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TOMIX真鍮製キハ30系のグレードアップ



  1. その1 :ふと思いついて製作開始。とにかく「勢い」でボディが完成
  2. その2 :各種仕上げ作業と、ちょっとしたこだわり

その1ふと思いついて製作開始。とにかく勢いでボディ完成
こうなりました!

*オハ35系の各種バージョン
私は、比較的どのジャンルの車両でも好きなのです。
最新のJR電車、旧型電機、黒い貨車、私鉄電車、ローカル気動車、欧州型蒸機・・・
などなど、特に最近は、何でもござれ状態。

もちろん・・・国鉄旧型客車も大好きです。
中でも、私が「最も国鉄らしい客車」だと思っているのが、オハ35系。
戦前から戦後まで長期にわたって製造され、全国各地、津々浦々で見ることができたのでした。
しかも製造が長期にわたっているため、様々なバリエーションが存在し、興味は尽きないのです

そんなオハ35系、Nゲージでは'70年代後半からTOMIXが製品化していました。
それまで香港生産だったTOMIXが、国産化したその第一号ではなかったかと記憶しています。
素朴ながらしっかりとしたディテールは、今でも違和感なく受け入れられるものでしょう。
KATO製品がラインナップに加わったのは、21世紀になってからで、
戦前型、戦後型、しかも青と茶で微妙に形態を変え、一気にバージョンが揃ったのです。
そしてもちろん・・・GMからも、板キット形式で発売されています。

でも・・・
オハ35系と言えば、戦前に国鉄工場で試作された「異端車」を忘れてはなりません。
ちょうど溶接技術が飛躍的に向上しつつあった時代であったため、
リベット廃止、ノーシル、ノーヘッダー、張り上げ屋根・・・といった進化を遂げた、
独特の外観を持っていた車両たちが存在していたのです。

残念なことに、この「異端車」は上記3社やマイクロエースでは製品化されていないので、
ふと「市販品改造で作ってみよう」・・・そう思ったのでした。
思いついたらすぐにやらないと気がすまない私は、早速、工作に取り掛かることにしたのです。

*構想・・・張り上げ屋根車にする
素材に決めたのは、GMのキットです。

KATO製品からの改造も考えましたが・・・
完成度の高いKATO製品・・・なんだかもったいないような気がしてしまって。。。
GMキットは加工しやすいスチロール樹脂でできている、という理由もあります。

プロトタイプは、当初「ノーシル、ノーヘッダー、張り上げ屋根」という、
最も進化した・・・ある意味「過激な姿をした」、超異端なオハ35にするつもりでした。
しかし、よくよく考えれば、ノーシル・ノーヘッダー車は、窓の上辺角にRがついていたのです。
この特徴を再現するのは、かなり厄介じゃないでしょうか。。。

こういったときの私、切り替えは早いです。
ならば、シル・ヘッダーつきで張り上げ屋根のバージョンでいいや、そう決めました。
要するに、張り上げ屋根にしてみたかったんですね。

*まずは素組み
GMのオハ35キットは、同社の客車キットシリーズの中では、製品化が比較的新しい方です。
なので各部品の合いもよく、組み立てにさほど苦労はありません。
(初期製品の切妻型客車のキットの中には、側面と妻面が合わないものも散見されます。。。)

このキットで「合い」に難があったところは、
・側面と妻面の接着面をヤスリで整えて形にすると、屋根が若干長くなってしまう
・側面と妻面の雨樋接合部が密着しない
という程度です。
でも今回は張り上げ屋根にするため、このあたりは気にしません。
また、後の改造を考えて、屋根と側板の接着では、
タミヤセメントをたっぷりと・・・雨樋付近に漏れてくるまで流しました。
普通に組む場合は、ここまで流したらいけないのですが・・・

おっと!書き忘れましたが、
それに先立ち、側板や妻板裏にある「床板固定用のリブ」は、削り取っておきました。
例によってこのリブに合わせて床板を取り付けると、腰高になってしまうためです。
私の場合は、車体側板裾から1.5mmの位置に、1.5mm角のStripStyreneを貼り付けています。


