このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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白鯨 ナガシマスパーランド



☆スペック☆
設計      ロッキーマウンテンコンストラクション(米)
施工      三精テクノロジーズ(日)
最高部高さ  55m
最大落差   m
最高時速   107km
コース全長  1530m
最大傾斜角度80度
安全装置   ラップバー、シートベルト
定員      4人乗り6両編成 24人 最大2編成運転
総工費     28億8000万円
乗車時間   2分40秒
最大プラスG 4G
周回数     1週
乗車制限   身長130cm以上
営業期間   2019年3月28日〜

☆感想☆
1994年〜2018年1月まで運行していた木製コースター、ホワイトサイクロンを改造してオープンした日本初のハイブリッドコースター。2019年現在、RMC社製ハイブリッドコースターとしては、私が最も愛する遊園地、シダーポイントにあるスチールベンジェンスに次いで、世界第2位の規模です。

そして、ローラーコースター単体として、乗り心地の良さ、エアタイムの回数と吹っ飛ばされるような迫力、逆バンク、ゼロGストールなどこれまで日本では体験できなかったコースバリエーション、どれをとっても、日本一面白いコースターであると断言できます。ホワイトサイクロンよりは短くなったものの、1530mという十分な長さがあり、カワセミ、ハリウッドドリームザライドなどで感じた規模への不満足はありません。FUJIYAMA、スチールドラゴンといったメガ、ギガコースターにも匹敵する満足度です。

特に新鮮な感覚だったのは、巻き上げ前と1stドロップ後にある逆バンクカーブ。特に後者は、今までに乗車したどのコースターにも無かった、唯一無二の感覚です。厳密には、日本初登場としてはよみうりランドのツイストコースターロビンがありましたが、その感覚とも全く違いました。

一方、駅舎まわりや待ち列はホワイトサイクロンより流用、造形や演出も皆無に近いので、良くも悪くも、このパークらしいライドであると言えます。テーマ、名前、宣伝などは賛否両論でもあるようです。

コースターとして、欠点らしい欠点は、ほぼ皆無だと思います。さあ、今すぐに乗りに行ってください!日本最高の乗車体験がそこにあります!!


乗車回数:2回 総合評価☆☆☆☆☆

☆BEST乗車☆
時期:夏の午後
天候:晴天
車両:最後尾>先頭 
体制:ハンズアップ!

☆コースレイアウト☆



スチールドラゴン、アクロバット側と対極に、園の端にあります。2箇所の入園口どちらから入ってもかなり距離があります。



エントランスは完全にホワイトサイクロンの流用です。エンブレムが変更されたのと、テストカー、フォトロケーションが設置されたのが違いです。







キューラインも流用ですが、手すりなどは塗り直されているようです。また、旧ライドフォトショップにロッカー室が新設され、そこで荷物を預けてから、乗り場へ向かいます。これにより、乗降はスムーズになり、効率の向上に一役買っています。






これだけのインバージョンをもちながら、ラップバーのまま輸入してもらえた事には、感謝してもしきれません。ひざ押さえについても、思ったほどは気にならなかったように感じます。昨今の開放的な座席たちと比べると、どっしりと座れる感じで、背もたれこそ低いですがそもそも座席自体が大きく、後部座席での視界は旧スチールドラゴンと同じくらいというように感じます。



発車早々に、RMC社製コースターの特徴の1つと言えるウネウネが始まりますが、なんとこの最初の落下、最後尾に乗れば早速浮きます。タイタンやジュピターなど、この最初からおっ!となるくらいのコースターは多々あれど、こんなにしっかり、もはやファーストドロップといえるほど落下感があるとは思いませんでした。只者では無さを、早速感じます。

次の極小キャメルバック1つも、座席を問わず浮きます。



次が1つめの逆カントです。既に記憶の彼方となって久しいツイストコースターロビンの逆カントよりも、まあ振られたかな、とは感じますが、この後に待ち受けるコースを思えば、こんなものはもはや食前酒…



もう1つキャメルバックがありますが、さすがに速度不足かそれは浮きません。



巻き上げですが、ホワイトサイクロンより約10m高くなっているということで、傾斜も気持ち急になったように感じます。
巻き上げ音が、最新のコースターにしてはかなりうるさいのも気になります。これくらいのほうが、コースターらしくて良いよなあと思いつつ、隣の人と会話するのもままならない程なのは、さすがにうるさすぎるようにも思います。








巻き上げ速度自体は、昨今の平均速度の速さを考えると遅いくらいかもしれません。



最高点で左カーブしながら助走をつけ、ファーストドロップの絶壁へと向かいます。この時点で、ホワイトサイクロンよりずっと速いのに驚かされます。






この80度の落下は、何と言ってもこのコースターの名物です。見た目のインパクトも素晴らしく、また、10名以上乗れる連結式の周回型コースターでは、国内最大傾斜でもあります。





