このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

モニター窓Hゴムを簡単表現



  1. ボディの製作・・・一体ボディなのにいきなり苦労の連続
  2. 下回りにもいろいろと手をかけました
  3. 塗装とアクセサリー装備・・・そしてやっと完成

*プロローグ
完成した姿。ここまでが大変だった。。。

今までも何度か書いているとおり、東急沿線に生まれ育った私は、東急の電車が大好き。
2008年の年末に中間車付きで再発されたクロスポイントブランドの7200系キットは、
そんな私の食指を動かすには、充分すぎるものでした。
ただ、お値段が結構張ることもあって、東横線の非冷房8連急行を作ることは無理で、
中間車1両+先頭車2両の3両セットを買うのが精一杯でした。
ならば昭和47年、当時・・・緑色の旧型車ばかりだった目蒲線に、
新製冷房車として投入された「7260F」を、昭和50年代後半くらいの仕様で作ってみよう、
ということにしたのでした。
一体成型ボディだし、3両だったら「さささっ」と組むことも可能だろう、そう考えていたのです。

ところが・・・2009年の元旦から作り始めた私を待っていたのは、まさに「格闘」でした。
j工作するのは主に週末だけとは言え、完成したのは1ヶ月半も後・・・
なぜこんなに時間がかかったのか、それをこれからご説明しましょう。
キットそのものの不具合、流用パーツによる悲哀、必要以上のコダワリ・・・
それらの相互作用なのです。

但し説明の順番は、製作を進めた順とは異なります。
ボディ、下回り、その他の順に、何をどうしたか、思い出しながら書いてみます。


年末に届いたクロスポイントの東急7200系3両セット。全てはここから始まる。。。

1:ボディの製作・・・一体ボディなのにいきなり苦労の連続
*屋根パーツに寸法エラーが!
私は塗装後に屋根を貼るのは嫌いで、屋根を接着した後に塗り分ける主義です。
しかも今回は一体ボディだから、屋根を貼れば、あっという間にボディは完成・・・のはず。
ところが、屋根パーツを載せてみて、いきなり我が目を疑いました。

・・・寸法が合っていないジャン!

まず・・・パーツの幅です。
ボディ上部、屋根がはまる部分よりも、屋根パーツの幅が0.5mm弱広いのです!
このままで貼ったのでは、屋根のグレー部分がはみ出した、不格好な屋根になってしまいます。
7200系は張り上げ屋根が美しいのに、これはないんじゃないですか?
妻面にモールドされた配管を見ると、屋根パーツ側の配管との位置関係が合っているので、
屋根幅だけがエラーになったとしか考えられません。

続いては、屋根パーツの厚さ。
特に運転席側で顕著なのですが、屋根の厚みが妻板と合っておらず、段差ができます。
屋根の方が厚いのです。
幅エラーとともに、正面から見て、これはいただけません。。。
さらに・・・屋根の長さも若干短い。
このままだと、屋根をはめ込むと妻板と屋根との間に隙間ができてしまいます。

こりゃダメだ・・・ いきなり右ストレートをくらったかのようにショックを受けた私は、
早速GMストアへ行き、組み立て見本をじっくりと見てみました。
すると・・・おやおや、組み立て見本も、明らかに屋根幅や屋根厚みがボディと違っています。
側板からきれいなカーブで繋がっていないし、前面とは段差があるのです。
よく見ないと気付かないかもしれませんが、私にはダメでした。
これは目立ちます。修正しなきゃ。


座席位置を変更した室内(上)と、幅を詰めた屋根。室内については後述します。

*屋根を直してボディに張り付ける
そこで・・・屋根板はレザーソウで「カラタケ割り」してから再度張り合わせ、
0.5mmほど幅を詰めました。
屋根板の両肩を削るという手も考えましたが、
屋根カーブが狂い、側面から綺麗につながらない心配があったので、
思い切って縦に真っ二つにしたのです。

詰める幅は0.4mmくらいがベストだと思うのですが、
レザーソウを用いると、どうしても0.5mm強、幅が縮まります。
このため、逆にちょっと屋根幅が狭くなりました。
ただ、無加工の状態よりは何倍もマシというものです。
側面から、きれいに屋根に曲面が連なって見えるようになったのですからね。

