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<6月定例議会報告1>

幼児及障害者通院医療助成廃止の改悪条例は撤回に
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筆の市民の陳情の願いが力に

 

館山市議会は、28日最終日を迎え、辻田市長から幼児及障害者の通院医療費の助成を廃止する改悪条例を撤回するとの申し出を正式にうけて、これを承認しました。

 

3月定例議会で文教民生委員会における「継続審議」となったこの条例案は、3月議会終了後、断続的に審査が行なわれてきました。8人の委員のうち委員長を除いて反対は4人、賛成は3人と賛否は拮抗していました。このため、賛成派からは、なんとか押し通そうと、A,B,C案の複数の修正案が反対議員に示されるなど懐柔策がおこなわれ、また、その一方では、文教民生委員会で反対が多数でも本会議で賛否を逆転して通してしまうなどの動きもありました。

 

しかし、市民の陳情署名が多数寄せられ、新聞投稿など反対の声が日々強まるなかで、議員のなかから反対の意思表示も次第に増えてきました。文教民生委員会では、賛成派の修正案による懐柔は反発をよび、反対の4委員の意思はさらにかたくなりました。賛成派の意思は強いわけではなく、かえって賛成派とみられていた3人も怪しくなってきました。

 

こうしたもとで文教民生委員会の開催を翌日に控えた21日(火)の議会終了後に、突然、議員全員協議会が招集され、辻田市長より「通院医療助成廃止の議案を撤回する」との意思表明の発言がなされました。すでに提案し議会で審議の最終局面を迎えたこの段階にいたって、辻田市長がどういう経緯で撤回を決断したのかの説明は全くありませんでした。しかし、とにかく「撤回」を表明したことは、勇気ある決断であり、歓迎したいとその旨をその席で私は発言しました。

 

22日の文教民生委員会では、賛成派の中心であるA議員の質問に答える形で、辻田市長は、「A議員から通りそうにもないといわれ、撤回を決断した」と、この決断が不承不承で「本意」にそったものではない旨の説明をしていました。

 

28日の本会議で私が、「撤回の決断をした経緯について」として文教民生委員会における市長発言の確認とその本意の説明を求め質しました。辻田市長はそういうことは言っていないと文教民生委員会における発言内容を否定しましたが、同委員会の議事録ができればいずれはっきりする事になります。

市長夫婦と議長夫婦のスペイン旅行

 

幼児及障害者通院医療助成条例の改定案の説明が5月15日付の市広報に2ページを割いて掲載されました。市議会で審議中の議案であり、市の一方的な解説はふさわしくないので、どのような考えで市広報に掲載したのか、辻田市長の考えを聞きたいと私は面会に行きました。ところが、残念ながら市長は休暇中でスペイン旅行中とのことでした。

議会審議中の議案であることから、議会全体の問題でもあり、議長に話さなければと議長室にも行きました。しかし、議長もあいにくスペインに旅行中だというのです。よく聞けば、なんとあきれたことに、市長夫婦と議長夫婦が市職員を同行してスペイン旅行中であるとのことでした。

 

幼児及障害者通院医療助成廃止条例を審議する重要な課題を抱えているときに、議会の代表である議長と提案者の市長が夫婦で一緒にスペイン旅行というのもおかしなことです。公務での旅行というのなら事前に議会に説明があってしかるべきですがそのような説明は一切ありません。私的な旅行と言うのなら、市長夫婦と議長夫婦は、夫婦で海外旅行をいっしょにする個人的関係であったことになります。辻田市長と秋山議長とがそういう関係とは、いままで聞いたこともなかったことです。

 

議会は、市長らの執行部に対して行政の逸脱や不正、不公正などがないように、住民の代表として監視する役割があります。

市長ら執行部に不正や間違いがあって、議員が個々にこれを調査すると言っても、議会を代表する議長が市長と必要以上に懇意になっていたのでは、議会による監視の機能を弱めることになりかねません。議長には市長との間に一定の距離感が必要であり、私的な関係においても節度が求められるのは当然であります。市長の施策を支持し、これと一体化するのが議長の職務ではありません。このことがわからないようでは議長としての資格に欠けることになります。

 

議会最終日に「議長不信任」案が提案されました。投票の結果は、賛成9、反対10、白紙2で否決となりましたが、この結果からも、秋山議長への「信任」はわずか10でしかなかったことが示されました。議員の秋山議長への不信感は大変大きくなっていました。

 

私の議会質問に辻田市長の答弁は、旅費は公費ではなく全て私費だが、スペイン大使の招待があり、カジス市訪問など内容は「公務」だとしていました。公務なら誰とあいどのような事をしたのか、日程等公開すべきとの追及に、最終的にはこれまでの答弁を変更し「私的旅行」になりました。「公務」として公開する自信まではなかったようです。


「私的旅行」となりますが、それにはそれであらたな疑問や問題点がでてきました。
 スペイン大使の招待やカジス市を訪問したと言っています。当然ですが、辻田実氏、秋山光章氏の個人としてではありえません。事前に連絡し、館山市を代表する市長夫婦・議長夫婦としての待遇をうけてきたのだと思います。したがって、私的な旅行と言っても、市長あるいは議長としての役職にある間でなければ、できない旅行だったことになります。市長と議会との間に紛糾する案件があっても、それを無視してどうしても議長在任期間中のこの時期に実施しなければならなかったのかもしれません。市長・議長としての地位を利用した私的な旅行というあらたな疑惑が浮かんできました。


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