左写真:素組みしたボディ
右写真:妻板と側板の接合部・・・雨樋がしっかりと密着しないのがわかります

床板固定用リブは削り取っています

*張り上げ化開始、雨樋を削ってツルツルにする
ボディが箱になったら、一晩寝かして乾燥させます。
これでボディは、びくともしないほど強固になったはず。
そうしたら・・・いよいよ雨樋を削り取ります。

今回の工作ではシル・ヘッダーは残すので、
これらが削れてしまわないよう、マスキングテープを貼って保護しました。
扉の横の号車番号札さしも忘れずにガードしました。

一方、妻面のディテールは、全て削り落としてしまいました。
連結面は、編成に入れてしまえばそれほど見える部分じゃないので、
作業の効率を優先したのです。

今回の切削作業に用いた工具は、デザインナイフ、金属製の細密ヤスリ、
および耐水ペーパーです。
デザインナイフは、刃を垂直に立てた状態で左右に動かし、カンナのように削ります。
この方法は長い部分を均一に、まっすぐ削るのに向いていますが、
余計なところまで傷をつけやすいのが、要注意ですね。
細密ヤスリは、部分的に一気に削りたいときには便利な存在です。
しかしプラの場合は、つい削り過ぎたり、思わぬ傷をつけたりしがちなので、
やっぱり注意が必要です。
また、耐水ペーパーは、表面を滑らかに仕上げるのには向いていますが、
広い部分を均一に平面や直線状に削るのには、意外と苦労します。
このような工具の特性をわきまえた上で、使い分けながら削っていきました。

さて・・・屋根と側板・妻板の接合部がある程度滑らかになたら、
この接合部に「溶きパテ」を盛り付けました。
パテが完全に硬化するまで、また一晩寝かせることにしました。

パテ盛りした車体。乾燥を待って削ります。

*床下の製作
パテの硬化を待つ間に、床板を工作します。
最近のGMの客車キットって、床下機器をひとつずつ並べて接着するんですね。
昔はプラの一体成型だったはずだし、
もっと昔は・・・床下機器がダイカストでできていて、ウェイトを兼ねていたのに、進歩したものです。

でも、1個1個取り付けていくのは、正直面倒でした。
位置決めできるものは何もないので、KATO製品や書籍「車両の視点(PART5)」を参照しながら、
場所を決めていったのです。
おまけに・・・苦労して取り付けたところで、それほど精密なわけでもなく、
これなら、一体化してくれたほうがいいと思ってしまいました。
車種ごとに少しずつ違う床下を、一体成型で作り分けるのは、メーカーとしては嫌でしょうけど。。。

尚、床下機器の部品は取り付け脚も小さく、接着面積が不足しがちなので・・・
この後の工作時に、何度か取れてしまうこともありました。

ちなみに台車は、たまたま持っていたTOMIX製のTR23を履かせてあります。
いずれディテールの良いKATO製を入手したら、交換する予定です。

床下機器を貼り付け。簡素なものですが。

*とにかく磨きます!
先ほど継ぎ目に盛ったパテが硬化したら、とにかく磨いていきました。
ここでは、耐水ペーパーによる水砥ぎが中心です。

このとき気をつけたのは、雨樋があった位置までは側板が垂直で、
そこから滑らかに屋根の曲面に繋がっていく・・・これを再現することです。
雨樋がないので、平面から曲面に移り変わる「線」の場所を意識しておかないと、
塗装後に線が乱れてみすぼらしくなりかねないですから。
このように「線」を意識するときは、
耐水ペーパーを平らな場所に敷き、ボディを前後方向にスライドさせて削ります。
部分的に磨く場合は、小さくきったペーパーをその場所にあてます。

妻面の「3面構成」も、注意が必要な部分です。
ここは3面の境界線や、各面が「びしっと」出ていないと、格好悪いですからねぇ。
平ヤスリを当て、真っ直ぐにスライドさせることを心がけていきました。