長さの不足は、0.13mmのSheetStyreneを端部に貼って延長しました。
そして屋根をボディに貼り付けますが、
正面との段差は、耐水ペーパーで磨いて極力小さくすることで、ごまかしてあります。
ここはステンレスの前面と屋根との境界になるので、若干の段差があったほうがいいところ。
完全に平らにはしてありません。

*配管を全面的にやり直す
7200系のパンタ周り配管って、結構複雑なんですね。
キット屋根パーツのモールドを見たとたん、
「これをやり直すなんて、絶対に嫌だ」と思いました。

ところが!
上記したとおり・・・屋根幅カラタケ割りして屋根幅を詰めなければならなかったため、
屋根と妻面の配管モールド位置がずれてしまったんですよね。。。
そこで、否応なしに、配管を全面的にやり直すという作業が、必要になってしまったのです。

まず最初に、配管のモールドを写真に撮っておきました。
なにぶん複雑なので、経路や本数、固定バンドの位置などがわかるよう、3方向から記録しました。


この配管を全部削ってやりなおすなんて・・・。屋根の幅を詰めた様子もわかります。

続いては、パンタ台やランボード足を痛めずに、配管のみを削らなくてはなりません。
これは時間がかかりました。
1.5mmの彫刻刀(平刀)を主に用い、適宜デザインナイフも使って、慎重に削っていきます。
細いプラ角材に耐水ペーパーを貼った、自家製ヤスリも活用しました。
削り終えたらサーフェサーを吹き、傷や削り残しをチェックします。
出来る限り綺麗に削らないと、塗装後に痕が目立って目も当てられないので、
ここは慎重に作業しました。
2両の配管を削って平らに仕上げるだけで、合わせて10時間以上かかったと思います。


配管削り途中の屋根。まだ仕上げ前なので荒れています。ピンボケ写真で失礼。

また、配管を全部削り終える前に、固定バンドの位置をポンチして、0.3mmドリルで穴あけをします。
しかし・・・屋根をボディに貼り付けたところ、ボディの補強(内屋根)があって、
裏から瞬間接着剤を流すのが困難、という不手際に気付きました。
屋根を貼る前に、その部分の内屋根を切り取っておくべきでした。。。
仕方なく、内屋根のみを1mmドリルでザクって、内側から瞬間接着剤を流せるようにしました。
これでなんとか回避したのです。

ちなみに配管は、「ぱっと見は元のモールドと大差ない」、という感じが個人的には好きです。
なので細めの0.2mm真鍮線を使い、「皮膜を剥いだ縒り線をほどいた、細い銅線で縛る」という、
最近の私の標準方法にしています。

しかし、しかし、しかし!

とにかく配管の本数が多い上、形状が複雑で、2本が並行したり、1本になったり、
フューズ箱にもちゃんと接続させなきゃいけないし、
妻板では幌枠にピッタシ合わせなくてはなりません。
1両目は配管作業だけで6時間もかかり、週末の徹夜を余儀なくされました。
多少は慣れた2両目でも、3時間もかかりました。
この間、0.3mmのドリル刃を、一体何本折ったことでしょう。。。

というように、相当苦労した屋根配管。
これで仕上がりが完璧なら、大いに自慢するところですが・・・そこは私の実力ですから、
よく見ると、いびつになっていたりします。
3両編成にしておいて、ほんとによかった。。。

それでも立体的な造形で、ちゃんとヒューズ箱に接している・・・
というところはお気に入りです。


ようやく配管が完成し、クーラー、パンタを仮置きしたところ。クーラーのパテ埋めの状況もわかります。


*クーラー形状も違うので修正!
キットに付属しているクーラーは、メッシュ部分の横にも凹みがある、
8500系後期の軽量車や8090系などに用いられているものです。
本来7200系は、8000系や8500系「非」軽量車と同じタイプでなくてはなりません。
これもパーツ流用による悲劇です。

ならば8000系のものを買ってくればいいかと言うと、さにあらず。
GMの8000/8500系クーラーは、設計が旧いためかスケールより大きめなので、
18m車の7200系では、アンバランスになってしまい、パンタと干渉の危険もあります。

そこで私は・・・キットに付属した軽量タイプのクーラーの凹みを、
1つ1つパテで埋めることにしました。
なんで、こんなことをしなくてはいけないのでしょうか・・・
3両編成なので、12個で済んだのは、せめてもの救いです。

せっかく7200系の専用ボディを作ったのに、
なんでこれは、他キットからの流用パーツなんでしょうか。
ちゃんとした7200系を作るのが、こんなに大変なことになるとは。。。

