左が加工前、右が加工後
*素晴らしいパーツ
KATOがEF6437(茶)を発売してから少し経って、そのASSYパーツも発売されました。
そこには、「別パーツ化された茶色い正面手すり」もあったのです。
既にEF65PF前期型などで手すりは別パーツ化されていて、
そのASSYパーツも発売されています。
直流標準色用クリーム色、レインボー用赤、貨物更新色用白がありますが、
しかし・・・残念ながら、どれも手すりの上下寸法が長い新しいタイプのため、
EF64以前の型には使用できませんでした。
(私のTOMIX製EF64は、実機より長いことを承知で、PF用のクリーム色手すりを装着しています)
また、EH10やEH200用の手すりは短いタイプですが、色が合わないため、塗装しなくてはなりません。
そんなとき、「寸法の短い茶色い手すり」の別売は、とても嬉しいものでした。
これを使えば、EF60、EF61、EF62、EF63の茶色機に、
無塗装、無改造でそのまま取りつけできるのですからね!
ということで、まずはKATOのEF60茶で、取付改造をしてみました。
モールドを削る際にちょっと気を使いますが、さほど難しい改造ではありません。
*手すりモールドを削る
KATOのEF60は最近の製品らしく、手すりモールドはかなり控えめに・・・細く、薄く表現されています。
横から見ると、全くわからないくらいです。
なのでこのまま手すりを付けても、いいかもしれません。
しかし旧い製品は、かなりの高さまでモールド表現している場合があり・・・
このときは削り落とさなくてはならないし、モールドの根元が太くいので、削る面積も大きくなります。
すると色差しが目だってしまう可能性があります。
そんなこともあって、今回はKATOのEF60を選んだんですけど。。。
削りは極細(刃幅1.5mm)の平刀を使いました。
刃をモールドに直角に当て、横にスライドさせて削ります。
ちょうど、
Hゴム削り出し表現
と同じ要領ですが、今回は完全にモールドがなくなるまでやります。
モールドが削れて行くに従い、その周囲の塗装も剥げてしまいますが、これは仕方ありません。
ここはタッチアップで修正する事にします。
塗装の剥がれが最小限となるよう、車体端のカーブを乱さぬよう、慎重に作業しました。
手すりモールドがなくなったところで、取りつけ穴の穴開け作業に入ります。
ピンバイスを用いて0.5mmの穴を開けていきました。
穴の位置は、元の手すりモールドのあったところですが、
間隔は、手すりパーツに合わせた方が無難です。
そしてほんのちょっとだけ穴の間隔を狭くしておくと、手すりがきつく入って抜けにくくなります。
私は例によって目分量で開けています。
どうせ寸法を測ったところで誤差が出てしまうので、目で見て不自然にならないことを優先したのです。
穴開けの際の注意点は、車幅のギリギリのところにあるので、
車体に平行に開けようとすると、車体のカーブに沿って外側にずれてしまいやすいこと。
心持ち、車両の内側に向かって穴を開けるつもりで、
穴の位置が決まるまで、最初のうちは斜めにドリルの刃を立てた方がうまくできます。
無事に穴が開いたら、メクレやカスなどを綺麗に取り去っておきます。
拡大写真だと・・・色差し部分が目立ちますね
*装着と塗装
手すりパーツをランナーから切り取り、開けた穴に差しこんでいきます。
寸法さえずれていなければ、いい具合に差しこめるはずです。
もし位置がうまくなかったら・・・修正します。
開けた穴にドリルを差しこみ、ヤスリのように穴を拡げていって修正します。
ドリルの刃を折らないように。。。
差込が完了したら、色差しです。
色の剥げている部分に、GMカラーのぶどう色2号を薄く溶いて、面相筆で「置いて」いきます。
ある程度色が載ったら、もう少し薄めにして差込部分にも流します。
これは、手すりの接着も兼ねているため、差しこんだときには接着剤を用いていません。
車体色とは多少色合いが異なりますが、色差し部分は手すりの真下と根元付近だけなので、
濃い色であることも手伝い、肉眼ではほとんどわからなくなります。
モールドを削ったときに面が乱れても、ほとんどこれで隠すことが可能です。
*もう完成
工作自体はたったこれだけ。
モールドの削りさえなんとかできれば、きれいにできると思います。
フラッシュを焚いた拡大写真では、面の乱れや色合い違いが目立ってしまうかもしれませんが、
先ほども書いたとおり、肉眼ではほとんどわかりません。
もし気になる場合は、他の部分も含めて墨入れをすれば一層目立たなくできると思います。
2005年10月現在で、クリーム色や赤の「短い手すり」は発売されていませんが、
必殺シールプライマーを下塗りしてランナーごと塗装し、
装着後に切り取った部分に色差しをすれば、他の色にも使えそうですね。
茶色機への装着の次は、そうやって他の機種へも・・・といろいろと考えているところです。