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その1
:「きっかけ」と車止め本体の製作
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その2
:地面をつくる
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その3
:ストラクチャー製作と配置
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その4
:地面の仕上げとアクセサリー類
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その5
:アクセサリーと塗装の充実
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その6
:ひたすらアクセサリー!(笑)
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その7
:人口増加、もちろんアクセサリーも追加
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その8
:いよいよ、まとめの方向へ
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その9
:草を増やし、照明を組み込む
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その1
:「きっかけ」と車止め本体の製作
レイアウト全書
*生まれて初めて作ったストラクチャ
私が小学校6年生のとき初めて手に入れた専門書は・・・機芸出版社刊「レイアウト全書」でした。
16番レイアウトの記事が満載のこの本は、チンプンカンプンだったけど、一所懸命に読んだものです。
しかし初心者Nげージャーにレイアウトなど作れるはずもなく、
唯一モノにできたのが・・・小工作記事「車止めはいかが」でした。
記事を参考にしてマッチ棒をセメダインCで組んだ車止めを作り、
文房具屋で買った板きれの上にKATOの線路を小釘で固定し、できた車止めを置きました。
地面と道床は工作用紙粘土、エンピツの削りカスを雑草に見立て、水彩絵の具で着色したのです。
記事の実物写真を参考にして作ったらスケールが大きくなりすぎてしまったり、
セメダインCが付いた部分は水彩絵の具が全く浸み込まなかったり、
線路の固定に使った小釘が紙粘土の水分で錆びてしまったり、
エンピツの削りカスは雑草と言うにはNゲージには大きすぎたり、
板切れに塗りつけた紙粘土が乾いたらすっかり剥がれてしまったり・・・
その「セクション」は、とんでもないシロモノだったとは言え、
シーナリィとストラクチャを生まれて初めて作った喜びは、何物にも代えがたいものがあったのです。
レイアウト全書の記事。私のレイアウト工作は、ここから始まる。。。
*30数年後にリメイクを決心
そんな車止めを再度作ろうと決心したのは、2006年の初めごろでした。
(経験を積んだ今なら)簡単にできるはずだということ、
本格レイアウトをなかなか作ることができない欲求不満の解消になること、
車輌の展示台にもなること、
車輌工作ばかりじゃマンネリ化してしまう・・・などの理由によります。
しかしやっぱり、ついつい車輌工作ばかりをしてしまっていたので、
構想ばかりでなかなか製作に踏み切ることができませんでした。
そんな秋のある日、100円ショップで手ごろな板切れを入手したことから、
構想は一気に具体化、製作を始めることになったのでした。
この板切れ・・・丸太を切り出したままの状態で、木の皮もそのまま残っていました。
一枚板なので若干の反りがありますが、まぁそんなことは気にしないことにします。
*線路の固定
100円ショップで買った板に、フレキシブル線路を貼ったところ。
線路の長さは、20m級ロコが1輌、2軸貨車なら3輌乗る長さにしてあります。
使用した線路は・・・以前職場の同僚にもらった、旧いフレキシブル線路の一部です。
枕木の裏面に「Italy」とだけ刻印された、謎の線路です(笑)
これを20m級車輌が載る長さに切断し、両面テープで板切れのほぼ中央に貼りました。
なお、この線路は旧いためか・・・変な曲げ癖がついていて、
なかなか真っ直ぐにすることができませんでした。
そこで、両面テープだけではなく、一部瞬間接着剤も供用して固定しました。
*車止めの組立
30数年前は寸法をちゃんと出さずに作って・・・大きくなりすぎて失敗したので、
今回はちゃんと、記事の図面にある寸法を1/150スケールに換算しました。
素材は当時と同じマッチ棒ですが、Nゲージ線路の枕木と同じくらいのサイズに削っています。
当初は1本ずつデザインナイフで削ってから組立てたのですが・・・
すぐに面倒になってしまい、張り合わせてから耐水ペーパーやヤスリで削る方法に変更しています。
但し、古枕木の雰囲気を出すため、敢えて角を落とし、継ぎ目に隙間を開け、不揃いにしています。
マッチ棒は柔らかいため加工がしやすく、木材特有の木目もあり、角が丸くなって実感的で、
この手のストラクチャには最適な素材でしょう。
昔は簡単に手に入った木のマッチも、最近では使うことも少なくなってきたので、
素材として保管するようにしておくと便利です。
組立は瞬間接着剤です。
これは木材用のものではなく・・・水分を吸って劣化し、どろどろになってしまった普通のタイプを使いました。
しかし、やはり劣化したものはダメで・・・瞬間とは名ばかりの乾きの遅さや、
接着力の弱さに泣かされました。
ちゃんとしたものを使うべきですね。。。(^-^;
形ができたら、0.3mmの銅線を使って「鎹(かすがい)」を表現しました。
木と木を連結しているコ型をした金属です。
塗装はタミヤ、ハンブロールのエナメルカラー。
シンナーで薄く薄く溶き、マッチ棒に浸み込ませるように塗ります。
風雪に耐えた古枕木は、茶色というよりもむしろ灰色に近いので、
灰色を基調にして茶色や黄土色などを、何度も塗り重ね、
複雑な色合いと、木目や継ぎ目などを強調していきます。
塗料はとにかくシンナーで薄くするのがコツ。
単調な焦げ茶色なんかを一気に塗ると一気に玩具的になるので、注意してください。
*バラストを撒く
このような引込み線では、バラストは角が丸くなり、土に埋もれていることも多いのですが、
今回はTOMIXの茶色いものを使い、普通の本線のようにきちんと撒き、
周囲の地面を作る際に適宜埋め込んだりして・・・そのあたりを表現することにしました。
バラストの撒き方は、定番とも言える「ボンドバラスト」。
私が解説するほどのものでもないのですが、簡単に書けば、以下のようになります。
①.バラストを撒き、筆や定規で形をならす
②.中性洗剤を含ませた水を霧吹きで吹きかける(びしょびしょになる一歩手前まで)
③.水で薄めた木工用ボンドを、スポイトや筆で垂らし、バラストに浸み込ませる
④.完全に乾くまで放置する
木工用ボンドは、乾くと透明なビニール皮膜となり、完全にバラストを固着しますが、
水を使うのでベースとなる板がビショビショになってしまうことや、乾燥が遅いのが難点でしょうね。
しかし、四半世紀前にローカル駅セクションでやったときは苦労したのに、
このバラストはあっという間に固着できました。
ドライヤーを使って乾燥を速めたのがよかったかな。。。
また、木工用ボンドの水溶液が薄すぎると固着力が弱くなり、乾燥後にバラストが剥がれることもあります。
半乾きのときに軽く触ってみて、危なそうだったらボンド水溶液を継ぎ足すことをお勧めします。
*車止めの固定
車止めは線路に当たる部分を切り欠き、線路に被せるように設置します。
車止めの寸法は1/150スケールきっかりにしてありますが、
材料として使用したマッチ棒は(スケールより大きな)Nゲージ線路の枕木と同等にしたので、
線路に置いてみると・・・随分と小さく見えてしまいます。
このあたりはスケールの矛盾がどうしても見えてしまうところですね。
線路と車止めだけを見ると、線路に対して車止めが小さすぎるように感じますが、
車輌を置いてみると、車止めと車輌の大きさは合っているのですから、
どこかで妥協しなくてはいけないところです。。。
バラストを撒き、車止めを固定すると、なんだか活き活きとしてきます
車止めはゴム系接着剤でレールの上に被せて固定しました。
ちょっと枕木より浮いていますが(笑)、ここには雑草を生やして隠すため、ご安心ください。
もちろん、エンピツの削りカスなどではなく、ウッドランドシーニックスの高級ウレタンを使います(爆)
そして車止めの固定後、バラストと線路に、茶系のエナメルカラーを薄く溶いて塗っておきました。
まだ・・・バラストは赤飯みたいな色だし、枕木は真っ黒だし、レールは洋銀そのものの色・・・
ちっとも実感的にはなっていませんが、
最終的には地面、車止め、バラスト、枕木、レールなどを、落ち着いた色に仕上げる塗装をします。
濃い塗料を一気に塗るのではなく、シンナーで薄めたものを少しずつ・・・が原則。
なのでここでも少し塗っておき、全体をやや落ち着かせておこうというのです。
今回はここまで。
まだ周囲には何もありませんが、こうやって貨車を置いてみると、それだけでニヤけてしまうのが、
モデルマニアというものなのでしょうか・・・
貨車を置いてみると、雰囲気が出ますねぇ
その2
:地面をつくる
*地面の製作
さてさて、ニヤけてばかりもいられません。先を進めなければ。。。
ということで、地面をつくりました。
使った素材は、石粉の入った工作用粘土。
水を加えるとやわらかくなるため、溶いて使える、乾くと真っ白になって着色しやすい、
