このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

                       
                              黒い花

         
                                             ブラックキャット

浜名湖花博へ10回以上行っている。別に「花が好き」で行く、というほど殊勝なわけではない。散策に手頃というだけの話である。だが、変なもので、花の中をこれだけ歩くと何となく花が気になるようになる。ともかく、花博会場には6000品種、500万株の草花があるのである。

最初のうちはご多分にもれず、パンフレットにでてくる「生きた化石ジュラシックツリー」、「奇跡の青いバラ」、「世界最大の葉をもつグンネラ」などに目をうばわれる。そのうちに世界三大花木の一つ「ジャカランダ」に花が咲いたことが話題になると、あとの二つの花木「カエンボク」「ホウオウボク」を探したくなる。全くミーハーである。

だが、ある時、黒い花を見つけて、奇妙な魅力にとりつかれる。珍しいということがあったかもしれない。昔読んだデユマの「黒いチューリップ」が頭をかすめたような気もする。そして、いつの間にか、歩きながら黒い花を探している。変な気分である。ともかく、花にはあまり縁のない人間が花を探しているのである。その上、「これだけの花があるなら、10や20の黒い花があっても不思議ではない」と、探すのだからあきれる。だが、黒い花は案外無い。そして、やっと見つけたのが「ナデシコ・ブラックベア」「セキチク・ブラックアンドホワイトミンストレルズ」「ブラックキャット」である。むつかしい名前がわかったのは他からの助けを借りてのことである。その後、名前は わからないが、なんとか10ぐらいの黒い花を見つけた。たいした執念ではある。

だが、ふと、何故これほど黒に惹かれるのか、といつものように考え始める。もともと「黒」が好きなのかもしれない。ともかく「ネアカ」とは言えない性格である。「世の中、暗いからなー。」とも思う。だが、突然、、この頃、自分のまわりで死んでいくものが多くなっているのに気づき、愕然とする。

ものはあまり考えない方がいいらしい。           
                     
 

                      文中に出てくる「花」の写真


             
               ジュラシックツリー               青いバラ

             
                 グンネラ                ジャカランダの花

               
                  カエンボク                     ホウオウボク

               
                          ナデシコ・ブラックベア        セキチク・ブラックアンドホワイト
                                  ミンストレルズ

    
                                                    

                           トップページヘ       次のページへ  

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください