芸予の海
広島(宇品)港
広島港宇品旅客ターミナル。広島港湾の中でも旅客中心の港で、 四国や各島々への航路がここを拠点に延びている。 新しいビルには各種売店に旅行代理店などの店舗や海に面した待合いスペースも広く取られている。
今回は石崎汽船の高速船スーパージェットに乗るべく、窓口で予約番号を言って切符を発券して貰う。 念のためにネットで予約しておいたのだ。で、気になる運賃は広島−松山間で片道6300円也。 フェリーだと運賃は半値以下なのだが、乗船時間が二倍であり船酔いの可能性があるので。。。
因みに三度目の四国だが、何れも行きは船便である。 初めは臼杵−八幡浜、二度目は宇野−高松。で今回である。 紀行作家の故宮脇俊三氏が「初めて北海道に渡る際には船で・・・」と書いておられたが、 四国だってさにあらずである。
スーパージェット
出航10分前に乗船受付が始まったので桟橋に向かう。 今回の船は祥光号という。 客室乗務員のお姉さんに番号札を渡して乗船。船内は2-4-4-2の座席配列で 椅子自体は新幹線ぽい感じであり、売店も備えられている。
一応トイレの位置も確認する。なにせ昼行バスと船には滅法弱い体質ですので、 いつ何時何事かあらんや。着席後08:30に静かに出航する。
ぐるっと180度回転し向きを変える。 手前の桟橋にとまっていた呉廻りの後発便や、真後ろに停泊しているフェリーを 横目にしたかと思うと、ゴゴゴっという間に加速してゆく。
なんか不思議な加速なのだが、速い。あっという間に港を抜けて進んでゆく。 何隻かとすれ違い、呉付近では自衛隊の船も航行していた。 後発の呉寄港便か左座席なら、軍港呉の湾岸が一望でき、さらに面白い物も見られただろうが。
景観がよいポイントでは減速して風景をゆっくり見て貰おうと工夫する観光列車があるけど、 ここ音戸の瀬戸では安全航行のために減速して進入する。 ゆっくりゆっくりと螺旋状の音戸大橋を潜って段丘に建つ音戸高等学校も眺められる。
減速区間を抜けると再加速。遮る物がないのでぐんぐん速度を上げて 内海から外海に繰り出す気分だ。
今まで乗ったフェリーと違って、着座位置が低いので光さす海面が近くて良い。 それに揺れもほとんど無いため、電車に乗っているような感覚だ。 速く流れ行く島々を眺めるのも楽しい物で、あれよあれよという間に9:38に松山観光港へ着岸した。 高いけど早い高速船も終了。
松山観光港
運転士はじめ乗務員の方々の御礼挨拶をうけながら桟橋を進み松山観光港のビルへ。 ベージュ基調の建物の吹き抜け天井は、あたかも帆船をイメージしているのかの様な形状だ。
ホールの螺旋階段を上がり、二階の外デッキから乗ってきた船を眺める。 その二階部では結婚式でもやるのだろうか、飾り付け作業に勤しむスタッフの姿があった。
市内や道後温泉へと直接向かうリムジンバスや 高浜駅までのシャトルバスのアナウンスが館内に流れるが、ここからの移動は己の足である。 事前に調べてた高浜駅までの距離は数百メートルだったので、 これなら海岸線をてくてく歩くのも面白いだろうと思って。
立派なターミナルを後にして西に向かって歩き出す。
