このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

AIR TIME
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☆スペック☆
設計 施工  株式会社トーゴ
最高部高さ  79m
最大落差   70m
巻き上げ高さ 71,5m
最高時速   130km
コース全長  2044,8m
最大傾斜角度65度
最大バンク角 90度
安全装置   シートベルト、L字ラップバー
定員      4人乗り7両編成28人
総工費     30億円
乗車時間   3分36秒
最大プラスG 3,5G
料金      1000円
年齢制限   62歳以下(小学2年生までは要付き添い)
身長制限   120cm以上
オープン    1996年7月17日


☆感想☆
フジヤマ。そのネーミングもさることながら、コースレイアウトの濃度もすごい。国内唯一と思われる「サーフィンコース」、「ゼロカントカーブ」という2つのエレメント。ファースト〜サードのダイナミックな落下と浮き。異型のブーメランターン。コースに存在するエレメントの全てがすばらしく、まさしく名作といえます。
オープン当時は高さ、速さ、落差、巻き上げ高さの4つでギネスに認定され、1997年のスーパーマンジエスケープで速さ、高さは抜かれましたが、巻き上げ式では4つとも世界一を保ち続け、2000年のゴライアスまで抜かれることはありませんでした。
乗り心地については評価が分かれるところですが、いろんな所で痛いって噂を聞いた上で久しぶりに乗ったら、いつも通りのフジヤマ過ぎて笑った。完璧なまでにスムーズなコースターがいっぱい出来てスムーズの基準が変わってきてるんですかね。かつてのフジヤマがどんな乗り心地であったかは自分にはわかりませんが、これが自分にとってのフジヤマです。
入り組んだ支柱や大きく8の字を描くようなコース展開はサイクロン型の木製コースターに通じるところもありますね。
完成から15年以上経った今でも色あせない最高のメガコースターです。いつまでも走り続けてほしいです。

☆BEST乗車☆
時期:夏の午後
天候:晴天
車両:最後尾>先頭の右側
体制:足を少し浮かせた状態でハンズアップ、安全装置はやや緩め。

☆コースレイアウト☆

駅舎はかなり大型で、スロープからで約40分待ちです。効率は比較的いいので基本的に大型コースターの中では最もすいていると思いますが、弱雨や弱風のときは1両運転になってしまうので注意が必要です。もし1両になってしまうと一気に効率が落ちてしまうので他をあたった方がいいでしょう。

ドドンパが出来る前まではこの駅舎の前まで第一入園口から連絡通路のような高架路が延びていて、駅舎を正面から見れる機会はそうそう無かったそうな。



つづら折りスロープを抜けるとプラットフォームへ。乗車と降車は分かれていません。
指定された番号の柵につき、ゲートが開くとまずロッカーに荷物を預けます。サンダードルフィンなどのように車両ごとにロッカーが分かれてればいいんですが、ここだと降りて荷物を取りにいった人と乗り込もうと預ける人がごったがえしちゃうのでちょっとイライラしてしまいます。
鍵はサンダードルフィンなどと同様、ゴムのバンドで巻いて自分で管理するものです。




車体の基本構造は浜名湖パルパルのメガコースター四次元などと同じですが、背もたれが低く、ショルダーハーネスもありません。かなり開放的な座席ですが、安全バーがギア式なのでいくらゆるくしてもファースト最下点でのプラスGで下がってきてしまいます。





現在は金太郎、銀二、鏡子の3台が稼動しているようですが、以前は↑のような炎をイメージしたペイントの車両が稼動していました。これ以外に青い部分が黒いものと赤いものもあったようです。

また、一時期は10周年記念として、騎士団のペイントを施した車両が稼動していたこともあり、イベント終了後も一部変更して使用されていましたが、最近では使われていないようです。ちなみに、初期の3編成及び初代金太郎、銀二はトーゴの製品ですが、現在使われている二代目金太郎、銀二、鏡子はサノヤスヒシノ明昌による製品のようです。



こちらが2013年に導入された最新車両、鏡子。表面が鏡のようになっているのがウリということですが、ぱっと見やや銀二とかぶるなぁという印象。



座席の内側だけ黒くなっているのはかっこいいなぁと思います。

スタート時、以前はスタッフとのハイタッチがありましたが現在は手を振るのみになっています。
プラットホームに若干傾斜がついているため推進用のタイヤ(キッカーモーター)はありません。ロースピードで左に180度ほど曲がり巻き上げになります。

