ローカル駅セクション
*PFのボディと動力の入手
2004年1月某日
ふとした事から、KATO製リニューアルEF65PFボディのブルーの部分のみを購入。
それには信号炎管も避雷器もパンタグラフも前面クリームパーツすら付いておらず、
ただ単に、最新リニューアルロットのブルーボディに、大小のモニターが付いているだけ。
何故このような物を購入をしたのか。。
百円玉が数枚の価格に魅力を感じ、部品取り位の気持ちでした。
大変安く手に入った最新のPFのボディ(の一部)を見ると
自分の知っている旧動力時代の車体とは屋根上の型が見直されておりました。
・配線の感じが一新。
・避雷器、信号炎管が別パーツ。
・無線アンテナの取り付け台が追加。
増して質の向上した塗装・・・・特に上下のクリームのラインが塗装のように濃く、
確実にリニューアル前の製品とは識別できる事が感じ取れました。
昔、加工に失敗したボディの前面クリーム部や窓ガラスは何個かストックがあるので、
いつかこのボディに安い動力をと考えていた所、同年の九月に同じ場所でその機会がやってきます。
上:1月に購入した車体と下:9月に購入したジャンク品
2004年9月某日
ジャンク品1000円。
動力が手に入ればいいとボディの状態は二の次。
さきほどの車体とで総額\1400円位で、PFが手に入る事になるのです。
しかし・・・持ち帰ったジャンク品は、かなりの状態でその姿を現わします。
・ボディは1位側裾が割れている
・パンタの1つが破壊されている
・前後の前面クリームパーツはロットが違うのか、色調が明らかに違う
・片側に爪を押し付けたような傷がある
・両側のひさしが曲がっている
・信号炎管が折れている
・ランボードには目を覆うような打痕がある
購入したジャンク品。車体は全く使い物にならない。。。。しかし、動力が破格で手に入る!
それでも、目的は動力です。
前述したブルー部分のみの最新ロット品の車体に
手持ちのパーツを組み合わせて出来上がったボディーを載せ替えるのが目的だったのです。
ジャンク品動力にリニューアルの車体を被せ、まともな1輌を完成させました。
*動力の問題
早速、動力のテストです!!
エンドレスを組み、入線させ、パックの電圧を上げるや否や・・・
ジッ!!!ぴた〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一瞬のうめきと共に・・・全く反応がなくなりました。
その様子は接触不良など生易しいものではなく、
何かの過大な負荷により息の根を止められている事が瞬時に頭をよぎり、
反射的にパックの電源を切ります。。。
分解調査の結果では。。。
ダイカストにはまる、台車枠の後方の爪が一箇所折れていました。。。。
固定されていないダイカストに保持される(されていない?)ギヤが、
モーターの回転と共に台車全体に歪みを生じさせ、
その歪んだ台車が車体を傾かせ・・・通電すら出来ない状態になってしまうのでした。
上:通電すると脱落する台車枠
下:その原因の・・・折れた爪
対策は・・・取り急ぎ頭に浮かんだのが、台車枠とダイカストのネジ止め。
しかし、利用できるサイズのネジの予備が無い為、愕然とします。
そこで修理は後日と言う事で諦め、ジャンク品の入っていた元箱のインナーを、
手持ちの綺麗な箱に移し変えると・・・
折れた「爪の破片」が入っているではありませんか!!
接着剤のなかなか効かない材質ではありますが、早く完成を見たい。
そんな気持ちがネジ止めで計画した加工工程を、見つけた元部品の接着に切り替えます。
上:発見した部品 下:即分解の図
*フルオーバーホール!
分解するやオオッ!!なんて事でしょう!
当時、関水金属が製品のモーターを小型に変更した頃のもので、
それまでの一回り大きなモーターに合ったサイズのダイカスト空間に、
新小型モーターがはまる様、モーターがアジャスターを纏ったロットです。
こいつは過去の経験から・・・振動を呼び、異音に発展させるロットなのですが。。。
久しぶりに見ると懐かしい!!
