このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

EF58の新動力+旧ボディ改造




*TOMIX製EF58(対象は旧製品)の私的評価
デフォルメされ、大きく貫禄のあるKATO製に対し、
縮尺に忠実と思われるTOMIXのEF58は・・・どうも「しびれて」見えてしまう。
何故か標準色大窓に関しては、窓ガラスの存在が闇夜のカラス。。。

しかし、モニターよりも高い位置に存在するガーランド形ベンチレーターや
正面から見た平べったい表情は、KATO製よりも実機に似ているという評価を耳にし、
冷静にKATO製と比較すると・・・確かにその通り!
なのに一歩引いて見てしまうのは何故なのでしょう。。。

・同社が送り出す最近の新製品に対し、ディテールのシャープさが足りない。
・腰高に見えてしまう。
・車体と主台枠端梁間がKATO製以上に遠く思える。。。。

あくまで私的感覚ですが、これらのせいで玩具的に感じてしまうため、購入する気にならないのです。。。。
(といっても「61号お召し機」「ひさし付き機」の2機は発売と同時に購入し、
上記評価から、我が鉄道では休車扱いとされています。。。)


黄色っぽい前面警戒色のクリーム1号。そしてワイパーしか目に入らない前面窓ガラス
無塗装で目立つ屋上機器。。。

*中古品購入で改めて私的評価
今から数ヶ月前の中古屋で、同社の大窓標準色がナンバーも取り付けられていない状態で、
目の前に現れます。
非常に綺麗な状態であったので、なんとなく購入してみました。
帰宅後見てみると・・・やはり前述の感覚は拭い落とせません。

増して・・・
・前面警戒色クリームの黄色っぽさ。
・テールライトの色入れ。
・テカテカの銀色塗装のワイパーの表現。
・シルバー塗装を表現しているのか、素材剥き出しのパンタグラフ。。。

この製品は、購入の感動が少なさ過ぎる!


ワイパーのみ、未分解で色入れしたところ。
製品の状態(上)に比べると窓周りは落ち着きます。でも反対側は・・・(後述)

*塗装による視的向上の試みのきっかけ
話は全く変わりますが!
前からLM328Iに使ってみろ使ってみろ言われ続けた物があります。

「マッハ模型製 メタルシールプライマー」

DLの床板ランボード、パンタグラフ等の軟質プラや、
メタル部品の塗装前の処置に使用すれば、塗装の食いつきがよくなり、剥れが無くなるとの事。
プライマーという物は塗装表面が厚ぼったくなるのでは?という固定観念があり、
何よりも筆塗りする工程が面倒で今まで使った事が無かったのですが、
DLウェザリングの記事を書いてから長きながきに渡り「使ってみろ使ってみろ」と、
言い続けられるもので・・・先日ついに購入をさせられてしまいました。

せっかく購入したプライマー。
こいつの効力を試す為に、このTOMIX製EF58は候補に上がります。
まずは塗装による製品の玩具臭さを無くそうと。。。。。

*本題!!まずは。。。
この製品を目の前にして真っ先に感じることは、正面窓ガラスの中のワイパーの表現。
非常に簡略化されたワイパーに、ご丁寧に色入れの工程が施され、
非常に目立たせていると共に、このロコをワイパー一色に染めています。
まずはその部分から修正して、その周辺にも手をいれていきましょう。

・ワイパーを塗り替える
・パンタグラフを塗装する
・動力ダイカストの色いれ
・下回りを塗装する
・避雷器と掴み棒をKATO製に交換

という工程を踏むことにしました。
本当は下記も実施したいのですが、今回は(永久に?)見送りとしています。
・車体と主台枠端梁間の短縮
・運転台の表現・・・

*ワイパーの塗装
購入時にすぐに目に付いたこの部分。
マイクロ製EF58のワイパーがボディ色に塗られていて、非常に良い感じである事を思い出します。
EF65 500旧製品のタッチアップ の記事で紹介したエナメルの調合塗料を、
購入後すぐに未分解状態で筆指ししました。

しかし・・・片側ははみ出してしまい、シンナーで拭き取り・やり直しを試みたところ、
今度はガラスが曇ってしまいました。
微量のコンパウンドで磨こうと分解しましたが、時がたち経年変化でもしていたのか、
ガラスパーツの柔軟性が全く無く、いとも簡単に割れてしまったのです。。。。

萎える気持ちを奮い立たせ、綿棒に付けた微量のコンパウンドで磨き、
ユニクリーナで拭き上げると・・・元の塗装まで簡単に剥れてしまいました。
何も塗装せずに透明なワイパーの状態でも十分では?と思いましたが
片側は上手く塗れているので、再度挑戦です。

