このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル駅セクション

私のDD13




*シンキョ−カプラ−って?

数ヶ月前・・・ある模型店でLM328Iがボソッと一言。
「品切れだったシンキョ−カプラ−、また入荷したんだ・・・」
シンキョウ?

彼がネットで知った台湾製カプラー。
その特徴はKATOカプラ−、TNカプラ−とも連結が可能という、万能型との事。
それは素晴らしい!今まで両社のカプラ−が連結できるのは、
ロコ用TNカプラ−交換用として、ホワイトメタル製の高価なパーツを、
どこかのメーカーが発売していたような。。。
このシンキョ−カプラ−は40個で800円弱、
KATOカプラ−とほぼ同額で、TOMIX製TNと兼用できるのは大変にリーズナブルな優れもの!
という所なんでしょうか・・・

*早速ロコに装着してみたが・・・
早速私も購入し、ロコに装着してみました。
対象になったのは・・・ナンバーが外れ、元ケース無く、中古屋に転がっていたマイクロ製ED73。
TOMIX製のロコに取り付けるなら、TNカプラ−を分解してカプラ-本体部を取り換える、
大掛かりな作業が必要です。
しかし、KATO・マイクロ製ロコのカプラーは、
スカート内に縦に延びるシャフトにカプラ−の根元の穴がはまって左右動する簡単な構造なので、
このロコは格好の試験材料であるわけです。

まずは、シンキョ−カプラーの細い腕の真中辺りに1mmの穴を開け取り付けてみました。
ところが結果は苦労して穴を開けたにも拘らず、
カプラ−のナックルが言い訳程度にしかスカートから露出せず、使用できません。

・・・無駄な時間をすごす事になりました。


左:苦労して細い部分に穴を開け装着するも・・・
右:首が全て隠れてる!!カーブ時には頭もスカートの中に・・・

*失敗の少ない穴の開け方を考察
位置を間違えたということに加え、この試みで痛感した事は・・・
「細い腕の部分に如何に垂直に穴を開けるのか?」
ということでした。

このカプラ−の「腕」の幅は1mmちょっとしかなく、そこに1mm強の穴を開けなくてはなりません。
そこで・・・元々このカプラ−部品に開いている穴を使用することを考えました。
シンキョウカプラ−はKATOカプラーと同様、上下のパーツが重なり合います。
カプラ−の根元近くに二つの長いボスが立っていて、それがもう片方のパーツの穴に圧入されます。
このうち、後ろ側の穴を広げ、垂直を保ちながら使用することにしました。


左部品の上側の穴を使用する為、右部品のはまり込む上側のボスはカットします。

*実践!
1)上下パーツの「溶着」
 ・ナックル上側パーツにある2本のボスのうち、後方のボスを切断する。
 ・上下をはめ合わせ、カプラーの根元上面に伸びている、「ベロ状」の部分を焼き潰し、上下を固定する。

これは・・・ 「ベロ状」の根元部分を溶かし、「ベロ状」全体を焼き潰す。
つまり上下のパーツを確実に溶接するのです。

焼いたマイナスドライバーでジュジュッと・・・
昔のプラモデルでは、ギヤBOXの取り付け等、必ずこの工法が指定されていました。。。
強度くぉ考えると、ゴム系接着剤の併用も考えたほうが良かったかも知れません。


(ピンボケですが)「ベロ」を焼き潰しているところ

2)取り付け穴の拡大
後方のボスを折ってからパーツ同士を張り合わせると、後方のボス穴は開口した状態になります。
(径は約0.7mm位かな)

 ・この穴を0.9mmのドリルの刃を用いて、穴の周りを「さらう」様に削りながら、
  焼き付いた二つのパーツを貫通させる。
  この時ドリルの刃をいろいろな角度から見て、
  常に垂直に刃が回っている事を確かめながら貫通させる。
 ・ドリルの刃をヤスリ代わりにして、穴の曲がりなどを修整しながら、1.0mmくらいまで拡大する。
 ・最後に1.0mmのドリルの刃を穴に挿し、さらに必要であれば削り、出来上がり。


左:溶着完了、穴が貫通する前。
右:0.9mmドリルが貫通!ドリルを往復させ、穴の形態を修正中!!

3)装着
元のアーノルドカプラ−を取り外し、加工の終わったシンキョウカプラ−をはめ込むだけです。
このマイクロ製のロコは、車体を分解しスカートを取り外して装着しましたが、
KATO製のロコであれば、スノープロウの取り外しだけで装着する事が出来ます。


左:シンキョウカプラ−の根元に貫通した穴。穴さえ開けば・・・
右:この形このサイズ!!素晴らしい。

*今後の問題と対策
1)復元
マイクロ製もKATO製も、復元用の板バネとカプラ−根元の間に隙間が発生するため、
カプラーが復元しなくなってしまいます。
カプラ−根元にプラ板を張り、板バネに接することで、復元効果を得られるようにしないと。

2)連結
 ・KATOカプラ−との連結
  カッチリと連結でき、問題は無いと思います。
 ・TNカプラ−との連結
 かっちりと連結しますが、開放時に必要な力はTN同士ほど力はいりません。
 しかしどちらも動力同士を重連する時、同調していないと、走行時に開放してしまう恐れもあります。
 ・SHINKYOカプラ−同士の連結
 意外と問題の多いのがこのケースです。
 製品自体の腕が細く、ナックルの高さ位置がもともと不安定です。
 なので装着状態や線路状態によってナックル同士が高さ方向にズレ、開放するケースが多いのです。
 別途報告した ケーディ&KATOカプラーの自然開放防止考案 の記事のように、
 ナックルの裏側に開放防止機能を持たせようかと思っています。
 他社との連結が要求される(期待されている)このカプラ−は、
 開放防止機能を「浮かせて作る」などの考慮も必要かもしれません。

KATO製EF641000番台への装着例

*結び
いずれにしても、このカプラ−を企画された事に感謝し、
この素材が末永く、改良も含めて安定販売される事を望みます。






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