このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

<神田議員、決算認定反対討論で市長選の論点を指摘>

 

館山大桟橋のムダづかいよりも

都市計画税の減税を!

 

9月29日、神田議員は17年度一般会計決算認定に反対する討論をおこないました。このなかで辻田市政の4年間を論じるとともに来る市長選挙の論点として「館山大桟橋」建設の是非や都市計画税の減税の重要性を論じました。以下は反対討論の内容です。(中見出しは後からつけたものです。)

 

 

(市町村合併で迷走した辻田市長)

辻田市長。この4年間の任期最後の議会になります。本当にご苦労さまでした。この4年間の辻田市政を見るとき、最大の問題は、市町村合併をめぐる市政の迷走ではなかったかとおもいます。いったいあの合併の大騒ぎは、市民にとってはいったいなんだっただろうか、今こそ冷静に見ることができます。

 

まず11市町村任意協議会の合併が破綻し、9市町村で合併協を立ち上げましたが、これも1年余の協議の結果、解散となりました。いわゆる「駆け込み事業」についての懸念を表明した館山市議会の全会一致の決議を真剣に受止めるのではなく、あれは、私、神田などの一部議員の策謀だと町村長に弁解して、あなたはことを済まそうとしましたが、それが結果的には、町村長からの信用をあなた自身が失うことになりました。

 

あの合併協議の一年間の狂騒劇は、辻田市長にはくたびれもうけになりました。本当にご苦労なことでした。しかし、付き合わされたわれわれ議会、市職員、そして市民にとっては授業料というにはあまりにも負担が大きく大変迷惑なことでした。

 

(利用見込みのない館山大桟橋)

さて、合併破綻後の辻田市政は、館山大桟橋にいよいよ執着してきたように感じられます。65億円規模といわれた計画は、6分の1の12億円規模に縮小。それでもこれは大桟橋への第一歩だと弁解していますが、二歩目のみえない一歩では、いよいよ大桟橋の夢も希望もみすぼらしく、メッキがはげたのではないでしょうか。

 

利用する船舶見込みもなくて、桟橋を作ってはみたものの、果たしてどれだけの地域振興になるというのでしょうか。メッキのはげた中途半端な桟橋計画を説明するのに、館山港の宣伝等のシンボル効果という説明まで言い出しました。

 

民間事業者が宣伝シンボル効果を検討する場合は、その効果がどの位になるのかの測定をして、費用対効果を検討します。言い逃れのために、宣伝シンボル効果などというわけではありません。

 

いったいどのような宣伝効果がどれくらいみこめるというのでしょうか。宣伝効果はプラスばかりではありません。かえって、ウミホタルの生息域を破壊する自然破壊のシンボルとして、館山湾の自然景観破壊の要因として、あるいは税金のムダづかいのシンボルとして、中途半端な事業の見本として、館山の地域イメージをおとしめるマイナスの宣伝効果をあげることもありえるではありませんか。それらをふくめてどれだけの宣伝効果が見込めるのか、費用対効果を具体的にしなければ、行政としては、無責任であります。

 

館山駅は13億円も注いで南欧風の駅舎にと新しくなりましたが、このシンボル効果はどれぐらいあったというのでしょうか。お蔭で、駅を利用する観光乗降客は大幅に減少し、どんどん列車便数は少なくなっているでは、笑い話にもなりません。

 

(住民への奉仕こそ公務員の責任。NTT株事件の教訓)

言い逃れのための説明は行政としては「頽廃」(たいはい)の域です。行政は担当者がどんどんかわりますが、議会で質問されても、ただひたすらうまく言い逃れしておけばいい、あとは後任者の責任、野となれでは済まされません。私が市幹部職員の「頽廃」と厳しく指摘するのは、あのNTT株事件で露見された市幹部の対応を彷彿(ほうふつ)とさせるからであります。

 

公務員としての市民への責任を忘れて、市長の意に迎合することしか目に入らない、この悪弊が極端にでたのがNTT株事件でした。

そのときは言い逃れても、無責任な物言いは、市民に対する責任を感じさせるものではありません。市長の意にそってさえいれば安泰という公務員体質は、大失政につながる前兆で大変心配です。

 

(「都市計画税廃止」の市長としての初心を大切に)

さて、11月には市長選挙です。辻田市長、あなたは3期目を目指すとのことです。本日の房日新聞によれば、あなたは市長選挙にあたってのマニフェスト、公約を発表されたとのことですが、内容はまだ見ておりませんが、いずれにしても市長選挙が政策によって論議されることは、歓迎すべきことです。これがその端緒になれればと願っています。

 

