*屋根上は目立つのに・・・
模型は実物に比べれば、はるかに上から眺める機会が多いものです。
なのにベンチレータやクーラーと屋根が同じ色(無塗装)だったり、
アンテナや信号炎管が一体成型になっていたり・・・という状態です。
実物は上から見る機会が少ないので、それでもユーザの不満は少ない・・・ということなのでしょうか。
パンタグラフも不満の多いパーツです。
関水金属が初めてEF70を製品化して以来、
台座の部分とシューは樹脂製、本体はメッキされた金属という構造が標準となっていて
(過去には全金属製のパンタなどもありましたが)、
銀灰色の台座とシュー、メッキの本体の色合いが、かなり非実感的と思います。
屋根上ではかなり目立つ、重要なパーツなのに。。。
![](images/panta/DSC00008.JPG)
KATO製EF65PF後期型最新ロット。実物のパンタとはずいぶん雰囲気が違います。
*実物と同じ色にする
要するに、この変な色合いを解消して実物に近くすれば、雰囲気は向上するはず。
ということで、塗装してみました。
まぁ・・・それだけのことです。
紹介するほどのものでもない内容ですが、効果は結構あると思います。
しかし、塗るだけとは言っても、パンタは細かい部品が組み合わさっているため、意外と厄介です。
バラバラに分解し、両面テープで固定した上で吹き付け塗装するのがベストでしょうが
今回はいつものように(笑)・・・「手抜き」をしました。
選んだのはKATOのEF65PF後期型、最新ロットです。
このロコは既に
屋根上モニター窓Hゴムを削り出し表現
しているので、
今回のパンタ塗装でさらにグレードアップを目指そうというものです。
まずはパンタを取り外し、ジャンクのボディに装着します。
パンタを立ち上げ、固定した状態で塗ることにしました。
ジャンクボディを用いたのは、まず全体に面相筆でシールプライマーを塗っていくので、
ボディにシールプライマーが付くのを防ぐためです。
ある程度シールプライマーが塗れたところでいったんパンタを外し、
シューの部分を掴んで台座の塗り残し部分を塗りました。
そして・・・シールプライマーが乾いたら、ハンブロールエナメルを調合した艶消し灰色を塗りました。
この際もジャンクボディに装着して塗りました。
シールプライマーが関節部分にも流れているので、パンタは結構固く固定されているので、
さっきよりは塗りやすいと思います。
但し、ここでちょっと困ったことが。。。
EF65PF後期型は、ご存知のとおり、下枠交差型のPS22がついています。
交差部分がどうしても擦れてしまうのです。
そこで・・・裏になる部分に塗料が回ったことを確認したら、
完全に乾くまで(数日間)、パンタを上げた状態で保管することにしました。
![](images/panta/DSC00018.JPG)
パンタを灰色にしただけでこの違い。ついでにランボードも灰色に。
パンタを製品の屋根に戻してみると、これがイイ!!
一気に屋根上が落ち着き、実感的になりました!!
実物のパンタは灰色だったり、艶消しの銀色だったりしますが、
普段は結構汚れているので、艶消し灰色に塗っておけば、まず間違いはないといった感じです。
単にパンタを塗るだけではありますが、これはなかなか効果的だったので、
続いてもう1両、試してみることにしました。
今度は下枠交差ではないPS17を装備した、EF64後期型JR貨物更新色です。
先ほどと同様に、ジャンクボディにいったん移植、
シールプライマー、ハンブロールの灰色の順に塗っています。
しかしこちらは製品が新しいためパンタ本体が一段と細く作られていて、
シールプライマーによって・・・若干「ぽってり」した感じになってしまいました。
全体を見ればいい感じなのですが、仕上がりを考えたら、やはり吹き付けの方がいいのでしょうね。
![](images/panta/DSC00019.JPG)
EF64もこんな感じになります。
*ついでに・・・そして
そしてしばらくこの2両を眺めていて、ふと、「他の部分も塗ろうかな・・・」と思いました。
屋根上はあまり見る機会がない上、いつも汚れていて、塗り分けはよくわかりません。
なのでとりあえずパンタと同じ灰色を、PFはランボード全体に、64は一部に塗ってみました。
高圧引込み線の端子部分も、軽く灰色にしています。
実物の屋根はボディ色や黒い部分があったり、灰色だったりするようですけど、よくわかんないので・・・
たったここまでのことで、屋根上の印象は一新します。
実物らしさが向上し、遠目に見ても、全体のたたずまいがよくなります。
単に塗るだけとは言っても、複雑な構造をしているパンタなので、時間はかかりますが、
効果は計り知れないものがあると感じました。
機会があったら、みなさんも是非お試しください。