このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

特別ルポ:さよなら「あさかぜ」



リトルジャパンの京急230系キットを製作 している私は、
実物(268号車)が保存されているホビーセンターKATOに行き、
細かいディテール写真を撮ってきました。
ホビーセンターにはよく通っていますが、京急230型をじっくり見たのは初めてでした。
やはりちゃんと見ると、いろいろなことがわかるものです。
ここで調査した結果を、いくつかキット製作に反映させることができました。

特に写りのよいもの、参考になりそうなものを掲載します。


まずは正面。この「印象」を大事にしたいですね・・・
なにしろ2600mmない車幅ですから、実際に見ても細面だということがわかります。
前面床下が、意外と賑やかなのも要注意です。


パンタグラフは、いろいろな資料写真を見ると、2,3種類あったようですね。
268号車の引退時は、上半分がPS14、下半分がPS13のようなタイプです。
シューがYの字になっているのも、京急らしいところ。

判りづらい角度ですが、パンタ台の構造が独特です。
屋根上のパンタ台の脚と、パンタの碍子の位置が合っていないんです。
なので車幅方向に渡っている板は、脚よりも半分はみ出しています。


ヘッドライト周りは車体と同色。
でも、写真によっては屋根と同色のものもあったようです。
また、この写真で見ると雨樋は、屋根布押えという感じでしょうか。
雨樋上面の縁まで屋根と同色の灰色になっています。
実車の現役写真はほぼ例外なく、屋根は茶色に汚れていましたが。


正面向かって左(助手席側)を屋根から下がってくる2本の配管は、
このようにシル・ヘッダーを避けて湾曲しています。
Nゲージサイズでこれを再現するのは、かなり困難でしょうけど。
対照的に、雨樋(縦樋)は車体から浮いた状態で、一直線に下がっています。

屋根に昇るステップの取り付け台座に、この配管を留めるバンドが固定されていますね。


連結器周りを見てまず気づくのは、いわゆる「胴受」と呼ばれる部分がないこと。
車高の低いこの電車、もとの連結器はもっと低い位置でした。
後年の改造で他車に合わせて連結器位置が上げられた際に、
このように車体裾に欠き取りが設けらたのだそうです。


前面のジャンパー栓。
偶数車なので、運転席下テールライト近くに3つの栓があり、
そのうち中央寄り2つにはホースが出ています。
現役時代の写真もそうなっています。
助手席側の車体下にも、ホースが2本、こちらは鎖で吊ってあります。
連結器の根元にあるバネと、排障器の形状もわかります。
正面から見たときの、この密集した感じを出したいものですね。



床下機器はあまりわからないので、まとめて数枚を掲載します。
抵抗器は形状や碍子の雰囲気が目立つので、再現したいところ・・・
だけど、これもNゲージサイズじゃ無理でしょうね。
配線類が黒いのは、現役時代からそうだったのか、ここに来てからそうなったのか。
そういえば少し前まで、ここで展示されていた同車の床下は、
全部黒く塗られていた記憶もあるのですが。。。


ナンバー位置はここ。
台車のすぐ横から機器が配置されている様子がわかります。
車体長が短い上にオーバーハングが長いので、デハの床下はかなり密集しています。


側面窓保護棒は、細い窓柱に細いバンドで固定されています。
このバンドは割りピンで再現するにしても、車体と同色なので苦労しそうな気がします。
連結面寄り最後の柱は、このように大変スリムです。
リトルジャパンキットの最大のエラー(・・・他にもエラーあり)は、この柱幅かと。
このスリム感はこの電車の特徴ですから、譲れません。


連結面寄りの床下ジャンパー栓はこんな感じ。
連結時は相手の栓との間で、ホースが渡っているのでしょう。
こちら側から見ても、床下は密集しています。


乗務員用ステップは2段でした。
台車・排障器との位置関係も参考になります。


登場時からコロ軸受だったのがこの台車の特徴。
当時から高速志向だったのでしょう。
形状はいわゆる「日車のD型」と呼ばれるものですが。
台車と車体裾との間隔から、この車両の腰の低さがよくわかると思います。


2600mmに満たない車体幅の230型は、後年の幅の広い電車と混ざって活躍するため、
乗客用ドアにステップが設けられました。
これも模型で是非再現したいところです。
でも、現役当時もステップは黒かったのでしょうか?


屋根上はノッペラボウですが、ベンチレータがないわけではありません。
側面にはこのように、四角形のベンチレータが片側4箇所あります。
1車両につき8個もあるので、ガラベン5個にヒケをとらない換気能力があったかも。
行先表示サボとの位置関係もわかります。

・・・ってなところです。

製作を進めていけばいくほど、「ここはどうなっているのか」と、
更に気になってしまうところがたくさん出てきます。
なので、もしかしたら、もっと写真を撮りに行くかもしれません。







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