このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

       ローカル私鉄紹介

    琴平電鉄(高松琴平電気鉄道)   1998.3.8 

 志度線(瓦町〜琴電志度)

 志度線は琴電のターミナル瓦町より他の2線と異なり海沿いを走り、古くからの港町、志度にいたる12.6kmの路線で、開業は琴電の中では最も古く、1911年(明治44年)に東讃電気鉄道として今橋〜志度間が開通したのが始まりです。路線は元塩田地帯、屋島、五剣山をかすめ海岸地帯を走り変化に富んでいます。このページでは1980年頃の様子を紹介します。

   20形22 瓦町にて

 この頃の志度線の列車は1部を除き高松築港始発で、瓦町に到着した電車はスイッチバックをして、半径85mの急カーブで右に大きく曲がり、志度線に入っていました。現在、志度線は他の2線と軌道が瓦町で分断され、独立した路線になっています。電車は長尾線と同様に小型の旧性能ばかりです。

 写真の電車は20形22です。20形は元大阪電気軌道のデロ20形で、社名変更後、近鉄モ5621〜5624になり、その後琴電に入線、1925年(大正14年)の川崎造船所製です。この頃22、24には窓上に優雅な飾窓の跡が残っていました。20形は現在も琴電最古参の車両として志度線で活躍しています。

  瓦町にて

 写真は6000形610、3000形315、750形760です。中央はダブルルーフ電車として全国的にも有名で人気のあった610です。610は木造国電の生き残りで、元クハ15形クハ15007です。1921年(大正10年)製、営業車として唯一の原型の面影を残していましたが、天井が低いため琴電最後の扇風機未取付車となり、1982年(昭和57年)の夏を前に引退、そのまま廃車となりました。

             73形73  1980.9撮影

 写真は73形73です。元東濃鉄道駄知線のモハ103です。東濃鉄道駄知線(土岐市〜東駄知)は1972年(昭和47年)の水害により不通となり、そのまま1974年(昭和49年)に廃止になり5両の電車を琴電に売却しました。73は現存している80形81(元東濃鉄道クハ201)と同じ非貫通3窓で73は電動車でした。この73は既に廃車されています。

  920形920 中央

 写真はモノクロで解りにくいのですが、中央の車両は920形920です。920は元山陽電鉄のクハ107でした。この920も1983年度に廃止されています。 

   30形32+31 志度線にて

 写真は30形32です。30形は元京浜電鉄の230形で、この32は31と共に第一陣として1977年(昭和52年)に琴電にやってきました。当初は東濃鉄道から購入した70形の追番で75、76を名乗っていました。その後増備に対応するため廃車となった旧30形に替わり30形に改番されました。32は元京浜急行デハ258で、1932年(昭和7年)の汽車製造会社製、琴電では制御車となりましたが、しばらくパンタグラフが残っていました。

 30形は総数で14両が譲渡され、志度、長尾線で最大勢力となっています。京浜タイプと呼ばれる独特のスタイルで、屋根が浅く、窓が大きいのが第一の特徴です。台車、電動機は旧30形のものを流用、これは30形の台数が旧30形、50形の台数(16両)にほぼ等しい事と関係しているのではと思われます。

           屋島をバックに走る30形33

 沖松島を過ぎると、詰田川、春日川、新川が瀬戸内海に注ぎ込む河口地帯で、この周辺は昔塩田地帯でしたが、今はゴルフ場等になっています。ここからは屋島を左手に見ながら進みます。屋島の斜面には屋島登山鉄道のケーブルカーも見えます。写真の33は元京浜急行のデハ265です。

   塩屋付近を走る335 

 屋島、八栗寺のある五剣山の麓を通り過ぎ、塩屋付近から再び海沿いを走ります。 写真は3000形335です。この335は現在も志度線で活躍しています。 志度線の八栗〜志度間は、国鉄高徳本線との平行路線であったため戦時中の1945年(昭和20年)に不急路線として撤去を命ぜられ、施設は軍需物資として供出されてしまいましたが、戦後の1949年(昭和24年)には運転を再開しています。又志度線は長尾線より早く1966年(昭和44年)に600Vより1500Vに昇圧されました。

 五剣山を望む 30形34 1980.9撮影

 この34は元京浜急行デハ270で、パンタグラフは既に撤去されていました。34は長尾線にて活躍しています。

 志度線を走る電車は30形入線後、約20年、大きな変化がなく、他社、他線の変化に比べると、時間が止まっている様に感じます。これが続く訳もなく新型車の登場が待ち望まれています。

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