このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

名古屋発名古屋行き(飯田線経由)〜大八回りを訪ねて〜

2002年8月2日、管理人は友人であるKとともに、ある鉄道関係の本へ投稿するための文章の取材旅行へと出かけた。その本の特集は、「政治に翻弄された路線」だったので手近なところにある中央本線塩尻ー辰野間(別称大八回り)を紹介することにした。

朝7時30分、名古屋駅へと到着。みどりの窓口で名古屋発名古屋行きという一筆書き切符を買い求める。なぜ一筆書きにすると良いのかというと、JRには「遠距離逓減制」という制度があり、その制度は距離が長ければ長いほど1キロあたりの運賃が安くなるというものである。今回の場合塩尻あたりで分けると1500円くらい高くついてしまうので、一筆書きにした。窓口係に経路を言うと、困惑したような表情になり、時刻表を引っ張り出した。そしてその路線図を見て納得したのか、コンピューターのキイを叩きはじめた。

↑購入した一筆書き切符。7670円した。             ↑数日前に購入しておいたしなの3号指定席券。

発車時刻が迫ってきたため、ホームに上がる。すでに乗る予定の列車「ワイドビューしなの3号」は入線していた。となりのホームの臨時列車を撮影してから車内に乗り込む。指定された席は、車輌の端っこで喫煙席であったが、入手できたのを喜ぶべきだろう。この券を買った時は既に残りあと数席という具合だったのだから。車内には韓国あたりからやってきたと思われる観光客が何人もいた。

↑隣ホームの臨時列車。                    ↑我々が乗った列車の行き先表示。終点まで2時間51分

8時ちょうど、列車は動き出した。東海道本線や名鉄線と並走し、金山を通過。左に大きくカーブし、住宅地を突っ切って千種に停車。この駅、利用者は多いものの接続するのは地下鉄一線のみ。ここよりも先ほど通過した金山駅のほうが総合駅で、そちらに停めた方が良い気もするがどうだろうか。千種を発車し、さらに住宅地を突き進み、神領電車区を通り抜けると前方に高蔵寺ニュータウンが見える。そしてこの高蔵寺を境目に風景は一変、庄内川の渓谷を行く。そしていつのまにか岐阜県に入り、風景が再び市街地へと戻ると、8時21分多治見に到着。この近辺に近年、首都機能を移転しようという動きもある。再び発車。田舎なのか都市なのかはっきりしないようなところを進み、恵那に止まる。恵那に止まる列車は、これ以外に上下合わせて5本ある。恵那を出ると車内改札がやってきた。隣に座っているKは先ほどから眠っている。二人分の切符を見せ、改札は終わった。そして中津川に停車。中央本線の車窓はここからが本番である。が、寝覚ノ床などの車窓は左側に展開。我々が座っているのが右側の席であったため、何も見られずに中央本線の見所は終わった。見所が終わったところで9時49分、塩尻に到着。下車した。

↑塩尻駅に到着した列車。                       ↑塩尻駅。

塩尻での乗り換え時間は30分ほどあるのでこれからに備えて駅弁を物色。しかし、あまりよいのがないのであきらめて列車に乗車。

←これが塩尻と辰野の間を往復している通称ミニエコー

乗車した列車は昔の荷物電車を改造した物で、一両編成であった。車内は閑散としており、一両なのもうなずける。ちなみに窓は開閉可能であった。10時10分に発車。列車は高規格の線形の良い路線を突っ走り、10時21分小野に着く。この小野駅、構内がとても広く、ホームも3番線まであり、この列車には少々広すぎた。

↑これが小野駅構内。                       ↑線形は非常によい。

小野を出てからも列車は70キロ近くを出して走る。これも線形が良いからだろう。信濃川島を過ぎ(この駅もホームが長かった)、10時30分、終点辰野に着く。

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