このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

(仮)福祉と交流の広場建設事業に7億円

      ・・・富浦町の駆け込み事業の実例

 

昨年9月に館山市議会は、駆け込み事業の抑制をもとめる決議をしました。しかし、その決議は町村側によって完全に無視されただけでなく、それ以降、町村は駆け込み事業を減らすのではなく堂々と増やしています。その事例の一つが富浦町の「(仮)福祉と交流の広場建設事業」(事業費7億円)です。

 

「平成16年度までの各市町村主要事業調査表」の平成158月調査版では、富浦町は、保健福祉センター建設事業で事業費は2千万円+αだったのですが、館山市議会の駆け込み抑制決議後の10月修正版では、(仮)福祉と交流の広場建設事業と名称がかわり、事業費は7億円に急増しました。合併前に事業をやってしまうことにしたのです。

 

7億円の事業費のうち富浦町が負担するのはたったの3000万円だけで、あとの67千万円は過疎債などの借金でまかなわれ、その借金の返済は新市で館山市民など他の市町村民全体でになうことになります。今のうちにハコモノは借金してどんどん作ってしまえばいい、支払いは新市にツケまわしすればよいというわけです。

 

富浦町だけでなく、他の町村も今、「やればやり得だ。合併までに懸案の事業はみんなやってしまえ」と競って駆け込み事業を急いでいます。各町村が競って、基金は使い切り、合併新市へのツケまわしの借金を増やしています。このため、合併新市の予定した基金は急減し、借金が一気に膨んでいっています。

 

合併後にはバブルで財政が破綻して、その再建のための大増税が懸念されます。昭和の合併では合併後の財政破綻で都市計画税導入など「合併増税」が行なわれましたが、このまますすめばその二の舞です。

 

厳に慎むべき「駆け込み」事業

合併推進のための合併の手引(「合併協議会の運営の手引 市町村合併法定協議会運営マニュアル」)があります。そこでは、駆け込み事業は厳に慎むべき行動として厳しく批判し、次ぎのように記載しています。(71ページ)

 

合併関係市町村によっては、合併前に「わがまち」「わがむら」のための事業整備を駆け込み的に行うことが予想され、現にそのような兆候が生まれていることも見聞きします。

これは、①「合併後では自分の地域は整備が遅れるのではないか」という不安、②「本市町村の基金等は本市町村のためのみに使われるべきだ」という発想、③「当該事業による債務は新市町村に引き継がれるのだから」という安易な財政運営、などに由来するものと考えられ、最近の合併事例でも、新市町村になって調べてみると、当初予想するより基金が大幅に減少していたり、債務が急増していたりと、後々まで新市町村が財政運営に苦しんでいる場合があります。

新市町村の均衡ある発展は、市町村建設計画で担保されるべきものであり、そのための合併協議です。新市町村の一体性を阻害するような行動は、厳に慎むべきでしょう。また、合併関係市町村においても、それぞれの財政状況・事業実施状況等につき、合併前まで相互に把握しておくことが必要です。

 

富浦町の(仮)福祉と交流の広場建設事業は「厳に慎むべき」駆け込み事業の典型例ではないでしょうか。これを見過ごす合併は「後々まで新市の財政を苦しめること」になります。

合併の是非を考える集い

  日時 21日(日) 午後2時〜4時

◎会場 館山コミニュテイセンター2階集会室 

報告1、なぜ勝浦市は夷隅4市町村合併から離脱したか

    勝浦市議(合併問題調査特別委員会前委員長) 児安利之 氏

報告2、なにが問題か、館山・安房九市町村合併

 館山市議 神田もりたか

 

(住民説明会の日程) 合併協議の疑問点をただしましょう。

 2月7日(土) 午前10時より 一中    午後2時より 二中

2月8日(日) 午後2時より 房南中   午後7時より 南総文化ホール

 

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