このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

江差線訪問記その2

9月5日(木)
スーパー白鳥は青函トンネルを抜け、いよいよ北海道に上陸した。私にとっては中学3年以来、実に10年ぶりの渡道である。

トンネルを抜けると1日2本しか止まらない知内駅(ここも廃止になる予定)を通過し、すぐに木古内駅に到着する。11時44分。
4分の接続で江差行きが発車するため、乗り場に急ぐ。


↑北海道色のキハ40。                 ↑一番右が江差線の時刻表だが、1日に6本しかない。
1両単行の江差行きは、既に座席がほぼいっぱいだった。一見して地元民とわかるのは少数で、殆どが私と同じような旅行者であった。廃止報道が出るとどこもこうなる。列車自体は函館からの直通で、木古内までは2両編成なのがここで一両切り離したようである。この客の入りなら2両でもよさそうなものだが、ワンマン運転という性格上難しいのだろう。
座れないのでは仕方なく、私は前面展望も兼ねて列車前方のドア近くに立った。
11時48分発車。

江差線沿線は道南であることから、うっそうと木が茂る場面が多く、北海道らしからぬ車窓が展開するとどこかの記事で読んだが、まさにその通りで、木古内を出て海峡線と別れると夏の濃い緑の中に入る。

先ほど前面展望も兼ねて、と書いたが、キハ40は運転台が高く前方窓が大きくないため、前を見てもあまり車窓が楽しめず、私は専ら前方ドアの窓ガラスから外を眺めていた。ゆえに写真も以下のように、駅の一部を撮るのが精一杯であった。

まずは渡島鶴岡に停車。


つぎに吉堀。北海道でよく見る車掌室流用の待合室であった。右は帰りに撮影。


ここからは峠越えに入り、駅間も長くなる。車窓も一気に山深いものになる。
トンネルを抜け、秘境駅認定されている神明駅に着く。そのせいか逆に有名なようで、乗降客があった。


ここからは少し開けたところを走り、江差線内では駅員の常駐する交換駅である湯ノ岱に到着。

この駅ではタブレット交換が行われている。

ここからは江差線の後半戦、という感じである。車窓には牛舎なども登場し始め、ようやく北海道を感じさせるようになる。

宮越、桂岡、中須田と走ると、沿線市町村の1つである上ノ国町の中心駅、上ノ国に着く。進行方向左手には日本海が見えてきた。
右は帰路に撮影

ここから日本海と並走し、少し民家が増えてくると、終点江差に着く。


↑往時をしのばせる臨時改札              ↑駅舎も潮風によって劣化が進んでいる

↑駅の脇には運送会社が。国鉄時代からだろうか? ↑駅前はこんな感じ…

↑1つしかないため活況を呈する窓口。皆廃止記念の乗車券を求めていた。↑待合室。ストーブが冬の厳しさを予想させる。
駅裏には灯油の備蓄タンクもあった↓


江差駅には町の歓迎ビラがべたべたと貼ってあった。檜山振興局管内唯一の鉄道路線ゆえ、江差町と上ノ国町は廃止に反対していたものの、そもそも檜山振興局(旧檜山支庁)自体が過疎化が進行している上、江差線が住民の行動パターンに合っていない(函館に行くには時間がかかり過ぎる)ことから乗客増も望めない、そうした事情でついに廃線を迎えたのである。もっとも江差線は五稜郭から江差がその範囲であったため、線全体でみた場合には旧国鉄の廃止基準に当てはまらなかったという事情が今日までの存続に強く作用したともいわれる。

僅か12分の滞在で折り返し列車に乗る。次の目的地は途中駅の湯ノ岱である。湯ノ岱には駅の近くに日帰り温泉の施設があるとのことなので、降りてみることにしたのである。

続く   戻る

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