さぁ・・・次第に、望んでいた「面」が出てきましたよ!
結構いい線いってるのでは?・・・と思えてきたら、ここでいったん下地塗装をします。
軽く、明るいグレーを吹いてみました。
すると・・・無塗装では見えなかった、削り加工のときにつけてしまった傷や、
接合部の凹み(接着剤不足でできた隙間)が見つかったのです。。。
このような箇所は、再度溶きパテを盛り、乾燥後の水砥ぎを繰り返します。

こうして、焦らずにボディを仕上げていきました。
私にしてはしつこいくらい・・・とにかく磨き上げました。

尚、耐水ペーパーは、荒削りは400番、中程度の仕上げは800番、
最終の水砥ぎ仕上げには、1000番を使いました。

*屋根上を仕上げます!最初はガラベン
シルヘッダー付き、張り上げ屋根の車体ができたら、次の作業は屋根上の加工です。

まず、KATOのスハ43系用ガラベン(ASSYパーツ)を、所定の位置に取り付けます。
GMの客車キットはベンチレータの位置を自分で決めなくてはならないのも、面倒です。
最初に、何よりも屋根のセンターを出す必要がありますが、
私はマスキングテープを使っています。
マスキングテープを側面〜屋根〜側面と一気に貼り、
両側面の雨樋またはウィンドヘッダーの位置をマークします。
(この車両は雨樋がないので、ヘッダー)

テープを剥がして拡げると・・・マークが2箇所ついています。
この2箇所のマークの間の中央にさらにマークを付け、
もう一度・・・ヘッダーの位置を合わせながら同じように車体に貼れば・・・
3つ目のマークが屋根の中心位置を示してくれる、という寸法です。

マスキングテープは、貼り付けや剥がすときに伸びるので、誤差が出るかもしれませんが、
もっと精度の高い方法を用いても、工作の精度がそんなにないですから、
これでも充分でしょう(^-^;

さて、中心線が引けたらこっちのもの、ベンチレータを所定の位置に貼り付けましょう。
KATOのガラベンの取り付け足は長円形なので、
取り付け穴は、ドリルで開けた後、細密丸ヤスリで拡げておきます。
また、穴は大きめにしておき、貼り付け時に微調整できるようにした方が、
綺麗にそろえることが出来ます。

ガラベンが並ぶと、「らしく」なってきます

*次は車端部の加工
屋根の車端部にあった、四角形のステップも削ってしまったので、再現します。
たまたま自宅の在庫パーツに、TAVASAの屋上ステップがあったので、それを用いてみました。
しかしこれ、何しろ小さなもので・・・
切り出して所定の場所に貼り付けるのには、結構苦労しました。
瞬間接着剤による固定は、強度の不安もあります。
でもこのパーツには「足」がちゃんとあるので、小さいながらも見栄えはいいですね。
なんたって、KATO製品ですら、足は省略されているのですから。

そして・・・この車両のポイントとなるパーツが、ドア上の水切りです。
これも前記した「車両の視点」にあった写真から、
幅はウィンドーシルと同じくらいで、
位置は号車番号札さしの真ん中あたりから始まり、妻面に少し回りこんでいる、
ということがわかりました。

なのでこれは、0.25mm×0.5mmのStripStyreneを用いました。
妻面に回り込む部分は、1mmほどの長さに切った小片を、後から貼り足しています。
1本を無理に折り曲げようても折れたり剥がれたりするので、
こうした方が綺麗に、かつうまくできます。


屋根車端部のステップと、ドア上の水切りを再現。屋根の塗り分け線も描いています。

*屋根の塗りわけ線を決める!
苦手なんですよねぇ、塗装。。。いつも何かしら失敗するんです。
今回は屋根と車体の境界がない「張り上げ車体」・・・余計に不安が募ります。
塗り分け位置がこの車両の特徴を決めるところで、
一歩間違えると、全く印象が異なるものになってしまうのですから。。。