私はこの8年間、あなたに様々にご意見を申し上げてきました。この任期最後の議会でご忠告申し上げたいことは、初心を思い起こしていただきたいということであります。

 

あなたは、都市計画税を廃止すると公約に掲げて、庄司前市長の3選を見事にはばみました。都市計画税は、年金暮らしだろうと収入がなかろうが取られる税金で、庶民ほどその重税感は著しいと指摘し、この税を課税しているのは安房郡市では館山市だけだ。市長に当選したら廃止したいと訴えたのでした。多くの市民があなたのこの都市計画税廃止の公約に期待をしました。民意をつかんだあなたの大逆転でした。

 

(違法性の強い館山市の都市計画税の課税)

平成17年度決算書では、都市計画税の税収は5億2千7百万でした。そもそも、都市計画税は都市計画事業のための目的税ですが、館山市は、昭和29年の合併で財政破綻しましたが、その財政再建策として昭和31年から課税され始めたものです。都市計画事業とは無縁な山間辺地にいたる市内の隅々にまで課税し、事実上、固定資産税の上乗せ税になりました。

 

都市計画事業のための目的税という使い道の限定された税という本来の趣旨をはなれて財政再建のために導入され、財政再建が達成されても廃止されず、さらにその後、昭和48年の財政破綻の際には、あらたな再建策としてさらに0.3%の制限税率一杯まで税率も引き上げられたのです。この館山市の都市計画税課税は、二度にわたる財政再建の財源として利用されて、今日まで引き継がれてきたのです。その歴史は、目的税という本来の趣旨からみると違法性の強い課税でありました。

 

制限税率の限度額一杯まで課税されているのですから、固定資産税の税率は全国一律で1.4%、館山市はこれに都市計画税0.3%が上乗せされ、事実上1.7%の課税になっています。館山市の資産課税は、税法上、この上はありえないという日本一高い税率になっています。他の市町村と比較すれば、館山市の税金が高いとその異常性は自明です。この点をわかりやすく指摘した辻田候補(当時)に市民の多くが期待したのは当然でした。

 

(公約はなぜ実行されなかったか。金丸議員の暴論)

そんな経緯で登場した辻田市長に、廃止は無理でも減税に手をつけるものと議員の多くが期待とともに懸念をもちました。そんななかにあって、「そんな公約は破棄しろ、状況が変われば公約も変えるのが政治だ」とあなたに公約破りを迫ったのが、あなたの対抗馬を表明している金丸議員(当時)でした。あなたはこの金丸議員(当時)の「公約を裏切れ」の主張に乗かって、ついに都市計画税の減税にすら全く手をつけませんでした。あなたの公約は全くのカラ約束になりました。

 

私は率直に申し上げたい。今も、有権者である市民の多くは、都市計画税減税や福祉、教育充実の市政を求めているのです。それには、まずは、見込みのない、館山桟橋のムダづかいをやめれば、一気にとはいいませんが、少なくとも減税や福祉の充実に取り掛かることができるのです。

 

今必要なことは、昭和29年の合併の負の遺産の清算に、すなわち都市計画税の減税にとりかかることです。あなたは初心に立ち戻って、昭和31年以来の50年来の重税という館山市の歴史的課題の解決に向けて前進するのだと、その姿を市民に示すことであります。

 

「公約を投げ捨てろ、状況が変われば公約も変えるのだ」などとその場しのぎの詭弁(きべん)であなたに迫った金丸議員(当時)の思想と辻田市長も同じ考えだとはあなたを支持した市民は思いたくは無いでしょう。

 

辻田市長が、その初心に立ち返っていくのかどうか、その動向を見守っているのは、決して私ひとりではありません。

 

私は、あらためて「館山桟橋のムダづかいよりも、都市計画税の減税」を求めます。以上の点を申し述べて、決算認定に反対の討論とします。(終り)

 

 

どのような館山市政をめざすのか、市長選択の基準はなにか

 

館山市政の行く末を決める市長選挙が11月に予定されていますが、私はどの陣営にも与するものではありません。選挙は人柄も大事ですが、館山市政の論点がよくわからないままでは投票できません。なにが、館山市政の選択すべき論点なのかを、私なりに市民のみなさんにお示ししたいと思い、そのため、九月議会における私の討論をそのままお知らせすることとしました。

 なお、ここでふれた人以外の方もありますが、議会会期中の現時点では館山大桟橋や都市計画税減税についての見解はわかりませんので論評はできませんでした。公平性に欠けるとのご批判をいただくかと思いますがご理解をお願いします。各陣営がどのような公約や所見を示すか、注目したいと思います

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