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ワインの常識(その1) これだけ知ればワインを二倍愉しめるB級ワイン愛好者のためのワインの常識 B級ワインに入る前に、A級ワイン、ワインの格付けなど ワインを飲むようになると気になること 一番目が、「魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン」、「白ワインは冷やしてもいいが、赤ワインは冷やしてはいけない」などワインの常識と言われていることです。時々自分には当てはまらないのではないかと感じたことがありませんか? これら常識と言われていることは長年言い伝えてきたことですから、勿論間違いでは無いのですが、それでもある条件の下でという制限が付きます。 特にヨーロッパと日本の気候・風土の違いにより、日本ではそのまま通用しないことがあるのです。 二番目が、価格のことでしょう。端的に言うと、価格の高いワインが自分にとって必ずしも美味しくない、それほどではないにしても、美味しい とは思うものの、価格が三倍も違うのはよく分らないなどとの経験をしたことがあると思います。 私自身ワイン教室に入ったきっかけが、価格と自分の好みの間の違いが大きいというものでした。 三番目は、数多くあるワインの中からどんなワインを選んだらよいかでしょう。 以上のような疑問に答えるべく、ワインの教科書とは違う視点から、ワインについての解説をしてみたいと思います。 ワインの教科書とは違う視点とは? 一番目はワインは嗜好品なので、人の好みに大きく左右されます。 教科書の作者は、当然のことですが自分の好みを抑える必要がありますが、私の場合なんの制約もない利点を最大限に活かし、自分の好みを入れた解説をします。 二番目はワインはマーケッテイングの影響を大きく受けていることです。 この点についてもプロのソムリエは、業界内のしがらみから個人的な見解を述べるのを差し控えています。 ここでも、私なりの独断と偏見で解説をしてみます。 三番目はコストパーホーマンスを取り入れた評価です。 ワインの比較をする場合、価格を離れて論じられることが多いようです。 ワインマニアが論じる分にはそれはそれでよいのですが、ごく普通のワイン愛好者、初心者にとっては理解しがたい世界をのぞき込むようなものです。 従ってここでは1000円前後のワインを家で愉しむ方を対象にします。 B級グルメならぬB級ワイン愛好者の視点からワインについて解説することにしました。 B級ワインの話に入る前に、A級ワインの世界を覗いてみることにしましょう ○ワインの価格はどのように決まる。
ロマネ・コンテイ
という名前を聞いたことがありますか。世界で一番高いワインです。 ではウィキペディアの
ロマネ・コンティ
の解説より興味深いところを拾ってみましょう。(詳細は、ここの
ロマネ・コンティ
をクリック) △「ロマネ・コンティ(Romanee-Conti)はドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(DRC)社が単独所有するフランスのブルゴーニュ地方、ヴォーヌ・ロマネ村に在る約1.8ヘクタールのグラン・クリュ(特級格付け)のピノ・ノワール種のブドウ畑。または、そのブドウ畑から産するブドウから造ったワイン。」 △「ロマネ・コンティの平均年産は約6,000本程度(順調な年で7,000本程度、不調な年で4,000本程度)と極めて希少性が高く、世界で最も高値で取引されるワインと云われている、またその高額にして希少性の高さから、「飲むより語られる事の方が多いワイン」と云われる事もしばしば。現在、どんなに安くても30万円は下らず、良作年の物は1本、100万円を超える事もある。」 △「ロマネ・コンティ」は、ブドウ畑の名称をそのまま付けたもの。「ロマネ」の部分は、古代ローマ時代にまで遡るこの畑を生み出したローマ人に由来する。「コンティ」の部分は、18世紀仏ブルボン王朝のコンティ公爵に由来する。コンティ公爵は、国王ルイ15世の愛人ポンパドゥール夫人との争奪戦の末、1760年にこの畑を手に入れた。」 △ロマネコンティの畑はどんなに肥沃なの △「2007年5月22日にニューヨークで開催されたクリスティーズの競売では、1985年産の「ロマネ・コンティ」1ダースが23万7,000米ドル(1本あたり約2万米ドル)で落札された。ブルゴーニュワインとしては競売史上の最高額。」とあります。 △それでは次に今いくらで買えるのか
価格表