その点は、「車両の視点」にあった小さな形式図面と、同書の参考写真で、
塗り分け位置を決めることはできたのは、幸いでした。

写真から判断すると、車端部の塗り分け位置はちょうど・・・ドアの端に合っているようです。
車幅方向の塗り分け線は、図面から判断すると、
中心線から左右7.5mmずつくらい・・・
マスキングテープを貼ってから展開してみると、中心から8mmくらいの位置に決まりました。
これらの数字が正解かどうかはわかりませんが、
塗装前の車体に、こうして決めた塗り分け線をエンピツで描いてみると、
結構いい線をいっているように見えたので、これで行くことにしました。
(・・・って、他の情報はないので、これで行くしかないんですが)

*いざ、車体塗装
車体はぶどう色2号、屋根は黒にしました。

エンピツ線は車体を塗装したら消えてしまうので、
塗装する前に、屋根となる四角形の頂点4箇所に、小さなポンチマークを打っておきました。
このマークを結んだ内側が、屋根になります。

最初にボディをよく洗浄し、乾燥させます。
そしてタミヤのメタルプライマーを吹き、
隠蔽力の弱いぶどう色の発色をよくするためと、最終的な傷のチェックのために、
最初に明るいグレーを吹きました。

多少の傷は塗装すれば目立たなくなるので、OKと判断し、続いてぶどう色2号を吹きました。
・・・っていうか、もう、修正するのは面倒だったんですけど。
こういったところが、最後の仕上げに影響するのですが、私には限度でした。。

尚、ぶどう色は、やはり隠蔽力が弱いのでしょうか、ずいぶんと重ね塗りしてしまいましたが、
塗りあがった感じは、結構、納得のいくものになりました。
心配していた垂直になる側面と屋根カーブとの境界線は、
滑らかに見えていて、かつ乱れはありません。
継ぎ目も完全に消えていました。

よっしゃ!

例によってここで有頂天になりましたが、
早く塗り分けた姿を見たかったので、眺めも早々に切り上げます。

・・・実を言うと、ぶどう色2号を吹いているとき、私の嫌いな「ダマ」が発生したのです。。。
これが、側面(片側)に1点ついてしまいました。。。
乾燥した後に1000番のペーパーで水砥ぎをした後、半艶クリアを吹いてごまかし、
その痕はほとんど目立たなくすることができたので、ほっとしていますが。。。

そして、床下も塗っておかねばいけません。
ここは艶消し黒スプレーを、シュシュッと簡単に済ませました。


床下は艶消し黒になると、それなりに見えますね


(上の方で写真を撮り忘れていたので、塗装完了後の状態ですが・・・)
床板を止めるリブはこのように側板裏に新設しています。車体裾から1.5mmの位置です。

*これが決め手!の屋根の塗り分け
さぁいよいよ、先ほどのポンチマークを結んだ四角形を残し、車体全体をマスキングします。
前後左右からよく見て、マスキングテープが直線、直角、平行になっていることを確認。
これが失敗したら、元も子もありませんから、念入りにチェックしました。
OKなら・・・いよいよ艶消し黒を吹きます。

ここを黒にすることは、違和感を感じる人がいるかもしれません。
しかしキャンバス貼り屋根は、汚れてくるとほぼ、真っ黒に近くなるものです。
特に蒸機に牽引された時代はなおさらです。
なので私は黒でいいと思っていますが、かなり濃いグレーでもいいかもしれませんね。

マスキングテープを剥がすときは、かなりどきどきしました。
少しずつ剥がしていくと・・・
おお!・・・ほぼ目指していたとおりの塗り分け線が、
徐々に・・・そして綺麗に現れてきました!
感動です!

ヤッター!

