このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

DD51ユーロライナー旧製品を追加塗装



買ってきたときの姿。ジャンク品とは思えぬ美品。

*思わぬ収穫、でも・・・
このDD51は、とある中古模型ショップで、付属品もケースもないジャンク品として格安で売られていたもの。
ユーロライナー色は興味の対象外でしたが、これはジャンク品とは言え、全くの美品、しかも格安・・・
ついでにKATOカプラーまでついてます。
なので衝動買いしてしまったのです。
もちろん、走りも全く問題はありませんでした(と言うより、走行した形跡ナシ)

しかし、この製品に限らず、TOMIXのこの時期の製品によくある弱点が、塗装のカスレです。
残念ながらユーロライナーのDD51も、特徴的な青い帯がところどころで消えてしまっていました。
一方、白いボディはせっかくのディテールを目立たなくしているので、
全体的にのっぺりとした印象を持ちました。
さらによく見てみれば、ヘッドライト回りの反射板も白くなっています。
ユーロライナー色って、そうなんでしたっけ?・・・これも無表情な感じを増長しているようです。
ラジエータやファンの部分が真っ白というのも生きたDLとは思えず違和感があり、
元々TOMIXのDD51旧製品の弱点である、下回りの一部がステップと同色(灰色)というのも気になります。


左写真:ところどころに擦れ、塗り残しのある青帯
右写真:なんとなくのっぺりした顔・・・ヘッドライト反射板も白なんですか?

・・・ということで、せっかく美品を手に入れたものの、製品の出来そのものに満足できなくなり、
ならばちょっとした塗装で雰囲気を変えてみよう、そんな気になったのです。
但しDD51ユーロライナー色など見たこともないので、実物とは違う部分もあるかもしれませんが、
自分の好みでやってみました。

*まずは分解
TOMIX製品の美点、それは昔も今も分解がしやすいということです。
なかには分解は簡単だけど再組立ては困難・・・なんてメーカーもありますが(笑)
これはもちろん、そんなことはありません。
床下の4本ネジを外すとボンネットが外れ、キャブが外れます。
実に簡単に分解することができます。
各部の塗装に備え、完全にバラしておきました。

このあとヘッドライトレンズも外しました

*続いて青帯を補修
今回用いたのは、タミヤのエナメルカラーです。
エナメルカラーであれば、失敗してもエナメルシンナーで拭き取って、何度でもやり直せます。
個人的には、ハンブロールエナメルの方が好きなんですが、
最近ハンブロールを取り扱う店が減って、入手が難しくなったのが残念です。

タッチアップして帯を修正しました。その他の塗装箇所もわかるかな

青帯の修正には、手元にあったロイヤルブルーという色を用いています。
製品の青よりも少し濃いのですが、小さな面積への色差しなので、これで充分。
コツは面相筆に少量の塗料を付け、塗るというより置く感じで作業することです。

結果は・・・上の写真と比べてください。
ところどころ途切れ・擦れていた青帯が、見事に繋がったのがわかるでしょうか。
(2つの写真は逆エンドですが)

*DLを実感的にする、ラジエータとファンへの墨入れ
続いてラジエータとファンに黒を入れます。
これはDLの定番とも言える色差しで、 OKIの記事 にも紹介してあるので、ここでは詳しくは書きませんが、
艶消し黒に少しだけ茶を混ぜると、落ち着いた感じになります。
また、塗るときは若干はみ出しても構いません。
乾いた後でシンナーを含ませた綿棒を使って拭き取れば、きれいに塗り分けることができます。

ここで苦労したのは1点。
特に側面ラジエータは地となる色が白なので、薄めた黒はなかなか色がつかないことです。
なのでここはいつもより少し濃い(シンナーの少ない)塗料を使っています。

苦労しただけのしただけのことはあります。
やはりDLは、この2つが黒くなると、まるで「命が通ったかのよう」ですね。
この車体色が白だということもあり、コントラストは見事で、効果は特に大きいと言えるでしょう。

余談ですが、マイクロエースが2005年に発売したDD51は、そういう意味では画期的です。
これらの部分と屋根が黒く塗り分けられているんです。
本来の塗装ではなく、「汚れた姿を製品化」しているというのは、初めてではないでしょうか。


ボンネット上面のファンと側面ラジエータはこうでなきゃ。ステップと手すりは未加工。

*側面タンク上の塗り分け
側面ステップ上にあるタンク(?)の上面、実はここもステップと同じ灰色が正解です。
バラしたついでに、ここを艶消し灰色にしておきました。

*ステップ部パーツの塗り分けと下回りの塗装
ご存知のとおりTOMIXのDD51旧製品は、
ステップ部分(灰色プラの無塗装)に床下の一部が一体で表現されており、
本来黒くなっているべき床下まで灰色になってしまっている・・・という弱点があります。
ここを黒くするだけでも、かなり実感的になります。
場所は、ボンネットを一周するステップよりも下の部分です。
ここを艶消し黒にすると、一瞬KATO製品やTOMIXリニューアル品のような雰囲気になりますよ。

完璧を期するならば、ステップ側面や手すりを白に、ステップ上面を灰色に塗るべきですが・・・
今回はここまでにしておきました。
というのも、この両者は塗料がとても剥がれやすい箇所だからです。
(せっかく塗り分けた塗料が剥げて、みっともない状態になった個体を山ほど見ています。。。)
日を改め、シールプライマーを用いてしっかりと下地処理をした上で、トライすることにしましょう。

ついでに・・・無塗装でプラ地肌の出ていた台車を同じ艶消し黒に塗り、
さらに落ち着かせました。

床下は黒でなきゃ

*ヘッドライト反射板に銀を!
DD51の特徴である四角いヘッドライト反射板、ここはボディと同じ白だったので、
クロームシルバーを入れました。

これで目つきが精悍に!・・・・と思いきや、周囲が白なので、意外と目立たないんですね。
っていうか、レンズが真っ黒い「穴」のように目だっているのが違和感ありますね。
これはいたし方ないんですけど。。。

正面点検扉、ヘッドライト周りが精悍に・・・・なったはず

*最後に・・・ディテールを目立たせる
白いボディゆえに目立たないディテールには、かなり薄くした艶消し黒(+茶少々)を流す事にしました。
DLのボディには、点検蓋やらベンチレータやらドアやら、結構いろいろなものが並んでいます。
これらの縁に沿って薄墨を流し、乾いてから余分な部分を綿棒で拭き取ると・・・・
ちょうど縁に沿って影ができたような感じで、各ディテールが際立ってきます。

今までは全く見えなかったディテールが、遠くからでも確認できるようになり、
なかなかいい感じになりました。
この製品は、強めのモールド表現がされているので、ちと目立ちすぎかな・・・とも思いますが。


*完成
以上、今回は工作はせず、色差しのみの加工になりました。
これだけのことで、現役バリバリのDD51という雰囲気になるから不思議です。
これからさらに、カプラーをボディマウント化した上で、
今回は塗り分けを見送ったステップ部を正確に塗り分けてようと計画しています。

昔と違い「ウェザリングは悪!」みたいな風潮も感じられる昨今ですが、
激しく汚すのではなく、雰囲気を盛り上げる、
このようなちょっとした色差しは・・・考えてみてもよろしいのではないでしょうか?


今回の完成状態。最初の写真と見比べてください。






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