この急傾斜を見慣れると、ホワイトサイクロンの50度とはなんだったんだろうと思ってしまいます。









一方で、この後に待ち受ける数々のドラマチックなコースレイアウトを思うと、「ただの急な50m級の落下」でしかない、と言えるのも事実。同園内には傾斜こそ12度浅いものの、93mのドロップを持つスチールドラゴンがあることもあり、規模の差を感じざるを得ないポイントです。




そのままの勢いでダブルアップと呼ばれる二段の登りへ。



当然のように1つめでも2つめでも素晴らしい浮きがあります。





ここをダブルアップではなく、海外の多くのRMC製コースターで見られる「最下点で極小キャメルバック→大登り」の方が良かった、という意見を耳にしますが、こればかりは両方乗った方の意見を聞く他無いでしょう。少なくとも私は、これだけ素晴らしい浮きが2連続で味わえるとあれば、この選択で良かったのではないかと思います。






ホワイトサイクロン時代、完全な休憩ポイントとなっていた水平ループは無くなり、ここに最大のスリルポイントといえる90度逆バンクターンがあります。



ちょうど先日、上海、オーシャンパークのスチールドルフィンにて近い動きの逆バンクを経験しましたが、回転エレメントのようにしなやかにこなすスチールドルフィンと比べ、こちらの方が振り落とそうとする挙動が強く、初回乗車時は怖いと思うほどでした。





エアタイムが凄い!だけなら、東武動物公園のカワセミでもかなり近い感覚が味わえますが、逆バンクについては正真正銘の日本唯一のコースです!





つづいてダブルダウンへ。この動きについてもダブルアップと同様の感想です。この動きである必然性も感じませんが、これだけ良い浮きがあれば文句も無いと思います。







ライドフォトのカメラが残っており、それを狙ったかのようにも見えるコースですが、撮影も販売もされていないようです。残念。



続いてのエレメント、ゼロGストール(公式ではゼロGインバートとも)も、日本初登場です。この山は、他の山と比べると比較的大きく、ちょうど良い通過速度となり気持ちのいいゼロGです。車体こそ逆さを向きますが、他のどのキャメルバックより気持ちの良いゼロGというのは滑稽ですが、これがまじで気持ちいい。数回乗ると、浮きすぎてモモをバーに打ちすぎて痛くなってきますが、ここだけは何回乗っても気持ち良いです。












続いての右カーブは、語られる事は少ないパートですが、ここも十分狂った曲線をしています。こんな曲線なのに、乗り心地は至ってスムーズなのが恐ろしいほどです。



観覧車の影がCool!



ここはあくまでカーブですが、この微妙な凹凸ですら浮きがあり、カーブ中なので実質曲がり浮きのようになるのが面白いです。



ホワイトサイクロン時代にはここで中間ブレーキがあり、一息つけるポイントでもありましたが、それが無くなったのは大正解だと思います。海外の同社製と比べて、スチールベンジェンス、ニューテキサスジャイアントは中間ブレーキあり、ツイステッドコロッサスは2回巻き上げと、いづれも中盤で一回、速度が低下するポイントがあります。中間ブレーキ無しは、30m級のもう一回り小ぶりのものです。よって2019年現在、白鯨は中間ブレーキ無しに最後まで駆け抜ける世界最大のハイブリッドコースターということになります。正真正銘、世界に誇れるコースターが久しぶりに日本に出来たと思います。



続いて2つめの回転エレメント、ゼロGロールへ。



ここは、むしろゼロGストールと比べると山が低く、高速のままグイっと回る感じです。全く悪くないのですが、このコースターで唯一、人によっては気持ち悪くなる部分かもしれません。








キャメルバックを1つ超えて左カーブへ。





写真らしい写真でなくて申し訳ないですが、ここのカーブは左に乗ると、内側の支柱にぶつかりそうで怖さがあるポイントです。



さあ最終ストレートへ。まずはこれもほぼ逆カント、といっても過言ではない曲がりキャメルバック









続いてコークスクリュー、と、公式では謳われていますが、ゼロGロールとの区別はほぼ無いと思っていいでしょう。通過速度的にはこちらの方が遅く、マイルドです。









ここから木組みのトンネルへ。ホワイトサイクロンの要素を継承するパートですが、中は広々としていて、閉塞感は低いです。ここにも1つ極小キャメルバックがあり、これが最後の浮きです。



木組みから出てきてブレーキ、は、ホワイトサイクロンとほぼ同じ、逆に言えば、ここにもう1つホップがあっても良かったかなあ。


とにかく、日本にRMCハイブリッドコースターができたこと、かつ、2019年現在世界最高峰のスペックであること、こんなに嬉しい事はありません。ホワイトサイクロンが惜しくないと言えば嘘になりますが、このリプレイスにより、同園の総合力もかなり底上げされたように感じます。日本にお住まいでローラーコースターが好きな方なら、どこからだとしても今これに乗らない理由は存在しないと思います。

ここ数年の国内の新作、という意味では、高飛車、アクロバット、フライングダイナソーには圧勝。2008年のカワセミぶりの傑作と思います。園もライドも減る一方の日本ですが、生きていて良かったと、希望を捨てずにこの趣味を続けてきて良かったと、ただただ思います。








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