自分としては、かなり満足のいく仕上がりです。
張り上げ屋根のオハ35など、実車を見た記憶などはありませんが、
過去('30年以上前)に模型誌で見た作例も、確かにこんな雰囲気でした。

いやぁ・・・やればできるもんですね。
今度こそ、本当に有頂天です。

もう、この後の作業など忘れ、
KATOやTOMIXのオハ35やスハ43などと併結させ、旧型電機や蒸機に牽引させて、
ずっと眺めてしまったのです。。。
まだ窓ガラスすら入れてなくて、その他、苦手な仕上げ作業が待っているんですけどね。。。


どうですか!この雰囲気!たまんないです!
一切のディテールを削ってしまった妻面は、やっぱりちょっとい物足りないかもしれないけど。。。

その2 :各種仕上げ作業とちょっとしたこだわり
さて・・・1週間後、仕上げを行いました。
私の嫌いな仕上げ作業各種ですが、今回は勢いに乗って、一気にやってしまいました。

*ナンバー貼り、塗装仕上げ、そして窓入れ
最初に、ナンバー貼りと塗装の仕上げです。

まず・・・ナンバーは、張り上げ屋根車体のオハ35として実在した、2144号車にしました。
これは「車両の視点」に写真があり、今回の工作の参考にした車両です。
GMのインレタを切継いで、このナンバーを作りました。

ナンバーを貼ったら続いて車体の塗装を仕上げます。
前回クレオスの艶消しクリアを全体に吹いたら、まるで色褪せた廃車体のようになっていました。
そこで今回、屋根をマスキングして、車体だけに半艶クリアを吹きました。
すると・・・おやおや、艶消しクリアの粗い粒子のせいで、
ちょっと表面がざらついた感じになってしまいました。
まぁ、肉眼ではいい感じに艶が抑えられているように見えるんですがね。

窓は、GMキット付属の塩ビ板です。
トイレ窓部分は1000番の耐水ペーパーで擦り、曇らせて、スリガラスにしました。

以前は窓ガラスには透明スチロール樹脂(透明プラ板)を使っていたのですが、
最近は、キット付属の塩ビを使うことが多くなってきました。

その理由は・・・
透明プラ板は傷がつきやすいこと、割れやすいので、切断面の仕上げが面倒なこと、
プラ用接着剤(タミヤセメントなど)が余計なところに流れて失敗することがあること、
などです。

ゴム系接着剤が糸をひくのを我慢すれば、塩ビ板の方が扱いはラクなんですよ。

ナンバーは実在車と同じ。窓も入ってます。

*幌吊りを作る
やっぱり妻面がのっぺりしているのは味気ないので、「幌吊り」を作ることにしました。
キットでは、もともと一体モールドで表現されていたものです。
文字通り、幌を吊るための装置なので、本来は妻面から幌枠に対して斜めに張られていますが、
キットも完成品も、妻面に平行な簡略表現であることが多い・・・この幌吊り。
どうせ作るのなら、ちゃんと斜めに張ろう、そう考えました。

とは言え・・・どうしたら表現できるのでしょう?
プラの細い素材では強度が足らないし、単なる金属線では、ダンパーの段差が表現できません。
なかなかいいアイデアがなく、どうしたものか、いろいろ考えたのですが、
最終的には、下記のようにしました。

・外径0.6mm、内径0.4mmの極細真鍮パイプに、0.3mm燐青銅線を通す
・両者を瞬間接着剤で固定する

これだけです。
極細パイプはエコーモデル製、たまたま模型店で見つけたので、
その場でこの構造を思いついたのでした。

尚、真鍮線ではなく燐青銅線にしたのは、
ちょっとでも曲がっているとみっともないから、という理由です。
思い通り、真っ直ぐにできてくれて、満足です。


左写真:幌吊りは極細真鍮パイプに燐青銅線を通して曲げたもの。パイプの長さは3mmくらいです。
右写真:幌枠の上部左右に幌吊り装着用の穴を開けたところ。

さて、幌吊りの部品が4個できたら、メタルプライマーを吹き、ぶどう色2号に塗っておきます。
そして、幌の両側に開けた穴に差し込んで、裏から瞬間接着剤で固定しました。

幌吊りの先端は、幌枠の凸部裏に接するようにしたので、
妻面から幌枠に対して「斜めに張っている」という状態を、再現できたのではないでしょうか。
細かいディテールは何もない簡単なパーツですが、雰囲気はバッチリですよ。
ついつい妻面を覗き込んで、ニヤニヤしてしまいます。


幌吊りが付いて、妻面がかなり「らしく」なりました!