乾けば石膏のようにカチカチになる、普通の紙粘土のようにひび割れしない、木によく貼り付く・・・
という、とても模型に向いた特長があります。
これを水に溶き、どろどろにしてから、ベースとなる板に塗っていきます。
これは板への食いつきをよくするために行うことなので、
薄くてもいいので、とにかく全面に塗っておきました。
自然乾燥を待つと時間がかかるため、乾燥はヘアドライヤーを用いました。
ある程度粘土が固まってきたら、今度は固めのものを用意し、薄く伸ばして貼り付けていきました。
貼り付ける際には、水を付けるとうまくいきます。
この・・・粘土による地面は、厚みを2mmから3mmくらいにしました。
道床が埋もれた「ヤードらしい感じ」にするには、
これでちょうど、板に直接貼った線路と「よい関係」になります。
粘土が固まると、そこはまるで雪景色
実は・・・今回使った粘土は以前使いかけたもので、やや固まりかけていて・・・塊があったため、
仕上がった地面がボコボコとした感じになってしまいました。
しかし、これから植物を植え、ストラクチャを並べていけば、この程度なら大丈夫でしょう。
あ、そうそう、車止めの中にも粘土を詰めておきます。ここも土ですからね。
そしてもうひとつ忘れてならないことは、バラストとの「繋がり」部分です。
この小セクションはヤードという設定なので、バラストはかなり土に埋もれている方が実感的。
バラスト部分にも、水で薄く溶いた粘土を流し込んでおきました。
粘土が乾くと地面との境目がなくなり、バラストも埋もれて、いい感じになります。
せっかく赤茶色だったバラストが白っぽくくなってしまいますが、次に着色しなおすので大丈夫です。
*地面と線路の塗装
石粉粘土が完全に乾いたら、着色作業に入ります。
ハンブロールエナメルの灰色を中心に、茶、黄土色、黄色などを少量加えて調色したものを、
シンナーでかなり薄く溶きます。
筆洗いをした後のシンナーのような、薄墨状にして、塗るというよりも「染み込ませる」のです。
塗ったものが乾いてくると白っぽくなってくるので、
赤みが足らなければやや赤を足し、茶が足らないと感じれば茶を足し、重ねて染み込ませます。
それが乾いたらまた色を変えて重ね・・・これを何度も繰り返します。
こうすると場所によって微妙な色調の違いやムラができるので、自然なグラデーションになるのです。
コツは、決して濃い塗料を一気に塗らないことと、灰色を基調にすることです。
濃い茶色を一気に塗ったりすると、極めて玩具的になってしまいますので、要注意です。
地面が仕上がってきたら、線路の着色です。
枕木を赤茶色に、バラスト部分をそれよりもやや灰色がかった赤茶色に塗ります。
樹脂製の枕木は塗料の乗りがよくないので、塗料を濃い目にして一気に塗り、
バラスト部分はシンナーで薄くしたものを何度も染み込ませていきます。
バラスト部分は・・・周囲の土よりも、ブレーキの鉄粉で錆び色になるほうが実感的に見えます。
また、金属のレールは、バラストや粘土を出来る限りそぎ落としてから、
濃い目の錆び色(赤茶色)を塗りました。
そして、車止め自身も地面の色に合わせ、色調を調整しておきました。
*地面と線路の仕上げ
ハンブロールによる地面と線路の部分が乾いたら、ウェザリングパステルで仕上げを行いました。
塗料が完全に乾いてみると、地面はやや黄色が不足していたと感じたので、
黄色っぽいパステルを全体にまぶしました。
線路部分は、錆びを強調するため、赤茶のパステルをまぶします。
但し、土ぼこりっぽい感じも必要なので、黄色っぽいパステルとうまく使い分け、
自然に色調が変わるようにまぶしていきました。
さらに、車止めにごく近い部分には車両が来ないので、鉄粉よりも土ぼこりが目立ちます。
これを再現するため、車両の停止位置より車止め側には、赤茶色のパステルは使用しませんでした。
かなり自己満足とは言え、こういった拘りが大好きなんです。
*ストラクチャその1・・・物置
このセクション、まだどんなストラクチャをどう配置するかを、ほとんど決めていません。
しかし、使えそうなものの候補はあります。
そのひとつが、GMの「トイレ・物置」キット・・・ヤード周辺にあっても、おかしくないストラクチャですよね。
基礎部分を建物の外周に合わせて切り取った以外は、キットそのまま・・・物置として2つ組みました。
屋根と基礎部分は灰色、側板は色あせた茶色にハンブロールでそれらしく塗装し、
パステルでほこりっぽいウェザリングをしておきました。
*草を生やす
私は実は・・・
ローカル駅セクション
の製作時(1980年代初頭)、
ウッドランドシーニックスの植物用スポンジをたくさん買っていたんです。
明るい緑、濃い緑、渋めの緑、繊維でつながったもの、細かい粒子状など・・・
数種類がまだ手元に残っています。
そこでこれらを適当に選び、まずは車止め周辺に生えた雑草を再現してみました。
固定は、木工用ボンドです。
地面にボンドを塗り、その上にピンセットでスポンジの粒を並べていきます。
一度にたくさん付けようとするとうまくいかないので、小さな面積にボンドを塗り、
丁寧に一粒ずつスポンジを並べました。
スポンジの接着が不十分だった箇所には、乾燥後にまたボンドを塗って、スポンジを貼り重ねています。
尚、基本に使ったスポンジは、ちょっと緑が明るすぎるきらいがあったので、
スポンジが完全に固着した後にパステルをまぶし、周囲の地面になじませるとともに、
渋い色のスポンジを追加して、全体を落ち着かせてみました。
草が生えると、突然、活き活きとした情景になってきますね。
車止め以外の部分が砂漠のようなのは違和感がありますけど(笑)
なにぶんまだ、ストラクチャの配置が決まっていないため、他には生やせられないのです。。。
なので次は、できあがった物置の配置でもやりましょうかね。
物置は、こんな配置を考えてます。
その3
:ストラクチャー製作と配置
地面が仕上がったところで、各種ストラクチャーの製作に入りました。
前回作った物置と詰所2種、鉄路柵と門、そして樹木です。
今回はここまでできました
*物置の配置
前回作った物置は、線路から車止めに向かって右奥に並べて配置することにしました。
物置の台座部分の寸法に合わせて地面の粘土をくり抜き、
ベースとなる板を露出させ、そこにゴム系接着剤で固定しました。
石粉入りの粘土は、完全に固まるとかなりの固さになりましたが、
カッターで切れるので、なんとかはがすことができました。
地面との間にできてしまった隙間は、ウッドランドシーニックスのスポンジを貼って雑草を生やし、
隠しています。
物置はこのように配置
*2種類の詰所の製作と配置
線路から車止めに向かって左隅には、コンクリート製の詰所を配置することにしました。
蒸機でも最新の電車でも違和感なく置けるように、ちょっと新らし目のストラクチャも採用したのです。
しかし・・・なかなかイメージに合うものが市販されていません。
そこで、GMの保線詰所キット(2個入り)を購入、2個を切り継ぐことにしました。
しかしこれが結構大変!
2つの詰所のドアを並べて引き戸に見せたり、ちょうどリブの部分で屋根を継いだり、
窓配置を考えながら側板を(柱の部分で)切り継いだり・・・
ドアのある側の側板など、3箇所も切り継ぐ羽目になりました。。。
細かい塗りわけにも苦労しました。
若い頃は面相筆でスイスイ塗れたのに、
ブロック部分と屋根の明るいグレー、ベースと柱の中間のグレー、窓枠に濃いグレーを塗り分けるのに、
ずいぶんと時間がかかってしまいました。。。
そのくせ、ちょっはみ出してるし。。。
また写真にあるように、最初はドアと屋根上面も濃いグレーにしたのですが、
見た目が近代的過ぎるように感じたので、後からアズキ色に塗り替えました。
そして、物置と同じように、地面をくり抜いて固定し、周囲に雑草を生やしています。
2つの保線詰所を切り継いでひとつにしました。
もうひとつの詰所は、線路から車止めに向かって右手前にあります。
これはGMの木造詰所をそのまま組み立てました。
組み立て設置してから思い出したのですが・・・これってGMが最初に出した日本型ストラクチャーで、
今となっては寸法のバランスがあまりよくありません(建物の大きさのわりに、ちょっと背が高い)。
組立前に背を低くする改造をすればよかったと悔やみましたが・・・後の祭りです。
こちらの詰所は、瓦は明るいグレー、側板はアズキ色、窓枠はベージュ色にしてあります。
*樹木2種
雑草ばかりでは味気ないので、変化をつけるためにも、樹木を植えることにしました。
コンクリート製詰所と物置の間には、KATOの市販品(広葉樹の一種)を、
枝ぶりの修正と幹の着色をしてから植えました。
木造詰所の横には、爪楊枝の幹にウッドランドシーニックスのスポンジを巻きつけた、
自作の樹木を植えました。
これはローカル駅セクションにも2本植えていますが、比較的簡単に実感的な木を作ることができます。
2本の木が全く異なる形状をしているので、変化をつけられたと思います。
尚、これらの木は、幹に0.5mmの真鍮線を埋め込み、地面に差し込むようにしてゴム接着剤で固定しました。
コンクリート製詰所の横にはKATOの広葉樹、木造詰所の横には爪楊枝とウッドランドシーニックスで自作
*鉄路柵と側溝と門
線路から車止めに向かって左側は砂利道で、ヤード構内との境界があります。
ここには当初、マッチ棒の軸を使った古枕木による、鉄路柵を設けるつもりでした。
しかし・・・結構な長さがあるので古枕木がたくさん必要で・・・気が遠くなってしまったこと、
強度が充分な固定方法を思いつかなかったことから、
安直にGMの木造詰所に付属した鉄路柵を利用することにしました。
この柵は、オーバースケールなのと、形が整いすぎているのが難点ですが、
スケールはNゲージの枕木サイズだと思えば妥協できます。
