このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

◎議員の報酬を考える

 

房日新聞への投稿本文です。3月1日付で一部カットして掲載されました。議員の報酬はどうあるべきか等、そもそも論も含めて考える必要があります。私の投稿が議論のきっかけになれればと思っています。ご意見・ご批判をお寄せください。

 

 

「お金持ちしか議員になれない」でいいのでしょうか

 

 館山市議会議員の報酬について、報酬審議会が27日に開かれるとのことですので、議員のひとりとして私の考えを述べ、読者のみなさんの参考にしていただきたいと思います。

 

1、議員報酬は、低ければいいというものではない。

 

議員の報酬は、低ければ低いほどいいというものではありません。だれでも立候補し、当選すれば普通のサラリーマンと同程度の生活費と議員の活動費分が保障されなければなりません。そうでなければ報酬以外に特別の収入があるお金持ちしか議員になることはできません。普通の庶民は議員になる道ははじめからありえないことになります。

 

2、館山市議の報酬は高いのか。実際の手取りで23万円程。

 

 館山市議会議員の報酬は高いのか、実際をお示します。比較のために1月の議員報酬からサラリーマンと同様に社会保険料だけを差し引いた手取り額をみました。議員の年金は、議員共済と国民年金です。健康保険と介護保険は国民健康保険です。雇用保険に相当するものはありません。

議員共済掛金、国民年金保険料、国民健康保険税の合計は月当り11万1千円ほどになります。議員報酬額は、34万8230円ですので差し引くと23万7千円程です。この水準は、普通のサラリーマンとしての生活費だけで議員の活動費まではとてもありません。

私は、30歳の時から27年間議員をやってきましたが、この間に2人の子どもを育てることもできました。それは議員報酬について、市民のみなさんの理解があったからだったと感謝しています。しかし、今の議員報酬の水準では、若い世代の普通のサラリーマンの方は、能力や意欲はあっても、まず議員になれないのではないかと危惧しています。

 全国の市議会議員の報酬と比較してみました。人口4万〜6万の市は全国133市ですが、この平均は37万443円です。館山市は、低い方から53番目の報酬の低い市ですし、館山市の現在の報酬はこの全国平均より6%低くなっています。

3、市民の代表として、片手間ではできない議員の仕事の実際

 

 議員は非常勤ではないかというご意見をお聞きします。たしかにいつでも議会が開かれているわけではありません。しかし、現代の複雑化した行政では、専門的な知識をもたなければ、議員が住民の代表としての役割を果たす事は不可能です。議員は市長の単なる「イエスマン」で、議会はお飾りの役割をすればいいというものではありません。市政の無駄づかいにメスを入れるのも議会の大事な役割です。

館山市議会では、各議員が、辻田市長はもちろん、歴代の市長にも住民の代表として言うべきことを直言してきました。市政がそのために大きく変わることも度々でした。不十分と思うこともありますが、しかし低ければ低いほどよいという議論のありかたは、住民代表としての議会の役割を弱めるだけで、強くすることにはなりません。議員報酬の問題は、市民の代表にどのような報酬を保障することによって、その代表としての活動の条件をつくるのかという問題なのだと思います。

 

4、定数5削減で20%もへる議員数

市議会は議員定数を25から20に2割減らすことを決めました。この結果、来年の改選後の議会費は大幅な削減になります。同時に一人一人の議員の責任と活動は、これまで以上に広く重くなります。少なくなった議員でさらに議員報酬を引き下げて対応できるのか、どうかは、軽軽に判断できるものではありません。このため現在の議員の任期であるこの一年は従来の減額条例(3%削減)を延長し、その後の定数削減後の新規の議員報酬のありかたは、あらたな議論が必要であると思います。市議会は、こうしたことから、改選後の議員の報酬まで決めてしまう本則の改正は現時点では必要ないと判断したのです。

 

辻田市長が、市議会の意向を一旦は了承し、去る8日の報酬審議会には提案しませんでした。ところが、態度を豹変させ、本則改定案審議のために、あらためて報酬審議会を招集したということは、納得できないことです。

 

 

(緊急情報) 乳幼児医療費の条例改定は撤回に

 

市当局から乳幼児医療費助成条例の改定案は撤回するとの電話連絡が1日の夕方にありました。理由は県の条例改正が予定されているとの情報があったためで、制度が頻繁に変わるのはよくないので、県条例の内容を確認してからあらためて市条例の改定を検討したいというものでした。県の動向について把握していなかったための混乱です。県から派遣の総務部長は、市役所の受付業務で忙しくて、県の情報や施策の動向を取るヒマがなかったのですかね。自分の立場や役割をどう考えているのか、あきれてしまいます。責任をどうするのか、しっかりと議論していきたいと思います。

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