そして、元のように組み付けてみると・・・幸いにも無接着で組み付き、
表からも割れた事は全くわからない状態でした。
この事態は経年変化による素材の硬化がある、
旧い製品の取り扱いには危険性を伴うということを、再度思い知らされました。


はみ出してしまった反対側(上)。
修正をしようと分解すると経年変化で硬化しているせいかパキッと・・・(下)

*動力ダイカストの色入れ
TOMIX製品は逆様にして裾を広げ、カプラーの部分でも持ち上げれば簡単にボディーが外せます。
この製品も同様に、簡単に動力とボディが分離しました。
TOMIX製品はまた、台車も外れやすいので、
毎回ボディを外す際には、台車が外れることによるボディの落下に十分気を配っています。

分解したらダイカストの形状に合わせ妻面の一部から側面まで
タミヤの日本海軍コクピット色というエナメルカラーを筆塗りしました。
この色は数年前に店頭で見つけましたが、
少し暗めとはいえ窓越しに見える室内の色調としては、非常に気に入っています。
(実物とは違いますが)TOMIX製 EF210の室内もこの色を使いました

EF58は側面真中の窓ガラスにモータとダイカストが2:1の割合で見えていますが、
この部位の塗装はしませんでした。


必要最低限を塗装した動力。
前面窓ガラスが目立つようになるかと
遮光パーツの根元・ダイカストの妻面にも色入れをしましたが全く効果はありません。
この部分は組み付け後、触れない箇所である為プライマーは使用していません。
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*分解とプライマー
台車の取り外しは一定の力を連続的に掛けながら台車を左右に振っていると
その場所に来るや否や気持ち良く外れてくれます。
無理に力を掛けて、集電用のスプリングを曲げてしまったりしないように注意しました。
また、ダイカスト側のギアは綺麗だったので、動力の分解はしませんでした。
台車の分解は結構ガッチリと台車枠にギアボックスの爪がハメ合わさっており、
前後の爪を外しながら台車枠の第2・3動輪の間にあるボス穴に爪楊枝を突っ込み分離しますが、
少々苦戦しました。
なお、先輪を押さえつけるスプリングと、第1・2動輪に動力を伝えるギアの紛失を注意する為、
製品ケースに保管しています。

合わせて床下エアタンク・パンタグラフを爪楊枝で外し、
パンタに関してはKATO製への乗せ換えも検討しましたが、
製品のものも上げた状態では非常に良い形態であることを知っていたので、
KATO製にあわせる意味で、黒塗装を試みる事にして全て分解、製品ケースに保管です。


塗装に備えて分解。
同社のDF50、EF81等の初期製品に比べて
EF58が製品化された時点では、殆どがはめ込みになっている。
先台車の車輪はMカプラーを避ける為、4輪とも左右が分離している。

問題のプライマー塗装。
その対象は
・パンタ台枠。
・パンタシュー。
・台車枠。
・先台車枠。
・先台車指示用の主台枠。
・付属パーツで選択したスノープロウ取り付け台。
・床下エアータンク。
・・・これだけの塗装をせねばならず、臭いもきついので、家族の前では実施不可能です。
結局ボンベ式ガンで吹き付けましたが、LM328Iからは筆塗りで十分と報告を受けており、
ボンベのガスがもったいなかったかな・・・と気持ちは複雑です。

小さな部品の吹き付け塗装には、セロテープを丸くして部品を押さえつけてみましたが、
台車枠等は横着して、置いたままの拭きつけ。
案の定ボンベのガスに飛ばされてしまうため、左手の親指をあてがっての吹付けとなり、
おかげで左手親指はマニュキアをしたようになり、
まるで薄い黄色のゴム系接着剤が塗られているようで全く剥れず、
会社に行くのにどうしましょう。。。
しかしこれが製品の軟質プラに纏わり付いているのかと思うと、心強いです。。。

*黒い塗装
プライマー塗装の為に持ち出したボンベ式スプレーガン。
折角なので黒塗装もガンの使用としました。
ただ単に黒を吹付けるのは芸が無いので
・各部品の下からの吹きつけはつや消しの黒にマッドブラウンを少々混ぜた物。
・各部品の上からの吹きつけはつや消しの黒に緑を少々混ぜた物。
・パンタ部品はつや消し黒にマッドブラウンを混ぜた物一色
です。
塗料は手持ちのエナメル塗料。
エナメルは吹きつけには向かないと言われますが、田宮は乾きも早いので、まあ良いかと。。。

