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TOMIXロコにKATOカプラーアダプターを装着





*二束三文の悲哀
OKIとふたりで行きつけの中古模型ショップに行ったときのことです。
ジャンク箱の中に、ケースもなく、ビニール袋に入れられた茶色い2両を発見したのです。

GMのクモハ73+クハ79でした。

クモハには動力が組み込まれており、キットをユーザが組み立てたもののようでした。
塗装はそこそこ綺麗にできていたし、走行させてみると問題もないし、
なのに「二束三文」と言えるほどの低価格・・・・
想像するに、前オーナーは一所懸命組み立てたものの、
TOMIXのHG製品が発売されたので不要になったのではないでしょうか。
もともと旧国が大好きな私、どうしても見捨てられず、購入することになりました。

ちなみに不都合な点と言えば、正面カプラーがなぜか「自連」タイプのKATOカプラー化されていたこと、
パンタがKATOのPS14(旧型電機用)になっていたこと、
ぶどう色の吹きつけが薄く、一部塗料の乗っていない箇所があること、
ナンバーのインレタが一部剥げかかっていたこと・・・そのくらいでした。

*GM73系の思い出
そもそも・・・GMの73系って、いつ頃の発売でしたっけ。
記憶によれば・・・自分が中学の頃、GM初の完成品として発売されたような気がするのですが、
GM完成品としては111系の方が先だったかな。。。
当時はまだ横浜線や青梅線などで73系が活躍しており、身近だったこともあって、
結構欲しかったことを覚えています。
ただ、KATOのクハ103が750円の頃、GMのクモハ73は確か1000円以上したはずで、
どうしてもKATOと比較して割高に思えてしまい・・・買うまでには至らなかったのです。
(ちなみにOKIは当時、クモハだけ購入しています)

ボディの金型はその頃から何も変わっていないはずですが、
かなり玩具ちっくだった床下や、まともに走らなかった動力はかなり改善されており、
今でもキットが流通しているようです。

今回手に入れたのは最近のキットらしく、床下がかなり実感的になっていましたが、
ボディを眺めていたら・・・中学生の頃を思い出して懐かしくなりました。


購入直後の写真は撮っていません。
グロベン、パンタは既に交換、Hゴムの削り出しを完了、正面の台車のカプラーポケットをカットした状態。

*グロベン、パンタ、中間連結器を交換、幌の取付
手にいれた直後にまず行ったことは、グロベンの交換です。
103系の屋根交換を行ったため、手元にはKATOの103系用屋根が数個あります。
そこには、GMのキット付属品より遥かにディテールのよいグロベンが付いているのですから、
その有効活用にはもってこいです。
交換してみると屋根色とは異なることにもなり、見栄えの上では好都合でした。

続いてパンタを交換。
20年以上前に旧国キット製作に凝ったいたころの名残りで、
手元に当時のGM製PS13が残っていたので、これに交換してみました。
PS14より、よほど「ロクサン」っぽくなります。

また、中間の連結器はKATOの密連タイプに交換しました。
手元にかろうじて残っていた2個を使用したところ・・・1つはジャンパー線が切断されていましたが。。。
そして幌は、KATOのASSYパーツから適当なものを選びました。
濃灰色の、厚みの薄いタイプです。
このボディは幌枠がかなりオーバースケールなこともあり、
KATOカプラー化した連結面では、薄いタイプでちょうどよい結果となりました。

*Hゴムを削りだす
幸いなことに、GMの樹脂は灰色です。
なので 「モニターHゴムを簡単表現 」の技法で、全てのHゴムを塗装を剥いで表現することにしました。
オーバーに表現されたHゴムは、削るには好都合で、
カッターの刃を垂直に当て、横にスライドすると、簡単にかつ綺麗にHゴムを表現することができました。
数が多いのには参りましたが・・・根気さえあれば、何ら難しい事はありません。

ボディ色がぶどう色だと灰色のHゴムはとても目立つので、
塗装と違ってはみ出す心配がなく、幅が綺麗に揃うこの方法は、かなりお奨めです。


左写真:Hゴム未加工のクハ(左)と、削り出し完のクモハ(右)。KATOカプラーと幌で実感的な連結面。
右写真:正面を含め、全てのHゴムを削りだし終えた状態のクモハ。

*TNカプラーの取り付け
正面を実感的に落ち着かせるのに有効なのは、床下マウントタイプのTNカプラー化することです。
TOMIX73系用の分売パーツを購入し、取り付けることにしました。
方法は、 TOMIX、KATO旧製品へのTNカプラー装着 を簡略化したもの。
床板の幅を狭く切削し、TNカプラーをゴム系接着剤で接着してみました。
強度を持たせるためにはもっと確実に固定した方がよいのは承知しています。、
しかしこの2両はどちらも先頭に立つことを基本に考えているので、これで充分でしょう。

尚、TNカプラー取付により干渉する窓ガラス用透明パーツも、一部を切削しておきました。


左写真:TNカプラーを取り付けるため、幅を狭く加工中の床板
右写真:TNカプラーの取付完了

しかしこのとき、ひとつ不具合を発見しました。

前オーナーが・・・正面にKATOカプラー(なぜか自連)を取り付けた際に動力を分解しているようで、
見事なまでに動力のダイカストを止めるふたつのネジ頭をつぶしていたのです。
これでは、動力を分解して台車をとりはずすのは至難の業です。。。
なので・・・動力側(クモハ73)は台車を装着したまま、
樹脂製台車枠のみ取り外すという・・・非効率な作業を強いられてしまいました。