*内装を作る
これで外装は完成なのですが、出来上がってみると、車内に何もないのが淋しく思えてきました。
特に、扉のない貫通路から見ると・・・ありゃりゃりゃって感じです。
そこで、せめてデッキと車内との仕切り壁くらいは作ることにしました。

しかし・・・片エンドには、トイレと洗面所があるんですよ。
つまり・・・「デッキ(壁)トイレ/洗面所(壁)車内」、
こういう構造を再現しなきゃならないじゃないですか・・・

うー、面倒だ・・・

仕切り板の製作は面倒でした。。。

結局、0.5mm、0.3mmプラ板、0.25mm×0.5mmのStripStyrene、タミヤの1mmプラ角材で、
上写真のようなパーツを作りました。
これを、車体にはめ込みます。
はめ込む部分は、一部床板のストッパーを欠きとる必要がありました。

尚、仕切り板には通路があり、引き戸には窓もあります。
その寸法は、「車両の視点」の形式図から割り出しました。
木製の引き戸って、思ったより窓が大きいんですね。

この窓開けも、結構面倒な作業でした。。。
なにしろ小さな窓ですから、微妙な誤差がすぐに目に付いてしまうのです。
直線、平行、直角、垂直、水平・・・こういったものを出すのに苦労しました。

でも、苦労しただけのことはあります。
貫通路側からも、窓を通して見た車内側からも、
覗いて見れば、それらしい雰囲気が出たのですから!
こういうことがあると、苦労が報われたな、と感じますね。

尚、このままでも雰囲気は悪くないので、今のところ塗装はしていません。
ってか、そもそもこの部分、何色が正解なのか、わかんないんですよ。。。


仕切り板パーツを車内にはめ込んだところ。はめ込んだだけで、接着はしていません。

さぁ最後は、座席表現です。
そもそも、こんなことはするつもりはなかったのですが、
仕切り壁ができて、車内を覗き込む頻度が上がってくると・・・
がらんとして、ウェイトがむき出しの車内が、物足りなくなってしまったんです。

きりがありませんが、やるしかないでしょう。

車内には大きなウェイトが鎮座しているので、床の上に座席を表現するのは不可能です。
そこで、ウェイトを完全に覆い隠すように0.5mmプラ板を貼り、
その上に座席の背ズリを表現することにしました。

ウェイト覆いは、床板から2.5mmの高さに固定してあります。
こうすれば、ウェイトに干渉しません。
横幅は、床板固定用のストッパーが1.5mm角の太いものなので、これを避けています。
だいたい13mm幅くらいになりました。
そして背ズリは、4mm×1mmのStripStyreneを4.5mm長に切り出したものを
窓に合わせて貼っていきました。

窓からかなり離れた位置にある、非実感的な座席になってしまいますが、
ボディと床板を分離させるためには、こうせざるを得ないのです。
でも、ボディを被せてみると・・・あら意外!
こんなものでも雰囲気は出るものですね。

これも無塗装ですが、窓から良く見えるのがいいで、このままにしてあります。

座席の背ズリを表現!

*完成しました!
屋根にほんのり軽くパステルで汚れを入れたら、これで、オハ35張り上げ車体は完成です。

思いついてから10日ほど・・・平日はなかなか作業できないので、
2回の週末に集中作業をした結果、かなりの早さで完成させることができました。
別に急いでいたわけではないけど、乗ってくると止まらないんですよ。

ボディはほぼ満足のいく出来なんですが、
ちょっとゆず肌になってしまった塗装面は、もう一段、研究の余地がありそうです。

でも、ユニークな外観(特に屋根)は、編成の中でもかなり目立ちます。
一方、KATO、TOMIX、中村、マイクロエースなど、各社の旧型客車群と競演させても、
違和感なく溶け込んでもくれました。

はい、いつものお約束で・・・
いろいろな蒸機や電機に牽かせて、何時間でも眺めてしまったのでした。。。

室内がちらっと見えるのがいい感じです。







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