形態は・・・柵の一部を欠落させたり、枕木の角を落としたりして、わざと不揃いにさせてみました。
渋めの灰色がかった艶消し茶色に塗り、雑草に埋もれさせればれば、これでも雰囲気はまぁまぁです。
両端の枕木に0.5mm真鍮線を差込み、それにゴム系接着剤を塗って、
地面に開けた穴に差し込むという方法で固定してあり、
周囲に雑草を固定する際にたっぷりと木工用ボンドも使用するので、強度的にも充分です。
柵の道路側には、側溝・・・いわゆるドブがあります。
これは、1mm×2mmの真鍮チャンネル材(コ型材)を使用しており、
地面(粘土)のを2mm幅で切り取った溝にはめ込んで、ゴム系接着剤で固定しました。
全体を艶消しの灰色に塗った後、周囲に雑草を茂らせて、隙間を隠しましたが、
雑草が多すぎて、せっかく作った側溝が目立たなくなってしまいました。。。
また、側溝の内部が濡れた感じになっていないのも残念。。。
それに、やはり水を湛えていたほうがいいですよね。
今後、仕上げの際に考えることとしましょう。
GMの木造詰所に付属していた柵。その横には真鍮チャンネル(コ型材)を埋め込んだ側溝
*門
道路とヤード構内との間には、ちょうど車止め左手角に、門を作りました。
門扉は、その昔・・・1980年代に買った、エコーモデルのスノコ(1/80サイズ)です。
これがちょうどNゲージの門扉に手ごろだったため、鉄路柵と同じ色に塗装して使いました。
木目や不揃いさが実感的です。
エコーモデルは1/80レイアウトに使用するアクセサリーをたくさん販売しています。
その中には、このようにNゲージでも通用するものも少なくありません。
アイデア次第で、異なるスケールでも流用できると思います。
門柱は、爪楊枝を適当な長さに切ったもので、やはり真鍮線を埋め込んでから、
地面に挿しこんでゴム系接着剤で固定してあります。
また、門扉と門柱は、0.3mmの銅線で簡単に縛り、
瞬間接着剤で緩まないよう固定したあと、余分を切り落としました。
尚、門は開いた状態で固定してあります。
エコーモデルの「スノコ」を用いた門。門柱は爪楊枝
*その他
道路はヤード構内よりも砂利が多めという想定で、灰色を少し強くしてみました。
道路の端の方は雑草が生い茂り、土が多くなるため、中心部分にぼかしながら塗りました。
全ての地面が同じ色では非実感的だし、
ここを変えることによって、線路周辺のバラストの錆び色、ヤード構内の土の黄土色、
雑草の緑、そして道路の灰色が強い茶色と・・・地面だけでも変化ができました。
但し、粘土を固めただけの地面はツルツルしていて、あまり砂利道っぽくありません。
そこで、ローカル駅セクション同様、エコーモデルのルーフィングサンドを使って、
ザラザラした地面に仕上げることを考えています。
また、大きなストラクチャの配置が終わったので、これからは細かいアクセサリー類を配置する予定です。
車止めを正面に向かうと、こんな雰囲気です
ED17を置いてみました。もう雪景色などとは言わせません(笑)
その4
:地面の仕上げとアクセサリー類
*地面の仕上げ
前回予告したとおり、側道にエコーモデルのルーフィングサンドを撒きました。
ルーフィングサンドは、本来16番のキャンバス屋根を表現するためのもので、金属質の細かい砂です。
黒光りした材質は、そのままでアスファルトみたいになるので、
ハンブロールの艶消し灰色を中心にして・・・何度も重ね塗りして仕上げます。
ルーフィングサンドは、なかなか色が乗りにくいのが難点ですが、根気よく何度も塗り重ねます。
道路の中央付近は灰色、端に行くに従って黄土色を強く・・・単調にならないように注意しました。
薄く溶いた塗料を乾いては塗り、乾いては塗りして・・・なんとか着色できたところで、
しっかりと乾いた状態を見てみたら・・・おお!思惑通り、ザラザラした質感になりました。
ルーフィングサンドの粒が塗料に埋まってしまうため、砂利がゴロゴロしている道という感じにはなりませんが、
まぁ、ツルツルしているよりはだいぶいいでしょう。
おっと、ついでに、明るい灰色で違和感のあった側溝も、黒に近い灰色にしておきました。
左:ルーフィングサンドを撒いて固着した状態・・・黒光りしているのがルーフィングサンド。
右:ハンブロールで着色して完成!
ルーフィングサンドは、門からコンクリート製詰所の前あたりにも撒きました。
このため、このあたりも着色しなおし、線路脇のあたりとは異なる・・・灰色に近い色合いに仕上げています。
そして・・・ちょっとした遊びで、門のところには車のタイヤ痕をつけてみました。
やや濃い灰色を薄く溶き、面相筆で何本かスジを描いたものです。
たったこれだけのことでも、なんとなくそれらしく見えてくるから、不思議ですね。
タイヤ痕を表現
*アクセサリーで遊ぶ・・・①線路脇
側道の真ん中あたりに、郵便配達の原付を配置しました。
「1/144スケールマイクロギャラリー」にあったもので、
造型はなかなかよくできていますが、塗装の艶が気になったので、
ハンブロールの艶消し黒を薄く溶いて薄墨状にして、全体に流すように塗り、落ち着かせています。
これで艶が抑えられるとともに、ディテールが強調されて、いい雰囲気になりました。
原付の床下に0.6mmの穴をピンバイスで開け、0.5mm真鍮線を挿しこんで瞬間接着剤で固定し、
その真鍮線をベースの板に挿しこんで、ゴム系接着剤で固定するという、
結構頑丈な方法で固定しています。
郵便配達のすぐ横、構内側線路横には、GMの継電箱を2個置いてみました。
組み立てた後に、片方は艶消しの濃いグレー、もう片方はクリーム色に塗装して、
土台をゴム系接着剤で地面に直接貼り付けています。
どうしても地面との間に隙間ができてしまうので、雑草を生やして隠しました。
そして、ついでに線路の真ん中に「油汚れ」を再現しました。
継電箱を塗った余りの塗料を薄く溶き、線路の真ん中を黒っぽく汚したのです。
これで、ヤードの線路らしさが出てきたと思います。
*アクセサリーで遊ぶ・・・②木造詰所周辺
木造詰所の入り口に向かって右には、KATOのスポート・変圧柱セットに入っていた、看板(小)を置きました。
地面にピンバイスで穴を開けてから脚を挿しこみ、ゴム系接着剤で固定しています。
まだ薄茶色に塗っただけですが、張り紙をして、それらしく見せるつもりです。
入り口左には マイクロギャラリーに入っていた、「吸殻入れ」を置いています。
白く塗装された細密なエッチング製で、軽く薄墨を流すとディテールが浮き上がり、とても実感的になりました。
喫煙中の人形を置きたくなりますね。
さらに・・・建物の右手に回ったスペースには、
KATOのスポート・変圧柱セットに入っていたドラム缶を赤茶色に塗り、2個置きました。
そしてその横には、GMのキュービクルを設置。こちらは薄緑色にしてみました。
どちらもゴム系接着剤で地面に直接貼り付けたので、周囲に雑草を増やして、地面との隙間を隠しています。
詰所の反対側・・・爪楊枝製の木の下には、TOMIXのトラック(いすゞエルフ)を置きました。
'80年代に購入し、ボディを灰色、下周りを黒く塗ったあと・・・使わずに放置されていたものを、
今回、このセクションで、晴れて設置されることになったものです。
設置にあたり、車軸を瞬間接着剤で固定し、耐水ペーパーで車輪をやや削っています。
こうすることで、タイヤが接地している部分が凹んでいる様子を再現しています。
固定方法は郵便配達の原付同様、車体の裏に0.5mm真鍮線を挿して瞬間接着剤で固定、
地面にも穴を開け、そこに挿しこんでゴム系接着剤で固定しました。
木造詰所の前が、こんなににぎやかになりました
*アクセサリーで遊ぶ・・・③物置周辺
2つ並んだ物置の横・・・木造詰所側には、KATOのドラム缶を3個、
赤茶色に塗ってから、ゴム系接着剤で貼りました。
ドラム缶周辺の雑草を増やし、いっそう荒廃した雰囲気を出しています。
その横・・・トラックとの間には、KATOの変圧柱を立てました。
このセクションでは一番背の高いものなので、固定方法に不安があったのですが・・・
ピンバイスでベースの木材に達する穴を開け、丸やすりで穴を広げて変圧柱を差し込んでみると、
これが結構しっかりと立ってくれたので、一安心です。
これはまだ仮設置の状態(穴に差し込んだだけ)で、色も塗っていないので、
塗装してトランスを取り付けたら、接着する予定です。
*アクセサリーで遊ぶ・・・④コンクリート詰所周辺
まず正面入り口右には、マイクロギャラリーに入っていた自転車を置きました。
本来は郵便配達用、赤く塗装済みだったので・・・濃い灰色に塗りなおし、
詰所に立てかけてあるように見せ掛け、詰所の側壁にかごをゴム系接着剤で固定しています。
もちろん、地面に接する車輪にもゴム系接着剤をつけていますが、
なにぶんこれだけでは接着面積が小さすぎ不安だったので。。。
詰所入り口の左側には、同じくマイクロギャラリーに入っていたクズカゴを設置しました。
艶のある白に塗装されていて違和感があったので、薄墨を流してやや薄汚れた感じにしてみました。
網目がスケールよりも大きいのはご愛嬌ですが、網目が見えるのは、なかなかいい感じです。
中に、実感的なゴミを入れたくなりますね。
詰所の右手・・・広葉樹のある側には、昔買った外国製キットに付いていた、蓋付きの木箱を貼りました。
これ・・・元々何に使うものなのかわかりませんが、
こういったものが建物に張り付いていると、途端に生活臭が出てきます。
そのすぐ横・・・詰所の裏手には、KATOのドラム缶1個を設置しました。
そして、コンクリート詰所と物置の間には、KATOのスポート・変圧柱セットに入っていた、
ゴミ焼却器を置きました。
かつてはどこにでもあったものですが、最近は見なくなりましたね。
勝手にゴミを焼いたらいけない世の中になったようで。。。
コンクリート詰所周辺もにぎやかになりました!
