このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

市民の暮らしが大変な今。

大桟橋よりも、

福祉、子育て、生活環境整備は切実な願い

 

 

神田議員は、23日の議会最終日に平成19年度一般会計当初予算に反対討論を行いました。その反対討論をお知らせします。

 

 

神田)議案第1号 平成19年度館山市一般会計予算に反対の討論をします。

 

昨年11月に市政を変えたいという市民の期待を集め、辻田市長を破って金丸市政が誕生しました。前辻田市政をただちに払拭することは困難としても、市政の転換がどのようになされようとするのか、市民は大きな期待を持っていました。ところが、金丸市政はその最初から、市民の期待を裏切ることになりました。


1、就任直後に公約を変更

あなたの公約である6つの誓いでは「安心安全な生活基盤整備を優先し、大桟橋の建設は、計画縮小、経済効果など市民への説明もなく、建設及び建設後の維持にも相当な市の財政負担が予想されるため再検証します」というですが、市長就任直後に、「計画の内容、市の財政負担などをつぶさに検討した結果、建設を推進することがこれからの館山市の経済活性化につながると判断いたしました」として、選挙で公約した館山大桟橋の「再検証」を「推進」に変更しましたが、このことにより、市民の金丸市長への「期待」は「不信」へと変わりました。選挙公報で、「聞く、みる、動く」は政治信条と訴えていましたが、だれの声をきいたのでしょうか、市民ではなく、国土交通省からきた前辻田市長の助役の声を「聞く」では市民は納得しないのです。

 

2、市民アンケートでは、桟橋賛成は3分の1以下の少数派

私たちは、市民の生の声を聞くために2月に大桟橋について、また、金丸市長の政策変更について等をテーマに市民へのアンケート調査を行いました。料金受取人払の封筒をつけて、市内でアンケート用紙を5000戸に配布しましたが、458通の回答の返信がありました。回収率は9パーセントですが、この種のアンケートでは通常は1〜2パーセントといわれるので、異常に高い回収率でした。それだけ市民の関心の高さを示していたと思います。

大桟橋については、賛成は32.8パーセント、反対は27.1パーセント、再検証は21.2パーセント、わからないが15.1パーセント、その他が2.6パーセントでした。この結果で、注目すべきは、大桟橋に賛成は3分の1以下であったこと、反対と再検証を
あわせると48.3パーセントとほぼ半数の人が、桟橋計画には疑念を持っていたことです。賛成の方の賛成理由は地域振興になるが54.7パーセント。一方、反対の方の反対理由は、無駄な公共事業だが71.8パーセントでした。この結果から、大桟橋は、本当に地域振興になるのかどうか、単なる期待と夢だけで、無駄な公共事業でないのかどうか、ここの評価で館山桟橋についての市民の意見は割れていることがわかりました。

市民のこの期待と疑念をもとに市長及び議会は十分に検証することが求められますが、これまでの議会における論戦では、残念ながら、本当に地域振興につながるのか、その具体的な見通しはあるのかと質しても「いいものになるように努力する」との言い訳ばかりで具体的な説明は聞けませんでした。無駄な公共事業になるのではないかとの市民の疑念には全く答えることができません。「大桟橋は、経済効果など市民に説明できない」とあなたが辻田市長を批判した状態と全く変わっていません。あなたの態度が変わっただけでしたから、辻田市政へ向けられた批判を今度はあなた自身が市民からうけることになりました。

 

3、「公約を変える市長は信用できない」が市民の4割にも

アンケートでは、さらに金丸市長が公約の「再検証」を「推進」に変更したことについて、お尋ねしましたが、「簡単に公約を変更する市長は信用できない」という方が38.2パーセント、「議会が推進なのでやむをえない」の方の28.8パーセントを大きく引き離しました。

 

市民の約4割が金丸市長は信用できないと答えたのですが、当選して3ヶ月ですから、通常は新市長に期待感が膨らむのですが、すでに新市長への期待が崩れていました。あなたの市長就任後最初の仕事が助役らの進言にそっての公約破りで、しかもその公約破りについてのあなたの説明も、多くの市民が納得せず深い失望を生んだのだと思います。

