このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
<九月市議会報告2・・・神田議員の質問と辻田市長らの答弁より>
◎戦跡を活かした街づくり「館山歴史公園都市」について
神田)8月に市内で全国戦跡シンポジウムが開かれ、赤山地下壕の保存・公開の取り組みが高く評価された。教育長も参加されたがどう思ったか。また、戦跡の文化財の指定はどうか。
教育長)シンポジウムの盛会に感銘をうけた。文化財指定は5月の文化財審議会で検討をお願いして審議中だ。指定には所有者の同意が重要である。あと1〜2回の審議が必要だと思う。
神田)戦跡は軍事機密であったので地元でも知らない方が多い。戦跡の案内板の設置が必要だと思うがどうか。
教育長)戦跡案内板は、ご意見をききながら設置の方向ですすめていく。
神田)保存や記録は今やらなければ失われてしまうものも多い。来年は、戦後60年の節目。戦跡保存事業を画期的に充実させるべきではないか。
教育長)戦跡保存事業として、来年度は博物館の企画展の開催、生涯学習では戦跡保存講座を予定している。ハード面ではこれら実績をみて対応していくつもりだ。
神田)赤山地下壕の入壕者が大変多いがトイレや駐車場の増設が必要ではないか。また、戦跡フォーラムなどNPO団体との協調も必要ではないか。
答弁)入壕者は見込みより多くなっている。トイレや駐車場は、豊津ホールの施設を利用しているが、今後の入壕者の状況をみて判断していく。
教育長)NPOの意見も聞いている。豊津ホール使用団体との調整を考えてる。
神田)赤山地下壕は宮城都市公園にあるが、赤山地下壕などを活かし宮城公園を平和祈念公園として公園整備構想を検討してはどうか。
答弁)宮城公園のなかで赤山地下壕の位置付けはなくこれまでは検討していない。
<私の感想>
戦跡は平和のための文化財としての重要性とともに観光など地域振興にも重要な役割を果たすなど複合的な視点からの赤山地下壕の一般公開の取り組みが進められてきました。全国シンポジウムでは、赤山地下壕の重要性とともに、この取り組みのあり方が全国的な注目を浴びることになりました。すでに4月からの一般公開で1万人を超える入壕者となりました。(10月25日現在)
◎高齢者世帯のゴミの戸別収集について
神田)高齢者世帯のゴミについて個別収集ができないか、市は検討しているか。
辻田)身体の不自由な方にはゴミだしが負担になっている。県内では我孫子・習志野・野田市で戸別収集を実施している。実施には人件費や収集車の手配など新たな経費がかかるが、市民の要望を聞いて検討していく。
◎2年交代の国交省派遣の「助役」再検討について
神田)辻田市政では助役は国(国土交通省)からの派遣で、事実上2年任期となっている。辻田市長の人となりも知らず、館山市政について門外漢の方が国土交通省の職員だというだけの理由で市長を補佐する助役の役職について、その仕事に慣れるか慣れないかのわずか2年ほどの任期で次々とやめてしまう。これではいい仕事はできないし、助役として市長を補佐しようにもしようがないというのが実際ではないか。これを繰り返していていいのか大変疑問である。どう思っているのか。
辻田)2年でも在任期間で十分な成果を上げているので問題はない。
神田)来年春には伊藤助役は退任と聞くが、今後も国交省に派遣を求めるのか。
辻田)港湾の目処がつくまでそのつもりだ。お蔭さまで全国に例をみないスピードで観光港湾計画が国・県・市一体で順調にすすんでいる。この体制を維持したい。
神田)港湾の目処がつくまでというのはいつまでのことか。
辻田)指定を受けて3年になる。調査は3年、事業は5ヶ年ですすめる。来年には実施設計に入り遅れてもその次年度にはいけると思う。港湾計画は優秀な助役のお蔭で順調に推移している。
