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皆花楼あれこれ

犬養毅(木堂)首相の書

  犬養毅(木堂) 首相の書 「劉楨(建安七子)の贈従弟の第二首」 拡大画像
 漢詩解説  http://www.h2.dion.ne.jp/~konoha/sitouta/ryutei.html  より転記させて貰いました。
  ('08/02/27 高橋様より「劉楨(建安七子)の贈従弟の第二首」であろうとご教示頂きました。)
          参考:「甲寅」 大正3年にあたる
贈従弟 劉楨

建安七子の一人。
曹操、曹丕に仕え文辞に携わった。

宴席で太子夫人甄氏に拝礼しなかったため不敬の罪に問われ官位を下げられた。
後疫病が発生し亡くなってしまう。
従弟とは誰のことか不明。
これから宮仕えを始めようとする従弟に贈った言葉らしい。

3首に分かれています。
1首に 従弟を蘋藻に例え清廉な人は用いられるべきと教えています。
2首に  山上に例え節度を守るべきと戒めています。
3首に 鳳凰に例え志を高く持ち精進するようにと励ましています。
どれも同じような体系で比較的分かり易く従弟を力づけています。


[読み]
[第一首]
汎汎たる東流の水
リンリンたる水中の石
蘋藻(ひんそう)其の涯(きし)に生じ
華葉紛として擾溺(じょうでき)たり
之を采(と)りて宗廟に薦め
以って嘉客(かきゃく)に羞(すす)む可し
豈(あに)園中の葵(き)無からんや
此の深澤より出づるを懿(よみ)す


[第二首]
亭亭たる山上の松
瑟瑟たる谷中の風
風聲(ふうせい)一に何ぞ盛んなる
松枝一に何ぞ勁(つよ)き
冰霜は正に惨棲(さんせい)なるも
終歳(しゅうさい)常に端正なり
豈凝寒に罹(かか)らざらんや
松柏には本性有り


[第三首]
鳳凰南獄に集まり
弧竹の根に裴回す
心に於て厭かざるあり
翅(はね)を奮って紫氛(しふん)を凌ぐ
豈常に勤苦せざらんや
黄雀と羣するを羞ず
何れの時か当に来儀すべき
将に聖明の君を須(ま)たんとす


[意味]

東へと速く流れる水
つやつやと輝く水底の石
浮き草はその岸辺に生え
美しい葉を豊かに茂らしている
これを採って宗廟に供なえても良く
園中に別の野菜が無いわけではないが
この浮き草の深い澤辺に生ずる美しさには及ばない


[第二首]
高くそびえる山上の松
寂しく吹きすさぶ谷中の風
風の声のなんと盛んな事よ
折れもしない松の枝のなんという強さよ
氷や霜がものすごい寒さで犯しても
松は年中びくともせず正しくその身を保っている
松とて厳寒の季節にあっていないのではない
しかし萎むことがないのはのその本性を然らしむからである


鳳凰は南嶽に止まって
竹の根元を歩き回っている
心中満足しえる物の無いように
翼を奮って蒼空高く舞い上がる
空飛ぶ苦労ももとより厭わぬが
黄雀の輩と一緒になるのは恥ずかしい
いつの日か美しい姿で舞えようか
聖人君主の出現を待つのである


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