このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

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室戸岬突破 針路はやや北へ


日没 でもまだこれから

・2月9日

如月9日、通算9日目。

24番札所 最御崎寺まで
健康的においしい朝ご飯を食べ、軽食にバナナ1本とミカン1コを頂き、7:40 雨衣を 着て出発。昨日と同じような海と山のはざまの道をただひたすらに進むと、2時間程で 人家が増えてきた。10:00頃、室戸岬周辺地区に突入。30分程前に宿を出た早発の人を 追い抜いた。10:30、空海さんが「空海」の名前を思いついた由来の場所という 御厨人窟(みくろど)を経て最御崎寺への上り坂にとりつく。11時頃、ようやく24番札所に到着し、 久々の納経。
雨が小降りになったので、濡れて足にまとわりつく雨衣の下を脱ぐ。 白い雨衣のズボンがジーパンの染料で青く染まってた。

ズボンが濡れていて震えるほど寒いので、ズボンの下に1枚履く。 何故か濃い緑をしたウインドブレーカー。

25番札所 津照寺まで
室戸スカイライン経由で海岸沿いの国道へ降りる途中、もう少しで雨が止みそうなので 変に浮かれて歌いだす。
「♪明日は 温泉で酒が飲めるぞ〜 酒が飲める飲める飲めるぞ〜 酒が飲めるぞ〜」
そのまましばらく、周りに人がいないのを良いことに、日本全国酒飲みの歌を適当に 替え歌にして歌いながら歩いた。

12時頃のことである。津照寺まであと少しとなり、このペースなら奈半利まで進めるなぁ と考え始めた時、すれ違い様、犬を連れたおじいさんに声をかけられた。

「うちでコーヒーでも飲んでいきなさい」

午後の進行予定を考えて少し躊躇していると、追い討ちをかけるように 「先を急いでも、何もあらへんで」と再度誘われた。
これもお遍路と、寄せていただくことにする。

コーヒーを飲みながらお話を伺っていると、今は最御崎寺の納経所で仕事をしている ということらしいが、元々は引退後に本当に「出家」して八十八箇所を巡り、その後は 室戸に住んで歩きへんろのお世話をしたり色々とされているスゴイ方だった。

14時頃にお暇する。この時間だと泊まりは金剛頂寺の宿坊かと思い、 電話してみたがつながらなかった。

すぐに津照寺に着き、門前で昨晩同宿だった方々に再会した。 納経を済ませて再度金剛頂寺へ電話してみたが、またもつながらない。 こうなりゃ直接尋ねてみるしかないのだろうか。もし泊めてくれないなら 無理矢理に奈半利まで行かねば・・・。
コーヒーのお陰か調子が回復し、まだパラパラと降りつづく雨の中を出発。

26番札所 金剛頂寺まで
少し山を登って15:30着。先ほど津照寺で声を交わした方がここに先着していて、今日はここの宿坊泊まり にするという。納経を終えて16時近くなってしまったが、宿坊にお伺いをたててみようとしたら、 留守だった。
インターホンがあったので寺務所?の人に聞いてみると

「予約なしで来られても、食事の準備とかができないので泊められん」とお叱りの言葉を 頂戴してしまう。うん。まあそうですわなぁ。 何度も電話して、つながらなかったんですが、とは言いそびれたし、言ってもしかたがない 恨み言であろう。先ほど会話をした方は、ふもとに民宿があったよと教えてくれたが、 とりあえず奈半利まで行きます、と別れを告げ、16:00、金剛頂寺を出発。 先ほどコーヒーのお接待を頂いたおじいさんの言葉、 「何事にも裏と表がある 善の裏に悪、裕福に貧乏、苦に楽 etc」が頭の中をよぎる。
尾根を越えたら、雲が切れて明るくなりつつある西の空が見えた。少し悲しい景色だが、 先ほどのお断りがなければ見れなかった景色である。自らを鼓舞するつもりか、 歌いだす

♪ いざ進めやキッチン 目指すは ジャガイモ

orz 何故にキテレツ大百科・・・

♪ タマネギ目に沁みても 涙こらえて

いや、泣いてない 泣いてないから

奈半利まで
山道を下り、ふもとの道の駅でしばし休憩。雨が完全にあがったので、汗やらなにやら で湿ったTシャツを着替え、防寒着を着る。靴下も雨で湿って いるので履き替える。今まで履いていた厚手の靴下が水分を吸ったためなのか、 靴の中がそれほど湿っていないのが幸いである。
ずぶ濡れの上着(ウインドブレーカー)をリュックの後ろにくくりつけ、かわりに雨衣の上着を着て、 パンやらミカンやら手当たりしだいに腹に詰め(そういえば昼、食べてなかった)、16:45出発。 イヤホンを耳に、夕日に照らされる海やら吉良川の古い街並みやら、昨日から引き続きの 高知県東部交通レインボーノンステやらを眺めながら5km/h程度で国道55号を北へ。

途中、休憩所の東屋に金剛杖が1本、寝かせてあった。持ち主は何処へ?

18時をまわって暗くなる。羽根集落の先のへんろ道は岬の付け根を峠で越えている らしいのだが、暗闇の中で「へんろ道」を通る装備も度胸も無いので、大人しく国道伝いに ひたすら進む。
室戸までと違って車の通行量が多く、ライトで歩道が照らされるので歩きやすい。 これまで散々邪魔に思っていた車のお陰というのも変な話だ。 ただ、その車も常に通っている訳ではないので、往来が途切れると真っ暗になる。
という訳で、イヤホンの音楽に合わせてまた歌いだしましたよ?この男は。「空想ルンバ」とか。

20:20。尾崎から42、3kmの行程を終えて今夜の宿「ホテルなはり」に到着。 日帰り入浴施設併設のビジネスホテルみたいな素泊まりの宿なので、16時に電話しても 受け入れてもらえた。

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