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永大製EF651000のグレードアップ!




*TMS 73年5月号の記事に再挑戦
今からもう35年も昔のこと・・・当時小学校6年生だった私は、
始めたばかりの鉄道模型に燃えていました。
まだNゲージは黎明期、製品も少なく、キットもなかった頃、
当時製品化されていた貨車と言えば・・・
トキ15000、ワキ10000、コキ10000、コキフ10000、ワム80000、レ12000、ヨ6000、
これが全てでした。
そんなとき、英国PECOの貨車下回りを用いて、
プラ板で国鉄の小型2軸貨車を作るというTMSの記事は、衝撃的でした。


TMS73年5月号「2軸貨車下回りキットを使って 国鉄貨車の編成を!」
ワ22000、ト1、ト20000、チ1の実物大パーツ図面が載っています

「小学生の自分にもできるのでは?」そう考え、
下回りキットを購入し、ワ22000を製作したのです。
しかし・・・初めてのプラ板工作、それはそれはヒドイ出来だったのは、言うまでもありません。
継ぎ目はまっずぐではなく、歪みだらけ、接着剤ははみ出し、塗装はボテボテ、
プラ板から切り出した細帯は幅も一定ではなく・・・
その上、補強もしっかりしなかったため、何年もしないうちに壊れてしまいました。

そして2006年、 キットいろいろ にも紹介したとおり、
この下回りキットを、とある模型店で発見!懐かしさもあって購入したのです。
ただ、その後1年以上も存在を忘れ、しまいこんでいたのですが、
このたびふと思い立って、あらためて当時と同じ方法の貨車作りに、挑戦してみたのでした。


73年にワ22000を作ったものの残骸。ボディは早々に壊れて廃棄しました。。。

*キットの内容
このキットは、キットとは言ってもきわめて簡素なものです。
貨車の床板、プラ製車輪、鉄製のウェイト、アーノルトカプラー、カプラーポケットの蓋、
そして英語の説明書・・・これだけなのです。
組み立てるというほどのものでもありません。
これなら初心者でも何の問題もないはずです。
もちろん、難しいのは上回りの自作で、若干のコツは必要でしょうが・・・
小学生当時の私になかったものです。

もちろん今回はKATOカプラーを用いて、最近の私の鉄道標準仕様にします。


キットのパッケージとその中身。35年前と同じ体裁というだけで感動します。

*プラによるボディの製作
今回は「リベンジ工作」ですから、迷わず・・・35年前と同じ、ワ22000を作ることにしました。
もちろん、下回りを流用しているため、完全なスケールモデルとはいきませんが、
長さはほぼスケールにあっていて、
「背が極端に低くて短い」という実車の雰囲気を、充分に再現してくれます。

材料はタミヤのプラ板・・・本当は0.5mm厚が適切なのですが、
たまたま手元の在庫を切らしていたので、0.3mm厚を使用しました。
なので工作はきわめてスイスイとはかどりましたが、
強度的な不安が大きいため、かなりの補強をすることになりました。
使用した接着剤は、基本的にタミヤセメントです。
瞬間接着剤は、最後の最後、ダメ押しの補強のためにしか使用していません。

ドアのX型リブ、ドアレールなどの細帯は、全てEvergreenのStripStyreneです。
昔はプラ板から切り出すのに苦労しましたが、今は素材が簡単に手に入るので、助かります。
X型リブは、0.4mm×0.5mmを曲げ、X型に仕上げてから、扉に接着しました。

屋根カーブは、昔失敗した箇所のひとつで・・・
充分な曲げ癖をつけずに接着しようとしたため、
プラの反力で屋根が浮き上がってしまったんです。
それをまた付けようとして接着剤を付けすぎて・・・という、嫌な思い出があります。
もちろん今回は、ぬかりありません。
デザインナイフの柄に巻きつけて、充分に曲げ癖をつけておいてから接着しました。

妻板の屋根カーブは・・・前回製作のときは、
授業で使っていたコンパスで単一曲線を描きましたが、実は今回は、全くの目分量です。
多少の乱れがあっても、接着するときに溶けるので、どうにかなります。
逆に言えば、きっちり仕上げても、溶けて乱れてしまう可能性があるのです。
だから、さほど違和感のない状態になっていれば、ほとんど問題はありません。

ところで、ボディ寸法ですが・・・記事の転載はさすがに気が引けるので、
パーツの寸法だけ記しておくことにします。

側板:高さ13mm×長さ36mm
妻板:車幅16mm×高さ16mm(但し両肩部分は14.5mm)
側扉:高さ11.5mm×高さ10mm
屋根:幅17.5mm×長さ38.5mm

この寸法どおりに作れば、PECOの下回りにぴったり収まります。


ボディ工作途中。リブの細帯をプラ板から切り出さなくて済むだけでも、ずいぶんと気が楽です。
屋根カーブもそこそこな感じにできました。

尚、ボディを箱型に組んでいく際、0.3mmのイモ付けでは接着面積が不足するので、
裏面に1.5mmのStripStyreneの角材を接着しておきます。
これは補強も兼ねています。
ボディが組み上がった後、屋根、妻板、側板などの裏側にも、
充分すぎるほど、同じ角材を接着しておきました。
そして最後・・・タミヤセメントが乾いたら、各部に瞬間接着剤を流し、ガチガチに固めました。
何しろ、反りやすいプラ板を使っている上、0.3mmという薄いものなので、
このくらいの補強は必要だと思います。

