このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
極楽寺
正月の極楽寺
正月である。珍しく穏やかで暖かい日が続く。だが、悲しいことに正月にはすることがない。「ちょっと歩いてみるか。」と、家を出る。浜名湖のすぐ東にある雄踏を目指す。雄踏の北側には田園地帯が広がっている。それで、散策コースとしてホームページで取り上げたことがある。
西の谷公園から安寧寺を経て三島神社へ、ここまでがそのコースである。だが、今日は極楽寺に立ち寄ることにする。極楽寺には高校、大学が一緒で、今は住職をしている男がいる。その男が「教育の鐘」を建立するというので会ってみようと思ったのである。
玄関に入ると住職が出てくる。「正月はひまなんで、今からちょっと散歩しようと思っていたところだ。」と言う。なるほど、正月に寺が忙しかったらさまにならない。ともかく同類が居たので嬉しくなる。
住職と話し込む。「教育の鐘は、昔、生徒達に約束したんでネ。」と、住職は言う。その生徒達というのは、学校で持て余していた暴れん坊達で、「寺に預かり、一緒に寝食を共にした奴らだ。」とのこと。その生徒達に「誰でも苦しい時がある。その時、力いっぱい撞いて元気になれるような鐘をつくる。」と、約束したらしい。「今では立派に成長してネ、10万円寄付してくれた奴もいる。」 住職はいかにも懐かしそうである。
寺の中を案内してくれる。「いいねー。」と言うと、「少し前は極楽ならぬ地獄寺でね。」と、笑う。その貧しかった住職が私財をなげうって「鐘」を建立するというのだから驚きである。基金を募って学校関係などあちこちを回っているらしいが楽ではないらしい。
勿論、金一万円、基金に協力する。ついでにホームページに極楽寺を追加することにする。
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