このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

福祉切り捨てを推し進める辻田市政

 

18年度予算案を説明するための市議会全員協議会が20日に開かれ、新年度に変更する福祉事業として次の5つの事業が具体的に示されました。

①乳幼児医療費助成の削減、②障害者医療費助成の削減、③敬老祝金の引き下げ、④心身障害児助成金の廃止、⑤寝たきり老人医療費の廃止、です。いずれも福祉切捨て策ですが、今回は、乳幼児医療の問題を考えてみます。

 

月額1000円を2000円に自己負担を引き上げ

市の乳幼児医療費助成費は43%も削減

 

○館山市は、小学校就学前の乳幼児医療について、県が未実施の「3歳から就学前の通院」と「3歳から就学前の7日未満の入院」を対象に独自の医療費助成を実施しています。この制度は、1ヶ月、1医療機関ごとに保険診療の1000円を超えた自己負担額を市に申請して助成金をもらうという制度です。もともと、この制度は、1973年(昭和48年)に就学前のこどもの医療費を無償にするという趣旨で館山市が全国に先駆けて実施、その後、助成対象を1ヶ月、1医療機関ごとに保険診療の自己負担額1000円を超えた場合にするといういわゆる「足きり」が導入され、今日にいたっています。

 

○今度の改定案は、1000円の自己負担分を2000円に引き上げるというものです。この結果、市の補助予算は、年間17,347千円が平年ベースで7,442千円削減(42.9%の削減率)になるとしています。ほぼ半減に近いカットです。

18年度は、周知期間3月を置くので削減額は4,341千円となります。

 

少子化は有史以来の未曾有の事態(少子化対策基本法)

辻田市長は、昨年はこの制度を廃止する提案をしました。市民の反対の請願がだされ、市議会においても反対の声が拡がり否決必至の状況で、ついに提案

は撤回されました。今年もまた、あらたな提案をしているのですが、辻田市長

は、「子育て支援」や少子化対策について、その重大な意義を理解せず、昨年と同様、経費削減の視点からしか考えていないのではないか。そもそもどういう次元で少子化問題を考えているか、大変疑問です。

少子化対策基本法では、「わが国における急速な少子化の進展は、21世紀の国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす」とし、「
我らは、紛れもなく、有史以来の未曾(ぞ)有の事態に直面している。」とまで指摘しています。乳幼児医療費助成を削減し少子化対策を後退させることは、21世紀の市民生活に「深刻かつ多大な影響」をさらにもたらすことになります。

具体的に同法16条は、「国及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者の経済的負担の軽減を図るため、子どもの医療に係る措置を講ずるものとする」としています。この法律を無視し、乳幼児医療費助成を削って、なにをやろうというのでしょうか。それよりも重要などんなことがあるというのでしょうか。

以下に「少子化対策基本法」をご紹介します。

○少子化対策基本法平成十五年七月三十日法律第百三十三号)
(前文)我が国における急速な少子化の進展は、平均寿命の伸長による高齢者の増加とあいまって、我が国の人口構造にひずみを生じさせ、二十一世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。 しかしながら、我らはともすれば高齢社会に対する対応にのみ目を奪われ、少子化という、社会の根幹を揺るがしかねない事態に対する国民の意識や社会の対応は、著しく遅れている。少子化は、社会における様々なシステムや人々の価値観と深くかかわっており、この事態を克服するためには、長期的な展望に立った不断の努力の積重ねが不可欠で、極めて長い時間を要する。急速な少子化という現実を前にして、我らに残された時間は、極めて少ない。
 もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、こうした事態に直面して、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境を整備し、子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、子どもを生み、育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、少子化の進展に歯止めをかけることが、今、我らに、強く求められている。生命を尊び、豊かで安心心して暮らすことのできる社会の実現に向け、新たな一歩を踏み出すことは、我らに課せられている喫緊の課題である。
 ここに、少子化社会において講ぜられる施策の基本理念を明らかにし、少子化に的確に対処するための施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。

 
(経済的負担の軽減)第16条 国及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者の経済的負担の軽減を図るため、児童手当、奨学事業及び子どもの医療に係る措置、税制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。



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