*屋根上ランボードの装着
これも・・・塗り分けてから接着するというのが嫌だったので、この時点で付けました。
何しろ、接着部分は小さな脚だけ・・・塗装面では接着力が心配です。
しかも、塗装を傷めずにまっすぐ付ける自信は、私にはありません。

このパーツは、塗装前であれば、比較的簡単にタミヤセメントの流し込みで取り付けられます。
しかし、流しすぎには要注意・・・毛細管現象で裏にまで流れてしまいますので。
私も一部、流しすぎた痕跡があります・・・

*ヘッドライトの寸法に悩むが・・・修正は諦めた
ここは別パーツを前面裏からはめ込む構造になっているのですが、
穴がパーツと合っていなくて、隙間が開いてしまうのです。
これは格好悪い・・・なんでこうなっちゃったんでしょうかね。
こんなことになるなら、一体成型にしてくれた方がマシというものです。

なんとか隙間を小さくしようと、穴の内周にパテを盛ってみたりもしましたが・・・
結果は「惨敗」でした。
パーツに合わせて綺麗に小さくするということができなかったのです。
なのでこれは諦め、元に戻してしまいました。
ただ、ヘッドライトのパーツをトレジャータウン製に交換したので、表情は引き締まったと思います。

それと、忘れてはならないのが、前面ヘッドライト下にあるステップ。
キットではこれが表現されていますが、オリジナルの顔にはなく、晩年に付けられたものです。
なので私はヤスリで削り取っておきました。
このスッキリした前面が、7200系本来の顔ですからね。


マスキングテープでヘッドライトケースを仮装着。前面の隙間が大きいのがわかります。
その下にあったステップは、削り取ってあります。
屋根と前面の間に白く見えるのは、屋根長さ不足を補った部分です。
(ランボードは接着済み、クーラーは仮置き)

2:下回りにもいろいろと手をかけました
続いては下回りの話に移りましょう。
こちらは苦労はナシで・・・というわけには、やっぱりいきませんでした。
特に動力車は鉄コレ動力を選んだため、結構な手間をかけることになったのでした。

*鉄コレ動力に台車を取り付ける
動力には、鉄コレの18m級を使用しました。
台車間距離は、この7200系とほぼ一致しています。
しかもこの動力には、7200動力車のTS802と形状がよく似たTS804が付属していました。
これをベースに改造できるのでは?
そう考えた私は、台車を改造してみたのです。

TS804の枕バネ周辺は、平刀やデザインナイフで全て削り落としてしまいます。
ここにGMの東急TS台車の同じ部分を切り出して、貼り付けるという方法です。

しかし結論を言うと・・・失敗でした。
鉄コレ台車もGM台車も接着しづらい素材で・・・しかも接着面積が小さいのです。
瞬間接着剤もエポキシ系接着剤もNG、すぐに取れてしまいました。
加えて、この加工はとても神経を使い、時間がかかります。
それなら、GMの東急TSのままでイイジャン・・・2つ改造した時点で、そう思えてきたのです。

左から順に、鉄コレ動力付属のTS804、そのディテールを削ったもの、
GMの東急TSから剥ぎ取ったディテールを貼ったもの。
結局この改造はボツにしましたが・・・

で・・・結局、GMの東急TSの台車枠部分を切り出し、
裏を平らにヤスって、鉄コレ動力に貼り付けるという方法に落ち着きました。

注意点は以下のとおりです。
1.鉄コレ台車の方が若干ホィールベースが長い
2.鉄コレの車軸(が接している集電パーツ)の先端が太い
3.接着剤が効かない

1と2に対応するには、GM台車枠の裏側、車軸が収まる部分を大きくえぐりとります。
私は2mmのドリルを用いました。
表面に突き抜けないよう、慎重に大きくしていきました。
しかも、ホィールベースの違いを誤魔化すために、
元の穴よりやや外側に・・・楕円にするような感じで拡げました。
さらに・・・集電パーツの表面を削りました。
このあたりは、7000系鉄コレの動力化のときと同じ手法です。
ちょっと集電パーツの先端を削りすぎて・・・車軸が露出してしまったんですけど、
まぁいいでしょう。
(後に、あまりよくないことが判明したのですが・・・)

