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館山市議会、21対2の圧倒的多数で
合併協からの脱退を決議
2月25日から館山市議会の定例議会がはじまりました。
辻田市長の施政方針の説明をおえ、その後で「館山・安房9市町村合併協議会からの脱退に関する決議」を議題としました。
社民党議員が、住民に脱退を説明すべきだとして脱退決議に反対しました。保守の緑風会の議員が、この合併協議は私たちが期待するのぞましい合併とは大きく離れてしまった。脱退すべきだと決議に賛成しました。共産党の神田議員は、信頼関係を築けない合併協議は止めるべきだと脱退決議に賛成しました。
採決の結果、決議は賛成21、反対2の圧倒的多数で可決されました。
決議文は以下です。
館山・安房9市町村合併協議会からの脱退決議について
館山市議会は、館山・安房9市町村合併協議会から脱退することを決意し、館山市長に次の措置を直ちにとるよう求めます。
館山・安房9市町村合併協議会から館山市が脱退するため、地方自治法に基づき、同協議会に規約改定の提案をすること。
以上、決議する。
平成16年2月25日
館 山 市 議 会
なお、神田議員の賛成討論は以下のとおりです。
(脱退決議への神田議員の賛成討論)
館山・安房9市町村合併協議会からの脱退決議について賛成者のひとりとして賛成討論をします。
1、私たちが館山・安房9市町村合併協議会から脱退を求めるのは、町村との単なる意見の相違が原因ではありません。相互の信頼関係を築けないところまできてしまったからです。意見の相違であるなら、協議をつくし、調整をはかることができたはずでした。
館山市議会は、合併前の大型事業については、その必要性を精査し、相互に確認したうえで実施というルールをつくろうとの趣旨で昨年九月議会で大型事業についての決議をしました。
個々の事業については、その事業が合併後にも本当に必要なものなのか、また、必要だとしても各市町村にとっても納得できる規模のものなのか、などお互いに協議することが必要だと考えたのです。
その協議が始まれば、意見の相違が出てくることは当然のことです。その意見の相違をのりこえる相互の信頼関係の構築こそが合併には不可欠のものであると考えたからです。
ところが、合併協議会では、館山市議会のこの決議は議題とされず論議されることもありませんでした。その経過は提出議員の提案説明のとおりであります。
合併協議会では、丸山町の給食センターに関しての館山市議会代表の発言に対して、「館山市議会は、人のふところに手を入れてかんまわすのか」と、館山市議会の決議を敵視した発言がだされました。この発言は議事録にも記載されています。もはや、まともな協議が拒絶されたのです。
町村の大型事業は次々と着手され、さらにその後もあらたなハコモノ大型事業が事業着手されるという状況になりました。館山市議会の大型事業についての協議をもとめた決議は完全に無視されてしまったのです。「聞く耳持たず」ともいうべき状況で、意見の相違の域を超えてしまったと私たちは認識せざるを得ない状況に至ったのです。
合併しようとすることは、先ほどの提案議員の提案説明にありましたように、財布を一つにすることです。お互いのふところに手を入れてかんまわすのは当たり前のことです。合併しようとする以上、きれい事ではありえません。
「ふところに手をいれて確認させてもらいますよ。町村の皆さんも私たち館山市のふところに手を入れて思う存分かんまわしてください。皆さんの目から見れば、私たちの気がつかない面もあるでしょうし、率直に指摘してもらいたいところです」と。
合併するということはそれぞれの市町村のいいところだけでなく、悪いところ、隠しておきたいところも含めてすべてを飲み込むことですから、本当に信頼関係を築くことがなければできないことです。
お互いのふところをかんまわしましょう、そして、本当に信頼するに値する相手なのかどうか、確認しながら、相互の信頼をつくりあげていくことはどうしても必要なことではないでしょうか。
合併の基礎はお互いの信頼関係の構築であり、これを真剣に考えていた私たち議会に対して、この信頼関係を築きあうことの重要性を認識しなかった、辻田市長や町村には失望せざるを得ません。
2、新市の名称問題は、それ自体が大変重要な問題です。
同時にその決定の経過が、わずかに残されていた私たちの町村への期待感を粉々にしました。新市の名称で公募アンケートで最も多かったのは「館山市」であるにもかかわらず、「館山でなければ何でもよい」との発言が、でてきました。裏話ではなく、議事録に残された町村委員の正規の発言です。もはや黙っていられないと私たちは決断したのです。
相互の信頼関係の構築を拒絶し、そのうえ、さらに多数決を振りかざして強行する、こういう合併協議の仕組みには、大変に恐ろしいものを感じました。協議を続けても市民に責任を負う事は出来ません。脱退するしか選択はありえなくなりました。
3、2月2日に市議会は全員協議会で離脱方針を24対1で確認しました。合併にはそれに先行する大規模事業として情報システム統合事業があります。合併の15ヶ月前ごろにはその事業のための契約が結ばれます。全国各地の合併の事例では、その事業費は巨額であり、20億円規模になる例もあります。
2月2日に離脱方針を確認したために、現実に2月中に予定していた情報システム統合につながる契約が結ばれなかったと聞きます。2月2日の時点で決断したことは、まさにギリギリの時点でした。
離脱はいつでもできるから、協議を続けるべきとの意見を出される方がいますが、この先行的に実施されるシステム統合事業は巨額な規模になるのを承知して、それでもいつでも離脱できるというのでしょうか。巨額の契約をした後で、離脱となれば、巨額の資金が全くの無駄になります。
20億円規模とも見込まれるこの負担をどのように考えているのでしょうか。大変に無責任な意見だという点を厳しく指摘しておきたいと思います。
以上の点を主張して、この決議についての私の賛成討論とします。
<定例市議会のご案内>
3月3日(水)・4日(木)行政一般質問
(2月27日の議会運営委員会で質問者と順番が決まります)
神田議員は、通算100回目の質問となります。ぜひ傍聴においでください。
3月 8日(月)(本会議) 一般議案・補正予算質疑
3月11日(木)(本会議) 当初予算質疑
3月15日・16日 常任委員会
3月17日・19日 予算審査特別委員会
3月24日(水)(本会議) 討論・採決。
本会議の質疑はいずれも持ち時間制(一人で予算は1時間以以内、その他40分以内)で行なわれ、だれでも傍聴できます。
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