ちなみに、↓の写真は2005年のものであるためまだええじゃないかがなく、旧戦慄迷宮の建物が残っています。




巻き上げはチェーンによる一般的なもので、スピードも中程度です。左前方には富士山。後ろには園内が見え、景色は良好です。点検用階段がある右側には10mおきに高度表示があり緊張感を高めます。
角度はそこまできつくはないのですが背もたれが非常に低いためかるく腹筋を使います。その際にあまり反り返りすぎると安全バーが下がってきてしまうので注意が必要です。
音は、アンチロールバックの形状がバンデットなどと異なるためゴツゴツした感じです。




巻き上げ終了後、少し直進し右に折れるとファーストドロップ。角度65度は特に90度近いのが3機もある富士急ではむしろ緩いくらいだし、急なコースターが増えた今となっては普通になってしまいましたが、後方では十分な浮きがあります。前のほうでは浮かないけどそれは致し方ないですね。

ファーストドロップの迫力としては、個人的にはサンダードルフィンに少し劣るところがあるのは否めないですが、製造年を考えればかなり画期的な落下であったと思います。(タイタン、マグナムは60度)




この後のコースの支柱に突っ込んでいくようなファーストドロップ。めいっぱいハンズアップして楽しみましょう。



最下点(70cm)では上記のとおりGによって安全バーが降りてしまいますが構造上しかたないですね。
ちょっと思うのは最高高度が79mで落差が70m。そして最下地点は地上70cm(0,7m)。巻上げから落下までの直進で少しは下っていますが9mは降りてないだろうし、70mというのはどこからどこまでなのか。落下の定義みたいのが傾斜何度以上とかが定められててその間だけだったりするのかな。



比較的ゆるい角度で地上64mまで上昇していきます。頂上ではかなり減速し、じわじわとセカンドドロップに向かっていきます。冬場は登りきるのがやっとで推進用のタイヤがぐるぐるしています。



以前この上り坂で向かい風にあおられ、逆走してしまったことがあります。現在もFUJIYAMAが強風で運休になりやすいのはここが原因と思われます。



あまりにも極端に速度を落とすので流石に落ちすぎだろとおっしゃる方も多いですが、コース上では一番端。一番富士山の近くまで来るわけで、せっかく用意していただいた休憩ポイントなのでしっかり拝んでおきましょう。左手にはこれから向かうことになる入り組んだコースがよく見えます。



かなり減速したにもかかわらずセカンドドロップでも後方ではそれなりの浮き。しかし、前方ではやはりいまいち浮きません。



セカンド後は即上昇し大キャメルバックへ。そのままサードドロップになります。サードでも後方ではしっかり浮きますが、前方ではあまり浮きません。この辺までは前方はちょっと退屈ですね。





サードではあまり下まで落下せず第一ブーメランターンに向かいます。



第一ブーメランターンはバンク角もかなり急で非常にダイナミック。バンデットのブーメランターンは時代を感じさせないほどのスムーズさでトーゴの設計力の高さが伺えますが、こちらはむしろ逆。振ってきます。これは老朽化とかじゃなくて設計思想の話だと思うので、お望みどおり、振られてやりましょうよ(笑)




そのままフォースドロップになり、最下点ではライドフォトの撮影があります。





ブーメラン後はそのまま二段のぼりへ。前方では少々の浮きがありますが後方ではただのスピードダウンになっているので少々残念な部分です。



かなりのロースピードで二段のぼりを終えると第5ドロップへ。こちらでは浮きは一切ありませんが最下点で急に旋回するのでかなりプラスGがかかります。



そのまま旋回しつつ上昇。全体で見ると逆向きのブーメランターンのようです。サーフコースターの後半にも同様のパートがありますね。




第6ドロップはあまり減速せずにはいっていくので後方ではまだまだ浮きます。以前のイベントでこの落下の最下点で炎が上がるというものもありました。



そのまま第二ブーメランターンへ。こちらはブーメランというより右90度のぼりと90度旋回、で第7ドロップといった感じで後方では浮きを感じるほどです。つまり、下り部分はほとんどフラットドロップだということです。
普通のコースターなら第7ドロップなんて言葉つかわねぇよなぁ。。と書きながら思いますが、それほど後半でも大きな落下があるということです。








その後は少し直進した後かるいホップ。さらに直進し、、



名物ゼロカントカーブへ突入していきます。水面すれすれターンとか、似たようなコースを持つコースターはありますが、完全に90度というのは他に類を見ないような。というよりゼロカントカーブなんてエレメント名をこれでしか聞かない。カントという言葉は鉄道なんかではよく聞くけど、90度でゼロということは垂直を基準にしてどれだけ緩いかがカント、水平を基準にどれだけきついかがバンク、なんて分け方なんじゃないかと予想。

