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津波対策と自主防災体制についての提案
津波危険予想地域の地図 (「災害に備えて」館山市編集)
神田議員は、行政一般質問で津波対策について館山市の取り組みの遅れを指摘するとともに、緊急に行なうべき具体策を提案しました。市は提案事項の検討を約束しました。この質問をお知らせします。
神田)スマトラ沖地震による津波はインド洋沿岸の地域に深刻な被害をもたらした。館山市は32キロの海岸線をもつ市であり、海辺のまちがもつ危険をあらためて感じたと思う。市の「災害に備えて」のハンドブックでは、外房地域では海抜10m、内房では海抜5mまでを津波危険予想地域としているが、そこにはどのくらいの人が住んでいるのか。また、新年度予算には津波対策が見えないが検討しているのか。
市長)居住者数は把握していない。新年度予算は自主防災会の育成、強化を計上した。
神田)数を把握しないでどうやって対策を検討するのか、信じられない。海辺の人口密集地を含み、ざっとみても1万人以上はいる。そこには高齢者も多い。また、この地域には港湾施設はもちろん、館山駅や大型店のジャスコ、水産高校、安房西高校、館山一中、二中、安房博物館、南房パラダイス、ホテル、老人ホーム、老人福祉センター、自衛隊基地などがある。被災が昼間ならこれらにたくさんの人がいる。2万人を超える大規模な被災がありうるという認識がないのか。
市長)居住者の数を調べるのは大変で正確に把握していない。市の津波対策は関東でも大変すすんでいる。
神田)北海道南西沖地震の奥尻町青苗地区では、津波とともに大規模な火災が発生した。油タンクから流失した燃料が海面上にひろがり炎上。津波がひいたあとは焼けただれ、戦場のようだったといわれる。津波危険予想地域には船用燃料タンク、ガソリンスタンド、ガスタンク等がある。津波による流出防止策など実態把握が大切と思うがどうか。
市長)百年に一度あるかないかのこと。それらの調査は大変でいちいちしていない。
神田)スマトラ沖地震津波をみても市長の認識は他人事で前進がない。具体的な提案をする。まず、津波危険予想地域であることを住民に理解してもらうために、「地盤高表示板」の「津波に注意」の表示をあらためるべきだ。津波は注意すれば済むものではなく、危険ですぐに避難する必要があるということをはっきりさせる。そのために「津波危険予想地域」であることを明示するものにかえること。
市民福祉部長)確かに「津波危険予想地域」なので、今後検討します。
神田)夜間の地震被災では停電で真っ暗ななかを避難することになる。避難所周辺は停電でも点灯するソーラー式街灯を導入してはどうか。現代の「稲むらの火」になると思う。
市民福祉部長)まずは個人で懐中電灯を常備していただきたい。提案は、費用の面など含めて研究します。
神田)市の指定避難場所は海岸付近の人には遠すぎて現実的でない。館山海岸付近の人が城山公園まで10分以内に避難できるとは思えない。津波では木造は壊れてしまうが、鉄筋コンクリートはもつといわれる。伊東市では海岸部の鉄筋コンクリート建築物を津波緊急避難場所に指定しているが有効な対策だ。現行の津波避難場所を見直して、海岸部の丈夫なビルを津波緊急避難用に指定することを提案するがどうか。
市民福祉部長)有効な方法だと思っています。検討します。
神田)津波ではいち早く的確な避難ができるかがポイントだが、避難を呼びかける市の屋外スピーカーはよく聞き取れない。戸別受信機の普及にもばく大な費用がかかる。熱海市では防災無線を受信できる防災ラジオを特注し市民に配布した。一台735円で市民の個人負担は200円。4万人の人口だが申込みが殺到し、すぐに1万台が普及した。1万台でも市の負担は500〜600万円ですむ。防災ラジオの普及を検討してはどうか。
市民福祉部長)防災ラジオはいいアイデアだと思いますが、FM局のことなども含めよく調査し検討します。
神田)津波に際し、消防団員が海岸の水門を閉めに行くのは命がけだ。一定の震度を感じたら自動的に閉まるとか、遠隔操作で閉めるなどで対応できないのか。
市民福祉部長)津波では消防団員といえども海岸にいくことは危険なのでやめていただきたい。水門は県の施設なので、そちらとも相談します。
神田)新年度予算の自主防災会の育成、強化には賛成だ。自主防災会の現状は、町内会長・区長の兼務がほとんどであまり機能していないのが問題点だ。各町内会・区単位に市が(仮称)防災指導員を任命し、専門的な知識や技術も研修し、地域に防災のリーダーを養成すべきだ。地域防災の中核を育てる防災指導員制度を提案する。
市民福祉部長)貴重な提言で検討します。自主防災活動も徐々にはじまっています。被災後3日間は自分たちで生き延びることを率直にうったえ話し合っていただきたい。
神田)阪神淡路大震災では数万人が生埋めになったが、消防、警察、自衛隊などの救助隊による救出は2%にすぎず、98%は被災者が協力して救出した。まずは自分の命、次に同居の家族、次に向こう三軒両隣のご近所の安否を確認する方が多かった。防災は地域の協力が基本だ。自主防災会の力を高めることが重要なポイントだと思う。
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