床板の切削も組みあがった状態のまま、粗雑に切削することになりましたが、
こちらは床板樹脂が柔らかい素材のため、さほど苦労はしませんでした。
動力の調子が落ちたら・・・調整はできませんけどね。

*ライト類の銀河モデルパーツ化とクモハ避雷器の改善
やはり正面は車両の命ともいうべき部分、ここを改善するとかなり効果があります。
例によって銀河モデルのパーツを購入し、装着することにしました。

ヘッドライトは、「111系、157系用」。丸妻、半流用のパーツです。
もちろん「キハ30系、101系用」(切妻用)でも可能で、こちらの方が装着もラクですが、
レンズの厚みが大きい、前者の方が実感的なのです。

モールドされたヘッドライトの中心にピンバイスを使って穴を開けたら、
細密丸やすりを用いて穴を拡げてゆきます。
完全にモールドがなくなるくらいまで拡げたところで、銀河のパーツを挿入。
妻面より少しだけ前に出る位置で、瞬間接着剤で固定しました。
尚、パーツが屋根の厚みに干渉するため、屋根の内側も削ってあります。

テールライトも銀河製。「旧型電機、電車用」です。
ヘッドライトと同様にして装着しました。

またここで、モールドで一体表現されているクモハの避雷器を削り、
ペーパーで平らに仕上げた後、KATOのASSYパーツが装着できるよう、穴を開けておきます。


ライトパーツを装着中。クモハの避雷器は削り、KATOのASSYパーツ取付に備えています。
前オーナーが貼っていた、行先シールも剥がしました。

ライトパーツにシールプライマーを筆塗りした後、GMカラーのぶどう色2号を面相筆で入れました。
小さな部分なので、筆塗りで充分です。
ここに色が入ると、表情が生き生きとしてくるから不思議。

塗装が乾燥したらレンズを入れます。
ヘッドライトは簡単に入りますが、固着は裏から瞬間接着剤を流したところ、
半透明だったレンズが白っぽく濁ってしまいました。。。(^-^;
また、テールライトはパーツが非常に小さいので、毎回苦労します。
挿入する際の紛失に要注意です。
こちらも裏から瞬間接着剤で固定しました。

さぁ、これで表情がかなり素晴らしくなりました!
例によってしばし眺めてしまい、ちょっと作業は中断です(^-^;

*各部の塗装と仕上げ
まず・・・銀河のライトパーツにぶどう色を塗る際、同時に「前オーナーの塗り残し」部分への色差しをしました。
どうもボディの上側からしか塗料を吹かなかったらしく、
下から見ると幌枠、窓枠などにプラ地肌が見えていたのです。
丹念に面相筆で色を入れていきました。

続いて窓枠への色入れです。
当初この部分は窓枠を削り、TOMIX73系(全金属車)の窓パーツの利用を目論んでいたのです。
しかし分売パーツがないことが判明・・・やむなくタミヤのエナメルカラーのフラットアルミを入れました。
このとき注意したのは、もともとスケールより太く、分厚い窓枠を目立たせないよう、
窓の中枠と下だけを塗ることです。
(TOMIXの73系や、KATOの153系なども、そこだけが表現されています)
しかし中枠はともかく、どうしても下枠を塗るとボディにも色が流れてしまうのが難点。。。
真横から見るととてもいい感じなのに、斜め上から見るとちょっとみすぼらしくなってしまいました。。。

次に正面行先表示と運行番号窓に白を入れます。
行先表示は適当なものがなかったため、現在はまだ無表示になっています。


左写真:完成した正面。Hゴム、ライト、連結器などでかなり実感的に!
右写真:クモハのパンタ周辺。避雷器、パンタ・・・そしてグロベンの効果も見逃せません。

そして、クモハの屋根です。
避雷器周辺にペーパーをかけてしまったので、パンタ、グロベンを外し、
丁寧にマスキングをして、改めて屋根全体に濃灰色を吹き付けました。
この結果、クハとは屋根の色合いが異なりましたが、却ってそれが73系らしいんじゃないかと思います。

続いてパンタグラフ。
GMのPS13旧製品は、当時のKATOに倣って、台枠やシューのぶぶんが銀色になっており、
どうも落ち着かなかったので、シールプライマーを塗った後、艶消し黒にしてみました。
パンタ本体も黒くするともっと落ち着くでしょうが、他の車両との調和もあるので、ここまでにしておきました。

最後に床下。
艶消し黒に少しだけ白と茶を混ぜたものを塗り、落ち着かせています。
あ・・・・TNカプラーも同じ色にしておいた方がよかったかもしれませんね。

*完成

完成した2両。左がクモハ73、右がクハ79。充分にいい雰囲気。

工作は以上です。

GMの73系は、基本的なディテールは好ましくできています。
なのでこの程度の工作でも、充分に雰囲気を向上させることが可能でした。
欲を言えば、窓をはめ込み化したいのですが・・・
TOMIXのパーツが手に入らないのであれば、自作するのには根気が持たないでしょう。
なのでここでとりあえず完成とします。
今後は中間車をキット組立で増備するか、TOMIX製を購入するかで4,5連化させ、
昔の南武線を再現したいと思っています。

完成した姿を望遠で撮影。うーん・・・スバラシイ!






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