完全乾燥を待つ間、何の表現も無い動輪のスポークに当たる部分に、
艶消し黒を爪楊枝を使って入れておきました。
尚、前述の動力ダイカストとこの輪芯への色入れはプライマーは用いていません。
決して触れない部位ですからね。。。

*組み付け
分解したものを逆の工程で組んで行くだけの話ですが
塗装の乗らない素材に塗装をしたあとにそれを組むのですから、神経を使いました。
中でもエッチング部品で構成されるパンタの組み付けが一番厄介で・・・
シューとエッチング製の上枠。
上枠とこれまたエッチング製の下枠。
下枠と軟質プラのパンタ台。
というように組み上げなければなりません。

エッチング部品に全く柔軟性が無いため、やっとの思いで組上げると上枠が曲がっている。。。
しかし、かなりの力が加わったにも拘らず、シューの一部の塗装が剥がれただけでした!

恐るべしシールプライマーの威力!!

LM328Iが、くどくど使用を進める気持ちが非常に良くわかりました。
後は台車・先輪と組上げ、各パーツをはめ込んでいきましたが、そのとき改めて発見したのは、
先輪を支える主台枠は台車側に付く主題枠押え様のスプリングを止めるボスでなく
その後ろにもう一つ存在するボスにはめ込むようになっているのです。
先輪を線路に追従させるTOMIXの設計の工夫を感じます。

*仕上げ1
エナメルの艶消し黒を纏った各パーツ。
つや消し黒に茶や緑を調合した甲斐も無く、見た目は全くの艶消し黒。。。
ブラッシングして鈍い艶が出るように期待しましたが、
これまた艶も出ずに、全くの無駄骨となりました。

*仕上げ2
KATO製と比べて一番気になるものの一つが避雷器です。
これは製品の部品を塗装しても多少の効果はあると思いますが
ディテールに優れたKATO製に交換する事にしました。
KATO製避雷器の足を、カッターで玉ねぎを剥く様に少しづつ薄くしていきます。
力を入れたり厚く切ろうとすると、自分の指に刃が刺さりますので・・・薄く薄くを心掛けました。


上)焦らずゆっくりと何回にも分けて・・・KATO製避雷器の足の厚みを薄くしました!
中)避雷器の装着状態・・・後ろのパンタ台も黒くなり、KATO製品のセンスに近づいたかと。。。
下)ピンぼけですが茶や緑を混ぜて塗った下回り。その効果は全く無し・・・

*仕上げ3
正面掴み棒も、KATO製のものに交換しました。
よりKATO製に近づけるためです。

仕上げ4
TOMIX製品のナンバープレートは皆無塗装。
よく見なければ分かりませんが、製品全体の見た目をスポイルしています。
なので今回は薄く溶いたエナメルの艶消し黒を正面クリーム部分に、
クリーム部分に表現された側面プレートにエナメルの調合した青を入れてみました。
結果、正面は元々黄色っぽいクリーム1号の警戒色部分に墨下入れしたパーツをはめ込んだので、
黄ばんだパーツがはまったように感じてしまいます。
黄色か白を色差しするか、車体側警戒色部分全体に墨入れした方が良かったかもしれません・・・

対して側面はなかなか良い感じになったかと思いますが、
ランナーパーツの切り離し部分がクリーム色に光ってしまいました!
側面パーツは(この製品だけかもしれませんが)車体側の取り付け穴とプレート裏のボスの位置が合っておらず、
このボスを切り取る事となりました。
本来日立と付くメーカーズプレートは、元々製品の説明書が2輌分入っている代わりに、
パーツそのものが入っておらず付けていません。。。
中古品ですから決して不良ではありませんが・・・


付属のナンバープレート。
前・側面ともクリームのパーツを使用。
前面のパーツは墨入れしたが。。。
側面は乾燥後メッキ部分を爪楊枝ではがしました。
こすり過ぎてメッキが剥れた部分もあります。。。

*そして完成。。。
大窓に関しては特に運転台の表現をしておきたいが。。。

今回は、色入れによるTOMIX製の見た目向上を実施してみました。
KATO製と並べると、購入時ほどには独特な「しびれた」感じは無くなったかと思います。
運転台取り付け、前面と台車枠端梁の間の切り詰め、テールライトのレンズ化等も実施したかったのですが、
そこまでやる時間も無く、シールプライマー初体験に伴う塗装と、
一部KATO製パーツへの交換のみの見た目向上に留めました。

近年発売されている、正面Hゴム機・お召し予備機等はかなり改善がされているようですが
昔の製品だって、いじればいじるほど良くなって来るんですね・・・

今後は違う意味で購入する喜びを得られそうです。


KATO製(左)と並べて。。。大きさの違いはどうにもなりませんが(笑)







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