このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
幸い、今日はひと一人いない。山全体が自分の庭であるような気がして愉快である。ワラビを探す。狭い一角に、やっと芽を出したばかりワラビを見つける。数は少ないが出たばかりのワラビで、太くてやわらかそうである。まだ、頭を地面から抜け出せず、先を曲げたままにしているワラビもいる。採るのもかわいそうなくらいである。適当にして、ムスビを食い始める。「反対側の石巻山から来れば、林道沿いにミツバがあるな。」と、ふと、思う。 じっとしていると、ウグイスの声がする。その声に混じって、不思議なことにカエルのような声も聞こえる。こんな高い所に、と思うが、この廃寺跡には水が流れていて池のようになった所もある。不思議でないのかも知れない。仙人になったかのようで気分でまわりを見渡す。すぐ前に桜が咲いている。新緑の木々の中で、ひときは目立つ。浜名湖もいいが、この風景もいい。 帰りにメインの尾根に出、北に向かい富士見岩にでる。何人かが食事をしている。富士見岩から富士が見えることはめっきり少なくなったのが残念である。そこから下山して、一本杉へ向かう。途中、ゼンマイのようなものも沢山芽を出していたが、ゼンマイに似たものは多いので、あえて採る気がしない。頭をなでるだけで帰ってきた。
廃寺跡
廃寺跡の桜
一本杉から廃寺跡へ向かう。この時期はカタクリや山野草の季節なので湖西連峰は結構にぎあう。ありがたいことに廃寺跡にはそれがない。静かである。すぐ西を通っているメインの尾根には人の行き来はあるし、その人たちが浜名湖の美しい光景に、ここでしばらく足を止めることはある。ただ、東に下って廃寺跡の奥のほうにくる人はめったにいない。寺跡は残っていても、特に興味のあるひと以外は足を踏み入れない。
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