屋根には、記事どおり、耐水ペーパー(#400)を、ゴム系接着剤で貼りました。
しかしそのままにしておくと端の方から「ほつれて」くるので、
端に瞬間接着剤を浸み込ませてあります。


左写真:裏側の補強は念入りに。これだけやれば、0.3mm厚の不安もなくなります。
右写真:屋根には400番の耐水ぺーパー

*ちょっとだけ下回りを加工
まず・・・いかにも英国型らしい、床板と一体成型されたバッファを切り落とします。
そしてカプラーポケットにKATOカプラーを挿入しますが・・・
ポケットの形状の関係で、奥まで入りません。
このままではカプラーポケットの蓋が入らなくなるので、
蓋の差し込み部分を薄くし、ゴム系接着剤で固定しました。
ポケットにKATOカプラーがしっかりと入らないため、ややカプラー位置が高くなってしまいました。

車輪は、キット付属のプラ車輪は、国鉄型にしては径が大きい上、
転がりもあまりよくありません。
そこで、ジャンク箱にあった、KATOの余剰車輪に交換しました。
これで足回りが国鉄型っぽく落ち着き、転がりもよくなり、
径を小さくしたことで、カプラー位置も若干下げることができたのです。

また、組み上がったボディとの位置関係ですが、
床板の台枠が見えるよう、少しだけボディの中に納まるようにします。
私の作例では、ちょっとだけ下回りが収まらなかったので、
長さ方向に現物あわせで少し削ってあります。

KATOカプラー装着、KATOの車輪を使用。

*塗装は簡単
塗装は、タミヤのスプレー(艶消し黒)1色です。
キットの下回りは焦げ茶っぽい色なので、このままでは違和感があります。
なので、ボディと一緒に塗装して落ち着かせておきました。
貨車は塗装が単調で、塗装嫌いな私には、ほんと助かります・・・

スプレーの塗料が乾いたら、ハンブロールの艶消し黒を薄墨状にして流し、
全体を落ち着かせるとともに、塗り残し部分を補修します。
さらに・・・粘っこいタイプのウェザリング用パステルの黒を綿棒ですり込み、
汚れているのに鈍い光沢がある・・・といった感じに仕上げました。

TMSの記事には「屋根は塗装せずペーパーの地色を活かす」とありますが、
私は今回、しっかりと塗装しています。
耐水ペーパーが利いて、いろいろなものを傷つけてしまいそうですからね(笑)
そういえば昔製作したときは・・・適当な耐水ペーパーが手元になく、
単に艶消し黒を筆塗りしただけだったはず。
そのムラもひどかったような記憶があります。
尚、スケールに拘るのであれば、屋根にも細いリブがあるんですが・・・
あまりにも細いので、その表現は難しそうです。

形式表記は・・・とてもじゃないけどうまく書く自信がないので、
適切なインレタがあったら、それを利用するつもりです。
昔は、エナメル塗料の白を爪楊枝の先のようなもので、一所懸命書いたはず。
もちろん・・・かなり大きな表記になってしまいました(爆)


塗装が済んだらこんな感じに。好ましい感じの2軸有蓋車ができました。

裏面にはPECO ENGLANDの刻印が

*インレタを発見、そして完成
工作が終了して数日後・・・ある模型店で、レボリューションファクトリーのインレタを見つけました。
ワム80000用のもので、

 ハワム
28XXXX


というインレタが16両ぶん入っていたんです。
そこで、これを利用することにしました。
このままの状態で転写した後、爪楊枝の先で小さな「ハ」と「ム」、数字の「1の位」を剥がせば、

  ワ
28XXX


になる・・・という計算です。

結果はまさに目論見どおり!・・・うまくできました!
文字を剥がす際にちょっと塗装を傷めてしまったりもしましたが・・・
そこはボディが「腐食した」と考えることにします。
また、小さなボディなので形式番号が大きすぎるか?とか、28000番台が存在したか?とか、
そういう突っ込みは、例によって受け付けませんので、悪しからず(笑)

いいんじゃないですか?

*終わりに・・・
35年前は、苦労して工作しながらも、全く満足できるものとはならず、
おまけに構造も悪かったため、すぐに壊れてしまいました。
その頃に比べ、経験の差、工具や素材の差があるとは言え、
全く同じものを今回は・・・たった2,3時間の、お気楽な工作でできてしまったのです。

最近では、ほとんど全てと言ってよいくらいの車両が製品化されているので、
「発売されていない形式を自分で作る」という動機は持ちにくくなっているでしょう。
でも、こういった・・・ほんの些細な工作でも、簡単な車両なら作れるし、
スケールに拘らなくとも、雰囲気は充分に出せるのです。
「自分は買い集めるだけ」「自分は走らせるだけ」などと言っていないで、
簡単な車両工作をしてみませんか?
模型工作の楽しさ、奥深さを知ることができますよ。


KATOのレ12000と(ナンバー貼り付け前)。Zゲージの車両ではありません。実在した貨車なのです。






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