今回の工作は以上です。
主にアクセサリー類を配置することで、閑散としていたこのセクションも、ずいぶんと活気が出てきました。
続いては、さらなるアクセサリー類の充実と、各部の仕上げにかかります。
今回設置したアクセサリー類です・・・もっとやりますよ
その5
:
アクセサリーと塗装の充実
主だったストラクチャーが設置され、全体の雰囲気もまとまってきたので、
作業は次第に塗装の変更や、アクセサリーの充実化に移ってきました。
今回も、細かい作業が続きます。
この写真に写る範囲でも、ずいぶんと手を加えています
*自動販売機の設置
これは、昔買ったTOMIXの商店セットに付属していたもので、
前面にはコーヒーと印刷されたシールが貼ってありますが、オレンジ色の樹脂無塗装でした。。
軽くヤスリがけして、樹脂のヒケ、バリを修正し、コンクリート製詰所の前の、屑入れ横に接着しました。
まるで最初からここに自販機を置くつもりだったように・・・おあつらえ向きに屑入れが置いてあったんです!
このセクションは昭和40年代後半から50年代前半くらいを想定しているので、
自動販売機はあっておかしくない・・・というか、あるべきアクセサリーのひとつなのです。
しかし、やはり無塗装のオレンジ色では違和感が大きかったので、
設置した後にハンブロールで塗装しています。
最初は「コーヒーなので」茶色にしてみたのですが、茶色っぽい色調のセクションでは全く目立たず・・・
その後ちょっと渋めの青に塗りなおしてみました。これで正解だったようです
横の屑入れに空き缶を入れたくなります
*トラック、看板、木製詰所、ゴミ焼却器、鉄路柵の塗装
トラックは前回に既に設置していましたが、全体が明るい灰色一色だったので、
ヘッドライト、ドアノブを銀色、テールライトを赤、ウィンカーをオレンジ、ナンバープレートを白くしてみました。
さらにディテールを浮き立たせるために薄墨を流し、土ぼこりっぽいパステルもまぶしてみました。
これだけのことでも、引き立ってくるもんですね。
こうなると、何かの積荷も考えてみたくなってきました。。。
細かな色入れで、トラックも活き活きとしてきました
木製詰所前の看板(掲示板)は、前回は薄い茶色一色だったのですが、
屋根を青、掲示部を緑に塗り分けてみました。
このような細かいものは、しっかしと塗り分けると実感的になるものなんです。
これでますます、掲示物・・・張り紙を表現したくなってくるというものです。
次は、アズキ色の色調が今ひとつと感じた木造詰所を、ノーマルな焦げ茶に塗り替えました。
これにより雰囲気がずいぶんと落ち着き、窓枠とのコントラストも目立つようになるとともに、
建物自体のオーバースケールも目立たなくなったのには驚きました。
・・・色合いって大事なんですね。
色調が落ち着いた詰所と、塗り分けた看板
続いてゴミ焼却器・・・前回は、黒に近い灰色にしていたのですが、
私の記憶の中にあるものは通っていた学校にあった「銀色」なので、銀色に塗りなおしてみました。
ただ、フラットアルミにすべきところをクロームシルバーにしてしまったので、少々艶がありすぎです。
そこで艶消し黒の薄墨を流し、茶色でも汚してみましたが、まだツヤツヤしすぎているかもしれません。。。
焼却器の前の地面は、灰で汚れた感じを出すため、艶消し黒を流してみたところ、
これがかなりいい感じになりました!
ゴミを燃やしている職員を前に置きたくなりますね。
煤汚れを再現しています
さらに、鉄路柵は、上部を黄色くしておきました。
実物も、古枕木で組んだ鉄路柵は、上部を黄色く塗っていますが、どういう意味があるんでしょうか。。。
これもわざと不揃いに塗ることで、「古枕木らしさ」を演出することができます。
そしてまた、周辺の雰囲気がよくなったのです。
柵の上部を黄色くすると、鉄道らしくなりますね
*車止めの停止表示板とタイヤ
このセクションに真っ先に設置して以来、全く手をつけていなかった車止め・・・
ここでようやく仕上げにかかりました。
×マークの停止表示板は、GMの単線架線柱キットの外箱に印刷されていたものです。
これを切り取り、紙の断面に瞬間接着剤を浸み込ませて、剥がれを防ぎます。
裏面には0.5mm真鍮線を貼って支柱とし、車止めの前面付近に挿しこんで、瞬間接着剤で固定しました。
車止め前面についた古タイヤは、いすゞエルフと同時期に買ったTOMIX製の路線バスのもの。
その後輪を取り外し、ダブルタイヤの外側だけを使いました。
ホィール部分はくりぬいて、全体を艶消し黒に塗装し、
0.3mmの銅線を通して停止板の支柱に吊るし、瞬間接着剤で固定しました。
ここで、停止表示板の側面、真鍮線の支柱、タイヤを吊るしている銅線を艶消し黒で塗装し、
銅線が支柱に絡まった部分は、雑草を増やして隠しています。
これでようやく・・・車止め自体が完成しました。
バスのタイヤを用いたので、かなり大きなタイヤになりましたが、
古枕木がスケールより大きいので、見た目はいい感じです。
タイヤのショルダー部分のギザギザも実感的です。
一方、停止表示板はスケールどおりなので、ちょっと小さく感じます。
また、バスのもう片側の後輪タイヤは、艶消し黒に塗装した後、ホィール部分をパステルで錆び色にして、
そのまま車止め横に接着してみました。
ホィールの錆びがうまく表現できたと思います。
こんなところにバスの後輪がホィールごと放置されているなんて・・・とは思いますが、
まぁ、軽いお遊びです。
車止めがようやく完成しました!
*変圧柱の塗装と加工、架線柱と電柱の追加
前回仮設置した変圧柱は、地面にしっかりと接着するとともに、全体に塗装をしました。
柱は(やや灰色がかった)濃い茶色、横梁は薄い茶色、碍子は白、トランスは灰色、
そして、トランスを載せる土台は黒です。
また・・・GMの単線架線柱セットにも入っていた変圧柱の、トランスを囲うもの(落下防止用の枠?)、
これがKATOの変圧柱に寸法的にぴったりだったので、使用してみました。
こうしたちょっとした加工、流用が、市販品そのままの味気なさを補ってくれるのです。
変圧柱を細かく塗り分けました
架線柱は、その・・・GMの単線架線柱ですが・・・どうも碍子がゴツく、
交流電化された本線部分用らしく見えたので、
いかにも直流電化区間のヤードに使われるような・・・シンプルな形状に改造してみました。、
交流用といった風情の碍子の1つは残ってしまっていますが、
この部分は全体を灰色に塗って目立たなくしています。
柱も、(キットはコンクリート製ですが)変圧柱と同じ茶色に塗ることで、古めかしい木製にしています。
設置した場所は、線路の終端付近と、継電箱の横です。
次に・・・電柱は、まず側道の側溝沿いに2本立てました。
これは、最近買った津川洋行のもの。安くてたくさん入っていたので選んだのですが・・・
開けてみると、形態が玩具っぽく、あまりよいものではありませんでした。
しかし、変圧柱同様に塗り分けてみたところ、目線を近づけない限り、雰囲気はよくなったようです。
また、電柱の横梁を1本減らしたものを、木造詰所横にも立ててみました。
この際、自家製の樹木と電線が干渉するように思えたので、樹木の高さを低くしています。
本来・・・電柱は電線がどのように張られているかを考えながら配置しないといけないのでしょうが、
このようなセクションでは「雰囲気」だけでもでよいとは思いますが。。。
左:簡素なものに改造した架線柱と、製品そのままの側道の電柱
右:詰所前の電柱はちょっとだけ加工
*線路脇の竹製梯子
これも80年代にローカル駅舎用に購入してあった、津川洋行製です。
購入したのに使わなかったのは、「幅」がオーバースケールだったからでした。
これじゃぁ、まるで脚立です・・・
そこで今回は大胆にも真ん中で切り、幅を詰めてから改めて接着するという、
手の込んだ改造をしてみました。
幅が狭くなったと同時に、微妙な歪みも加わり、形態が実感的になったと自己満足しています。
同時に、2本ペアになっていた梯子のひとつを取り外し、
支柱も改造して土台部分を切り落とし、地面に穴を開け、支柱を挿しこんで固定することにしました。
設置場所は、継電箱の横、車止め側の線路脇です。
ちなみに・・・GMの木製詰所キットにも一体整形された(比較的形状のよい)梯子が付属していますが、
ここまでして津川の梯子を使った理由は、竹の雰囲気をうまく出した塗装がされていたからです。
やや薄いかなとも思いますが、いかにも竹でできたという感じが気に入っています。
左:製品の梯子は・・・幅が広すぎます
右:いったん真ん中から切り、幅を詰めた梯子をひとつだけ設置
眺め、考え、工作し、塗装し、設置し、眺め、考え・・・
こんなことの繰り返しをしているため、時間をかけているわりに進捗は遅いです。
いろいろなものを設置するようになって以降、その傾向はよりいっそう顕著になってきました。
単なる板っきれがここまで変貌を遂げ、見た目は完成に近くなってきたので、
ついつい、眺める時間が長くなってしまうのでした。。。
電柱類が増えると、活気が違いますね
その6
:
ひたすらアクセサリー!(笑)
その後もアクセサリーの追加は続きます。もう・・・思いついたらどんどんやっていきます。
既にかなりのものを配置してきましたが、まだまだ足らない感じがするのは・・・
それだけ実物世界は密度が濃いということなんですね。
*古コンテナ利用の倉庫
古くなったコンテナを倉庫代わりに利用するというのはよくあることで、
今でも、国鉄時代のコンテナが使われているのをよく見かけます。
このセクションにも、倉庫と木造詰所との間の空きスペースに、このコンテナ倉庫を置くことにしました。
しかし、セクションの時代設定が昭和50年代なので、コンテナはそれよりも古いものでなければなりません。
そこで選んだのが・・・TOMIXのコム1です。
但し香港製はコンテナの大きさがスケールより小さいため、国産品を使います。
国産なら今でも新品で手に入りますが、幸い中古模型ショップに格安で売られてたので、
今回はこれを用いることにしました。
このコンテナを1個拝借し、真鍮線を挿しこんでから、
地面にも開けた穴に差し込み、瞬間接着剤で固定しました。
しかしこのままでは、地面が平らではないため、コンテナが浮き上がってしまいました!