小型モータが開発された時、旧型モータのサイズに合うよう、薄いプラのアジャスターを着ていた。
*爪の復活
台車パーツの破損部を瞬間接着剤で接着。
台車枠の軟質パーツは接着剤の効かない困ったパーツなので、修整はネジ止めが一番ですが、
はやる気持ちは、「心棒を立てダイカスト保持用の爪を復元させる接着方式」を選択させたのです。
・折れた爪を任意の位置に接着。
・爪の左右の間に瞬間接着剤を流し込み強度を持たせた後、折れた爪と台車が貫通するように
縦に0.4mmの穴を空ける。
・その穴に瞬間接着剤を付けた0.3mmの洋白線を差し込む。
乾燥時間と合わせて5時間くらいを掛け、やっとの思いで一応完成しました。
当初穴は2箇所開け、U字型に曲げた心棒で止める予定でしたが、穴あけに失敗。
結局一本の心棒しか通っていません。
いずれネジ止めに修正せねばなりませんね。。。
上:折れた部品の接着。中:隣の爪との間に接着剤を入れ補強乾燥後・・下:心棒を入れる。
*復活した動力
瞬間接着剤と心棒の威力が患部をガッチリと固定し・・・一応の効力を示しています。
パックのスロットルを開け通電するや、スルスルと走り出しました。
前オーナーの手元で、いつから不動の状態であったのか。。。
このロット特有のモータアジャスターからの振動と思われる異音は残りますが、
何のストレスも無く走る姿を見ると、まるで人助けをしたかのような、自己満足が湧き出てきます。
*スカートを加工したい。。。
ここまで来ると、スカートを今の製品にあわせボディマウント化したくなります。
自分自身としては、旧製品のそれの方がジャンパー栓やジャンパー管の表現の堀が深く、
大変気に入っているのです。
しかも今のパーツを使うと、ほぼ昔と車体は同じなので、最近の製品と見分けし辛くなってしまいますし。。。
ここは旧製品のパーツで対応してみよう!
・スカート自体の取り付けは、LM328iがしきりに紹介する
挟み込み方式
による
・カプラー自体はKATOカプラーを使用する
案が思いつけば、後はその思いつきに従って指先を動かすだけ。
*カプラー開口部の拡大
ただ単にカットするだけであれば、複数作った時にバラツキが出ます。
今回の加工で発見したのは、スカートの裏に良いガイド(モールドの筋)があったので、
それに添って削ることにしました。
手前が切削後、奥が未加工品。どの面をガイドにしたかわかるでしょうか。
ここでちょっとした余談。
加工一つ目は全く考えも無く、カプラー用の開口部をヤスリ広げた為、
とんでもなく広い開口部になってしまい・・・愕然とします。
昔、あったはずの同パーツのストックは無く。。。。
Lm328iに相談すると、彼が実施した旧製品へのリニューアルスカートパーツ装着で、
余剰となった旧スカートがいくつかあるとの事。
すぐに譲り受ける事になりました。
同じ趣味を持つ仲間っていいもんだな〜と感謝し、無事に2個を仕上げました。
*スカートのはめ込み加工
窓ガラスのパーツの下方を削り、新しく作るスカートはめ込みの足がはいるスペースを確保します。
Lm328iの宣伝する、リニューアルパーツを旧車両にはめ込む方式の借用です。
・スカートに保持用の足を立て、スカートパーツのどこに立てるのかを決定
位置決めは、窓パーツ下の切削により出来た隙間にプラ板から削りだした足を差込み、
接着する部分にエナメル塗料を塗ったスタンプ方式でスカートパーツに印をつけて決定!
・位置決め時、車体に差し込んだ足を取り出し、スカートパーツのスタンプされた位置に接着
・0.4mmの穴を、立てた足からスカートに掛けて貫通させ、
0.3mmの真鍮線を刺して補強とし、瞬間接着剤を流し込んでいます。
スタンプ方式。。。って偉そうな事を言っても面倒なだけで、2個目は目測で接着しました。
結果的にこれで十分。経験が感覚を磨くのか。。。?