3に対応するのは、ゴム系接着剤です。
もちろん、完全に接着することは不可能ですが、普通に使用するなら強度は充分です。
ただ、ちゃんと密着するよう、台車枠の裏側は綺麗に平らにしておきます。

鉄コレ動力にGM台車(の枠だけ)が付きました

*動力に床下機器を貼る・・・これも苦労
ご存知のように、鉄コレ動力はウェイトが床下に出っ張っていて、
これが、GMキットで使用する際の大きな障害になっています。
ひとつは、ウェイト部の出っ張りの幅が広いため、GMの床下機器をそのまま付けられないこと。
機器の裏側(奥行き)を小さくする必要があるのです。
もうひとつは、鉄コレの床にそのまま貼ると、機器が下がりすぎること。
取り付ける前に、機器のベースを薄くしないといけません。

この7200系に用意された床下機器は、抵抗器などの機器が、
実に細い足で・・・ベースから浮いています。
レザーソウを使って、機器の奥行きを切り取ろうとしたら、足が何本も折れてしまいました。
なので、耐水ペーパーで裏側を削り取ることになりました。

また、ベース部分もヤスッて薄くしてみたのですが・・・
均一に薄くすることがうまくできず、やっぱり機器の足が折れてしまったのです。

そこで私は、発想を変えました。
機器をばらして、新たなベースに全て再配置しよう、と・・・

新たに用意したベースは、0.3mmプラ板です。
ここに改造前の機器を参考にして機器を並べていきます。
基本的に、元々の細い足は使いません。
プラ板を適宜選び、改造前のパーツに機器の高さを合わせます。
細い足の表現はなくなってしまいますが、どうせ後ろにはウェイトの「壁」があることだし、
これで充分でしょう。
機器が並んだら、鉄コレの床にゴム系接着剤で貼り付けました。

自分的には、まぁ完璧に近いのではないかと。。。
でも・・・正直言って、めんどくさかったです。
これだけ苦労してトレーラーの床下に合わせたところで、実車とは全く違うんですから!
そう、この床下機器も、他車からの流用パーツのようなのです。。。

GM動力を使えば、こんな苦労はないのですが・・・
鉄コレ動力の方が滑らかですからね。


床下機器を鉄コレ動力に再配置。めんどくさかった。。。

*先頭車の室内の話
その1でも少し触れましたが、室内の座席配置を変更しました。
・・・というか、キットのままだとドア位置と座席位置が合っていないんです!
東急の電車は運転席直後には座席はないのに、キットの室内にはあります。
おそらく京急あたりのパーツ流用だと思います。
このままだとドア位置に座席が来ることになってしまうので、
座席の一部をレザーソウで切り取り、正しい位置に再配置しました。
レザーソウで薄くなった部分にはプラ板を挟み、延長してあります。

室内はそれほど目立たないので、かなり粗い工作をしましたが、
そもそもこんな改造は、パーツが合っていれば不要なことです。
どうにかしてもらいたいものです。

再掲写真。座席位置を直しました。

*PⅢ台車の話
7200系のクハ7500は、当初、ディスクブレーキが内側になったPⅢ台車を履いていました。
軸受け部分と枕バネ周辺しかない、シンプルな台車です。
(クハ8000も登場時は同系の台車を履いていました)
この独特な外観を持つ台車を履かないと、7200系の初期は再現できません。
都合のよいことに、トレジャータウンからこの台車は発売されていますが・・・
2両ぶん入って4000円以上もする、ホワイトメタルの高価な品!
金属なので、エポキシ系接着剤で組み立てました。
転がりは思ったよりもよく、ディテールも満足できるものですが、
GMのプラ台車でも出してくれませんかねぇ。。。

また、台車の取り付け部分を後でいじることができるよう、
クハ7500の室内床、中心ピン付近は切り取ってあります。


PⅢ台車(右)を組んだ直後の写真。
動力車は鉄コレ付属台車で、屋根もまだ貼っていません。配管もやる前ですね。

*トレーラーの下回りは、やっと素組み
ここまで、キットのほとんどの箇所に手を入れてきましたが、
トレーラーとなるデハ7200とクハ7500の床板は、初めて無加工になりました。
このように素組みできると、気分がいいものです。
・・・っていうか、それが当然です。
どうにかしてくださいな、GMさん。。。