実際プラスGがかかるんですが自分はそんなに苦じゃなくてハンズアップもできました。まぁ手を挙げて楽しいパートでもないですけど。



ゼロカントカーブを終えるとすぐに急上昇し、サーフィンコースといわれるうねったキャメルバックを計6回繰り返していきます。左右に振り回される感覚はいまだにおとろえず個人的にはFUJIYAMAで一番好きなパートです。
また、このサーフィンコースだけは後方よりも前方の方が激しいブン回しを感じます。


これも地味にオンリーワンエレメントか、カワセミをはじめとする最新のコースターにちょっと捻りを加えたキャメルバックは見かけるようになりましたがサーフィンコースを名乗ってるのは見たこと無いですね。ここまでくるとテンションがもう上がりすぎて何も考えられなくなってる可能性もあるんですがそれなりに乗り慣れてないと腰を打つかもしれません。これでショルダーハーネスでもあれば鼓膜吹っ飛ぶレベルの痛さなんでしょうけど、このコースターでは腰がその横Gへの生け贄となります。ホワイトキャニオンがクッション増設で乗り心地改善を果たしたようにシートふかふかにしてくれればいいのに。



まぁもうここが痛いのは半分わざとというか、スポーツに怪我はつきものだみたいな心広い考えが出来ないと苦痛でしかないのかもしれませんけど、せっかくですから笑って楽しみましょうよ。声出して手挙げて、車両全体でパーティーでも開いてる感覚で。

もしもこのパートに賛否両論になることを恐れて無難にエアタイムを連発するキャメルバックを配してたら、それはそれで楽しいかもしれないけど、自分は多少痛くてもこのパートが大好きだ。


↓の写真は5回目で、このあとすぐに超小型キャメルバックが入り微妙に浮かせ、乗客の自由を奪ったまま最後のサーフィンに入っていくのでおもいっきり振り回されます。





6回のブン回しを終えるとそれに耐えたご褒美ともいうべききれいなゼロGが待っています。トーゴではおなじみのホップです。ホップではきれいにポーンと浮きそのままブレーキに入っていきます。
ブレーキゾーンも下り坂になっているため結果的に最後の最後にキャメルバックがあるような感じです。


このホップして止めるという手法はトーゴの特徴の一つとされているが、やはりこれの有無で終了時の満足度は格段に変わる。サイクロンやバンデットのように直進から申し訳程度に登る訳でもなく、メガコースター四次元のように強いプラスGを与えるでもなく、綺麗に浮いて、そして止まる。終了間際のちょっとしたギミックとしてはええじゃないかのブレーキ直前に一回下を向く演出に通じるものを感じます。



この時、走行タイム(約3分36秒)と、プラットフォームでの乗車準備時間がほぼ同じであるため、帰ってきた車両がブレーキゾーンで待たされること無くプラットフォームに帰れる点がFUJIYAMAが同園内でダントツで効率がいいとされる所以といえます。サンダードルフィンのように1週が短いコースターではこうはいきません。

1週のライドを終えた28人が興奮冷めぬまま帰ってくるFUJIYAMAのブレーキ→プラットフォームへの進入は、その理想的な形の一つといえます。


☆FUJIYAMAの魅力を心から語りつくす☆
FUJIYAMA。何度も述べてきたように、何度乗っても最高の興奮を与えてくれる名機中の名機であるがそんなFUJIYAMAにもアンチは多い。アンチの存在は人気の証というが、自分にはどうもその批判の理由が理解できない。やれ振動が強いだの痛いだけだのと。確かに振動もありますし、横に振る動きも多いですが、え、まさか皆さん、FUJIYAMAがそういうコースターだってご存知無くて乗ってらしたんですか?まさか近年のスムーズ系スチールコースターと同じような基準で比較されてるんですか?だってFUJIYAMAって、激しくて荒々しくて、畳み掛けるように激しさを増してラストまで突っ走るのが魅力のコースターだと、少なくとも自分は思ってるわけですよ。
もし自分がこの程度の振動が辛くなったら、FUJIYAMAを楽しめなくなったら、もうコースターやめますよ?当然同園内のええじゃないかもドドンパも辛くて乗れないだろうし、木製コースターなんかなんも乗れないでしょうね。大人しくハリウッドドリームやスチールドラゴンだけ乗る生活になると思います。なんだそれ。
もちろんそんなことには絶対になりたくないので、自分はFUJIYAMAを一生楽しませていただきます。月日が経ち、車両が変わり、乗り心地が変わっても、そうした変化も受け入れ、楽しんでジェットコースターに乗り続けられるような人間に、なりたいものです。


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