そこで私の常套手段(笑)、雑草で浮いた部分を隠しています。
接着が完了したら、古びた感じを出すため、ハンブロールを使って汚しました。
まずは艶消し黒を薄墨状にして全体に流して艶を抑えるとともに、ディテールを浮き上がらせます。
続いて錆び色を部分的に付けて、錆が浮いた感じにします。
これは四隅や下端、扉など、錆びやすいと思われるところを中心にしました。
ただし、これをやりすぎると、ただ汚いだけになってしまうので、少なめに、少なめに・・・
最後に土ぼこりっぽい黄土色のパステルをまぶします。
パステルは、地面に近いところと屋根に多くまぶすと、感じが出ます。
自分ではなかなかよい出来だと思いますが、如何でしょうか。
古びた感じを出した廃コンテナ
*砂を運ぶ職員
自宅からわりと近い新川崎駅のホームで電車を待っていると、
隣接する新鶴見機関区で、機関車の砂箱に砂を補充している、職員の姿を見ることがあります。
砂を運んでいるのは、工事現場などで見かける一輪車。
この姿をぜひ再現したいと思っていたところ、「1/144スケールマイクロギャラリー」のシリーズに、
(ミリタリー用ですが)一輪車の含まれているものを発見!
そこで早速これを購入し、加工して用いてみました。
まず肝心の一輪車ですが・・・これは強度の関係なのか、モールドがボテボテで太く、ひどい出来でした。
特に柄の部分はとんでもなく太く、これでは握れません!
そこで、ヤスリを使って徹底的にスリム化し、形を整えました。
色も渋いグリーンだったので、明るいオレンジに塗り替えています。
一輪車を押す人形の方も・・・大きく脚を開き、上半身が前傾し、両手が頭より上がっている、
なんとも不自然な格好だったので、ポーズを修正しなくてはなりませんでした。
(・・・って、元のポーズはいったい何をしているところなんでしょうかね?)
この製品はホワイトメタル製なので、修正が容易に出来るのは幸い。
ヤットコを用いて、だましだまし曲げなおしていきます。
両手は腰の位置まで下げ、上半身を起こすと、なんとか一輪車を押すポーズに見えるようになりました。
そして深緑の軍服を青く塗りなおして、機関区の職員にしたのです。
一輪車と職員の修正が終わったら、木造詰所の前、やや車止め寄りの場所に設置しました。
一輪車は郵便配達の原付のときと同じように、裏にピンバイスで穴を開けて真鍮線を挿し、
この真鍮線を地面に刺して固定しました。
なにぶんホワイトメタル製で重量があるため、接着だけではすぐに取れてしまいますから。。。
職員の方は足元に「固定用の地面」が表現されていたので、
このままゴム系接着剤で固定した後、周囲の地面と同じ色に塗装して目立たなくしました。
それでもどうしても段差が見えてしまうため、雑草を増やして目立たなくしておきました。
注意深く見ないと気づかない程度にはできたと思います。
砂を運ぶ職員。線路に電機が停まると、ちょうどいい感じになります。
*木箱と倉庫の庇
今回用いたマイクロギャラリーには、エッチング製の木箱が多数含まれています。
そこでこれを、トラックの積荷と、倉庫横に放置された箱として利用してみました。
トラックの積荷の1個はあえて地面に置き、積むところ、あるいは降ろしたところを表現しています。
積み下ろし作業中の人が見当たらないのは、ちょっと休憩でもしているのでしょうかね。。。
この木箱はいちおう塗装済みで、折り目を折るだけで簡単に組み立てられるのがいいですね。
組み立てたら瞬間接着剤を軽く流し、ハンブロールの渋い色を加えています。
木目表現がオーバースケールではありますが、見た目的にはなかなか好ましい感じがします。
そして・・・木箱を倉庫の横に置いていて気づきました。
「倉庫入り口上に庇を付け忘れていた!」
・・・ということで早速、キットに付属している庇を取り付けました。
トタンが貼ってある風ということで、緑色に塗っています。
*木造詰所の煙突と・・・何か
前にも書いたとおり、この木造詰所は、GMキットをそのまま組んだものです。
しかし、キットに付属しているT型の煙突は、工作途中の破損を懸念して、未装着でした。
そしてそろそろ取り付けるかという段になって・・・
このままキットどおり仕上げるのもつまらなくなったので、
KATOのスポート・変圧柱セットに含まれていた、「円形の傘が付いたもの」を利用してみました。
屋根の角度、大きさも、GMの詰所にちょうどいいようです。
しかし、そのまま屋根の取り付け穴を大きくして差し込んでみたら、
煙突パーツの根元の部分が厚すぎて、これがなんともかっこ悪いんです。
そこで、煙突本体だけを切り取って使うことにしました。
おかげで煙突が少し短くなりましたが・・・キットそのままに組むよりも味が出て、よかったと思います。
続いて、GMの単線架線柱セットに入っていた、「変圧柱に取り付ける非常用電話」、
これを同じ詰所の壁面に取り付けてみました。色は渋い緑です。
電話機ならば詰所の中にもあるはずですから、こんなところに付いているのは非実感的ですよね。
まぁ・・・雰囲気重視、何かの機器が付いているということで、勘弁してもらいましょう。
KATOのキットを流用した煙突と、壁面に付いた「電話機らしきもの」。
*その他にも、アクセサリーいろいろ!
KATOのスポート・変圧柱キットには、結構いろいろなものが付属していて、
先ほど用いた煙突以外にも、窒素ボンベのようなもの(!)も4本含まれていました。
そこでこれも利用することに決定。
深緑色に塗装して、倉庫(物置)の間に放置してみました。
建物に挟まれた狭い空間、周囲は雑草だらけなので・・・緑色の小さな物体はあまり目立ちませんが、
こういうさりげないところも手を抜かず、気づいた人だけがにやりとするなんてのが好きなので、
結構お気に入りになっています。
コンクリート製詰所の左右にも、マイクロギャラリーの付属品を配置しました。
入り口に向かって左の壁面には「スコップ」を立てかけ、
向かって右の木箱の横には、太い「ワイヤー」を置いてみたのです。
黒く塗装済みだったスコップはこげ茶色に塗り替え、さらにパステルをまぶします。
固定は、少量の瞬間接着剤です。
ワイヤーも黒く塗られていたのですが、丸める際に色が剥げてしまったので(笑)、
濃い灰色に塗りなおしてからゴム系接着剤で接着しています。
特にスコップは小さなものですが、セクションの端にあることもあって意外と目立ち、
よいアクセントになったようです。
他の工具も並べておきましょうかね。
最後に・・・線路横の予備レールです。
ちょうど郵便配達員の横あたり、線路脇にレールを4本並べました。
このレールは、線路に使用したものと同じ、謎のフレキシブル線路(笑)から切り出したものです。
Nゲージのレールは1/150スケールより大きいのですが(1/100くらいでしょうか)、
線路横に置くのであれば、線路より細いレールだと・・・却って不自然になると考えます。
ただ、レールの太さがオーバースケールを目立たせないよう、
すぐ横には人を置かないようにしなくてはいけませんね。
レールを置いている台、実はこれもレールの切れ端を使っています。
切込みを入れた地面に上下逆にして差込み、瞬間接着剤を流して固定してから、
その上にゴム系接着剤でレールを並べて固定しています。
金属には瞬間接着剤は効きづらいので、ご注意ください。
尚、塗装はレールの貼り付け後、接着剤が完全に乾いてから、ハンブロールで行っています。
今回はここまでです。
たくさんのアクセサリー・・・一つ一つは「取るに足らない」小さなものであっても、
それらがたくさん、しかもさりげなく集まると、全体的に活気のある、実物らしい風景ができあがります。
特に今回のこのセクションでは、市販の何が使えるのか、それをどこに置くのか、どんな色に仕上げるか・・・
このようなことを考えながら実践していくことを、ほんとうに楽しめています。
そしてまだまだ・・・「何か」が足らないような気がするので、
こうなったらとことん作りこんで、さらに満足いくものに仕上げていきたいと思っています。
入線したばかりのEF11を置いてみました。砂箱に砂を補充しようという職員が、まさにベストマッチです!
