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第49話

そんなこんなで次の日に・・・。
いつもと変わらぬ朝が来た。ラティオスは起き上がり、居間へ向かった。
「おはよ、ラティオスさん。」
ラティアスが言う。今まで2人きりだったこの家にも、
最近やっと主が戻り、今ここには3人居ることになる。
「じゃあ、出かけるな。」
ラティオス(兄)がそう言うと、ラティアスは兄を送りだすため、玄関へ一緒に行く。
(もう、ここにはいられないな・・・。)
ラティオスが心の中で呟く。ラティアスはすぐ戻ってきた。
「今日はお休みだから、少しゆっくりできるね。」
ラティアスが話しかけた。今日は非番であった。しかしラティオスは何も言わなかった。
「ラティオスさん?」
ラティアスが不思議そうに聞く。
「あ、すみません・・・。」
ラティオスが気がついて言う。
「朝ごはん食べよ。私、ラティオスさんが起きるの待ってたんだよ。」
ラティアスが安心して言った。
朝食後、くつろいでいるとバシャーモとサーナイトが訪れた。
「今日非番ですよね?」
ラティアスが聞く。
「ラティオスさんが心配で・・・。」
サーナイトが答える。
「どうせ、ピンピンしてるだろうがな。」
バシャーモが言う。
「バシャーモさんも心配してるんですよ。」
サーナイトが言う。
「別に。」
バシャーモが言う。
「やっぱりバシャさんだね。」
ラティアスはそう言うと2人を招きいれた。

「それで、それからどうなった?」
突然、バシャーモが聞く。
「えっ・・・?」
急に振られてラティオスは戸惑う。
「元いたの世界に戻るんだろ?いつ、どうやってだ?」
バシャーモが言う。
「そ、それは・・・。」
ラティオスは口ごもった。
「それに、お前の記憶はどうなるんだよ?」
バシャーモがさらに問い詰める。
「・・・・・・。」
ラティオスは答えることができなかった。
「望んでたわりには、何も考えてなかったんだな。」
バシャーモが呆れたように言った。
「ちょっと、バシャさん!」
ラティアスが少し怒ったように言う。
「まぁ、誰が鍵握ってるかはだいたい分かるがな。」
バシャーモが言う。
「えっ?」
ラティアスが少し驚いて言う。
「氷雪の霊峰まで行けば分かるかもな。」
バシャーモが言った。
それを聞いてラティオスを初め、その場にいた者はハッとした。
「でも、遠いよ。」
間があってからラティアスが言う。
「今から行きますか?」
サーナイトが聞く。
「時間的に無理だよ・・・。」
ラティアスが言った、その時、突然部屋中が青白い光に包まれた。
「って、なんなんだよ!」
突然のことでバシャーモは驚く。
「誰か・・・居ます・・・。」
ラティオスが光の中心の影を見つけ、言う。
やがて光が弱まっていく。ようやくまともに目を開けれるようになった。
「お久しぶりですわね。皆さん。」
光を放った正体はキュウコンだった。もちろん、氷雪の霊峰在住の。
「タイミングがいいな、まさか俺達の会話聞いてたのか?」
バシャーモが言った。
「何のお話かしら?」
キュウコンが聞く。
「今、丁度あんたの話をしてたとこなんだよ。」
バシャーモが説明する。
「それは素敵な偶然ですわね。」
キュウコンは微笑んで言った。
「ホントに偶然みたいだね。」
ラティアスが小声で言う。
「ですね。」
サーナイトも言う。

「今日ここに来たのは貴方の記憶を返すため・・・。」
キュウコンが口を開く。
「ラティオスさんの、記憶・・・?」
ラティアスが思わず言う。
「そう、彼の、ここに来る前の記憶・・・。」
キュウコンが答える。
「自らが望んで封印した記憶ですわ。」
キュウコンはそう言うとラティオスに近づいた。
「目を閉じて・・・。」
キュウコンが優しく呟く。
ラティオスは言われるがままに従った。
そしてキュウコンは何かを唱え始めた。
バシャーモ達は上手く聞き取れないでいるようだ。
ラティオスとキュウコンが光に包まれる。
それを心配そうに見守るラティアス。
ラティアスには1分が1時間にも感じられたようだ。
やがて光が消え、キュウコンが口を閉じ、ラティオスから離れた。
「ラティオスさん!」
ラティアスが心配して駆け寄る。
ラティオスはゆっくりと目を開けた。
「ラティオスさん、大丈夫!?」
ラティアスが問う。
「はい。」
ラティオスが答えた。
「これで記憶はお返ししましたわ。」
キュウコンが言う。
「はい。有難うございます。」
ラティオスが言った。
「それで、帰るのか?もう。」
バシャーモが聞く。
ラティオスは無言のままだった。
「帰る前に教えろよ。」
少し間を置き、バシャーモが言う
「えっ・・・。」
ラティオスが呟く。
「本当のお前を・・・。」
バシャーモがラティオスに言う。
暫くしてから、ラティオスが口を開いた。

あとがき;今気がついた事→バシャーモ出番多い。で、サーナイト出番少ない。
ラティアスツッコミ役、ラティオス地味・・・。結局この世界で凄いのはキュウコンなんだね。


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