途端に周りが騒ぎ出す。
「私達じゃ無理かも知れないけど・・・、私達は救助隊だから。」
チコリータが言う。
「困ってるポケモンを助けるのが救助隊だから!」
チコリータが叫んだ。その言葉が皆の恐怖を払い去った。
フーディンを助ける、皆がそう叫んだ。ポケモン達が団結した。
「さすが、『ZAFT』はすごね。」
ラティアスが言う。
「救助隊の鏡だな。」
バシャーモが言う。
「僕達も、行きましょう。救助に・・・。」
ラティオスが言う。
「ええ・・・。」
サーナイトが賛同した。
「素敵ですわ。でも少し早計ね・・・。」
聞き覚えがある声がした。振り返ると・・・。
「キュウコンさん!?」
ラティオスが驚く。氷雪の霊峰のキュウコンが目の前にいるのだ。
「お久しぶりですわね、みなさん。」
キュウコンが言う。
「なんでお前がここにいるんだよ。」
バシャーモが尋ねる。
「私だって山から降りる事もありますわ。」
キュウコンが答える。
「それとも、私は霊峰から一歩も外へ出てはいけないと言う制約でもありまして?」
キュウコンが聞き返した。
「そんな事言ってねぇよ。」
バシャーモが言う。
「早計・・・、とはどういうことですか?」
サーナイトがキュウコンに尋ねた。
「貴方達には他にする事がありますわ。」
キュウコンが言う。
「すべき事?」
ラティアスが疑問を持つ。
「詳しい事は落ち着いたところでお話しますわ。」
キュウコンが言った。
広場から戻ってきました。
「普通の家ね。」
キュウコンが言う。
「悪かったな。」
バシャーモが答える。
「ってバシャさんの家じゃないでしょ。」
ラティアスがツッコミを入れる。
「それで、すべき事とは・・・。」
ラティオスが本題を話した。
「グラードンが目覚めたことは、みなさんご存知でしょう。」
キュウコンが語り始めた。
「貴方達、特に、貴方にはその根本を倒してもらいますわ。」
キュウコンがラティオスを見て言った。
「それが、貴方を転生させた理由ですから。」
キュウコンが言う。
「じゃあ俺達は別にそいつに合わせて一緒に根本とやらを倒す必要はないんだな?」
バシャーモが口を開く。
「ちょっと、バシャさん・・・!」
ラティアスが怒りまじりに言う。
「そう言うことになりますわね。」
キュウコンが言う。
「でも、貴方にそれができるかしら・・・。」
キュウコンがバシャーモに語り掛ける。
「まぁ、裏の仕事ってのも悪くはないがな。」
バシャーモが言った。
「それを伝えるために貴方は霊峰から降りてきたのですか?」
サーナイトが尋ねる。
「ええ。正直貴方達だけじゃ何時まで経っても平和は訪れませんわ。」
キュウコンが少々きつい事を言う。
「常に平等に・・・ではないのですか?」
ラティオスが聞く。
「偏ることは、私の悪い癖ですわ。」
キュウコンが言う。
「ともかく、やる気のある方は明日、出発しますわよ。」
少し間をおいてキュウコンが言い出す。
「根本を倒しに。」
キュウコンは微笑して言った。
あとがき;キュウコンさん降りてきちゃったよ。まぁいいや(ぉぃ)。
『ZAFT』が表で頑張ってる間に『オーブ』が裏で頑張る。そんな感じです。
おまけ
キュウコン「それまでここを私の住処とさせていただきますわ。」
ラティアス「えっ!?でも布団足りない・・・。」
キュウコン「それじゃあ今夜は私と・・・。」
ラティアス「え・・・、あ・・・、ちょっと・・・。」
バシャーモ「おい!お前なに考えてるんだ、明らかに危ないぞ!」
キュウコン「あら、そんな事を想像している貴方には言われたくありませんわ。」
ラティオス「バシャーモさんって・・・。」
サーナイト「尊敬していましたのに・・・。
バシャーモ「って、そんな目で見るなよ!ってか何でお前が一番平和そうな顔してんだよ!」
おまけのあとがき;危ないですね。はい。
バシャさんが最後に言った『お前』って誰だっけ?
|