その7
:人口増加、もちろんアクセサリーも追加
いやー・・・アクセサリーを配置する楽しさに、すっかりはまっています。全くキリがありません。
今回もたくさん追加しましたが、加えてセクション内の「人口」を増やすことにも挑戦してみました。
今までは郵便配達員と砂を運ぶ職員だけが、ココの住人でしたから。。。
人が増えると、人同士のやり取りや動きが想像でき、いろいろなドラマも生まれてくるというもの。
セクションの活気もさらに上がってきます。
そんなところをいろいろ考えながら、作っていきました。
*コンクリート詰所前の乗務員と乗用車
「がらん」としていたコンクリート詰所前の空間。。。
ここは門を入ってすぐの場所ですから、もうちょっと賑やかにしたいと思っていました。
そこでまず、詰所前に乗務員(機関士または運転士)を2名配置してみました。
どちらもTOMIXの駅員セット(Preiser製)から選んだものです。
乗務員ならカバンを持っているべきですが、彼らは書類のようなものを持っていますね(笑)
ひとりは詰所に向かおうとしているところ、もうひとりは手を上げて何かを話しかけているところです。
仕事のことをなにやら話しているのでしょうか・・・話し声が聞こえてくるようです。
歩いている方は片足にピンバイスで穴を開け、真鍮線を挿しこみ、瞬間接着剤で地面に固定しました。
しかし手を上げた方は足を開いており・・・真鍮線の差込みが困難だったため、
直接地面に瞬間接着剤で固定しています。
強度的に不安ですが・・・仕方ありません。取り扱い要注意とします。
彼らの傍らには、KATOのTOYOTAクラウン(ク5000に搭載されているものと同じ)を1台、
ヘッドライト、テールライト、タイヤ、ホィールを塗り分けてから、置きました。
青を選んだのは、ベージュや白では目立たないし、赤では目立ちすぎると思ったからです。
ただ、そのままでは無塗装の樹脂が目立つため、
薄墨状にしたハンブロールの艶消し黒を全体に塗ってからティッシュで拭き取ることで艶を抑え、
さらにパステルで軽く土ぼこりをまぶしています。
TOMIX製のトラックと違って車輪は下回りと一体成型で、
車軸がなく、そのぶん重量も軽かったので、ゴム系接着剤で貼るだけにしています。
*トラックの荷物積み下ろし光景
積み下ろし作業中の職員が見当たらなかったトラックに、作業員が戻ってきました(笑)
しかも、大きな荷物を一人で抱えています。
荷物を運ぶための台車もあるので、ちょうど積み込むところなのでしょう。
この人形は、かなり昔(高校時代)に買ったもので、おそらくPreiser製だと思います。
本来はスコップを持ち、地面を掘る格好だったのですが、
スコップを切り取り、代わりにマイクロギャラリーの木箱をお腹に貼り付けてみたところ、
これがうまい具合に「木箱を持ち上げたところ」に見えたのです!
いやー、スバラシイ!
でも、・・・こんなに大きなものをひとりで持ち上げるとは!きっと見かけよりも軽いのでしょう。
この人形は足元に地面も表現されていたので、これは切り取りました。
また、作業服は灰色、頭には黄色いヘルメットを被っていたので、どちらも国鉄風に紺色に塗り替えています。
固定は、片方の足にピンバイスで穴を開けて真鍮線を通し、瞬間接着剤固定するという、
今や私の標準方法です。
また、トラックの荷台に立てかけてある台車はマイクロギャラリーにあったもので、
金属でできた感じにするため、パイプの部分を銀色に塗りました。
でも、使い古された感じにするには、錆びの浮き出た黄色の方がよかったかもしれません。
地面側にはゴム系接着剤で、トラックの荷台側には瞬間接着剤で固定してあります。
よっこらしょ、という感じです
*倉庫前の職員は荷物運搬中
倉庫前には、台車に荷物を載せて運搬中の職員がいます。
トラックのところまで運んでいる途中なのでしょうか。
この人形は、やはり高校生時代に買った(おそらく)Preiser製の人形で、「アメリカの警官」です。
半そでの黒い制服で仁王立ちし、体の前で両手で警棒を持っていました。
その手の位置がちょうど、マイクロギャラリーの台車の取っ手高さに合っていたので、
改造して用いることにしたのです。
ところが・・・思ったより改造箇所は多くなりました。
まず、帽子をヤスって丸くします。
この人形もやはり、足の周りに地面が表現されていたため、切り取ります。
左足は無理矢理ヤットコで後ろに曲げて、歩いているように見せました。
結構固い樹脂でできているため、折れるのを心配しましたが、
だましだまし曲げたら、どうにかなりました。
服と帽子は紺色にして、腕の部分も同色に塗って、長袖に変更しています。
警棒はそのまま紺色に塗り、服と同化させました。
そして、曲げなかった方の足にピンバイスで穴を開けて真鍮線を挿し、
瞬間接着剤を用いて地面に固定しました。
元がかなり体格のよい警官ですから、日本型にはやや小さい1/160スケールでも、
実に堂々としており、ちょうどよい大きさになっています。
荷物を載せた台車は、やっぱりマイクロギャラリーのもの。
アルミ製らしさを出すため銀色に塗装し、マイクロギャラリーの木箱を2つ、載せました。
4隅の小さな車輪だけで地面に固定するのは接着面積が不足するので、
台車の裏側にプラ板の小片を瞬間接着剤で貼ってから、
この小片をゴム系接着剤で地面に接着する・・・という方法を用いています。
警官を大改造・・・曲げた左足に注意
*道を行く親子連れ
前回まで郵便配達員しかいなかった側道に、夫婦と娘の家族連れを配置しました。
散歩中なのでしょうか・・・まだヨチヨチ歩きの幼い娘を、暖かく見守る夫婦、といった感じです。
あるいは、祖父母とその初孫かもしれませんね。
ほほえましい光景を演出してみました。
夫婦の方は、TOMIXの人形(Preiser製)を塗り替えたもの。
かなり恰幅のよい旦那は、スキンヘッドが目立ちすぎたので(笑)髪の毛を追加し、
鮮やか過ぎた水色のスーツを灰色に、赤いネクタイを青くしています。
奥さんの方も明るい青のコート(?)を茶褐色に変え、帽子を削って髪の毛にしました。
Preiser製の人形は形態はかなり優れているものの、
服装が原色で非実感的なのと、日本人には愛用者の少ない帽子を被っていることが多い、というのが難点。
・・・なのでこのような加工が必要です。
これで、かなり日本人っぽくなったと思います。
小さな娘は・・・よく覚えていないのですが、'80年代にTOMIXが「日本人」を自社生産したものだったかと・・・
着物を着た女性、学生、通行人などもあったはずです。
このシリーズは1/150スケール換算で、成人男子の身長が150cmくらいと・・・かなり小柄なのと、
形態が玩具的でPreiserに比べると見劣りがしました(最近はもう売ってないでしょうね)。
その中の「買い物姿の女性と手をつなぐ子供」の、子供の方を使い、
手をつないでいる格好だったのを少しだけ変え、手を前に差し出させてみました。
色は、当時自分で塗ったのか、製品自体が着色されていたものか・・・全く記憶にありません。
ピンク色の服にブーツ姿だったので・・・そのまま用いています。
固定方法は・・・旦那さんは足が太いので(笑)、真鍮線を挿して標準の固定方法にできましたが、
奥さんは足が細いし、子供はかなり小さいので・・・瞬間接着剤でそのまま直接固定しました。
なので、強度的にはちょっと不安ではあります。これも取り扱い要注意です。
*門付近の細密化・・・側溝を作る
敷地の境界を示す格好の素材が、側溝です。
このセクションでも、線路の横には既に側溝を作りましたが、門の手前で途切れていました。
そこで今回、門の前にも作ることにしたのです。
もちろん車や人が通るため、この部分はコンクリート製の蓋がしてあります。
なので溝を作る必要はなく、蓋だけを作りました。
蓋の製作は簡単・・・1mmプラ板を3mm幅に切り出し、5mm間隔でスジを彫ったものです。
ちょっとコツが必要なのは地面の方です。
既に仕上がった地面に、蓋を埋め込もうというのですから。。。
デザインナイフを用いて、3mmより若干狭い幅で地面に切り込みを入れていき、
切込みがベース木板に達したら、マイナスドライバーを用いて、端の方から粘土を剥がしていきました。
粘土が剥がれると約3mm幅の溝ができるので、切り口や底面を仕上げ、
先に作っておいた「蓋」を、試しに入れてみます。
これがきつくはまる程度に、溝の方を切削します。
うまくはまりこんだところで、水平方向から見てみると・・・
ちょっと蓋の方が地面よりも上がって段差ができてしまいました。
この箇所の粘土の厚みが、思ったほどにはなかったようです。
そこで蓋の厚みをペーパーで削り、不自然な段差を解消させ、
ほぼ地面と同じ高さ(心もち蓋の方が低い感じ)になったら、ゴム系接着剤で貼り付けます。
この時点ではまだ地面と蓋との間には隙間が残っているし、不連続部分もあるので、
地面側を軽くヤスリがけします。
すると・・・地面の粘土やルーフィングサンドが削られ、残っていた隙間をうまい具合に埋めてくれました。
次は塗装です。
蓋と蓋との間に彫った溝に、先に茶色を流しておいてから、蓋部分を面相筆で塗りました。
コンクリート製の蓋は、かなり明るい灰色にすると感じがでます。