上:スタンプ方式で位置決めし、下左側:足を立てる。しかし右側のように目測接着で十分。。。
*KATOカプラーの取り付け
基本的にはLM328iがKATO製旧
EF70で行った物
を参考にしました。
つまり・・・心棒を立て、そこにKATOカプラーを差込み、復元バネを儲け蓋をする、
と言う流れになります。
<心棒>
カプラー取り付け用の支柱の事です。
手元にあるのは0.3か4mmの洋白線のみ・・・・細いんです。
・取り急ぎスカート上面に蓋をして穴を開け、0.4mm洋白線を通し支柱としました。
洋白線の上側はL型に曲げて上から差し込み、脱落防止としています。
接着保持は瞬間接着剤です。
位置決めはカプラーと睨めっこし目測です。
<KATOカプラーの装着>
・KATOカプラーの根元の中心に0.4mmの穴を開け、心棒に通しました。
しかし・・・穴は垂直に開けられず、斜め後方にずれてしまいました。
支柱の方を斜めに曲げ、平行になるよう調整しましたが、
カプラーが傾いた時に平行性が保てないのは目に見えてます。。。。
<カプラー前後動の押さえと復元装置?>
ただ単にカプラーを心棒に差し込むだけでは上下動を起こしてしまいます。
そこで・・・
・カプラースプリングを半分のサイズにカットし、
スカートに儲けた(蓋)天板とカプラーの間に挿入しました。
当初カプラーはスノープラウのみでとめました。
・目測で全てをまとめましたが、スカートの開口部を空けた時の形状が良かったのか
カプラーの根元の角がスカートの裏側の一部に微かに当たり、クリック感覚で正面を保持します。
左右に向いた物を自動復元はしませんが、正面を保持してくれるのです。
まさに偶然から産まれた産物です。
また、カプラー開口部の奥の方で、カプラーを下方に押さえるスプリングがチラッと見え、
実機としては?ですが模型としてはなかなかメカニックな感じです!?
心棒とスプリングとスノープラウとカプラー根元が両壁にギリギリに、かする間隔
<保持>
元々、カプラーの穴を垂直に空けられなかった事も関係していますが・・・
カプラー全体をスプリングで下方に押し付けている支柱に対し、
抜け落ちないように留めているのは前方のスノープラウの為、
二つの支点が発生、力の強いスプリングが、カプラーを上に向かせてしまいます。
スプリングのはまる支柱真下で蓋を考えねばなりません。
・スカートをボディマウントする為にカットした台車枠の先端部
この部分を蓋として再利用を試みました。
・前後を逆にして取り付けると見た目が良くなりました。
元々台車マウントだった時の先端部分を、廃棄せずに、押さえてして使用。
前後逆にして止めると見た目も綺麗。
*完成!
元々台車マウントのスカートは、車体とのあたりを避ける為に余裕を持たせ、
車体との間に1mm弱の隙間を持って台車にマウントされています。
それが今回の加工でボディマウントした事により上方に上がってしまう結果、
カプラーの位置も0.5mm程上昇し、連結側と食い違いがありますが、
今のところ実用上問題はありません。
それより・・・
282Rのカーブ上に於いてナックルは端一杯まで傾いているように感じます。
まだ走らせていませんが、282R以下のカーブではもう少しスカートの開口部を広げる必要があるようです。
KATOがボディマウントスカートの製品を送り出した後でも、
旧製品だって台車マウントのスカートをボディ側に取り付けると、見た目がぐっと変わります。
そんな中、昔の製品には昔の部品。
特にこのPF型は、スカートのディールが旧製品の方が実感的で、
ジャンパー栓のアンチョコな表現も無く、好感の持てるパーツなのです。
こいつが現行品同様のマウント方式で同様の機能を持つと、個人的には天にも昇る気持ちなのです!!
千数百円で掻き集めた中古と手持ちのパーツが、最高にお気に入りのPFを産み出した。。。)