金丸市政はその出発点から、市民の多くから「金丸市長は信用できない」といわば冷たく見放されている状態で、市長として市民の信頼を回復することは容易ならざることであります。まずはあなたの政治信条である「聞く、みる、動く」は国や助役の方を向いてではなく、市民の方を向いていただきたい、市民とともに歩む、それこそが、市民の信頼回復への一歩になるものとおもいます。

 

4、10億円規模の経済効果をもつ餌いわし漁業

漁業補償問題が解決したということは今も聞こえてきません。餌いわし漁業は、館山の伝統ある地場産業です。金丸市長は餌いわしの買い付けに年間1000隻の船が来ているとの認識をお示ししましたが、餌いわしの買い付けだけでなく、餌買人の宿泊、船の燃料補給、補修、船員の雑貨、食料、酒、タバコなど嗜好品の購入など、かつお船の寄港は、館山港周辺地域に経済効果をもたらしています。餌いわし漁業は年間10億円規模の経済効果になるものと推定されます。




水揚げが勝浦港に独占されているかつおですが、かつお船には館山に餌いわしを仕込みにくるだけでなく、船形港にかつおを水揚げしてもらえれば、かつおは新鮮さが命でありますから、あなたが提案した「館山・うまいもの構想」を前進させることになります。館山では船形港で水揚げされた新鮮で旨い「かつお」料理が食べられる、こうしたことが地域振興につながるものとおもいます。寄港する船の見込みも少ない大桟橋よりもはるかに大きな経済効果を生み出すものと思います。あなたの「聞く、見る、動く」の「見る」は、足元にこそ目を向けることが大事ではないでしょうか。

豊かな自然を保護し、農業、水産業を振興し、その風土と歴史を生かしてこそ観光業が成り立つのです。売らんかなの安易な発想は、一時的な発展はあってもすぐにあきられてしまい長続きするものではありません。館山大桟橋は県の事業ではありますが、地元負担金のある事業であり、依然として強い反対の声があるのですから、市民の反対、あるいは再検証の声を無視して、市長はその分担金や事業着手に同意すべきではありません。事業同意には、公聴会など市民の意見を十分に聞くための手立てをとるよう求めます。市民の声を聞かずに安易に事業同意を市長が県に出せば、公約は二度破られたことになります。なお、桟橋基部に位置する県立安房博物館の市への移管は、館山市の財政規模では不可能ですので、受け入れをしないよう求めます。

 

 

5、懸案の那古閼伽井下排水路の整備予算計上を評価

金丸市長はその公約で「安心安全な生活環境整備を優先し」としていました。懸案となっていた那古閼伽井下排水路の整備予算が計上されましたが、これら排水路整備などは市民生活に必要な公共事業であり、予算計上をしたことを評価します。JRとの協議など早くおこない、周辺地域の出水解消に尽力をお願いします。

 

 

6、公約破りはあなたの体質かという疑念

私は今期で引退しますので、率直に申し上げます。金丸市長の公約破りについて私は思い起こすことがあります。辻田市長の都市計画税廃止の公約についてです。公約実施をもとめる私の追及に必死に逃げ回っていた辻田市長に、あなたはその公約の責任を求めるのではなく、「公約を変更するのも政治だ」と公約破りの開き直りを進めたことです。私は大変驚きました。今回の再検証の公約破りを通じてあなたの公約破りは、もしかしたらあなた自身の体質ではないのかと危惧します。私と同じ危惧を市民の多くが共有しているというのがアンケートの結果でしたが、この危惧が本当だとすれば大変なことになりかねません。それが杞憂であり間違いであればと願いたいところです。

あらためて強調しますが、公約は政治家にとっては市民との約束であり、それを破ることは許されることではありません。公約の変更で市民の了解を得るには、その進退をかけて行うべきことであります。
 以上の点を指摘して平成19年度一般会計予算に反対の討論とします。

 

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