プラ板そのままの白でも、感じが出るくらいです(笑)
また、蓋を1枚ずつ塗ることで、1枚ずつ独立しているような雰囲気になります。
仕上げの際に粘土の色が出てしまった周囲の地面と、蓋と地面との隙間の補修も行います。
灰色、茶色、黄土色などをごく薄く溶き、流すように何度か塗り、
既に仕上がっている周囲の地面と違和感のないよう、次第にぼかしてゆきました。
特に側溝蓋と地面の境界の隙間は、ハンブロールをたっぷり浸み込ませ、隙間を完全に埋めてしまいます。
この部分は色も濃くして、土が溜まったような感じにしてみました。
なお、せっかく書いたタイヤ痕も消えてしまったので、新たに描き加えておきましたが、
・・・以前よりは目立たなくなりましたね。
これで側溝は完成です。
以前作った線路脇の側溝が、ここまで繋がっているように見えます。
地面との繋がりも自然で、とても後から埋め込んだとは見えず、かなりお気に入りの箇所になりました。
実感的にできたコンクリート製の蓋
*可搬型の看板
構内に入ってすぐの右手には、看板を置きました。
コンクリートブロックを「重し」を兼ねた土台として用いる、可搬型のものです。
「関係者以外立ち入り禁止 日本国有鉄道」などと書かれているものを想定しています。
土台はマイクロギャラリーにあったものを利用し、棒の部分は0.5mm真鍮線、
看板部分もマイクロギャラリーの、本来は二つ折りにする看板から切り出しました。
土台はゴム系接着剤で固定していますが、
真鍮線は土台を突き抜けてベースの木板にまで達する長さにして、強度を確保しています。
土台のブロックは、側溝蓋と同じかなり明るい灰色、棒と看板は白く塗りました。
看板表面には文字を書き加えたいところなのですが、さすがにスケールの文字は手書きではできません。
適当なシールのようなものが見つかったら、貼ることにしましょう。
*その他のアクセサリー
以上紹介したもの以外にも、セクションの隙間を埋めるがごとく、アクセサリーを追加しています。
木造詰所の右横・・・セクションの一番端っこには、
これもマイクロギャラリーにあったリヤカーを、適当な色に塗って、ゴム系接着剤で接着しました。
しかしこれ、かなり小型のリヤカーなんですね。。。
欲を言えばもう少し大きな、標準サイズのが欲しかったなぁ。
なので、敢えてそばに人形は配置せず、小ささが目立たないようにしました。
木造詰所の前、吸い殻入れの横には、自転車を追加しました。
これもマイクロギャラリーで・・・コンクリート製詰所前に置いたものと同じですが、
こちらは荷台のないタイプにしてあります。
また設置する際に、ハンドルと前輪を少し右に傾けたら、これだけでずいぶんと実感的になりました。
この方法はお勧めです。
但し瞬間接着剤で地面に固定してあるだけなので、これも強度的には不安のあるところです。
またも・・・取り扱い要注意ですね。
倉庫の壁面には、パレットを2個立てかけておきました。
例によって、色はかなり渋めに変更しています。
こんなところにパレットを立てかけることがあるかどうかは、決して問わないでください(笑)
コンクリート製詰所の横、既に立てかけてあったスコップの隣には、ツルハシを追加しています。
まだいろんな工具があるのですが、あまり散乱させると不自然になるので、これだけにしておきます。
これらのアクセサリーもマイクロギャラリーで・・・すっかりマイクロギャラリーの虜になってしまいました。
何しろ数百円という安い価格で、日本型のさまざまなアクセサリーが、たくさん手に入るのですからねぇ。。。
今回ご紹介する追加工作は以上です。
年末年始などお構いなく、夢中になっていました(笑)
さすがにもう、このセクションに大物を設置できるスペースはなくなってきましたが、
細かい部分の構想は、実はまだいろいろと練っています。
これからも、より細密感を上げられるよう・・・でも決して「しつこく」はならないよう、続けていくつもりです。
その8
:いよいよ、まとめの方向へ
なんだかんだと長い間いじってきたこのセクションも、そろそろ見た目は完成に近くなってきました。
まだまだいろいろなものを置きたいのですが・・・
配置するスペースもなくなってきたし、何より・・・キリがないんです。
今回もたくさんのアクセサリーを配置しましたが、
そろそろ仕上げのことも考えていくようにしないといけませんね。
*コンクリート詰所周辺
実は・・・前回にご紹介し忘れたものがひとつあります。
詰所の入り口に置かれた、金属製の「踏み板」です。
段差を解消して台車を押しやすくするためのもので、表面には滑り止めの網目が浮き出しています。
もうすっかりおなじみの・・・マイクロギャラリーにあったもので、黒っぽく塗って置きました。
入り口横には「○○機関区」と書いてあるように見える(?)表札を貼りました。
マイクロギャラリーの、(エッチングパーツが付いていた)白いランナー部分を使い、
インクの少なくなったフェルトペンを押し付けて、文字が書いているように見せています。
インクが少ないと、ペン先の「カスレ」がまるで文字のように見えるだろうとの読みです。
結果、この方法は正解でした。
同じく、入り口上には「安全第一」の表記があります。
こちらはGMのトイレ・物置セットの外箱に印刷されていたものを切り出し、
切り口に瞬間接着剤を浸み込ませて剥がれを防いでから、屋根側面に接着しました。
どちらも薄茶色の薄墨(ハンブロール)を軽く流し、薄汚れた感じにするとともに、
バステルもまぶしておきました。
続いて、詰所の横、広葉樹の下には、KATOの変圧柱セットに入っていた看板(掲示板・大)を置きました。
小さい方は既に木造詰所前に設置済みでしたが、
入り口正面にも大きなものがあったほうが実感的だろうと思ったのです。
既に広葉樹が設置されていたため、ピンバイスで地面に穴を開けるのにはちょっと苦労しましたが、
真ん中の足は固定しないことにして、なんとか設置できました。
木の下にあるというところが、なんとなく気に入っています。
詰所の側面、スコップとツルハシの横にはちょっとしたスペースがあり、
もう少し雑然とした感じにしたかったので、マイクロギャラリーの大きな木箱を塗装して設置しました。
付近の地面の雑草も増やしています。
詰所の裏手にも半端なスペースがあったので、H型鋼を2本、錆と埃にまみれた状態にして置きました。
こちらはGMの「工場付属設備(A)」にあった、クレーンの足場を切断して利用してみたものです。
このような大きなH型鋼が建物の裏手に放置されているなんて、あまりないとは思いますが。。。
*倉庫と木造詰所の間
木造倉庫の横には、GMの工場付属設備(A)にあった、圧力タンクを置きました。
実はこのタンク・・・思っていたよりも大きかったので、
置き場に困り、倉庫横のドラム缶とパレットを撤去して、タンクの設置場所を確保したのです。
尚、キットそのままでは土台の足が長すぎるように感じたので、1mm余りをカットしました。
タンクは銀色、土台は濃い茶色に塗り、タンクには若干錆が浮いているようにしています。
こんなに大きなタンク、ここでいったい何に使っているの?って感じですが、
このセクションの外・・・倉庫に隣接して車両工場があり、その工場のために設置されているのだ、
と自分的には「脳内補完」することにしています。
また、変圧柱のすぐ横というのも危険なような・・・可燃性の物質は入れていないのでしょう(笑)
ちなみに、取り外したドラム缶は、3本を2本に減らし、位置を変えて設置しなおしました。
その際、ひとつは横倒しの状態にして、変化をつけています。
またパレットは、廃コンテナに立てかけることにしました。
ついでにおまけとして・・・パレットの左となりに、GMのクレーンから取り外した「フック」を放置しています。
*木造詰所周辺
コンクリート詰所同様、木造詰所にも、入り口の横に表札を掲げました。
文字も、同じく「かすれたフェルトペン」で表現し、全体に軽く薄墨を流し、汚しています。
詰所の右横、リヤカーが放置されていただけだったキュービクルの前には、
今回新たにマンホールを作りました。
0.3mmプラ板を10mm四方に切り出し、地面を切り抜いて埋め込みます。
固まった石粉粘土地面のくり貫きも、さすがに慣れてきたせいか、
このような小さな部品でも、ほとんど隙間なくできるようになりました。
ゴム系接着剤で固定してから、かなり明るいグレーで塗装します。
コンクリートは灰色だと単純に思われていますが、実際にはほとんど白に近く、
それが古くなると・・・土ぼこりで黄色っぽくなったり、苔が生えて黒っぽくなったりします。
ここでは土ぼこりを被った雰囲気に仕上げることにしました。
マンホールの蓋は、またまたマイクロギャラリーにあったものです。(ちょうど直径5mmの大きさでした)
これをプラ板の中央に貼り、錆び色で塗装します。
マンホールの周囲のコンクリートの部分も含めて土ぼこり色のパステルでウェザリングをすると、
さすがはエッチングパーツ!蓋の模様が浮き出てきて、かなり実感的になりました。
マンホールの蓋というものは、周囲のコンクリートと同じ高さになっているのが正解なので、
厳密にはおかしいのですが・・・
事務用の穴あけ器(資料をバインダーに閉じるためのもの)を使えば、
