このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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100式小航空写真機 日本陸軍 (百式航空写真機)
陸軍の航空偵察用のカメラです、
分類上、小航空写真機と呼ばれるのですが
小とは言え、とんでも無い大きさです、
将棋盤にレンズを着けたと言う感じ 大袈裟かな
100式という名称が示すとおり、皇紀2600年つまり
昭和15年から終戦まで、作られました。
さらに、これらの航空写真機は戦後米軍に接収されて、
朝鮮戦争でも使われたそうです、
この機械も米軍放出品のようです。
メーカー 六櫻社、(小西六)
レンズ ヘキサー F3.5 200㎜ 又はF5.6 400㎜ レンズ交換式
シャッター 布幕フォーカルプレーンシャッター 1/200 1/300 1/400
フィルム 巾 178㎜ (7インチ) ロールフィルム
撮影枚数 40枚
これだけのカメラを、しかも焦点距離200㎜のレンズで
手持ち撮影するのですから、偵察員は余程腕力が無ければ
手ブレしたでしょう。
横顔
偵察機で使用される本機
科学朝日 昭和17年12月号から
もう60年以上経っていますが
今でもシャッターは快調に作動します、
構造もシンプルで壊れるところが無いのです
折りたたみ式ファインダー
いわゆるスポーツファインダーです
戦場では、光学式のファインダーより
使いやすいのかも。
右グリップと、その上、シャッターレバー
シャッターのストロークは長くて、銃の引き金
の様な感じ、
赤い点が2個見えますが 注油口です、
カメラに油を差すとは
機械装置ですね
レンズフード下部に電線をつなぐコネクター
があるので、もしかして、モータードライブ?と
思ったのですが、
ボディーの中を覗いてみると、ヒーターが2個
入っていました、
偵察機は高空を飛行するので、気温は零下何十度、
凍らない為なのですね。
航空写真用ロールフィルム
← この部分は、機体への取付フランジ
真ん中の丸いノブが、フィルム巻き上げとシャッターチャージ用
その右の歯車がシャッターチャージ。
下方へ長く伸びているレバーは、シャッター。
一番右の歯車がフィルム巻き上げスプール
今度は、真ん中のノブの左側の、円盤がフィルムカウンター
その左、歯車付の小さいノブは、シャッタースピード設定
さらに一番左、銀色の円盤は、シャッタースピード表示。
カメラがデカイので、内部の部品もデカくて解りやすい
焦点ガラスと、側方カバーをはずします
シャッターのスリットが見えますが、
このスリットが上から下へ移動して
露光します
シャッタースピードの変更は、この幕の移動速度を
変えています。
スリット間隔は、シャッタースピードに、かかわらず一定です、
裏蓋をはずしました
フィルムは下部のスプールから上部へ
巻き取られます
焦点面には、ガラス板が取り付けられていて
フィルムはガラス板の後ろ側を通ります
さらに、裏蓋に取り付けられた、圧板により
ガラスに押しつけられて、平面を保っています
シャッターはガラス板の前方にあります、
今は、閉まった状態。
レンズ収納箱
ヘキサー 20㎝と 40㎝
20㎝は絞りが3.5〜22迄可変
40㎝は絞りは5.6 と言うか
開放のままで絞りはありません、
当時のフィルム感度では
絞る事は出来なかったのでしょう。
フィルターは
K46
D51
の二枚が付属
航空写真から標高を測定する器具
このカメラは、手持ち撮影と、機体に固定しての撮影に対応しています。
実体鏡等を使用して写真解析するためには、正確にカメラを真下に向け
撮影しなければならないので、気泡式水準器が付いています
この水準器は本体に出し入れ出来ます
背面から
撮影高度と、地上の撮影範囲の関係が
メモ書きされている
高度500メートルでは 446mX 312m
5000メートルでは 4460mX3120m
縮尺で表現するなら
焦点距離200㎜のレンズでは
高度5000メートルでは、フィルムに1/25000
高度6000メートルでは、 1/30000
で撮影されます。
高度÷焦点距離=縮尺
絞りはビックリするくらいの多数の羽根です
絞って行っても、気持ちが良い位
真円です
ガラス板は割れやすいのか
予備品が付属しています
カメラに装填
35㎜カメラと並べてみました
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