*カプラーはSHINKYO
東急は自連を使用しています。
前面は他車との連結を考えていないので、キットのままのダミーカプラーです。
しかし中間側は・・・アーノルトのままだと、やはり味気ないし格好悪い。
そこで今回は、SHINKYOカプラーを採用してみました。
SHINKYOは見た目がいいですからね。

但し、アーノルトカプラーのポケットに挿入しただけでは連結面間隔が広すぎるので、
写真のようにカプラーポケット内に1.0mm×1.0mmプラ角材を挿入します。
これで間隔を2mm詰めることができました。


中間側はSHINKYOカプラーを使用。
連結面を狭くするため、プラ角材(白い部分)を挿入しています。

これで下回り関係はほぼ終了。
製作記はこれから、塗装とアクセサリー類の話が・・・まだ、続きます。
(つづく)

3:塗装とアクセサリー装備・・・そしてやっと完成


*ボディの塗料を決める
言うまでもなく、この車輌の実車はステンレス無塗装で・・・
どの銀色塗料を使うかで、印象が大きく異なってきます。
最近では、一言で銀と言っても、実に様々な種類の塗料が売られており、
色艶、明るさ、きめの細かさなどが微妙に異なるのですから、
塗料の選択が仕上がりの成否や印象を左右すると言っても、差し支えないでしょう。

・・・とは言っても、めんどくさがりな上、資金難にあえぐ(?)私は、
そんなにたくさんの塗料を比べてみることはできません。
そこで・・・模型屋でたまたま目に付いた、以下の3種類の銀を入手し、
ジャンク車体に塗って、比較してみました。
もしあまり結果がよくなければ、また何種類か入手して試験する、そういう覚悟(?)でした。

①.クレオスのシャインシルバー
②.タミヤのシルバーメタル
③.タミヤのアルミシルバー

東急の7200、8000、8500は、艶のあるステンレスを採用しており、
しかも鏡面とは異なっていて・・・細かい模様が入ったような感じになっています。
なので周囲の景色を乱反射し、とても明るく見えるのが特徴です。
同じ東急ステンレスカーでも、鏡面仕上げに近いため、やや暗く見える5200系、6000系、
艶消し仕上げで渋い灰色に見える7000系とは異なるのです。
ちなみに営団3000系は、東急5200系や6000系に近い質感です。

結果は・・・他の色を比較するまでもなく、①の「シャインシルバー」を採用しました。
シャインシルバーは、粒子は粗いものの、その粗い粒子のおかげで乱反射が起き、
とても明るく(白っぽく)見えるのです。
これは、私が長年見てきた7200系のイメージに、まさにぴったり合ったのでした。

シルバーメタルは粒子は非常に細かいのですが・・・艶が少なく、暗い灰色っぽい感じ、
アルミシルバーは粒子が細かく、しかも明るい色合いなのですが・・・
文字通りアルミのような質感で、キラキラした雰囲気が出ません。

尚、GMカラーの銀や、スーパーステンレスも候補に挙がってはいたのですが・・・
GMストアの組立見本を見て、私の持っているイメージとは違ったので、やめました。
GMの銀は艶がないので灰色に近かっていたし、
スーバーステンレスは鏡面に近くツルツルし過ぎているので、
周囲を映しこんで、暗く見えてしまっていたのでした。

余談ながら・・・そういう観点では、鉄コレの7000系の塗装は、よく出来ていると思います。
艶消し仕上げである7000系の質感を、粒子がきめ細かい塗料で、
実にうまく再現していると思います。

*いよいよボディ塗装
実は私は、銀塗装は初めての経験です。
艶を抑えれば多少のホコリや傷を目立たなく出来るのに、ピカピカの塗装ではそうもいかず。。。
不安は募りましたが、やるっきゃないでしょう。

まず・・・全体にサーフェサーを吹きました。
クレオスのレジンプライマー・サーフェイサーを使ってみたところ・・・
これがタミヤのサーフェサーよりやや暗い色で、
東急の明るい屋根色にいいんじゃないか?・・・そう思えたのです。
そこで、これをそのまま屋根色にすることに決定。
屋根を重点に、しっかりと吹いておきました。

続いては、ボディの塗装です。
ここではまだ屋根をマスキングせず、シャインシルバーを吹きました。
一旦軽く吹いて様子を見てみると・・・

うひょー!これぞ東急ステンレスカーといった色艶だ!

