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ワインの常識(その2) これだけ知ればワインを二倍愉しめるB級ワイン愛好者のためのワインの常識 B級ワイン愛好者のための独断と偏見が混じった解説 ○ブランドの力——その1 シャンパン 正統派の解説はウィキペディアの「シャンパン」にあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3
重要な点はシャンパンという名はフランスシャンパーニュ地方で醸造された発泡ワインであり、それ以外の地域で作られた発砲ワインはシャンパンとは名乗れない。大変手間をかけて作られている。 一方スペインの発泡ワインで著名な作り手フレシネ社のHPをご覧下さい 多分、酒屋でこの黒い瓶を見たことがあると思います。 また価格がシャンパンの数分の一であることにも気付かれていることでしょう。
シャンパン スペインの発泡ワイン 歴史的にこの二つの発砲ワインはつながっているのです。 19世紀にフィロキセラと言う寄生虫が大発生しヨーロッパの葡萄を全滅状態に追い込みました。 その時シャンパーニュ地方のワイン職人達は仕事がなくなり隣国スペインのカタルーニャ地方に移転しそこで彼らの技術を伝承しました。 そのワインをカバと名付けたのです。 スパークリングワインであるカバとシャンパンの違いをフレシネ社のHPで説明していますので覗いてみて下さい。
http://www.freixenet.co.jp/faq/index.html
さて両者の違いは何でしょう、瓶内発酵の時間、厳選した葡萄を使うくらいでしょう。グラスに注いでみると、泡の細かさが違います。 飲んでみると確かに、違いがあります。まろやか、舌触りの良さです。 「流石シャンパンは違う」といって4ー5倍の価格差を認めるかどうかでしょう。こうなると好みの問題のようです。 尚、スパークリングワインは甘口だと思っている方がいるようですが甘口も辛口もあるので購入の際店員に確認してください。 シャンパンには長い歴史があります。しかし何故発泡酒にしたのでしょうか その理由はシャンパーニュ地方は葡萄生産の北限地で気温、陽光ともに不足し、ワインそのままでは酸味が強すぎ競争力がなかったのです。 今、シャンパンの製造課程の中で厳選した葡萄を使うとありますがこれは品質管理の意味合いでしょう。一度味わったシャンパンの味をそのまま再現する、つまり顧客の期待に背かない。 ブランドにはそのような力があります。 「シャンパンの名前を味わう」といって良いでしょう。 ○ブランドの力——その2 ボジョレーヌーボー 正統派の解説はウィキペディアの「ボジョレー」(ここをクリック)に任せます
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AC%E3%83%BC
ボジョレーの赤ワインの品種はガメー、先のロマネコンテイの品種はピノノワールです。 ガメーの方が繁殖力が強く、ピノノワールの畑を浸食してしまうので、昔ルイ何世だったかが、ガメーを焼き尽くせとの命令を出したと言うことです。そのくらい毛嫌いされていたのですが。 ボジョレーヌーボーが市場に出る前まではワインは濃くて長期熟成に耐えるものが良いとされてきました。新酒というのはローカルで飲むことはあっても輸出などは考えもしなかったことでしょう。 ウィキペディアの「ボジョレー」の中に「このヌヴォーはそもそも当地の農民が収穫を祝ったのが始まりとされる。本格的な輸出が始まったのは1968年である。 当初の解禁日は11月15日であったが、1984年から11月の第3木曜日に改められた。解禁日が設けられた理由はヌヴォーがよく売れるということで各メーカーがどこよりもいち早くヌヴォーを出荷しようと競い合っていたものがだんだんエスカレートしていき、ついにはワインとして十分出来上がっていないにもかかわらずワインとして出回るようになってしまったからである。」とあります。 13年続いている20名近い私のワイン仲間、皆このワインを苦手としています。 ワイン仲間が集う時、各自1本づつワインを持ち寄り、自由に飲んでいくのですが、確実にこのワインが最後まで残ります。 私自身も、グラス一杯目はなんとか飲めますが二杯目はガメー特有な香りが鼻について受け付けません。 私の推定ではマーケッテイングの天才が世界の市場を相手に人心操縦をしているのではないかと思っています。 このような意見もあることを踏まえた上で「お祭り騒ぎ」に飲んで下さい。 これも「ボジョレーヌーボーの名前を味わう」ことなのでしょう。 ○ブランドの力——その3 第一級の力 10年近く前、ワイン仲間が同一年代のメドックの格付け、第一級から第五級まですべて(61本?)を集め30名近くでテーステイングをしたことがあります。人気投票の結果が実に見事でした。 第一級が5本あったのですが、どれ一つとして上位十位以内に入っていないのです。ところがどれ一つとして平均値(30位)以下にもならないのです。 見事な品質管理力には皆脱帽でした。 当然と言えば当然のこと、上位5位までの力があると格付けされている第一級は、無理にトップを狙う必要は無い。 それ以上に怖いのは、顧客の期待・信頼を裏切ること、つまり悪いとの風評が立つことなのでしょう。 おそらく、内部では競合品との比較をしているのでしょう。 顧客がブランドに期待するのは驚きではなく、期待に応えてくれること、失敗がないことだと改めて認識したのでした。 ○ブランドの力ーその4 マーケッテイングによって作られたワイン 和泉屋さんのHPを見てみましょう
http://store.shopping.yahoo.co.jp/wizumiya/723200.html
「ソグラペ社を代表するというよりは、全ポルトガルを代表するワイン、それが「マテウス・ロゼ」で世界130ヶ国以上で愛飲されています。 ほのかに甘い口当り、軽い炭酸を含んでいます。 品種はバーガ、トゥリガ・ナショナル、ティンタ・ロリスなどが使われています。ワインの単一銘柄として、世界中で最も売れてるワインとあります。 このワインは市場調査の結果を基に作られたワインなのです。 ワイン初級者にとって最も好まれるワインでしょう。「ほのかに甘い口当り、軽い炭酸」いかにも飲みやすそうです。40年近く前、私たち夫婦が最も好んだワインでした。 それがワインを飲み慣れるにつれて、物足りなくなってくるから不思議なものです。 これからワインを飲んでみようかなと言う人にお勧めです。夏場にクーラーで冷やしすぎるくらい冷やして飲まれるのがよいでしょう。 *炭酸ガスの力 スパークリングワインにも、マテウス・ロゼにも炭酸ガスが使われています。 炭酸ガスを入れることにより、飲みやすくなるようです。 それでは実験してみましょう。 飲み残したスパークリングワインを箸で泡立てガスを抜いてください。 その後で飲んでみましょう。どうでしたか? 以前どこかで経験した味ですね。その通りです、甘ったるくてどうしようもない気の抜けたコカコーラです。 古いワインの話については「年号ワイン.com」のページが面白いでしょう
http://www.nengou-wine.com/tokuyuu/tokuyuu.htm
*白ワインは冷やしてもよいが、赤ワインは冷やしてはいけない 次のHPに詳しい説明があります
http://www.winespiral.com/entrance/temperature.html
要点は、赤ワインを冷やしてはいけない理由は香りが出なくなるからです。 しかし、それ以上にフランスの常温18度に対し日本の常温24度という大きな差があります。赤ワインでも夏場は冷やして飲みましょう。 白辛口、甘口、赤ワインについて詳しい解説がありますので参考にしてください。 日本の気候では「生ぬるい」という感触はすべてを台無しにしてしまいますね。 また温度についても各自に好みがあるのでご自分の基準を作られてはと思います。 *魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン おおむね妥当だと思いますが、そうでなければいけないということでもなさそうです。 20名くらいのワイン仲間と合宿した時ワインと料理の相性をチェックしたことがあります。その結論がきわめて興味深いものでした。 「自分の好きなワインには、どんな料理も合う。自分の好きな料理にはどんなワインもあう」皆納得でした。 正直なところでないでしょうか。 「日本酒とワインの飲み方の違い」と題するエッセイがあります
http://sakebunka.sub.jp/column/world4/archives/000022.html
是非お読みください。 「日本人のワインに対する姿勢が特殊なのではないかと感じ取れるかと思います」 *ワイングラスの持ち方 ワインの作法として述べられている中に、ワインテーステイング時の作法を一般的な作法としてそのまま持ち込んでいるのがあります。 その一つがワイングラスの持ち方です。 ワイングラスのステム(細い脚)のところを持ち,グラスの部分には手を触れないようにする。 理由は 1.手の温度によりワインの温度があがってしまう。 2,手の皮脂によりグラスが曇ってしまう。 の二つです。 ワインテーステイング時の作法はその通りです。 さてヨーロッパでは、皆さんどうしているのでしょうか? 「グラスの部分を持っているエリザベス女王の写真を見たよ」と言う人もいます。 料理の脇役としてのワイン。そのように考えられている人にとってはワインテーステイング時の作法は異常でしょう。不安定で不自然でしょう。 普通に持ちやすいように持つが自然な作法でしょう。 日本の特殊性を承知された上で、ワインテーステイングの技法を知るのも楽しいものでしょう。 ワインテーステイングの技法 |
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