(詳細は個々をクリック)を調べてみましょう ここにあるロマネコンテイ、エシェゾー、ラ・ターシュはボーヌ・ロマネ村にある特別な畑の名前で、その畑の所有者およびワイン醸造所の会社名がドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティとなります。この畑の名前が、それぞれのブランド名になっています。 単なるボーヌ・ロマネはボーヌ・ロマネ村でとれたワインでドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ以外の醸造所で作られたことになります。 それにしてもロマネコンテイが100万円以上に対し、エシェゾー、ラ・ターシュは数10万円、ボーヌ・ロマネは7000円です。 ここで最初の質問「ワインの価格はどのように決まる?」に戻ります。 答えは、需要供給の関係で決まるです。品薄で欲しい人がいれば幾何級数的に値段がつり上がっていくわけです。 美味しさ、味が100倍になるわけではありません。「ロマネコンテイの名前を味わっている」ということです。 「ロマネコンテイの名前を味わう」、この現象を何と表現したらよいのでしょう。 今回は極端な事例でしたが、ワインについて解説をするとなるとこの現象を無視しては説明できないことが多くありますので、記憶にとどめておいてください。 ワインの価格を決める要素は美味しさだけではないと言うことです。
ロマネ・コンティとラベル ロマネ村のブドウ畑 国、地域によってワインは格付けされています。 中でも有名なのがボルドーワインの格付けです。 まずはウィキペディアの
「ボルドーワイン」
(ここをクリック)から 「ボルドーでは、古くから品質にしたがってワインの格付けが行われており、特に1855年のメドック地区における赤ワインの格付けが有名である。」 およびウィキペディアの「
ボルドーワインの格付け
」(ここをクリック)から 「1855年のパリ万国博覧会の際、皇帝ナポレオン3世は、世界中から集まる訪問客に向けて、フランスのボルドーワインの展示に格付けが必要だと考えた。 ワイン仲買人は、シャトー(ブドウ農園)の評判や市場価格に従って、ワインをランク付けした。 当時は市場価格がワインの品質に直結していたのである。 その結果が、1855年以来のボルドーワインの公式格付けとなった。 「ワインはその重要度により第1級〜第5級(グラン・クリュ)にランク付けされた。 リストに挙げられた赤ワインは、グラーブワインのシャトー・オー・ブリオン以外はすべて、メドック地区の産出である。 白ワインは赤ワインよりも重要度はかなり劣り、ソーテルヌとバルサックの甘いワイン(貴腐ワイン)のみ第1級と第2級に格付けされた。」 「各部門内で、様々なシャトーがその品質順に格付けされたが、1855年以後、格付けが変更されたのはただ2回だけである。 1つは1856年にシャトー・カントメルルが第5級に追加されたこと、そしてさらに意義深いのは、フィリップ・ド・ロッチルドの数十年にわたる熱心なロビー活動の結果、1973年、シャトー・ムートン・ロートシルトが第2級から第1級に昇格したことである。3つめは「変更」ではなく、サン・ジュリアンの第3級シャトー・ドゥビノンが、シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリに吸収されて格付けから消えたことである」 「1885年の格付け以降実際には、いくつかのワイナリーのブドウ園が拡大・縮小・分割され、重要なテロワールにかかわるいくつかの区画も所有者が変わったが、シャトーの格付けは変更されなかった]。 多くのワイン評論家は、1855年の格付けが時代遅れになって、それぞれの地所で作られているワインの品質について、的確な道案内となり得ないと主張している。 格付けの変更に向けて提案がいくつかなされ、1960年には改定も試みられたが、失敗に終わった。 1960年の改定審査員の一人だったアレクシス・リシーヌは、改定を実施するために30年以上運動を続け、その過程に自身で非公式な格付けを何度か発表した。 他の批評家もこれに倣い、1985年にはロバート・パーカーがボルドー100選を発表、1989年にはベルナールとアンリ・アンジャルベールが「ワインとワイナリーの歴史」を、クライブ・コーツやデヴィッド・ペッパーコーンも同様のものを記した。 最終的には彼らは成功せず、格下げされたシャトーへの説得力のある批判も価格に反映しなかった。1855年の制定を受けたグループの政治的圧力も理由の1つと考えられている。 1855年の格付けに含まれなかったAOCメドック産のより良質なワインは、1932年にクリュ・ブルジョワ級に格付けされた。 これは1932年以降定期的に改定され、2007年には停止されたものの、2009年再導入された」 このようにワインの話は歴史が絡みますので、読んでいて楽しくなります。 ご興味のある方はワインの王様と言われる
「ブルゴーニュワイン」
(ここをクリック)を訪ねて下さい。 (ロマネコンテイもその中の一つです) 因みにワインの女王はボルドーワインです。 ブルゴーニュワインとボルドーワイン(王様のほうがなで肩なのだ) またワインについての一般的な知識を得たい人向けにはインターネットワインスクール
http://www.wine-info.org/index.html
などがあります (常陸国住人後記) 写真の部分は住人が勝手に書き加えました |
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