粒子の粗さはよく見れば気になるものの、
この白っぽい、明るいシルバーの選択は、間違いなかったと確信しました。
東急7200系らしいステンレスの質感を、再現できたと思います。

ただ・・・やはりシルバーはホコリが目立ちますね。
乾燥した冬の寒い日に塗装したので、静電気でホコリを吸い寄せてしまったようです。
出来る限りホコリを除去した上で、さらに重ね塗りをしていきました。

*続いて屋根を塗装
続いては屋根を仕上げるため、ボディをマスキングします。
真鍮線を使った配管周りはごちゃごちゃして起伏もあるので、
ここはマスキングゾルも併用しました。

私はマスキング作業が嫌いで・・・しかも失敗も多いので、慎重にやったつもりです。
でも、マスキングゾルはあまり使い慣れておらず・・・
屋根にレジンプライマー・サーフェイサーを吹いて、
よっしゃ!とマスキングを剥がしてみたら・・・ちょっと線が乱れてしまいました。
また、目論見より、やや屋根色が明るすぎたきらいもあり、
まるで、下ろしたての新車のような雰囲気になりました。

*クーラー、ライトケースの塗装と取り付け
クーラーカバーとライトケースはFRPなので、明るい灰色を使いました。
今回はタミヤのライトグレー。
FRPは青っぽい方が感じが出ますが、この塗料はやや黄色っぽいです。
ただ、明るさは正解でしょう。
サフェを用いたら明るくなってしまった屋根とのコントラストも、適切でした。

ただし、一所懸命に溶きパテで窪みを埋めたクーラーは・・・
塗装してみるとかすかにスジが・・・
溶きパテという選択が失敗でしたかね?
まぁ、よーく見ないとわからない程度なんですけど。

塗装が済んだら、クーラーはゴム系接着剤で屋根に固定しました。
ライトケースには、トレジャータウンのヘッドライト枠とレンズを差込み、瞬間接着剤で固定してから、
これをゴム系接着剤で、前面に固定しました。。

*床下の塗装
続いては床下の塗装です。

トレジャータウンのホワイトメタル台車、GMの軟質プラ台車、GMのスチロール製床板と機器、
こういった素材の違うものを全て艶消し黒にします。
動力車に貼り付けた台車は、塗装のために一旦剥がしましたが・・・
苦労して動力に貼り付けた床下機器はさすがに剥がず気にはなれず・・・
結局、モーターや車輪などをマスキングテープで覆い隠した上で、塗装することにしました。

最初にメタルプライマーを吹いた後、タミヤのマットブラックを吹き、
さらにクレオスの艶消しクリアを吹きました。


艶消し黒で仕上げた台車。車高を下げているので、ボディとのクリアランスもいい感じです。

*パンタの塗装と屋根上の仕上げ
パンタに用いたのは、ボディ色の候補として買ってあった、タミヤのシルバーメタル。
メタルプライマーを吹いてから、パンタ全体を塗装しました。
鈍い光を放つ、灰色に近い感じが、パンタにピッタリな色だと思います。
また、キラキラしたボディとは明らかに質感が異なるのも、いい感じになりました。


パンタはシルバーメタルを使用。配管は、ほんとは屋根とは異なる灰色なんですが・・・

屋根上の仕上げはまず、クーラーのメッシュ部分に黒を入れます。
ハンブロールの艶消し黒を面相筆で塗り、乾燥後に綿棒ではみ出し部分を拭き取りました。
続いて、運転席上部に無線アンテナを装着しました。
キットよりも細密な、TOMIXの東急5000系用のものを用い、ゴム系接着剤で固定しました。

これで屋根上の作業は終了なので、
その後屋根全体にクレオスの艶消しクリアをたっぷりと吹き、落ち着かせておきました。

メッシュ部分に色入れしたクーラー。窪みを埋めた部分も、よく見ないとわかりません。

*車高を決め、車体と下回りを固定する
このキットでは、窓ガラスパーツの下端に突起があり、
それが床板をの位置決めをするという構造です。
しかしそのままでは車高が高めになってしまうので、1mmほど車高を下げました。
窓下の突起は切り取ってしまい、車体裏に床板ストッパーのリブを新設しました。
車体裾から線路上面の間は、約6mm強にしてあります。
また、床板が落ちないよう、固定用のリブも新設しています。
鉄コレ動力の入るデハ7400も、この高さに合うように車体裏にリブを設け、
また、固定用のリブも新設しました。

