このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

皆花楼あれこれ

書家 辻本史邑の書

  辻本史邑 の書 「頼山陽作 泊天草洋」 拡大画像

 落款の部分を拡大してみました。
(詳細は更に下の列を参照下さい)


 漢詩解説
 泊天草洋  頼山陽 作
   雲耶山耶呉耶越
   水天髣髴青一髪
   萬里泊舟天草洋
   烟横篷窗日漸没
   瞥見大魚波間跳
   太白當船明似月

 【読み】
  天草洋(あまくさなだ)に泊す  頼山陽 作

    雲か山か、呉か越か
    水天(すいてん)髣髴(ほうふつ)青一髪(せいいっぱつ)
    万里船を泊す天草の洋
    煙は蓬窓(ほうそう)に横たわって、日漸く(ようやく)没す
    瞥見(べっけん)す、大魚の波間に跳るを
    太白(たいはく)船に当たって明月に似たり

 【通釈】
    あれに見えるは雲であろうか、山であろうか。 それともシナ大陸の呉の地か越の地か。
    水と空とがあたかも青い髪の毛を張ったように一線を画して連なっている。
    はるばる京洛より来て、この天草洋に舟泊まりする。
    夕霞は静かに船の小窓をこめて、太陽は次第に西の海に沈んでいく。
    おりしも大きな魚が突然波間に跳ねるのを見た。
    空には宵の明星(金星)が出て、船を照らしておりまるで月のように明るい。
   


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