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ローカル私鉄紹介
琴平電鉄(高松琴平電気鉄道) 1998.2.23 PAGE 1
1.長尾線(瓦町〜長尾)
長尾線は琴電のターミナル瓦町より、長尾街道沿いに住宅、田園地帯を走り、長尾寺で有名な長尾に至る14.6kmの路線です。他の2線と比べて沿線に観光地はなく、地元に密着した地味な路線です。このページでは、1970年代後半の様子を紹介します。
私の田舎は琴電、長尾線のすぐ近くにあり、子供の頃たんぼの真ん中を走る小さな電車を見て、ぼろくてかっこ悪いと思っていましたが、雑誌などで琴電の電車は昔各地の私鉄等で活躍した車両が集まっている事を知り又周囲の風景とよく合っており、いつしか写真を撮影する様になりました。
特に子供の目でも印象に強かったのは旧30形です。
旧30形33水田駅にて
旧30形27 平木駅にて 1977年8月撮影
旧30形は元阪神電鉄の881形で戦前の阪神電車を代表する電車でした。細いツラに理髪店の様な2枚折りたたみ式の貫通扉が特徴で、このモダンなスタイルは特に印象的で、私が私鉄の車両に興味を持つきっかけになりました。長尾線は高松電気軌道(1912年開業)を起源とする路線で、この頃まで、使用電圧が他の2線と異なり600Vでしたが、1976年12月に1500Vに昇圧が行われ、これによって600V仕様であった旧30形は制御車の50形と共に全て廃車になりました。写真は昇圧後に平木駅の側線に置かれていた時のものです。
30形31 平木駅にて
又旧30形と対照的なモダンでないスタイルの電車も多くいました。
10形12 平木駅にて
写真は10形12です。この10形は元京浜急行木造車120形を車体剛体化したもので、全面の屋根のラインが日本建築の様な独特な形をしていました。この12は現在の30形の増備に伴い、1979年5月1日付けで廃車になりました。10形では11が最後まで残っていましたが、1983年度に廃車になりました。
90形93 長尾駅にて
この長尾駅にて出発を待つ電車は、90形の93です。この90形も元京浜急行木造車120形を車体剛体化したもので、90形が制御車、10形が電動車になっていました。90形(91〜94)も現30形の増備に伴い1980年度までに廃車されました。
写真は自社製の1000形100と60形の62です。1000形は高松琴平電鉄の前進である旧琴平電鉄の開業時からの車両で1926年(大正15年)汽車会社製、この100は現在も長尾線で、奇跡的に現役で活躍しています。リベットだらけの車体と、自社製の印である楕円のナンバープレートを付けた生え抜きの電車です。この頃の100はリベットも目立ち、塗装も煤汚れてオールドタイマーの風格たっぷりでした。又1000形は長尾線の昇圧に伴い3000形、90形と共に琴平、志度線よりやってきました。
又60形62も長尾線で現役で活躍していますが、この62は元京浜電鉄デ29形デ37で、東急サハ5100形5105をへて琴電に入線、1923年(大正12年)の天野工場製です。1953年(昭和28年)に自社にて車体を新造、写真の様に当時はやりの2枚窓になりましたが、1982年(昭和57年)に前面を貫通化改造され、姿が変わっています。
長尾線、平木付近には、白山という小さい富士山形の山があり琴電はこの山をかすめて長尾に向かいます。この山の頂上にはなぜか正月になると、大きな日の丸が立っていました。写真は750形の750と760です。750形は宇高連絡線の本州側の港、宇野にあった玉野市営鉄道からやってきた電車で、元はモハ102、103でした。玉野市営鉄道は赤字削減のため、1964年(昭和39年)電車運転を止めて気動車運転を始めましたが、この時に電車3両を琴電に譲渡し、これが750形です。もう1両の770は1978年11月3日にダンプカーと衝突して大破、そのまま廃車になりました。750形は1951年(昭和26年)の日立製作所製です。電車を譲渡した玉野市営鉄道は経営努力にもかかわらず、1972年3月末で廃止になりました。
白山駅に到着する、3000形345
白山の麓には、白山神社があり、その参道を横切る様に琴電は走っています。何とも日本的な田舎の風景です。写真の電車は3000形の345です。3000形も1000形と同じく琴電、開業時からの自社製で、1926年(大正15年)日本車輌製です。この345は現在は志度線にて現役で活躍しています。
このページの写真は1977年8月に撮影したものです。琴電の車両は形式、と番号が一致しておらず、その上履歴も複雑であり、内容に誤りがあるかもしれませんが、お気づきの点等ありましたら、連絡していただければ、幸いです。又志度線、琴平線についても作成中です。
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