但し、GMの東急TS台車は、このままでは枕バネ上部が車体裾の凸部に干渉してしまいます。
そこで、枕バネ上部を削り取りました。
2枚ある枕バネの円盤のうち、ひとつぶんを削ると、ちょうどいいあんばいになりました。

窓下の凸部をなくし、代わりに車高を決め、床板を固定するリブを設けました
(左:動力車、右:トレーラー)

*ナンバーと社紋
まずは・・・窓ガラスの貼り付けです。
ゴム系接着剤を用いて、車体裏側に貼り付けました。
前面窓はHゴム支持なので、先にHゴムとして、ハンブロールの灰色を面相筆で塗っておきます。

次はナンバーと社紋を貼ります。
ナンバーはトレジャータウンのインレタで、7260Fとして仕上げるため、
7260、7452、7560を選びました。
しかしここでうっかり、そのまま貼ってしまいました・・・
この時代の東急のナンバーは、ステンレス板にエッチングをしたものを貼り付けています。
なので、ナンバーの周囲に縁取りをするべきでした。
しかし、やtってしまったものは仕方なく、このままにしています。
また社紋は、キット付属のインレタです。
大きさ、細密感とも、申し分のないインレタですね。
このインレタがもっと早く入手できていたら・・・ 3700系の工作 でも苦労しなかったのにねぇ。
さて・・・ナンバーと社紋が付いたら、その保護とボディの艶出しのため、
ボディにクレオスのスーパークリアを吹きました。
結構たっぷり吹いておいたので、シャインシルバーの粒子も、多少は目立たなくなったようです。


車番と社紋。車番は縁取りするのを忘れたので、切り抜き文字みたい。。。

*その他の作業もろもろ
さぁ・・・ここまでくれば、あともうひといきです。

行先はキットのシールから「蒲田」を選び、方向幕に貼り付けました。
運行番号表示器は、キットのシールをプラ板に貼ってから切り出し、
窓の裏から両面テープで貼り付けてあります。
幌枠もゴム系接着剤で取り付けましたが、ここは面倒になったので無塗装。
渡り板はクロスポイントのエッチングパーツで、これも無塗装です。
ほんとうは幌枠と同じ、明るい灰色なのですが・・・
このままでも違和感なかったので、そのままにしてしまいました。

ジャンパー栓とホースは、銀河モデルの鉄コレ用を使用。
実車とは数が異なりますが、これでも充分に雰囲気が出るので、このままとしました。
乗務員室扉下には、TAVASAの東急用ステップを取り付け、艶消し黒で塗装しました。

最後に、タミヤエナメルのクリアレッドをテールライトに入れ、表情を引き締めました。


デハ7200(左)とクハ7500(右)の前面。灰色Hゴム、赤帯なし、前面裾ステップなしです。
無線アンテナ、運行番号表示器、貫通路の渡り板、ジャンパー栓ホースにもご注目。

*完成!そして試運転!・・・そしたら・・・
以上で東急7200系は完成です!
2009年元旦から製作を開始した7200系3連は、
予想以上にハードな工作の連続となってしまい・・・
主に週末だけの作業だったとは言え、2月中旬までかかったのでした。
工作内容が大変だっただけに、完成後の満足感は、そりゃぁもう尋常ではありません。
いざ試運転を始めたら、それこそ何時間でも眺めてしまったのです。

ところが!・・・走行時に動力車から、「きゅるきゅる・・・」という音が聞こえてくるんですよ。
どうやらこれは、GMの台車を貼り付ける際に、集電パーツ先端を削りすぎたせいのようです。
集電パーツを削りすぎて車軸が露出した結果、
車軸と集電パーツが擦れ、このような音を発してしまったのでしょう。
苦労を重ねて作ってきただけに、残念な部分ではありました。。。

しかし!そんなことは気にならないほど、やっぱり満足度は高いです。
なにしろ、自分が子供の頃から見慣れていた東急の7200系、
しかも格好いいダイヤモンドカットの7200系を、
昭和50年代当時の仕様で完成し、手に入れることができたのですから!

それとともに、目蒲線の3連にしておいてよかったと・・・つくづく思いました。
だって、屋根を中心に、かなりの工作量だったんですから。
もし東横線の6両または8両にしていたら・・・最後まで仕上げられた自信はないのです。

(おわり)


我が7200系のデビューとなった、某レンタルレイアウトの運転会にて。






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