このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
廃寺跡への道「豊川道」は整備されているとはいえ、やはり、まだ、夏の山道である。ひと一人通らない。杖で、くもの巣を払い払い行く。普通はあまり杖を使は使わないのだが、このシーズンだけは杖が欠か せない。くもの巣だけでなく、ヘビへの用心もある。いざという時、あの長いヘビの図体なら、襲ってきても杖のどこかに当たって何とか、という気休めである。 ミンミンゼミが「ミーンミンミンミンミー 」 と鳴いている。ミンミンゼミの鳴き声は音量があり力強い。ツクツクボウシも「オーシンツクツク、オーシンツクツク」と鳴いてはいるが、何となくかぼそい。秋が近い。山にはクマバチやスズメバチも多いが、本当は薮蚊の方が嫌である。ハチは近くまで来てもあっさりと離れていくが、薮蚊は払っても払ってもついてくる。久しぶりに血の匂いをかいで、離れられないのかもしれない。 昨日、大雨が降ったせいか、夏とは思えないほど浜名湖が澄んでいる。写真におさめる。夏の浜名湖はいつもぼやっとしていて写真にする気にならない。写真にするなら冬、それも風が強く、空気の澄んだ日である。ただ、冬の浜名湖はよくても、冬はまわりの木々の色が悪い。今日は夏、濃い緑、写真を楽しみにして家路を急いぐ。だが、いざパソコンで開いてみたら平凡。浜名湖は、いつものことながら写真写りが悪い。
再び「夏の薮山」
夏の廃寺跡(浜名湖の大きさと素晴らしさが出なくて残念)
昨年の夏はマムシに悩まされたので、今年の夏の「藪山歩き」はさすが気後れがする。だが、ちょっと涼しくなったので思い切って遅い夏山に入る。安全で歩きやすい廃寺跡への道を選ぶ。
広々とした頂上に出る。草原に足を踏み入れると、時ならぬ侵入者に驚いてバッタやコオロギ飛び出してくる。ここでは、人間が時ならぬ侵入者なのである。日陰に陣取り、ムスビを食べ始める。赤とんぼが群れをなして、頭のまわりを舞う。これは蚊と違って気持ちがいい。ふと、まわりのあちこちでパタパタパタパタ音がするのに気づく。不思議に思って、まわりを見るとバッタが飛び回っている。バッタの羽音が聞こえるとは静かなものだ、と感心する。青々とした自然と浜名湖が目の前にある。それが自分ひとりのものに思えてきて愉快である。
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