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* * (2011/08/21)夏の津軽海峡物語1 * *
題名は「夏の津軽海峡物語」なんてきれいなものにしたけど、実際はもっと泥臭い旅の記録である。オシャレなとこに行くわけでもなく、美味しいものを食べ歩く旅でもない。インターネット上に載せるのであれば、普通のガイドブックにはない旅の形を提供したいと思って毎度書くように心がけている。 まずは8月、汽車で訪れた上ノ国町までの記録を書く。小生の旅行としては珍しく、温泉宿をとっての旅行となった。 |
◎◎132D・函館発木古内行き普通◎◎ ◎◎4174D・木古内発江差行き普通◎◎ (函館1315→1428木古内1444→1520湯ノ岱) 函館からの行程が大事なので、ここまでは省略する。 函館は天気の良い日であった。函館駅の2階にあるおそらくJRの関連会社であろうレストランにて、暑い日なのにあんかけ焼きそばを食す。有人改札にて青春18きっぷを提示、木古内行きの普通列車に乗り込んだ。 | |
(函館駅) | (あんかけ焼きそば) |
木古内まではほとんど覚えていない。早朝から行動しているので、この時点でかなり疲れていた。 道中の乗客の半分くらいは同じ種類のきっぷを持った方たちであろう。木古内駅で降りた乗客の多くが1番線へ向かった。この時間の木古内駅は新青森行き特急、函館行き特急、江差行き普通、函館行き普通と4本の汽車が並ぶ賑やかな時間だ。 なお、時刻表上は木古内終点となっている132Dは、この先も引き続き4174Dとなって江差線を進む。 | (木古内駅構内) |
(江差線と新幹線の交点) | (吉掘) |
木古内駅へ行って少し驚いた。先月の北斗星ではこの区間を寝ていて気付かなかったが、思いのほか北海道新幹線の工事が進んでいた。木古内駅は昨冬にも訪れており、山側の広大な空き地には何もなかった。今では新幹線駅の基礎工事が真っ盛りだ。 木古内駅から先、海峡線から分かれたところに新幹線との交差がある。2015年にはこのローカル線の上に東京から来る新幹線が通過するのだろう。 | |
(田んぼ) | (道道5号線との交点) |
(神明の手前) | 吉掘付近まで田園風景が続き、峠に差し掛かるあたりでは人家も見えなくなる。いくつかの雪覆い、トンネルを通る。上り坂では高らかにエンジン音をあげて上っていく。分水嶺から雨が降り出した。峠を過ぎ、神明に着くころには土砂降り。空は徐々に明るくなり、湯ノ岱では霧雨程度の降りにおさまった。 |
(スタフ渡し) | (4174D湯ノ岱発車) |
(出札口) | (駅周辺の地図) |
ワンマン列車の運転士さんに青春18きっぷを提示し、ホームへ降りる。駅員さんが信号を扱い、運転士さんへ湯ノ岱〜江差間のスタフを渡す。駅員さんの出発合図を出し、4174Dが江差へ向けて発車する。今の時代ではなかなか見られなくなった“正しい”鉄道員の姿を見たような気がする。 さぁ、ここから歩いて宿へ向かう。駅の中にあった地図を頭に叩き込み、駅前へ出る。静かな街だ。駅前には小さな商店と郵便局があるほか、店は無い。五稜郭方にある踏切から構内を見ると、一時代前の駅を見ているようだ。スプリングポイントの表示は見ようと意識していても、今ではなかなか見られない。 | |
(湯ノ岱駅) | (駅構内) |
◎◎ 温泉旅館 湯の岱荘 ◎◎ | |
目的地は天の川を渡り左折すると見えてきた。日常的に都会のビルばかり見ていると、回れ右して帰りたくなるようなたたずまいである。正直なところ、建物は非常に古いものだ。勇気を出して中に入ってみる。 宿帳を書き、ご主人に案内された部屋に入る。やっぱり古い。でも、落ちつける雰囲気がある。聞こえるのはせせらぎと虫の声のみ。窓から入る風が心地よい。 | (湯の岱荘) |
(男湯) | しばらく部屋で休み、いよいよ温泉に向かう。浴室のある建物は中を改装したのか、若干新しく感じた。まだ明るい時間なので、浴室の電灯はつけずに入ってみる。お湯は茶色、もちろん浴槽からあふれている。浴槽のまわり、お湯のあふれているところはぼこぼこしている。お湯の成分が濃い証拠だろう。浴槽に座ると、お尻が赤くなる。足も真っ赤になった。夏は加水しているようだが、それでもこんなに濃いのはすごい。一人でのんびり1時間以上はつかっていただろうか。 |
いよいよ夕食だ。1階に降り、かつては宴会場であったと思われる大広間でいただく。次々と運ばれるお料理でお膳はいっぱいに。立派な和食膳である。いただきます。 目立ったものはないけど、どれもおいしい。この日泊まっているお客さんは小生たちのほか、もう一人川釣りに来ている方がいらっしゃるようだ。そのお客さんからの差し入れが写真にあるヤマメのフライ。これがまたおいしかった。食後にすいかを出していただき、大変満足してごちそうさまでした。 | (夕食) |
(差し入れ) | 夜も静かだ。湯ノ岱2119発の函館発江差行き普通列車が来たようだ。静かな街にキハ40系の笛が響いたときには感動を覚えた。涙が出そうになる、これが旅で味わうことのできる非日常なのだろう。そんなことを考えながら2200ころ、おやすみなさい。 |
* * (2011/08/22)夏の津軽海峡物語2 * * |
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