このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



第7話

手続きを済ませ、4人は活動拠点地へ行きました。
「で、なんで活動拠点地がお前(ラティオス)の家なんだよ!?」
「いえ、ここはラティアスさんの家で、僕は・・・。」
「ここで暮らしてんだろ!?同じ様なものだ!」
「怒らないでよ〜居眠りバシャーモさ〜ん。」
「『居眠り』は余計だ!」
バシャーモはご機嫌斜めのご様子。そこへサーナイトが入ってきた。
「みなさん、お茶が入りましたよ。」
「わ〜い。」
「あ、手伝います。」
そういうとラティオスはテーブルにカップを並べた。
「で、依頼はいつ来るんだよ?」
暇そうなバシャーモが問いかけた。
「基本的に依頼は手紙か依頼人が直接ここに来るかのどちらかですね。」
ラティオスが答えた。
「他に依頼方法があるのかよ?」
「他の救助隊が行動不可能になると、その救助隊を救助するよう上から言われる場合もありま
す。」
「ヘマする救助隊がいるのかよ。ここには。」
「バシャーモさん!」
「あ?」
ラティオスの強い発言にバシャーモは状況が読めなかった。ふとラティアスを見ると、
とても悲しい顔をしたラティアスがいた。
「ラティアスさんのお兄さんは救助隊の活動中、事故に遭い今も行方不明なんです・・・。」
ラティオスが簡単に説明した。
「そうだったのか・・・、悪い・・・。」
さすがのバシャーモもここではラティアスに謝った。
「うん。どうせみんなに言わなきゃいけないことだし。」
ラティアスは静かに答えた。
「・・・、っておい。お前がラティアスの兄貴じゃないのかよ!?」
「はい、全く血は繋がっていませんが・・・。」
「じゃあお前はどっから湧いて出てきたんだよ!」
「ラティオスさんは元々は人間だったんです。」
ラティアスの説明にバシャーモとサーナイトは驚いた。
「家の前で倒れている所を助けたの。人間だった時の記憶が全く無くて・・・。」
ラティアスの説明の途中、急にバシャーモは立ち上がった。
「俺は人間と一緒に行動する気はねぇ。悪いがこれからは俺1人で好きにさせてもらう。」
バシャーモはそう言い残し、部屋を去った。
「バシャーモさん!!」
サーナイトは慌ててバシャーモの後を追った。
バシャーモは玄関へ向かっていた。
「待ってください、バシャーモさん!」
そう言って、サーナイトはバシャーモの腕を掴んだ。
「うるせぇ!離せよっ!」
バシャーモはサーナイトの掴んだ手を振りほどいた。
「きゃぁ!」
サーナイトは小さな悲鳴を上げ倒れた。それを見てバシャーモは少し後悔した。
だがすぐ目線を外し出て行こうとした。その時・・・。
「待って・・・、ください・・・。」
サーナイトが立ち上がりながら言った。だがバシャーモは振り返られなかった。
「人間でもポケモンでも良いじゃないですか・・・。同じ生き物なんですから・・・。」
「うるせぇ!人間なんて弱い奴と一緒に・・・。」
人間は弱い。バシャーモはそう思っていた。
自分のように火を出すこともできなければ高く飛ぶことも出来ない。
「確かに人間は弱いかもしれません・・・。」
サーナイトはバシャーモの意見に反論した。
「ですが、人間には人間しかできない事があります。」
「・・・、なんだよ、それは・・・。」
「それは、人それぞれです。私とあなたが違うように・・・。」
「そんなの答えになって・・・。」
「私も、彼のことはよく知りません。」
バシャーモの想像に反してサーナイトは凛とした態度だ。
「ですから、お互いを理解しましょう。私たちはまだ分からないことが多いのですから。」
バシャーモはただ黙ってサーナイトの言葉を聞き入っていた。
「この活動を通じて、何かが変わるかも知れません・・・。あなたも、私も。」
「なにが、どう変わるんだよ?」
「それは私にも分かりません・・・。ですが、そんな気がするのです。」
「そうか・・・。」
バシャーモは呟いた。
(何かが変わる。自分がより強くなる可能性だってある。強くなるならどんな可能性にだって賭
ける)
バシャーモにそんな考えが浮かんだ。数秒の間の後、バシャーモは玄関を背に向けた。
その目線の先には、静かに笑っているサーナイトの姿があった。

あとがき;ついに(やっと)バシャサーを出すことができました。後半の展開が
おかしいのは言うまでもないです。この間ラティオス達がどうしていたかは
皆様のご想像にお任せ・・・(決して時間が無くネタがなかったわけじゃ・・・)。


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