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エンドウEF58のシャコタン化



腰高な上に、車体がでかい。。。

*エンドウの58を手に入れた!
エンドウがNゲージに進出していた80年代、EF58もラインナップしていました。
しかし、巨大な車体、高過ぎる車高、甘いディテール、高価な価格と・・・・とても買う気になれないものでした。

そのエンドウもNゲージから撤退して20年、EF58の存在も忘れかけていた頃のことです。
OKIが中古模型ショップでそのエンドウ58をを手に入れ、「走りが素晴らしい!!」と絶賛してきたのです!
互いに影響されやすい我々・・・・
すぐに私もネットオークションで、エンドウ製のEF58を安く手に入れたのでした。
(価格はOKIの1/3くらいでした・・・ししし)

*違和感の塊・・・

しかし、やはり手にしてみると、違和感の大きい製品でした。
なんてったってKATOの上越型と比較すると、屋根が2mm以上も高いんです。
なのに車体の裾の高さは2mm弱の差・・・車体の上下寸法がエンドウの方が1mm長いということです。
車体幅も明らかに広いし、真鍮プレス製のディテールは甘いし、
なのになぜか台車はKATOより小ぶりだし、運転席下には巨大な空間があって、
そもそも運転台のあるべき場所には、床板すら付いていません。。。

うーん・・・・・・こりゃ、カッコワルイ・・・

しかし、OKIが絶賛するとおり、走りは最高でした。
HO模型をそのまま小型化したような動力の作りには、一切妥協がなく、
手に入れて何も調整しない状態で、超スローからずっしりと安定して走り出したのです。
その上、HOで使用するサイズの米粒球を使ったヘッドライトは、
当時のライトにしては非常に明るく、とても好感の持てるものでした。

ならば・・・違和感を解消する加工をしてやろう!
まずは「シャコタン計画」だ!

私はそう決心しました。


製品オリジナルの状態では、KATOのリニューアル製品と比較して2mm以上高い状態です。
おまけに、運転台下の空間が目立ち過ぎます。

*その前に運転席周りを改善!

シャコタン化する前に、床板をどうにかしよう、そう考えた私は、
プラ板で、上写真のようなパーツを作りました。
動力ダイカストにはめ込むと床板になる、というものです。
そこには一応・・・運転席と助手席らしきものも付けてみました。
このパーツのおかげで、運転席窓から線路が見える!などという状態はなくなりましたが、
でも・・・せっかく付けた運転席らしき塊は、車体を被せると何も見えません。。。
っていうか、窓から見える巨大な空間は、どうにかしないといけないようです。。。



さらに、先台車の上には、プラ板を重ねたパーツを貼り、
横から見た時に先台車と車体の間に空間ができ、向こう側が見えてしまうのを防ぎました。
これは同じ弱点を持つ、TOMIX機にも有効な手段でしょう。
(TOMIX機は持っていませんが)

*そして本題、シャコタン化にトライ
さて・・・いよいよ、車高を下げます。

エンドウのEF58は、動力ダイカストの出っ張りと、車体裏側の出っ張りが重なり、
そこでネジ止めする構造になっていました。
ダイカストの上面からは、Nゲージに使うには大きすぎるのか(?)円筒形のモーターが飛び出しています。
これが車体に当たらぬよう余裕を持たせた結果、腰高になってしまっているのです。

だったら・・・モーターが屋根に当たるまでは下げられるはず。
車体側かダイカスト側か、どちらかの出っ張りを削れば、車高は下がるはずです。

車体側の出っ張り。ネジ穴が切ってあります

私は、ダイカスト側の出っ張りを削ることにしました。
車体側の場合は、屋根が邪魔して削りにくいだろうと判断したからです。
しかし、厚みは1mm以上、長さは3cmくらい、奥行きは3mmくらいあるダイカストの出っ張り、
・・・それを4箇所も削らなくてはなりません。
高級な工具を持っていない私、頼みは金工ヤスリのみです。

とにかくひたすら・・・・根気と体力がいる加工となりました。


なので、ヤスリがけの際、左写真のように削る部分にピンバイスでたくさん穴を開け、
少しでも切削作業がラクになるようにしています。
それでも・・・4箇所全てを削るには、合計で4時間くらいかかりました。
手にはマメができ、筋肉痛になりました・・・もう二度と、こんな加工をしたくありません。。。


左写真:ダイカスト加工前(奥)と加工後(手前)
右写真:加工を終えたダイカストで動力を組み上げてみたところ

それでも、出来上がったダイカストを仮組みし、車体を被せてみました。
これ以上は無理、というところまで深く、深く、被せていったのです・・・・

すると、疲れは一気に解消です!!
ダイカストの厚みぶん(1mm強)、明らかに車高が下がりました!!
KATO機と並べて見ると、その効果は歴然でした!!

