このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

TOMIXロコにKATOカプラーアダプターを装着




*デキ3の旧製品は動かない
小型車輌が大好きだった学生時代、KATOのポケットライン(チビ凸やチビロコ)のような安いものから、
西ドイツ(当時)製の高級タンク機まで、小さな車輌ばかり買っていた時期があります。
当時新進気鋭の(?)メーカーだったワールド工芸もその標的となり、
KATOのチビ凸動力を使ったキワ90や、ここに紹介する銚子電鉄デキ3も買ったのです。

当時のワールド工芸は、まだ自社製動力がありませんでした。
しかもデキ3は小さすぎて他動力の流用が出来ず・・・全くの無動力です。
そのくせ手作りの金属製、3800円もするという(KATOの機関車が買える!)、高いものでした。

愛嬌のあるデザインと、小さいのに手際よく作られた高度な品質、
すぐにお気に入りの1両とはなったものの・・・動かないのでは致し方ない。
貨車を2,3両牽いて走る姿を想像しながら、全く活躍する事もなく、月日は流れていくのでした。

小さな車輌には、KATOカプラーが似合いますね

その後ワールド工芸も発展し、自社動力を製作するようになりました。
デキ3もその後の製品では、豆粒ほどの大きさのモーターを装着して動力化されたのですが、
私のデキ3は動かないまま。。。
購入から25年以上経ったある日、ふと思い立ってアーノルトカプラーをKATOカプラー化したついでに、
「動力化」の決心をしたのでした。

*お気軽「擬似」動力化とは
しかしメンドクサガリの私が、こんなに小さい車両の本格的な動力を自作したりするわけはありません。
KATOのチビロコと同じ方式で・・・「牽くはずのものに推してもらう」ことにしたのです。
後ろに控える貨車に動力を隠す、たったそれだけのことです。

使用する動力は、ネットオークションで手に入れて以来使う事なくしまいこんでいた、
チビ客車のものを用いることにしました。
当初は貨車を走らせるために動力の自作も考えたのですが、やぱりメンドクサイ・・・
そんなときOKIの「ポケットライン動力でいいじゃん」というアドバイスで、これに決めました。

チビ客車動力

早速手元にある二軸貨車を片っ端から調べたところ、ホィールベースの近いものは3つありました。
KATOのヨ6000、レ12000、そしてTOMIX香港製のレ2900でした。
ヨ6000とレ12000は、屋根が外れる代わりに、床板の上にもう1枚の床板(?)があって、
ボディを補強しています。
なので、その床をくり抜かない限り、チビ客車動力に被せることはできません。
それに対してレ2900は、簡素な構造なので改造も簡単そう・・・これでタネ車は決まりです。
チビ客車の方が若干車輪が大きいとか、
スッキリしているはずの貨車の床下に大きなモーターの出っ張りができてしまうという欠点はありますが、
あまり気にせず、とりあえずやってみることにしました。

ホィールベースはほぼ同じ

*動力の加工
チビ客車(チビ凸も同じ)の動力構造は至ってシンプルで、
両軸モーターのモーター軸に付いたウォームギアが、車輪のギアを直接駆動する、たったこれだけです。
なので走行状態の調整はかなりシビアで、一度分解したら滑らかに走らなくなってしまった経験もあります。
だからできれば分解はしたくないところ。
今回は幸い、動力を組み上げているネジが、ちょうどレ2900のボディ内に収まるため、
両端のデッキ部分を切り落とせばいいことがわかりました。

デッキを切るのは簡単。
デッキ部分にピンバイスで適当な穴を開け、穴をつなぐようにカッターで切れば、あっという間です。
切り口はレ2900のボディで隠れるので、きれいに仕上げる必要もありません。
また、切る位置はモーターを押えているダイカストの端一杯くらい、これでちょうどいい長さになります。

実はこの部分を切り落とすと同時にカプラーポケットもなくなってしまうのですが、
それは後からどうにかすることにしましょう。

デッキ部分を切り落とす

*ボディの加工
加工の終わった動力にレ2900のボディをはめてみると・・・・入りません!
無理に入れようとすると、ボディ側面がビヤ樽のように膨らんでしまいます。
「?」と思ってボディの中を確認してみると・・・
あらら、ボディ側面中央に、一本の太いリブがあるじゃないですか。
これをカッターで削り落としたら、見事にはまり込んでくれました。

まだ若干側面が膨らんでしまいますが、それは動力とボディの内側の幅が合わないということで、
修正しようとすると大変な作業になり、動力の分解は避けられそうにありません。
どうせ裏返しにしなければわからないので、そのままにすることにしました(^-^;

そんな状態なので、ボディと動力の固定は、何かをする必要はありません。
いい具合にはまってくれています。

車内中央にある「リブ」

*カプラーを取り付ける
モーターの収まっているダイカストの端から端の長さがちょうどレ2900に収まる長さなので、
このダイカスト部分にカプラーを付けなくてはいけないことになります。
カプラーの固定方法は、既に EF70EF66 のスカート固定化改造でやったことを応用しました。
「真鍮線を立て、そこにKATOカプラーを刺す」というものです。
ダイカストに0.6mmの穴を開けて0.5mmの真鍮線を立て、瞬間接着剤で固定します。
動力の上面から留まっている固定用ネジがこのダイカストに貫通しており、
ネジ穴とダイカストの端との間は、ほんの2mmくらいしかありません。
なので・・・穴を開ける位置はおのずと決まってしまいました。

続いて、アーノルトカプラー交換タイプのKATOカプラーの根元にも0.6mmの穴を貫通させ、
先ほどの真鍮線に差し込みます。
そしてタップリと瞬間接着剤を流して固定すれば、完成です。
このカプラーは上下左右に全く首を振りませんが、問題はありません。
真鍮線で固定されているため、「いつの間にかポロッと取れている」というトラブルとは無縁です。


左写真:内側のリブを削ったボディと、長さを詰めてカプラーを取り付けた動力
右写真:組み合わせるとこうなります

*完成、そしてデキ3が動いた!
さぁ、試運転です。
デキ3を先頭に、レ2900、ワム90000、ワフ29500という編成を組み、
小判型エンドレスに載せてパックのつまみを捻ると・・・・・・

ジィィィ〜

「おー!!デキ3が動いた!貨車を牽いてる!!(?)」

購入から四半世紀、ようやくデキ3は、機関車としての仕事を始めたのであります。
ポケットライン動力はデキ3のスケールスピードよりかなり速いのと、
集電不良が起きやすいのが難点ではありますが・・・
そんなこと、どうでもよくなるほどの愛らしさです!

貨車の床下にある「異物」(モーターの出っ張り)が目立つのではないかという心配は、
斜め上から眺める機会の多い模型では、ほとんど無用でした。
もともとそういう貨車なんだとさえ思えてくるから不思議です・・・(^-^;



超小型電機が二軸貨車2,3両を牽く(実は「推されている」)姿は、
鉄道の原点とも呼べるのではないでしょうか。
まったく・・・最近眠っていた私の小型車趣味を再び呼び覚ますのには充分過ぎる効果でした。

動力化された以降のデキ3や同じモーターを使ったEB10も、買ってみようかな。。。







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