この穴がちょうど5mmなので、コンクリートの部分にはめ込みにすることもできます。
でも、このままでも全く気になりません。
マンホールと反対側の側面には、水道の蛇口を作りました。
1mmのプラ角材の手持ち在庫がなかったので、1mm厚のプラ板を1mm幅で切り出し、1mm角材とします。
切り出した面を仕上げるのに少し削ったため、0.8mm角くらいになりました。
そこにピンバイスで穴をあけ、直角に曲げた0.5mmの真鍮線を差し込み、瞬間接着剤で固定します。
真鍮線はかなり長い状態で曲げ、蛇口に合う大きさにカットすると簡単です。
スケールでは、もう少し細い真鍮線の方がいいのでしょうが、
あまりに小さいものなので、このくらいの太さの方が、却って存在感があってよいかもしれません。
ちなみに「流し」の部分は、0.3mmのプラ板で適当に作ったものです。
組みあがったら全体を薄い灰色に塗り、地面にゴム系接着剤で固定しました。
近くにはホースやバケツといった、水周りのアクセサリーを置きたいところですが、
これらを実感的に表現するためのアイデアが浮かんでいないので、保留中です。
そして詰所の裏も淋しかったので、コンクリート詰所と同じ、H型鋼を1本、放置しました。
*その他の場所
門扉は、スケールに換算するとかなり大きなものです。
なので重量も結構あるはずで、門柱から斜めに吊ってある方が自然です。
今回・・・これを簡単に表現してみました。
門柱のてっぺんにピンバイス穴を開け、あらかじめ曲げておいた0..5mm真鍮線を挿しこみ、
門扉の先端で瞬間接着剤で固定しただけのものです。
大掛かりな木製の扉ですから、この部分も木製に見せた方が実感的だったとは思いますが、
細いプラでは強度的に不安な部分でもあるため、まぁ、これでよしとしましょう。
門のすぐ近くに設置済みの看板は、詰所の表札と同じ手法を用いて、文字(?)を書きました。
なんとなく文字に見えるのはよいのですが、看板にしては、ちょっと達筆すぎる感じです(笑)
鉄路柵には、GMのトイレ・物置キットの外箱に印刷されていた、
「危険、入るな」という看板を切り出して貼りました。
もちろん切り出した断面には瞬間接着剤を浸み込ませて紙の剥がれを防いでいます。
貼った後に薄茶色の薄墨を流して、軽く汚しています。
そして・・・引込み線線路の一番端には、KATOの変圧柱セットにあった、渡り板(踏切)を設置しました。
こんなところに渡り板が必要なのかかどうかは別として(笑)、
ロコが車止め前に停まったとき、ロコの正面に渡り板があるのは、なかなかよい雰囲気になります。
但し・・・パーツをそのまま貼り付けると、かなり浮き上がって非実感的になってしまいます。
そこで、パーツの裏面をかなりヤスって薄くするとともに、
地面に埋まるように切り抜き、バラストも一部剥がして設置しました。
周囲の色合いに合わせるための塗装も、ちょっと苦労しました。
しかし苦労しただけのことはあり、目論見どおり、ロコを停めたときの雰囲気はバッチリです。
今回ご紹介する工作は、以上です。
ここまでの工作で、非常に小さなスペースながら、密度の濃いセクションになりました。
見た目はほぼ完成、と言っていいのではないかと思います。
今後は詰所の窓ガラスを入れ(・・・って、まだ入れてなかった!)、シーナリィとストラクチャーを完成させます。
そしていよいよ・・・次はセクションの「照明」を検討していきたいと思っています。
電源は市販のパックからもらってもいいし、セクションのベースとなっている木の板に下駄を履かせ、
そこにトランスや配線を押し込むという手段もありますね。
しかし光源はどうしましょうか。
詰所内はいいとして・・・構内照明と街灯をどうするのか、全く目処が立っていないのです。。。
旧い電機がよく似合います。今日はEH10が入線。
その9
:草を増やし、照明を組み込む
*雑草にだってバラエティがある
前回、「まとめの方向へ・・・」なんて書いたとおり、
シーナリィとストラクチャは、ほとんどやることがなくなってしまったのです。
そこで今回は・・・草を増やすことにしました。
今までは全て、ウッドランドシーニックスのウレタンを使っていました。
しかしこれだけでは、いかにも変化に乏しいと思えてきたので、
KATOから発売されていた、「フィールドグラス」なるものを使ってみたのです。
緑色に着色された細い繊維状の樹脂で、まとめて木工用ボンドで固定するんだそうです。
乾いてから形を整えれば、細い葉っぱを持つ雑草の雰囲気を、手軽に再現できる、というものでした。
手軽とは言っても、1本1本バラバラの繊維ですから・・・ウレタンと違って結構面倒ジャン。
まだまだ目立つほどまでには植えられて至っていませんが、
これだけやるだけでも、充分にウンザリしてしまったんですよ。
なので、せっかくですから、植えた箇所を全て写真でお見せします(笑)
鉄路柵周辺には、もっと生い茂ってもよいかもしれませんね。
・・・って、これだけでも面倒なんですけど。。。
建物の裏手も、この手の草が生い茂っているところでしょう。
手入れが行き届いていないと、かなり凄いことになりそうです。
建物の正面にも少し。
このように・・・人がいつも使用する場所は、
背の高い草が生えていると非実感的になってしまうので、要注意です。
たったこれだけですが、その効果は結構あるようです。
もうちょっと草の色が濃いといいんですがねぇ。。。
*建物の仕上げ・・・ついに照明化を決意!
部屋を暗くして撮ってみたら・・・なんだかわかりませんね(笑)
予告してから数ヶ月・・・ずいぶんと長く放置してしまいました。
そう、照明の組み込みです。
なにしろ、何の計画もなく、行き当たりばったりで作ってきたもので、
照明のことなど、全く考慮していなかったのですから、
どうやって実現するか、どうやって配線するかなど、いろいろ考えないといけなかったのです。
要するに、考えることが嫌で放置してしまったんですが、
なんとなく「やってみよう」という気になって、トライしてみました。
*基板に脚をつける
単なる1枚板のベースでは、裏面に配線ができません。
ちゃんとした脚をつけるべきですが、表面にこれだけいろいろなものを作ってしまった後では、
それもままならないというものです。
そこで・・・安直ですが、KATOの車両ケース用のウレタンを切って、裏面の5箇所に接着しました。
裏から見るとかなり不格好ですけど、まぁ、気に入らなくなったら、もうちょっとまともなものに交換します。
とりあえず・・・これでやっと、心置きなく配線できるというものです。
*光源の設置
光源に用いたのは白色LEDです。
ダイオードと1.8kΩの抵抗を直列にはんだ付けして、
木造詰所、コンクリート詰所のほぼ真ん中に、下を向くように設置しました。
詰所の床に穴を開けて、裏面に配線を通しています。
抵抗とダイオードの足は固いので、これで充分に固定できます。
尚、最初にやったコンクリート詰所では、
電線をはんだ付けした状態で、床に大きな穴を貫通させて通しました。
しかしこの方法では大きな穴を開ける必要があり、そのぶん面倒でした。
そこで、木造詰所では、抵抗とダイオードの足が通るだけの小さな穴にして、
裏面でその足に電線をはんだ付けする方法に変えています。
こっちはこっちで、「裏返すことのできない状態」での裏面のはんだ付けが、えらく大変でしたけどね。。。
2つの詰所からの配線は、裏面で並列にはんだ付けします。
この配線も大変でした。。。配線中に、いくつかのアクセサリーが剥がれ、補修を余儀なくされています。
尚、導線には、KATOのUNITRACKのフィーダ線を用いました。
たまたま手元に手ごろな電線がなかったのと、
このコネクタを活かせば、KATOのパワーパックから簡単に電源を得ることができるという、
2つの理由からです。
そしていよいよ試験点灯です。
KATOのパックに接続して、つまみを回し・・・って、おや!点灯しないじゃないですか!
あ、極性が逆なのか・・・
ということで、逆転レバーを切り替えると、おおお!見事に点灯です!
白色LEDなので、まさに蛍光灯のような白さです!
やったー!!
おっと・・・ここで大事なことを忘れてはいけません。詰所に窓を入れなければ!
光源がそのまま見えてしまうのが嫌なので、窓は全て「スリガラス」にすることにします。
スリガラスは光源の位置もぼんやりとさせるので、
指向性の高いLEDの弱点を補い、全体的に均等な明るさにしてくれる、という効果もあります。
これは透明プラ板を800番程度の耐水ペーパーで磨いて半透明状態にすると、感じが出ます。
アクリル樹脂では傷がつきにくく、半透明にならないので、スチロール樹脂を使いましょう。
これを窓寸法に切り出し、詰所の裏面に貼りました。
*詰所を戻して、いざ点灯
さぁ、建物を被せて、点灯してみます。
・・・・・・・・すばらしい・・・・・・・
スリガラスを通してぼんやりとした白い光が、「事務所的な雰囲気」を盛り上げてくれます。
やはり、スリガラスにしたのは正解でした。
部屋を暗くして眺めていると、時を忘れてしまうほどです。
それとともに、街灯や構内照明もつけたくなってきました。
できれば街灯は電球色にして、温かみのある色の光も競演させてあげたいところです。
点灯状態。。。なんとスバラシイのでしょう!
(つづく)