下の左右の写真で、KATO製上越型とのヘッドライトの高さの差に注目してください。
左写真が加工前、右写真が加工後です。2mm以上あった差が、1mm以内になっています。
見事なシャコタンです!
もう、例によって有頂天、ここでしばらく眺めることになりました・・・・(^0^)



しかし実は、ここで少々ショッキングなことも起きています・・・・
削り終えたダイカストとボディ側の出っ張りが若干干渉したので、ボディ側の出っ張りを削ろうとしたところ・・・

「これってプラじゃん!!」

そうなんです。
車体側の出っ張りの材質は、プラだったのです!!
こっちを削れば、こんなに筋肉痛になるまで苦労しなくて済んだのです!!・・・・・(-_-;

よくよく考えれば、金属車体のエンドウ製模型。
ダイカストがショートしないよう、ボディ側をプラにしているのは当然の事。
このプラパーツはそのまま側面窓に繋がり、ダイカストが車体に接しないようになったいたのです。。。

・・・とは言え、うまくいったのですから、まぁ、よしとしましょう。



*運転席の仕上げ
続いて、運転席の再加工をしました。
先に作った単なる床板では、窓から眺めたときに、巨大な空間が見えてしまいます。
どうしたものかと考えていたところ、OKIからとても有効なアドバイスをもらいました。

「いつもスカートの固定化に使っているASSYパーツの、運転席部分が余っているんじゃない?」

確かに!たくさんの電機のスカート固定化改造をして、運転席部分はたくさん余っています!
ジャンクBOXから、EF65P型の運転台を見つけた私は、早速床板パーツに接着してみました。

ピッタシです!

エンドウのボディがかなり幅広なこともあって、ボディとの干渉は皆無でした。

この床板パーツ改め運転席パーツには、タミヤの「日本海軍コクピット色」を筆塗りしました。
これで完成、装着してボディを被せると、かすかに見える運転席が、とてもいい感じでした。

・・・おっと、先台車の上のパーツも塗装しなくては!ここは艶消し黒にしています。
そして、切削してしまったので銀色がむき出しになったダイカストにも、
コクピット色を塗っておきました。

ちなみに裏は黒くしてあります。

*もうちょっとだけ加工
車体を被せたとき、片エンドの車高の方が、もう片側より若干上がっていたんです。
・・・その原因は、なんとヘッドライトパーツでした。
大きな米粒球を囲う遮光用の金属ケースが、モーターより先に屋根に当たっており、
両エンドのパーツの取りつけ状態の差が、車高の差になっていたのでした。

そこで・・・ヘッドライトパーツ取付部のダイカストを若干切削し、パーツが下向きに付くようにしました。
また、遮光ケース自体も上面をヤスって、高さを下げてみました。
この結果、両エンドの高さを揃えるとともに、更にコンマ何mmか下げることができたようです。

また、ボディと動力部との固定は、当初両面テープを考えていたのですが、
車体側のプラの出っ張りと動力のダイカストがちょうどいい具合に接しているので、
そのままの状態でもキチッと固定できました。
なので、これはこのままにしています。

完成した動力

*試運転
さて、試運転です。
ヘッドライトの遮光ケースがボディと接して止まっているため、
ダイカストは直接ボディには接していないようで・・・
なので心配したショートもなく、落ち着いたフォルムになったエンドウ58は、静かにエンドレスを走り出しました。
エンドウらしく、たくさんの電気を使って、重量感溢れる走行です。

まったく・・・・今までの苦労もどこへやらです!
私は床に腹ばいになりながら、快走する58改を、しばらく眺め続けるのでした。。。。

*今後のこと
シャコタン化加工がうまくいったところで、次の課題は「ディテールアップ」です。
特に前面のテールライトは、まずどうにかしたいところです。
軽くプレスで表現された上に、大きな赤い塗料で表現されたそれは、玩具ちっくとしか言いようがなく、
興ざめしてしまう表情なのです。
ここは、ピンバイスで穴を開け、銀河モデル製のテールライトパーツを入れることにしましょう。

もう1つはエンドビーム。
エンドウ機では、掴み棒を立てる位置すらないほど、貧弱になのです。
ここが改善できたら、さらにいい感じになること必至です。
できたらスノープロウも装着し、ボディの大きさを目立たなくさせようと思っています。
エンドウEF58の細密化へ


左写真:手前から、KATO旧製品、KATOリニューアル製品、エンドウ製品改、マイクロエース製品。
     エンドウ製品はマイクロエース製品とほぼ同じ高さになりました。
     エンドウ58改の方が車体裾が低いぶん、マイクロの方が今となっては腰高です。
右写真:エンドウ58改の運転席がかすかに見えます。
     テールライトとエンドビームをKATO機並みにするのが、今後の課題。






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