神田)辻田市長のいう「順調」は、挫折・失敗がいつものことで信用できない。港湾は県が実施主体だがその県は大変厳しい財政状況だ。なにをもって「順調」というのか、理解できない。助役といえば港湾だけやっていればよいわけではない。市長の女房役に例えられるが、2年交替の女房は異常事態だ。その認識はないのか。
辻田)館山をこれまでの「文化福祉都市」から「港湾観光都市」脱皮するのが私の基本方針だ。知事が館山港を海の玄関口にすると所信表明したことは画期的なこと。県に認められた大変な成果だ。助役が2年だというが、市の部課長も2年程度で交代しているので異例ではない。私の任期中は少なくともこの体制をとっていく。
神田)現体制を維持するというのは、助役の2年交代制ということか。
辻田)国も県も派遣は2年だと聞いている。派遣は大変いいことで、私の市政ではこの体制は市政の根幹と考えている。
神田)最初の福田助役が2年で辞めたときには、4年のつもりだったので裏切られた思いと答弁していたから、今の答弁は開き直りですね。要するに、福田、勝海、伊藤の各助役について、その個々人がどういう人かに関係なく、国交省の派遣だからということで無条件に受け入れてきた。そういう体制を根幹にするという意味か。
辻田)国から派遣してもらうことは必要なことだ。分権時代に派遣はいいことだと思っている。
神田)国からの派遣を「いいことだ」とする国とのパイプ論は、60年代70年代ならまだしも、自立を求められている今の時代にそぐわない。古い議論にはあきれた。助役は、部課長とは違って議会の承認が必要な特別職だ。同列に論じる人事ではない。
辻田)3人の助役は議会の承認を得ている。そもそも助役を内部から登用することについては、議会が承認してくれなかった。港湾で国から助役を引っ張ってくると当時の議長に話をしてそれならやってみろと了解を得て私が運輸所にお願いしたがいきさつだ。やむを得ず議会の要望で国からの派遣を求めたのだ。国派遣の助役を議会も市民も高く評価していると判断している。
神田)議会が内部登用に反対して承認しなかった云々の事実はない。国派遣の助役は議会の意見でそうなったもので議会にも責任があるといいたいのか。
辻田)私は議長に助役人事について話をした。当時の議長・副議長と話したのだが、議長は議会の代表だ。2月上旬まで助役が決まらなかったので運輸省から派遣してもらったんだ。
神田)当時の議長や副議長に話したと言いわけされた。いわば「裏取引」があったというのだが、それは事実かどうかこの場では確認できない。少なくとも議会には全く説明は無かった。いずれにしろ、伊藤助役が来春に退任した後はどうするのか、国交省に引き続き助役派遣を要請するのかどうか、その是非をこれを機会に再検討すべきではないか。議会と相談する気がないのか。
辻田)助役派遣はプラス、マイナスで判断したい。市職員が意欲も持ってやるのでプラスになっている。市民もプラスだと言っている。マイナスの意見は聞いていない。
<私の感想>
①この質問は、事実上の助役任期2年制を問題にしているのであって、現在の伊藤助役の個人的な資質のことを問題にしているのではありません。助役の職務を一般職の部課長と混同してしか考えられない辻田市長のお粗末さには驚きを通り越してしまいます。
②辻田市長の答弁には、質問してもいないことについて、長々と話したり、神田さんとは意見が違うと開き直って論点をそらそうとしたり、立場や視点は違っても問題点に真剣に取り組もうとするのではなく、私の質問をなんとかかわそうかわそうとする姿勢だけが強く感じられました。
③助役は市長に次ぐナンバー2の給与。市が負担する人件費は年間1300万円にもなります。国土交通省が負担するわけではありません。
国土交通省から派遣されて助役を務めたという館山市での経験は、国土交通省にかえってからの職務に活かせることになりますが、館山市にはほとんで何も残りませんでした。それが現実だったと思います。
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